JPH0319296B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0319296B2
JPH0319296B2 JP57166663A JP16666382A JPH0319296B2 JP H0319296 B2 JPH0319296 B2 JP H0319296B2 JP 57166663 A JP57166663 A JP 57166663A JP 16666382 A JP16666382 A JP 16666382A JP H0319296 B2 JPH0319296 B2 JP H0319296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
rare earth
magnets
present
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP57166663A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5964733A (ja
Inventor
Masato Sagawa
Setsuo Fujimura
Yutaka Matsura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP57166663A priority Critical patent/JPS5964733A/ja
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to US06/516,841 priority patent/US4792368A/en
Priority to DE8383107351T priority patent/DE3379084D1/de
Priority to EP83107351A priority patent/EP0106948B1/en
Priority to CA000433188A priority patent/CA1315571C/en
Publication of JPS5964733A publication Critical patent/JPS5964733A/ja
Priority to SG48390A priority patent/SG48390G/en
Priority to HK68490A priority patent/HK68490A/xx
Publication of JPH0319296B2 publication Critical patent/JPH0319296B2/ja
Priority to US08/194,647 priority patent/US5466308A/en
Priority to US08/485,183 priority patent/US5645651A/en
Priority to US08/848,283 priority patent/US5766372A/en
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、一般家庭の各種電気製品から、大型
コンピユータの周辺端末機まで、幅広い分野で使
われるきわめて重要な電気・電子材料の一つであ
る永久磁石の改良に係り、特にCo添加Fe−B−
R系永久磁石に関する。 近年の電気、電子機器の小型化、高効率化の要
求にともない、永久磁石はますます高性能化が求
められるようになつた。 現在の代表的な永久磁石はアルニコ、ハードフ
エライト及び希土類コバルト磁石である。最近の
コバルトの原料事情の不安定化にともない、コバ
ルトを20〜30重量%含むアルニコ磁石の需要は減
り、鉄の酸化物を主成分とする安価なハードフエ
ライトが磁石材料の主流を占めるようになつた。
一方、希土類コバルト磁石はコバルトを50〜65重
量%も含むうえ、希土類鉱石中にあまり含まれて
いないSmを使用するため大変高価であるが、他
の磁石に比べて、磁気特性が格段に高いため、主
として小型で、付加価値の高い磁気回路に多く使
われるようになつた。 希土類コバルト磁石はRCo5,R2Co17(Rは
Sm,Ceを中心とする希土類元素)にて示される
2元系化合物をベースとする永久磁石であり、
Coの一部を少量のCu,Feの他Zr,Ti,V,Hf
等の遷移金属元素にて置換することによつて磁気
特性の向上が図られてきたものである。 他方近時、コバルトを含まない磁性材料として
FeとR(以下本発明においてRは希土類元素を示
す符号として用いる)を主成分とするスパツタ薄
膜又は超急冷リボンの磁性材料が提案されてい
る。例えば、クラークによるスパツタした薄膜ア
モルフアスTbFe2,DyFe2,SmFe2合金の磁気特
性が報告されているA.B.Clark:Appl.PhYs.
Lett.vol.23No.11 1December1973 642〜644頁)。
また超急冷リボンの磁性材料としてクロートによ
るPrFe系合金(J.J.Croat:Appl.Phys.Lett.37
(12),15December19801096〜1098頁)があり、さ
らにクーン等による(Fe0.82B0.180.9Tb0.05La0.05
合金(N.C.Koon他:Appl.Phys.Lett.39(10),
15November1981,840〜842頁)、カバコフ等に
よる(Fe0.8B0.21-xPrx(x=0〜0.3原子比)合金
(L.Kabakoff他:J.Appl.Phys.53(3),
March1982,2255〜2257頁)等が報告されてい
る。さらに前記クロートは軽希土類鉄合金は低コ
スト永久磁石の魅力的な候補として長い間考えら
れてきたが、これら合金を粉末冶金法によつて磁
気的に硬化する試みは成功しなかつたことを報告
するとともに、Pr−Fe及びNd−Fe合金が溶融紡
糸(超急冷)によつて磁気的に硬化され得ること
を見い出したと報告している(J.J.Croat:J.
