JPH0315588B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、工場や倉庫等に於いて主として荷物
の搬送手段として活用される、電動走行台車利用
の搬送装置に関するものである。

（従来の技術） 従来の電動走行台車利用の搬送装置、特に電動
走行台車を案内するガイドレールや給電レール等
をカバーするレールカバーを設けた搬送装置で
は、搬送経路にそつて床面上に架設した断面門形
のレールカバーの左右両側辺の内側にガイドレー
ル部を形成し、このガイドレール部上を転動する
車輪、電動機を含む駆動手段、及び集電手段等の
電動走行台車に装備される各手段が、前記カバー
で覆われる空間内を移動するように構成してい
た。

（発明が解決しようとする問題点） 上記のような従来の搬送装置は、ガイドレール
に作用する電動走行台車の自重と荷重の全重量を
レールカバーとその中央のレールカバー支柱とで
受けるものであるから、レールカバー及びレール
カバー支柱は充分な強度を備えたものでなければ
ならず、従つてレールカバー及びレールカバー支
柱は大重量物となり、このようなレールカバーを
装備しない搬送装置と比較して大幅なコストアツ
プは免れない。換言すれば、大重量物を搬送する
搬送装置としては不適当なものであつた。

又、レールカバーがガイドレールの支持手段を
兼用しているので、レールカバーだけを任意の位
置で外し、このレールカバー取り外し箇所でガイ
ドレールや給電レール、或いは電動走行台車のメ
ンテナンスを行うようなことも出来ないし、電動
走行台車を支持するガイドレールの断面形状が限
定される等の問題点もあつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記のような従来技術の問題点を解決
するために成されたものであつて、その特徴は、
床上に敷設又は床上に立設した支柱に支持させた
左右一対のガイドレールとこのガイドレール上を
走行する電動走行台車との中間位置に、前記左右
一対のガイドレール間の上方空間を覆う断面門形
のレールカバーを、前記左右一対のガイドレール
間で床上に立設したレールカバー支柱に支持せし
めた状態で配置し、前記電動走行台車に装備され
る、前記ガイドレール上を転動する車輪、電動機
を含む駆動手段、及び集電手段と、この集電手段
が摺接する固定側の給電レールは、前記レールカ
バーで覆われる空間内に配置した点にある。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、１ａ，１ｂは搬送経路にそつて
敷設される左右一対のガイドレールであつて、そ
の長さ方向適当間隔置きに配置されたレール支持
部材２を介して床面上に支持されている。３は両
ガイドレール１ａ，１ｂ間で前記レール支持部材
２に立設されたレールカバー支柱である。これら
ガイドレール１ａ，１ｂ及びレールカバー支柱３
は、レール支持部材２を使用せずに床面に直接固
定することも出来る。４は断面門形のレールカバ
ーであつて、その左右両側辺下端４ａ，４ｂが前
記両ガイドレール１ａ，１ｂの斜め外方に適当な
隙間を隔てて対向しており、その中央内側で前記
レールカバー支柱３に支持されている。このレー
ルカバー４は、適当長さのカバー単位体を夫々前
記レールカバー支柱３に対して着脱自在に取り付
けて、長さ方向に連続したレールカバー４とする
ことが出来る。この場合は、搬送装置の任意の位
置で任意の長さにわたつてレールカバー４を取り
外すことが出来る。５は前記レールカバー支柱３
の側面に固定して架設した給電レールである。６
はラツクギヤであつて、前記給電レール５よりも
下方位置で当該給電レール５と同一側に於いて、
前記レールカバー支柱３の側部に横向きに固定さ
れている。

７は電動走行台車であつて、前記レールカバー
４の真上に位置する荷台８、左右一対のガイドレ
ール１ａ，１ｂ上を転動する支持用水平軸車輪
９、一方のガイドレール１ｂを左右両側から挟む
一対の位置決め用垂直軸ローラー１０、前記給電
レール５と摺接する集電手段１１、前記ラツクギ
ヤ６と咬合する駆動用ピニオンギヤ１２、及び減
速伝動装置１３を介して前記ピニオンギヤ１２を
駆動する電動機１４を備えている。

前記車輪９は、荷台８の四隅から下向きに連設
され且つ遊端部がレールカバー４の左右両側辺下
端４ａ，４ｂとガイドレール１ａ，１ｂとの間か
らレールカバー４の内側に入り込む各ブラケツト
１５の遊端部に夫々軸支されている。前記位置決
め用垂直軸ローラー１０は、荷台８の片側に位置
する前後二つの前記ブラケツト１５の遊端部に
夫々軸支されている。前記集電手段１１及び減速
伝動装置１３も夫々前記ブラケツト１５と同様、
前記荷台８から連設され且つ遊端部がレールカバ
ー４の左右両側辺下端４ａ，４ｂとガイドレール
１ａ，１ｂとの間からレールカバー４の内側に入
り込むブラケツト１６，１７の遊端部に支持され
ており、前記電動機１４は減速伝動装置１３に支
持されている。従つて前記ピニオンギヤ１２、減
速伝動装置１３、及び電動機１４から成る駆動手
段１８や車輪９、及び集電手段１１等の電動走行
台車７側に装備されているものは、レールカバー
で覆われた空間１９内に位置しており、固定側の
給電レール５やラツクギヤ６も前記空間１９内に
位置している。尚、前記位置決め用垂直軸ローラ
ー１０は前記空間１９の直下に位置している。

