JPH0319207Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高電圧用可変抵抗器に関する。

従来、高電圧用可変抵抗器として第１図に示す
ものがある。この高電圧用可変抵抗器１のアルミ
ナ等でできた絶縁基板２には、端子３を挿通させ
るための挿通孔４が設けられ、基板２の表面５に
は皮膜抵抗体が設けられ、前記挿通孔４の周囲部
分にはその皮膜抵抗体に接続された電極６が形成
されている。この電極６には、前記挿通孔４に貫
通させた端子３が半田付けされる。基板２の裏面
側に突き出させた端子３の周囲には絶縁スリーブ
７が嵌合される。このように構成された従来の高
電圧用可変抵抗器では、リード線８が端子３に半
田付けされ、リード線８と端子３との接続部分が
ゴムなどでできた絶縁キヤツプ９で覆われる。

このように、従来のものでは、リード線の接続
を含めると１つの電極で２回も半田付けが行なわ
れるので、その作業が煩雑になり、部品点数も多
くなつて比較的コスト高になる欠点がある。この
ような欠点を除去する手段として、リード線を基
板の電極に直接半田付けするようなことも考えら
れるが、こうした場合は、半田付け後のフラツク
スの洗浄時にリード線の被覆材が溶解されないよ
うにしなければならないので、作業がかえつて煩
雑になつたりする。

本考案は、上述に鑑み、半田付けによらずにリ
ード線を容易に電極に接続でき、しかも、構造が
簡単で、部品点数が少なく安価な高電圧用可変抵
抗器を提供することを目的とする。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第２図は本考案の高電圧用可変抵抗器の分解斜
視図であり、第３図はその要部を縦断した側面図
である。この高電圧用可変抵抗器１０は絶縁ケー
ス１１内にアルミナ等の絶縁基板１２備える。

この基板１２の表面には、４つの電極１４…
と、固定抵抗部を形成する皮膜抵抗体に直列接続
された可変抵抗部を形成する２つの円弧形状の皮
膜抵抗体１３，１３とが印刷、焼付けなどによつ
て形成されている。４つの電極１４…は、それぞ
れ基板１２に貫通させたリード線挿通孔１５…の
周囲部分に形成される。各電極１４…とケース１
１の内底面との間には導電性ゴム１６（第２図に
は図示せず）が自己の弾性復元力で電極１４に密
着するように挿入される。この導電性ゴム１６に
は前記挿通孔１５に貫通させたリード線よりなる
接続子１７が刺込まれる。このように導電性ゴム
１６に刺込まれた接続子１７の固定、絶縁及び防
湿などのために、基板１２の裏面側にエポキシ樹
脂等の絶縁性を有する樹脂１８が注型される。挿
通孔１５はケース１１の内側から導電性ゴム１６
で封止されるので、この樹脂注型の際に樹脂が基
板１２よりもケース１１の内側に浸入することは
ない。

尚、導電性ゴム１６は、ケース１１の内側面に
一体的に形成されたリブ１９によつて位置決めさ
れているが、これと共に、接着剤で導電性ゴム１
６をケース１１の内側面に接着することにより導
電性ゴム１６を位置決めしてもよい。又、導電性
ゴム１６を導電性接着剤で電極１４…に接着して
もよい。

このように構成された電極構造では、接続子１
７を挿通孔１５に貫通させ、導電性ゴム１６に刺
込むだけで、電極１４…と接続子１７とが導電性
ゴム１６を介して電気的に接続され、電極とリー
ド線等の接続子１７との接続のために一切半田付
けをする必要がなくなる。なお、この高電圧用抵
抗可変抵抗器１０の絶縁ケース１１には、第２図
および第３図に明らかなように、円弧形状の皮膜
抵抗体上を摺動する摺動子を備えた回転軸が軸受
けされている。

第４図は本考案の他の実施例の斜視図である。
この実施例では、一部の電極には、リード線に代
えて端子よりなる接続子１７が導電性ゴムに刺込
まれる。又、リード線よりなる接続子１７は、引
き抜かれにくくするために、基板１２の裏面に沿
うように曲げられ、ケース１１に形成した挿通孔
２０を通つてケース１１の外側に導出される。

上述の各実施例では、リード線からなる接続子
１７は絶縁被覆線で構成されているが、もちろん
裸のリード線を用いてもよい。

以上説明したように、本考案は、基板に電極を
形成し、該電極にリード線、端子などの接続子が
刺込まれる導電性ゴムを密着させるので、半田付
けによらずに接続子を導電性ゴムに刺込むという
簡易な手順で接続子を電極に容易に接続できる。

従つて、構造が簡単であることから組立てが容
易となり、絶縁スリーブ、絶縁キヤツプなどを省
略できて、部品点数が少なくなることから安価に
できる等の効果を奏する。

また、本考案では、絶縁基板の裏面側に注型す
る樹脂を利用して、リード線等の接続子を絶縁基
板に固定するから、接続子の抜け出しが確実に防
止されるばかりでなく、接続子の抜け止めのため
に新たな手段を設ける必要がなく、部品や製造工
程を増やすことなく、容易に実施することができ
る。

さらに、導電性ゴムは、絶縁基板と絶縁ケース
の内底面との間に挟圧した状態で、絶縁ケースに
形成したリブにより位置決めされるから、導電性
ゴムの取付部の構造が複雑にならず、絶縁ケース
の成形も容易で、この点からもコストの低減を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の縦断面図、第２図は本考案の
一実施例の高電圧用可変抵抗器の分解斜視図、第
３図はその要部を縦断した側面図、第４図は本考
案の他の実施例の斜視図である。 １２…基板、１４…電極、１６…導電性ゴム、
１７…接続子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 摺動子を備えた回転軸が軸受けされた絶縁ケー
   ス内に、皮膜抵抗と電極とが形成された絶縁基板
   が配置されてなる高電圧用可変抵抗器において、 前記絶縁基板と絶縁ケース内底面との間にその
   絶縁基板の電極に密着されるようにして導電性ゴ
   ムが配置され、絶縁ケース内底面には前記導電性
   ゴムを位置決めするリブが形成され、前記導電性
   ゴムに接続子が絶縁基板の裏面側から刺込まれ、
   この接続子は、絶縁基板の裏面側に注型された樹
   脂により絶縁基板に固定されていることを特徴と
   する高電圧用可変抵抗器。