Appl.Phys.53(4),April1982,3161頁)。 希土類を用いた磁石がもつと広い分野で安価
に、かつ多量に使われるようになるためには、高
価なコバルトを含まず、かつ希土類金属として、
鉱石中に多量に含まれている軽希土類を主成分と
することが必要とされよう。 一方既述のようにR−FeないしR−Fe−B合
金を磁性材料として有用化するためには、スパツ
タ薄膜化又は超急冷ないしアモルフアス化が不可
欠であるとされている。 しかし、これらのスパツタ薄膜又は超急冷リボ
ンからは任意の形状・寸法を有するバルク状の実
用永久磁石を得ることができなかつた。これまで
に報告されたFe−B−R系リボンの磁化曲線は
角形性が悪く、従来慣用の磁石に対抗できる実用
永久磁石とはみなされえない。また、上記スパツ
タ薄膜及び超急冷リボンは、いずれも本質上等方
性であり、これらから磁気異方性の実用永久磁石
を得ることは、事実上不可能であつた。 本発明は、このような要請に応えるべき新規な
実用高性能永久磁石を提供することを基本目的と
する。特に、本発明は、室温以上で良好な磁気特
性を有し、任意の形状・実用寸法に成形でき、磁
化曲線の角形性が高く、さらに磁気異方性を有す
る実用永久磁石であつて、しかもRとして資源的
に豊富な軽希土類元素を有効に使用できるもの得
ることを目的とする。 このような永久磁石として、本発明者は、先
に、Nd,Prを中心とする特定の希土類元素とFe
とBとを特定比をもつて必須とし、かつ磁気異方
性焼結体である。全く新しい種類の実用高性能永
久磁石を開発し、本願と同一出願人により出願し
た(特願昭57−145072)。このFe−B−R3元系磁
石は、従来知られているRCo5やR2Co17化合物と
は異なる新しい化合物を基礎とし、粉末冶金法に
て適当なミクロ組織を形成することによつて得ら
れる磁気異方性焼結永久磁石であり、特にボロン
(B)は、従来の、例えば非晶質合金作成時の非晶質
促進元素又は粉末冶金法における焼結促進元素と
して添加されるものではなく、このFe−B−R
系永久磁石の実体的内容を構成する磁気的に安定
で高い磁気異方性定数を有するR−Fe−B化合
物の必須構成元素であることを明らかにした。 上述のFe−B−R系磁気異方性焼結永久磁石
は必ずしもCoを含む必要がなく、またRとして
は好適な実施態様として資源的に豊富なNd,Pr
を主体とする軽希土類を用いることができ、必ず
しもSmを必要とせず或いはSmを主体とする必要
もないので原料が安価であり、きわめて有用であ
る。しかも、磁気特性はハードフエライト磁石以
上の特性を有し(保磁力iHc≧1kOe,残留磁束
密度Br≧4kG、最大エネルギー積(BH)max≧
4MGOe)特に好ましい組成範囲においては希土
類コバルト磁石と同等以上の極めて高いエネルギ
ー積を示すことができる。 以上の通りこのFe−B−R系永久磁石は磁気
異方性に基づく高磁気特性、任意成形性、資源的
により豊富な材料を用いることができる等の点で
高いコストパフオーマンスを有し、R−Co系磁
石にも代わり得る工業上極めて有用なものである
が、一方、このFe−B−R系永久磁石のキユリ
ー点(温度)は、特願昭57−145072に開示の通り
一般に300℃前後、最高370℃である。このキユリ
ー点は、従来のアルニコ系ないしR−Co系の永
久磁石の約800℃のキユリー点と比べてかなり低
いものである。従つて、Fe−B−R系永久磁石
は、従来のアルニコ系やR−Co系磁石に比して
磁気特性の温度依存性が大であり、高温において
は磁気特性の低下が生ずる。本発明者の研究の結
果によれば、Fe−B−R系焼結磁石は約100℃以
上の温度で使用するとその温度特性が劣化するた