上記のように構成された搬送装置では、電動走
行台車７の電動機１４を、給電レール５から集電
手段１１を経由して供給される電力と制御信号に
より駆動せしめ、この電動機１４の回転力でピニ
オンギヤ１２を回転させることにより、電動走行
台車７をガイドレール１ａ，１ｂ上で任意の方向
に走行させることが出来、荷台８を利用して荷物
を搬送せしめ得る。この電動走行台車７の走行状
態に於いて、前記レールカバー４で覆われた空間
１９内に位置する駆動手段１８、車輪９、及び集
電手段１１等は当該空間１９内を移動することに
なる。

尚、実施例では電動機１４を含む駆動手段１８
として、固定側のラツクギヤ６に咬合するピニオ
ンギヤ１２を使用したが、前記支持用水平軸車輪
９の一つ、又は別に軸支した駆動車輪を電動機１
４で回転させる駆動手段であつても良い。又、位
置決め用垂直軸ローラー１０は左右一対のものを
前後に一組設けたが、左右一対のガイドレール１
ａ，１ｂの内側又は外側に当接する左右一対の垂
直軸ローラーを使用することも可能である。勿
論、ガイドレール１ａ，１ｂの少なくとも一方と
これに支持される支持用水平軸車輪９とを互いに
嵌合し合う構造として、前記のような位置決め用
垂直軸ローラーを省くことも出来る。

左右一対のガイドレール１ａ，１ｂは、独立し
た２本のレール部材を使用して構成したが、一本
の幅広レール部材の左右両側にガイドレール部を
夫々形成して、左右一対のガイドレール１ａ，１
ｂを一体に構成することも出来る。このようにす
ればガイドレール１ａ，１ｂの敷設を簡単容易
に、しかも精度良く行える。又、ガイドレール１
ａ，１ｂは、第３図に示すように床上に立設され
た前記レールカバー支柱３にレール支持用ブラケ
ツト２０ａ，２０ｂ又は２１ａ，２０ｂを介して
支持させることも可能である。第３図ではレール
カバー支柱３を利用してガイドレール１ａ，１ｂ
を支持させたが、レール支持専用の支柱を別に立
設させても良い。

（発明の作用及び効果） 上記実施例のように本発明の搬送装置によれ
ば、レールカバーにより固定側のガイドレールや
給電レール、ラツクギヤを使用する場合には当該
ラツクギヤ等を保護するだけでなく、電動走行台
車側の電動機を含む駆動手段や集電手段、ガイド
レール上を転動する車輪等をも保護する。従つ
て、異物の噛み込みや油、水等の侵入、逆に台車
側内部で発生する粉塵の外部への飛散を防止する
ことが出来るのみならず、搬送経路に接近して作
業する作業者が車輪のギヤ等に噛み込まれること
も防止することが出来、安全性が大幅に向上す
る。

しかし本発明最大の作用効果は、電動走行台車
を支持するガイドレールがレールカバーとは独立
した床置きタイプとなるため、任意の断面形状の
ものを使用することが出来ると共に、強度、剛性
も必要に応じて容易に高めることが出来る。

一方、レールカバーには電動走行台車の重量や
荷重が作用しないので、レールカバーを薄板から
構成することが出来ると共に、レールカバー支柱
も当該レールカバーを支持し得るだけの強度があ
れば良いので、レールカバー関係のコストを従来
と比較して大幅に軽減し得る。

更に電動走行台車を支持するガイドレールとは
無関係にレールカバーのみを取り外すことも可能
であり、レールカバーを外した箇所でガイドレー
ルや電動走行台車のメンテナンスも容易に行える
と共に、当該箇所で電動走行台車のラインオフも
可能成らしめ得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断正面図、第２図は一部切り欠き側
面図、第３図は別の実施例を示す縦断正面図であ
る。 １ａ，１ｂ…ガイドレール、３…レールカバー
支柱、４…レールカバー、５…給電レール、６…
ラツクギヤ、７…電動走行台車、８…荷台、９…
支持用水平軸車輪、１０…位置決め用垂直軸ロー
ラー、１１…集電手段、１２…ピニオンギヤ、１
３…減速伝動装置、１４…電動機、１５〜１７…
ブラケツト、１８…駆動手段、１９…レールカバ
ーで覆われた空間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 床上に敷設又は床上に立設した支柱に支持さ
   せた左右一対のガイドレールとこのガイドレール
   上を走行する電動走行台車との中間位置に、前記
   左右一対のガイドレール間の上方空間を覆う断面
   門型のレールカバーを、前記左右一対のガイドレ
   ール間で床上に立設したレールカバー支柱に支持
   せしめた状態で配置し、前記電動走行台車に装備
   される、前記ガイドレール上を転動する車輪、電
   動機を含む駆動手段、及び集電手段と、この集電
   手段が摺接する固定側の給電レールは、前記レー
   ルカバーで覆われる空間内に配置した搬送装置。