JPH0316755Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はシフトノブに例えばオーバードライブ
コントロールスイツチ等の電装品を内蔵したシフ
トレバーにおいて、該電装品から導出するコード
線をシフトレバーの揺動によつて他の部品と不必
要な干渉をしたりすることがないように支持する
ためのシフトレバーのコード線支持装置に関す
る。

（従来の技術） 近時、例えばオートマチツクトランスミツシヨ
ンのシフトノブに電装品、例えばオーバードライ
ブコトロール用のスイツチを設けることが行われ
ている。この様に、スイツチをシフトノブに設け
ると、シフトノブから手を離さずにスイツチを操
作し得るから、該スイツチをメーターパネルやコ
ンソールボツクス等の固定した場所に設けたもの
よりも操作性が向上するという利点がある。

（考案が解決しようとする課題） ところが、シフトレバーは自動車の車体に揺動
可能に支持され、運転者の操作に伴い繰り返し揺
動されるという事情がある。このため、上述のよ
うに、シフトノブにスイツチ等の電装品を設けた
構成では、シフトレバー内部を通して導出される
コード線が他の部品と干渉して損傷を受けたりす
ることがないように取り回す必要があり、その処
理はスイツチ等の電装品が固定した場所に設けら
れているものに比べて面倒である。

そこで、本考案の目的は、シフトレバーが揺動
するという事情があつてもシフトレバー内部を通
して導出される電装品のコード線が他の部品と干
渉することがないように確実に支持できるシフト
レバーのコード線支持装置を提供するにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案に係るシフトレバーのコード線支持装置
は、自動車の車体床面に固着された機枠に下端部
が揺動可能に支持されるとともに該機枠に装着さ
れたカバー部材の貫通孔を介して上方に突出され
る筒状のシフトレバーと、このシフトレバーの上
部に取付けられスイツチ等の電装品を取着したシ
フトノブと、シフトレバーの下端部内周囲に嵌合
により装着されるプラスチツク製の筒状のカラー
とを備えたものにおいて、このカラーに、該カラ
ーの下端部の開放端より外方に延出された延出部
及び延出部より上方に指向された立上り部を一体
成形すると共にその立上り部に出入口部が奥部よ
りも狭い形状となるクランプ凹部を形成し、前記
電装品のコード線は、電装品から前記シフトレバ
ー及びカラーの内部を貫通して導出されその導出
部分が前記クランプ凹部の奥部に嵌合して保持さ
れているところに特徴を有する。

（作用） シフトレバーの下端部内周囲にはプラスチツク
製の筒状のカラーが嵌合装着されているから、シ
フトレバーが繰り返し揺動されるという事情があ
つても、このカラー内部を貫通して導出されたコ
ード線の絶縁被覆がシフトレバーの開口端部で擦
られて損傷を受けることがない。また、カラーの
下端部から外方に延出部が延出され、その延出部
より上方に指向する立上り部が一体成形されると
共にその立上り部にクランプ凹部が形成され、電
装品のコード線はカラーの内部を貫通して導出さ
れると共に前記クランプ凹部に嵌合して保持され
ているから、シフトレバーの下端から導出された
コード線はＵ字形に屈曲して上方に向かつた上で
クランプ凹部に嵌合される形態となり、シフトレ
バーの揺動に関わらず常にそのＵ字形形態が保持
され、導出されたコード線が他の部品と干渉する
ことを確実に防止できる。しかも、クランプ凹部
は出入口部が奥部よりも狭い形状に形成されてい
るから、単にコード線をクランプ凹部に押し込め
ば、これを簡単に保持できるようになる。また、
このようにコード線を保持するためのクランプ凹
部はカラーに一体成形した立上り部に形成されて
いるから、別部品のクランプ部材をシフトレバー
に固定する等の作業は必要がない。

（実施例） 以下本考案の一実施例について図面を参照して
説明する。

１は自動車の床板にボルト締め等によつて固着
される機枠で、これの下面に固着された筒状の支
持部２にシヤフト３が回動可能に支持され、該シ
ヤフト３にシヤフトアーム４の中間部がナツト締
めにより固着されている。５はシヤフトアーム４
の上端部に溶接によつて固着された筒状のシフト
レバーで、これは機枠１の上面にねじ止めされた
カバー部材６の長孔状の貫通孔７を貫通して上方
に突出しており、上端部にシフトノブ８をねじ止
めによつて固着している。９はシフトノブ８に内
蔵された電装品としてのスイツチで、これの操作
用の押釦１０はシフトノブ８の運転者側の面に位
置されている。そして、スイツチ９からのコード
線１１は外周に保護用チユーブを被め付けてシフ
トノブ８内からシフトレバー５の内周部に挿入さ
れ、該シフトレバー５の下端部からカバー部材６
内に導入されている。

しかして、１２はプラスチツクにより一体成形
された筒状のカラーで、これはシフトレバー５の
基端部内周面に圧入状態に嵌合されて外周部の突
起１２ａがシフトレバー５内周に圧着係合してお
り、上述のコード線１１は該カラー１２の内周部
を貫通している。従つて、コード線１１はカラー
１２によりシフトレバー５の下端面の角部に接す
ることが防止されている。