め、約70℃以下の通常の温度範囲で使用すること
が適当であることが判明した。 この様に永久磁石にとつて磁気特性の温度依存
性が大きい、即ちキユリー点が低いことはその使
用範囲が狭められることとなり、Fe−B−R系
永久磁石を広範囲の用途に使用するためにはキユ
リー点を上昇せしめ、温度特性を改善することが
必要であつた。 本発明は、前記基本目的と共にさらにかかる
Fe−B−R系磁気異方性焼結体永久磁石におい
て、その温度特性を改良することを併せて目的と
する。 本発明者は、各種の実験及び検討の結果、Fe
−B−R系永久磁石においてFeのCoによる置換
により前記基本目的を達成すると共に、それが
Fe−B−R系永久磁石の温度特性の改善、即ち
キユリー点の上昇及び残留磁束密度Brの温度係
数(温度依存変化率)の減少に有効であることを
見出した。即ち、本発明の永久磁石は次の通りで
ある。 本願の第1発明:原子百分比で、希土類元素
(R)としてNd,Pr,Dy,Ho,Tbのうち少な
くとも一種8〜30%、B2〜28%及び残部実質的
にFeからなるFe−B−R系磁気異方性焼結体永
久磁石において、前記Feの一部を全組成に対し
て50%以下(0%を除く)のCoで置換したこと
を特徴とする永久磁石。 本願の第2発明:原子百分比で、希土類元素
(R)としてNd,Pr,Dy,Ho,Tbのうち少な
くとも一種とLa,Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Er,
Tm,Yb,Lu,Yのうち少なくとも一種の合計
8〜30%、B2〜28%及び残部実質的にFeからな
るFe−B−R系磁気異方性焼結体永久磁石にお
いて、前記Feの一部を全組成に対して50%以下
(0%を除く)のCoで置換したことを特徴とする
永久磁石。 一般に、Fe合金へのCoの添加の際、Co添加量
の増大に従いキユリー点(Tc)が上昇するもの
と下降するものと両方が認められている。そのた
め、FeをCoで置換することは、一般的には複雑
な結果を生来し、その結果の予測は困難である。
例えば、RFe3化合物のFeをCoで置換して行く
と、Co量の増大に伴いTcはまず上昇するが、Fe
を1/2置換したR(Fe0.5Co0.53付近で極大に達し、
その後低下してしまう。またFe2B合金の場合に
は、FeのCoによる置換によりTcは単調に低下す
る。 Fe−B−R系におけるFeのCoによる置換にお
いては、第1図に示す通り、Co置換量の増大に
伴いTcは当初急速に増大し、以後徐々に増大す
ることが明らかとなつた。このFe−B−R系合
金においては、Rの種類によらず同様な傾向が確
認される。Coの置換量はわずか(例えば0.1〜1
原子%)でもTc増大に有効であり、第1図とし
て例示する系(77−x)Fe−xCo−8B−15Ndに
おいて明らかな通り、xの調整により400〜800℃
の任意のTcをもつ合金が得られる。かくて本発
明は、高い磁気異方性を有する新規なFe−B−
R化合物をベースとしたFe−B−R系磁気異方
性焼結体永久磁石のFeの一部をCoで置換するこ
とにより合金組成中にCoを50%以下含有せしめ、
(Fe,Co)−B−R化合物をベースとしたFe−Co
−B−R系磁気異方性焼結体永久磁石を提供する
ものである。 本発明によれば、Coを含有することによりFe
−B−R系永久磁石の温度特性を実質的に従来の
アルニコ磁石、R−Co系磁石と同等程度に改善
する上、さらにその他の利点を保持する。 即ち、特に希土類元素Rとして資源的に豊富な
NdやPrなどの軽希土類を用いた場合、従来のR
−Co系磁石と比較すると、資源的、価格的いず
れの点においても有利であり、磁気特性の上から
もさらに優れたものが得られる。 また、本発明のCo添加Fe−B−R系永久磁石
はCoを含有しないFe−B−R系永久磁石と比較
してBrはほぼ同程度、iHcは同等或いは少し低い
がCo添加により角形性が改善されるため、かな
りの範囲で(BH)maxは同等か或いはそれ以上
とすることが可能である。さらに、CoはFeに比
べて耐食性を有するので、Fe−B−R系永久磁
石と比較してCoを添加することにより耐食性を
付与することも可能となる。 かくて、本発明は工業上極めて有用な新規な実
用高性能永久磁石を提供できる。 本発明において必須元素のうちB,Rの含有量
は基本的にFe−B−R系永久磁石(Coを含まな
い系)の場合と同様である。即ち(以下%は合金
中、原子百分率を示す)、保磁力Hc≧1kOeを満
たすためにBは2%以上とし、ハードフエライト
の残留磁束密度Br約4kG以上とするためにBは
28%以下とする。Rは、保磁力1kOe以上とする
ために8%以上必要であり、また燃え易く工業的
取扱、製造上の困難のため(かつまた高価である
ため)、30%以下とする。 本発明の永久磁石に用いる希土類元素RはYを
包含し、軽希土類及び重希土類を包含する希土類
元素であり、そのうち所定の一種以上を用いる。
即ちこのRとしては、Nd,Pr,La,Ce,Tb,
Dy,Ho,Er,Eu,Sm,Gd,Pm,Tm,Yb,
Lu及びYが包含される。Rとしては、Nd,Prを
主体とする軽希土類(特にNd,Pr)が好まし
い。通例Rのうち所定のもの一種をもつて足りる
(Nd,Pr,Dy,Ho,Tb等)が、La,Ce,Pm,
Sm,Eu,Gd,Er,Tm,Yb,Lu,Y等は他の
R、特にNd,Pr,Dy,Ho,Tb(一種以上)と
の混合物として用いることができる。実用上は二
種以上の混合物(ミツシユメタル、ジジム等)を
入手上の便宜等の理由により用いることができ
る。Sm,La,Er,Tm,Ce,Gd,Yは単独で
はiHcが低いため好ましくなく、Eu,Pm,Yb,
Luは微量にしか存在せず高価である。従つてこ
れらの希土類元素は、前述の通り、Nd,Pr等の
他のRとの混合物として用いることができる。な
お、このRは純希土類元素でなくともよく、工業
上入手可能な範囲で製造上不可避な不純物(他の
希土類元素、Ca,Mg,Fe,Ti,C,O等)を
含有するもので差支えない。 B(ホウ素)としては、純ボロン又はフエロボ
ロンを用いることができ、不純物としてAl,Si,
C等を含むものも用いることができる。 残部は実質的にFeとCoからなり、本発明の特
徴とするCoの置換量は、後述する磁気特性等の
要求に応じて適宜選択することが望ましい。 本発明永久磁石はFe,Co,B,Rの外、C,
S,P,Ca,Mg,O,Si,Al等工業的に製造上
不可避な不純物の存在を許容できる。これらの不
純物は、原料或いは製造工程から混入することが
多く、合計は5%以下とすることが好ましい。
又、Al,Ti,V,Cr,Mn,Zn,Zr,Nb,Mo,
Ta,W,Sn,Bi,Sbの一種以上を添加すること
により高保磁力化が可能となり、又Ni添加によ
り、耐食性改善も可能となる。 本発明のFe−Co−B−R系永久磁石は、既述
のR、即ちNd,Pr,Dy,Ho,Tbのうち少なく
とも一種、又はこれらNd,Pr,Dy,Ho,Tbの
うち少なくとも一種とLa,Ce,Pm,Sm,Eu,
Gd,Er,Tm,Yb,Lu,Yのうち少なくとも一
種の合計8〜30%、2〜28%B,Co50%以下、
残部Feにおいて保磁力iHc≧1kOe、残留磁束密
度Br≧4kGの磁気特性を示し、最大エネルギー
積(BH)maxはハードフエライト(〜4MGOe
程度)と同等以上となる。 さらに、RとしてNd,PrをRの主成分(即ち
全R中Nd,Prの1種以上が50%以上)とし、12