さて、カラー１２には、第４図に示すように、
その下端部の開放端より外方に延出された延出部
１３ａ及び該延出部１３ａより上方に指向された
立上り部１３ｂが一体成形されている。この延出
部１３ａには側方に開放する略Ｕ字形の嵌合凹部
１４が形成されると共に、シフトレバー５の下端
部の外形と略平行状態をなす立上り部１３ｂには
上方に開放した逆Ω状、即ち出入口部が奥部より
も狭い形状となるクランプ凹部１５が形成されて
いる。そして、カラー１２の下端部から下向きに
導出されたコード線１１は、まず略Ｕ字形に曲げ
られている上向きになり、延出部１３ａの嵌合凹
部１４に嵌合されてそのＵ字形状が保持され、次
に略直角に曲げられて横向きになり立上り部１３
ｂのクランプ凹部１５に嵌合されてこの形状に保
持されている。ここで、嵌合凹部１４は側方に開
放しているが、クランプ凹部１５は上方に開放し
ていて開放方向が異なるから、嵌合凹部１４が単
純なＵ字溝形状であつてもコード線１１が嵌合凹
部１４から外れることが阻止される。一方、クラ
ンプ凹部１５はその出入口部が奥部よりも狭い形
状となつているから、これにてコード線１１が上
方へ外れることが阻止され、コード線１１を嵌合
凹部１４やクランプ凹部１５に挿入することが容
易であるにも関わらず、これを確実に保持でき、
コード線１１がシフトレバー５の下端部近傍にあ
る他の部品と干渉することが確実に防止される。

一方、カバー部材６には貫通孔７と平行にシフ
トポジシヨンを表示するための表示部１６が設け
られ、その表示部１６を照明するランプ１７が設
けられている。また、前述のコード線１１とラン
プ１７からのコード線１８は、機枠１に突設され
たクランプ金具１９に一揃に挟持保持されてカバ
ー部材６の外方に導出されている。そして、コー
ド線１１には、シフトレバー５がいずれのポジシ
ヨンにシフトされた場合でも張力が作用しないよ
うに、前記立上り部１３ｂのクランプ凹部１５と
クランプ金具１９との間に所定の弛みが与えられ
ている。

なお、２０は機枠１に立設されたデイテントプ
レートで、これはシフトレバー５の特定ポジシヨ
ン間のシフトを規制するためもので、これに規制
用の段付面を有するデイテント孔２１が設けられ
ている。２２はシフトレバー５内に上下移動可能
に設けられたデイテントロツドで、これの下端に
はデイテント孔２１の段付面に係合するデイテン
トピン２３が設けられている。そして、このデイ
テントロツド２２は周知のようにシフトノブ８に
設けられた押釦２４を押圧操作すると下降してデ
イテントピンをデイテント孔２１の段付面から係
合解除してシフトレバー５に対する回動規制を解
除するようになつている。また、シフトレバー５
の断面形状はシフト操作方向に長い長円形をなし
ており、従つてコード線１１はデイテントロツド
２２と平行状態を呈してシフトレバー５内を貫通
している。

上記構成によれば、シフトレバー５から導出さ
れたコード線１１が該シフトレバー５の下端部外
周においてクランプ状態にあるから、コード線１
１はシフトレバー５の揺動に対してカバー部材６
の内部を無理なく移動し、シフトレバー５に絡ま
つたり、機枠１或いは他の部品と不必要な干渉を
したりして無用な張力がコード線１１に作用する
ことがない。また、カラー１２によりコード線１
１が保護されると共に、該カラー１２に一体成形
した延出部１３ａや立上り部１３ｂに形成した各
凹部１４，１５によつてコード線１１のクランプ
を可能であるから、別部品のクランプ部材を準備
し、これをシフトレバー５に別途固定するといつ
た作業が不要であり、総じてコード線１１に対す
る取り回しが容易になる。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案によれば、シフトレ
バーの下端部にカラーを嵌合装着すると共に、そ
のカラーを利用してこれに延出部及び立上り部を
一体成形すると共にその立上り部に出入口部が奥
部よりも狭い形状のクランプ凹部を形成する構成
であるから、カラーによつてコード線の保護を図
り得ることは勿論、シフトレバーから導出したコ
ード線をクランプ凹部に嵌合させることにより、
導出されたコード線と他の部品との干渉を確実に
防止でき、しかもクランプ凹部はカラーに一体成
形した立上り部に形成されているから、別部品の
クランプ部材を準備してこれをシフトレバーに固
定する等の作業が必要なくなる等の優れた効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し第１図は縦断側
面図、第２図は第１図と直角方向に破断して示す
側面図、第３図はシフトノブを取り除いて示す上
面図、第４図は要部の斜視図である。 １は機枠、５はシフトレバー、６はカバー部
材、７は貫通孔、８はシフトノブ、９はスイツチ
（電装品）、１２はカラー、１３ａは延出部、１３
ｂは立上り部、１４は嵌合凹部、１５はクランプ
凹部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 自動車の車体床面に固着された機枠に下端部
   が揺動可能に支持されるとともに該機枠に装着
   されたカバー部材の貫通孔を介して上方に突出
   される筒状のシフトレバーと、このシフトレバ
   ーの上部に取付けられスイツチ等の電装品を取
   着したシフトノブと、前記シフトレバーの下端
   部内周囲に嵌合により装着されたプラスチツク
   製の筒状のカラーとを備え、このカラーに、該
   カラーの下端部の開放端より外方に延出された
   延出部及び該延出部より上方に指向された立上
   り部が一体成形されると共にその立上り部に出
   入口部が奥部よりも狭い形状となるクランプ凹
   部が形成され、前記電装品のコード線は、電装
   品から前記シフトレバー及びカラーの内部を貫
   通して導出されその導出部分が前記クランプ凹
   部の奥部に嵌合して保持されていることを特徴
   とするシフトレバーのコード線支持装置。 ２ カラーに一体成形した延出部にはコード線を
   嵌合するための嵌合凹部が形成されていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に
   記載のシフトレバーのコード線支持装置。 ３ 立上り部に形成したクランプ凹部は出入口部
   が上方において開放する溝形状であり、延出部
   に形成した嵌合凹部は出入口部が側方に開放す
   る略Ｕ字又は略Ｖ字状の溝形状であることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第２項に記載
   のシフトレバーのコード線支持装置。