〜20%R、4〜24%B、45%以下Co、残部Feの
組成は、最大エネルギー積(BH)max≧
10MGOeを示し、特にCoが35%以下では最大エ
ネルギー積(BH)maxは20MGOe以上となり、
最高33MGOe以上に達する。又Coは5%未満で
もTc増大に寄与し、特に5%以上ではBrの温度
係数約0.1%/℃以下を示し、25%以下で他の磁
気特性を実質的に損うことなくTc増大に寄与す
る。 本発明のFe−Co−B−R系永久磁石も、先に
出願したFe−B−R系永久磁石と同様な磁気異
方性焼結体として得られる。典型的には、合金を
溶成、冷却(例えば鋳造)し、生成合金を粉末化
した後、磁界中にて成形し焼結することにより本
発明の永久磁石を得ることができる。 <実施例> 以下本発明を実施例に従つて説明する。但し、
この実施例は本発明をこれらに限定するものでは
ない。 第1図に代表例として77Fe−8B−15NdのFe
の一部をCo(x)で置換した系、(77−x)Fe−
xCo−8B−15Ndのxを0〜77に変化させた場合
のキユリー点Tcの変化を示す。この試料は次の
工程により作製した。 (1) 合金を高周波溶解し水冷銅鋳型に鋳造、出発
原料はFeとして純度99.9%の電解鉄、Bとして
フエロボロン合金(19.38%B、5,32%Al、
0.74%Si、0.03%C、残部Fe)、Rとして純度
99.7%以上(不純物は主として他の希土類元
素)を使用、Coは純度99.9%の電解Coを使用
した。なお純度は重量%で示す; (2) 粉砕、スタンプミルにより35メツシユスルー
まで粗粉砕し、次いでボールミルにより3時間
微粉砕(3〜10μm); (3) 磁界(10kOe)中配向、成形(1.5t/cm2にて
加圧); (4) 焼結1000〜1200℃1時間Ar中、焼結後放冷。 焼結体から約0.1gのブロツク(多結晶)を切
出し、VSMにより次のようにしてキユリー点を
測定した。即ち、試料には10kOeの磁界を印加
し、25℃〜600℃までの温度範囲で4πIの温度変化
を測定し、4πIがほぼ0になる温度をキユリー点
Tcとした。 上記の系でFeに対するCo置換量の増大に伴い
Tcは急速に増大し、Coが30%以上ではTcは600
℃以上に達する。 一般に永久磁石材料において、Tcの増大は磁
気特性の温度変化の減少のための最も重要な要因
とされている。この点の確認のため、Tc測定用
試料と同じ工程により第1表の永久磁石試料を作
製して、Brの温度特性を次のように測定した。
即ち25℃、60℃、100℃の各温度でBHトレーサ
により磁化曲線を測定し、25〜60℃と60〜100℃
におけるBrの温度変化を平均した。各種Fe−B
−R系及びFe−Ce−B−R系磁石のBr温度係数
の測定結果を第1表に示す。 第1表から、Fe−B−R系磁石にCoを含有す
ることにより、Brの温度変化が改善されること
は明らかである。 第1表には各試料の室温における磁気特性も併
記した。大部分の組成で、保磁力iHcはCo置換に
より低下するが、減磁曲線の角形性の向上によ
り、(BH)maxは上昇する。しかし、Co置換量
が多くなるとiHcの低下が著しく、永久磁石材料
としてiHc≧1KOeを得るために、Co量は50%以
下とする。 Bの下限、上限、Rの下限について既述の限定
理由が第1表から(さらに第3,4図から)確か
められる。
【表】
【表】 第1表には、RとしてNd,Pr等の主として軽
希土類を用いたものを多数掲げてあるが、夫々高
い磁気特性を示し、FeのCoによる置換によつて
さらに温度特性が改善されている。Rとしては、
2種以上の希土類元素の混合物も有用であること
が判る。 更に得られた焼結体(第1表No.C2、No.8、No.
24)を80℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に200時
間置き、酸化による重量変化を測定した処、本発
明に係る試料(No.8、No.24)はCoを含まない試
料(No.C2)に比べて重量増加の割合が著しく低
く、又Coの添加量に応じてその効果が顕著に認
められた。 次にFeの一部をCoで置換したFe−Co−B−R
系焼結磁石の代表例として57Fe−20Co−8B−
15Ndの室温における磁化曲線を第2図に示す。
初磁化曲線1は低磁界で急峻に立上がり、飽和に
達する。減磁曲線は極めて角形性が高く、本発明
磁石は典型的な高性能異方性磁石であることを示
している。初磁化曲線1の形から推察すると、本
発明磁石はその保磁力が反転磁区の核発生によつ
て決定される、いわゆるニユークリエーシヨン型
永久磁石である。なお、第1表に示す、他の試料
(比較例を除く)はいずれも、第2図と同様な磁
化曲線を示した。 前述の工程と同様にして製造した試料により、
(82−x)Fe−10Co−8B−xNdの系においてx
を0〜40に変化させてNd量とBr,iHCとの関係
を調べた。その結果を第3図に示す。さらに、
(75−x)Fe−10Co−xB−15Ndの系においてx
を0〜35に変化させてB量とBr,iHcとの関係を
調べ、その結果を第4図に示す。第3図、第4図
からも本発明のR,Bの数値限定の理由が明らか
である。 さらに、同様の工程により、Fe−Co−B−R
四成分系において、一例として(95−x−y)
Fe−5Co−yB−xNdの系についてFe,B,Nd三
成分を変化させて磁気特性を調べ、その結果を
(BH)maxについて第5図に示す。 本発明のFe−Co−B−R系永久磁石は、Rと
して軽希土類、特にNd,Prを中心とする軽希土
類、重希土類の混合物、例えばミツシユメタンや
ジジムのように安価なR原料を用いて高い磁気特
性が得られ、かつCoの含有量も重量百分率で45
%以下(原子%で50%以下)で十分であり、
SmCo系磁石がSmを必須とし50〜65重量%のCo
を含有するのと比較すれば、Smを必須とせずか
つCoを節約可能であり、温度特性はFe−B−R
系磁石に比べて顕著に改善できた。 以上詳述の通り、本発明は、新規なFe−Co−
B−R系磁気異方性焼結体から成る実用永久磁石
を提供し、従来レベル以上の磁気特性をRとして
必ずしもSmを用いることなくまたCoを多量に用
いることなく実現したものである。本発明は、そ
の実施の態様においてさらに従来磁石よりも優れ
た高保磁力、高エネルギ積を備えると共に実質的
に従来のアルニコ、R−Co系磁石に匹敵する温
度特性を備えた実用高性能永久磁石を提供し、好
適な態様として従来にない最高のエネルギ積をも
実現したものである。加えて、RとしてNd,Pr
等の軽希土類を希土類の中心として用いることが
できることにより、資源、価格、磁気特性いずれ
の点においても優れた永久磁石であり、工業利用
性の極めて高いものである。またFe−B−R系
磁石と対比してみると、Coの含有により実用上
充分高いキユリー点を備え、応用範囲を拡げ実用
的価値を高めている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、(77−x)Fe−xCo−8B−15Nd系
において、Co量(横軸原子%)とキユリー点と
の関係を示すグラフ、第2図は、57Fe−20Co−
8B−15Ndの磁石の室温における磁化曲線(初磁
化曲線1、減磁曲線2、縦軸は磁化4πI(kG)、横
軸は磁界H(kOe))、第3図は、(82−x)Fe−
10Co−8B−xNd系において、Nd量(横軸原子
%)とiHc,Brとの関係を示すグラフ、第4図
は、(75−x)Fe−10Co−xB−15Nd系におい
て、B量(横軸原子%)とiHc,Brとの関係を示
すグラフ、及び第5図は、Fe−5Co−B−Nd系
において、(95−x−y)Fe−yB−xR三成分の
組成と(BH)maxとの関係を示す三成分系ダイ
ヤフラム、を夫々示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原子百分比で、希土類元素(R)としてNd,
    Pr,Dy,Ho,Tbのうち少なくとも一種8〜30
    %、B2〜28%及び残部実質的にFeからなるFe−
    B−R系磁気異方性焼結体永久磁石において、前
    記Feの一部を全組成に対して50%以下(0%を
    除く)のCoで置換したことを特徴とする永久磁
    石。 2 原子百分比で、前記希土類元素(R)12〜20
    %(但し前記希土類元素(R)の50%以上はNd
    とPrの1種又は2種)、B4〜24%及び残部実質的
    にFeからなり、前記Feの一部を全組成に対して
    45%以下のCoで置換したことを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の永久磁石。 3 原子百分比で、希土類元素(R)としてNd,
    Pr,Dy,Ho,Tbのうち少なくとも一種とLa,
    Ce,Pm,Sm,Eu,Gd,Er,Tm,Yb,Lu,
    Yのうち少なくとも一種の合計8〜30%、B2〜
    28%及び残部実質的にFeからなるFe−B−R系
    磁気異方性焼結体永久磁石において、前記Feの
    一部を全組成に対して50%以下(0%を除く)の
    Coで置換したことを特徴とする永久磁石。 4 原子百分比で、前記希土類元素(R)12〜20
    %(但し前記希土類元素(R)の50%以上はNd
    とPrの1種又は2種)、B4〜24%及び残部実質的
    にFeからなり、前記Feの一部を全組成に対して
    45%以下のCoで置換したことを特徴とする特許
    請求の範囲第3項記載の永久磁石。
JP57166663A 1982-08-21 1982-09-27 永久磁石 Granted JPS5964733A (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57166663A JPS5964733A (ja) 1982-09-27 1982-09-27 永久磁石
US06/516,841 US4792368A (en) 1982-08-21 1983-07-25 Magnetic materials and permanent magnets
DE8383107351T DE3379084D1 (en) 1982-09-27 1983-07-26 Permanently magnetizable alloys, magnetic materials and permanent magnets comprising febr or (fe,co)br (r=vave earth)
EP83107351A EP0106948B1 (en) 1982-09-27 1983-07-26 Permanently magnetizable alloys, magnetic materials and permanent magnets comprising febr or (fe,co)br (r=vave earth)
CA000433188A CA1315571C (en) 1982-08-21 1983-07-26 Magnetic materials and permanent magnets
SG48390A SG48390G (en) 1982-09-27 1990-07-02 Permanently magnetizable alloys,magnetic materials and permanent magnets comprising febr or(fe,co)br(r=vave earth)
HK68490A HK68490A (en) 1982-09-27 1990-08-30 Permanently magnetizable alloys,magnetic materials and permanent magnets comprising febr or(fe,co)br(r=vave earth)
US08/194,647 US5466308A (en) 1982-08-21 1994-02-10 Magnetic precursor materials for making permanent magnets
US08/485,183 US5645651A (en) 1982-08-21 1995-06-07 Magnetic materials and permanent magnets
US08/848,283 US5766372A (en) 1982-08-21 1997-04-29 Method of making magnetic precursor for permanent magnets

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57166663A JPS5964733A (ja) 1982-09-27 1982-09-27 永久磁石

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62314249A Division JPS63213637A (ja) 1987-12-14 1987-12-14 強磁性合金

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5964733A JPS5964733A (ja) 1984-04-12
JPH0319296B2 true JPH0319296B2 (ja) 1991-03-14

Family

ID=15835422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57166663A Granted JPS5964733A (ja) 1982-08-21 1982-09-27 永久磁石

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5964733A (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0663056B2 (ja) * 1984-01-09 1994-08-17 コルモーゲン コーポレイション 非焼結永久磁石合金及びその製造方法
JPS60228652A (ja) * 1984-04-24 1985-11-13 Nippon Gakki Seizo Kk 希土類磁石およびその製法
JPS60230959A (ja) * 1984-04-28 1985-11-16 Tohoku Metal Ind Ltd 永久磁石およびその製造方法
JPS60240105A (ja) * 1984-05-14 1985-11-29 Shin Etsu Chem Co Ltd プラスチツク磁石組成物
FR2566758B1 (fr) * 1984-06-29 1990-01-12 Centre Nat Rech Scient Nouveaux hydrures de terre rare/fer/bore et terre rare/cobalt/bore magnetiques, leur procede de fabrication et de fabrication des produits deshydrures pulverulents correspondants, leurs applications
JPS6187825A (ja) * 1984-10-05 1986-05-06 Hitachi Metals Ltd 永久磁石材料の製造方法
JPH0791564B2 (ja) * 1984-12-10 1995-10-04 住友特殊金属株式会社 希土類含有合金粉末
USRE34838E (en) * 1984-12-31 1995-01-31 Tdk Corporation Permanent magnet and method for producing same
JPH0630295B2 (ja) * 1984-12-31 1994-04-20 ティーディーケイ株式会社 永久磁石
JPS61195954A (ja) * 1985-02-26 1986-08-30 Santoku Kinzoku Kogyo Kk 永久磁石合金
JPS62165305A (ja) * 1986-01-16 1987-07-21 Hitachi Metals Ltd 熱安定性良好な永久磁石およびその製造方法
JP2530641B2 (ja) * 1986-03-20 1996-09-04 日立金属株式会社 磁気異方性ボンド磁石、それに用いる磁粉及びその製造方法
JPH0621324B2 (ja) * 1986-10-04 1994-03-23 信越化学工業株式会社 希土類永久磁石合金用組成物
KR900006533B1 (ko) * 1987-01-06 1990-09-07 히다찌 긴조꾸 가부시끼가이샤 이방성 자성분말과 이의 자석 및 이의 제조방법
US4983232A (en) 1987-01-06 1991-01-08 Hitachi Metals, Ltd. Anisotropic magnetic powder and magnet thereof and method of producing same
JPS63213637A (ja) * 1987-12-14 1988-09-06 Sumitomo Special Metals Co Ltd 強磁性合金
JPH0283905A (ja) * 1988-09-20 1990-03-26 Sumitomo Special Metals Co Ltd 耐食性永久磁石およびその製造方法
JP2843379B2 (ja) * 1988-10-04 1999-01-06 日立金属株式会社 等方性耐熱ボンド磁石およびその製造方法ならびにそれを用いる磁粉、それを用いたpm型モータ
US5269855A (en) * 1989-08-25 1993-12-14 Dowa Mining Co., Ltd. Permanent magnet alloy having improved resistance
US5183630A (en) * 1989-08-25 1993-02-02 Dowa Mining Co., Ltd. Process for production of permanent magnet alloy having improved resistence to oxidation
JPH0696927A (ja) * 1993-03-17 1994-04-08 Seiko Epson Corp 希土類焼結磁石
CN1045680C (zh) * 1993-12-28 1999-10-13 住友金属工业株式会社 稀土铁系永久磁铁的制造用成形材料和制造方法
US6319336B1 (en) 1998-07-29 2001-11-20 Dowa Mining Co., Ltd. Permanent magnet alloy having improved heat resistance and process for production thereof
EP1712652A4 (en) 2004-06-22 2010-10-13 Shinetsu Chemical Co PERMANENT MAGNETIC MATERIAL OF RARE EARTH BASED ON R-FE-B.
CN101657863B (zh) 2007-05-02 2012-11-07 日立金属株式会社 R-t-b系烧结磁体

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57141901A (en) * 1981-02-26 1982-09-02 Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd Permanent magnet powder
JPS5964739A (ja) * 1982-09-03 1984-04-12 ゼネラルモーターズコーポレーション 磁気等方性の硬磁性合金組成物およびその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57141901A (en) * 1981-02-26 1982-09-02 Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd Permanent magnet powder
JPS5964739A (ja) * 1982-09-03 1984-04-12 ゼネラルモーターズコーポレーション 磁気等方性の硬磁性合金組成物およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5964733A (ja) 1984-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0319296B2 (ja)
JPS6134242B2 (ja)
US4859255A (en) Permanent magnets
JPH0510806B2 (ja)
JPH0232761B2 (ja)
JPH0316761B2 (ja)
JP2513994B2 (ja) 永久磁石
US5230749A (en) Permanent magnets
JPS59132105A (ja) 永久磁石用合金
JPH0474426B2 (ja)
JPH061726B2 (ja) 永久磁石材料の製造方法
JPH0536495B2 (ja)
JPS6365742B2 (ja)
JPH0535210B2 (ja)
JPH0325922B2 (ja)
JPH0535211B2 (ja)
JPH052735B2 (ja)
JPH0467322B2 (ja)
JPH0474425B2 (ja)
JPH0316763B2 (ja)
JPS59219453A (ja) 永久磁石材料の製造方法
JPH0536494B2 (ja)
JPH0633444B2 (ja) 永久磁石合金
JPH044725B2 (ja)
JPH0151536B2 (ja)