JPH031548B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、可変容量形油圧ポンプと、この可
変容量形油圧ポンプに閉回路で接続された油圧モ
ータと、閉回路の高圧側の油圧により切替えられ
て、閉回路の低圧側を低圧安全弁を介して油タン
ク側に接続する閉回路油循環用弁と、可変容量形
油圧ポンプと同一の原動機により駆動される閉回
路油補給用油圧ポンプと、この閉回路油補給用油
圧ポンプの吐出油を逆止め弁を介して閉回路の低
圧側に補給する補給管路とをそなえた油圧駆動回
路に関する。

まず、この種の従来の油圧駆動回路を第１図に
より説明する。

両傾転の可変容量形油圧ポンプ１と固定容量形
油圧モータ６とは閉回路２０Ａ，２０Ｂによりた
がいにつらねられており、油圧ポンプ１とともに
同じ原動機（図示していない）により駆動される
閉回路油補給用油圧ポンプ（通常チヤージポンプ
といわれる）４の吸込側は油タンク２１に接続さ
れ、吐出側は逆止め弁１０Ａ，１０Ｂを介して閉
回路２０Ａ，２０Ｂにつらねられているととも
に、低圧安全弁（リリーフ弁）５を介して油タン
ク２１に接続されている。油圧ポンプ１の吐出量
は、操作レバー２により作動させるサーボ弁３に
より制御される。補給用油圧ポンプ４の吐出油の
一部はサーボ弁３にも導かれる。

閉回路２０Ａ，２０Ｂには閉回路油循環用弁
（通常フラツシングバルブといわれる）７の作動
ポートがつらねられており、この循環用弁７は高
圧側閉回路２０Ａ、または２０Ｂの圧油により作
動位置に切替えられ、低圧側閉回路２０Ｂ、また
は２０Ａを低圧安全弁（リリーフ弁）８を介して
油タンク２１に接続するようになつている。低圧
安全弁８の設定圧は低圧安全弁５のそれより低く
定められている。閉回路２０Ａ，２０Ｂには高圧
安全弁（リリーフ弁）９Ａ，９Ｂがたがいに並列
に接続されている。

閉回路の一般的な作動について述べる。

原動機により油圧ポンプ１，４が駆動される。
油圧ポンプ４からの吐出油は、油圧ポンプ１を制
御するサーボ弁３に導かれるとともに、低圧安全
弁５を経て油タンク２１に戻る。

操作レバー２の操作により、油圧ポンプ１から
圧油が吐出される。吐出された圧油は、操作レバ
ー２の操作方向により一方の管路、たとえば２０
Ａを経て油圧モータ６に供給される。循環用弁７
は作動位置ａに切替り、低圧側の管路２０Ｂが低
圧安全弁８に接続される。低圧安全弁８の設定圧
は、低圧安全弁５の設定圧より低く設定されてい
るため、管路２０Ｂには、油圧モータ６からの戻
り油と、油圧ポンプ４からの補給油が逆止め弁１
０Ｂを経て供給される。したがつて、油圧ポンプ
１に吸込まれる以外の油量は、循環用弁７から、
低圧安全弁８を経て油タンク２１に排出される。

油圧モータ６の最高回転数は油圧ポンプ１の最
大吐出量によつて決まるゆえ、さらに高い回転数
が必要な場合には、一般的には吐出油量を増すた
めにさらに大きな油圧ポンプとするか、または油
圧ポンプをさらに高速で回転させることになる。
他の手段としては、油圧モータを可変容量形と
し、高速が必要な時にモータ容量を小さくするこ
とがとられる。

ところで、油圧ポンプを大きなものにしたり、
油圧モータを可変容量形にしたりするのは、当然
ながら費用がかかり、また、油圧ポンプの最大回
転数にも構造上制限がある。特に、油圧ポンプを
原動機に直結した場合は、原動機の最高回転数に
よつて油圧ポンプの最高回転数が決まるので、原
動機の出力に余裕があつても、油圧ポンプ出力は
上げられないことになり、原動機の出力を有効に
利用していないことが多い。

この発明は、可変容量形油圧ポンプの最大吐出
量以上の油圧モータの回転を得られ、閉回路油補
給用油圧ポンプを単なる補給用としてだけでな
く、油圧モータの回転を上げる仕事に有効に使用
できる油圧駆動回路を提供することを目的とする
ものである。

上記の目的を達成するため、この発明は、可変
容量形油圧ポンプと、この可変容量形油圧ポンプ
に閉回路で接続された油圧モータと、閉回路の高
圧側の油圧により切替えられて、閉回路の低圧側
を低圧安全弁を介して油タンク側に接続する閉回
路油循環用弁と、可変容量形油圧ポンプと同一の
原動機により駆動される閉回路油補給用油圧ポン
プと、この閉回路油補給用油圧ポンプの吐出油を
逆止め弁を介して閉回路の低圧側に補給する補給
管路とをそなえた油圧駆動回路において、前記補
給管路の途中に設けられ、切替え操作により閉回
路油補給用油圧ポンプの吐出油を強制的に前記閉
回路における可変容量形油圧ポンプの吐出側管路
に供給する切替弁を設けたことを特徴とする。

以下、この発明の一実施態様を第２図により説
明する。この実施態様は、油圧シヨベルのような
走行車両における左右の走行体をそれぞれ駆動す
る一対の閉回路２０Ａ，２０Ｂ、２０A′，２０
B′とそなえ、前進時のみ増速機能が働くもので
ある。同図中、第１図と同じ符号をつけたもの
は、同じもの、もしくは、相当するものを表わ
す。

補給用油圧ポンプ４の吐出側には、ペダル１１
を踏むことにより切替える切替弁１２が設けられ
ており、切替弁１２は切替弁１３に接続されてい
る。切替弁１３は管路１６により閉回路２０Ａ，
２０A′に接続されているとともに、補給管路２
２により低圧安全弁５に接続され、さらに補給管
路２３を介して逆止め弁１０Ａと１０Ｂとの間の
管路部に接続されている。

操作レバー２を操作すると、サーボ弁３を介し
て油圧ポンプ１が制御され、そのポンプ１が油の
吐出を始める。

ペダル１１を踏みこむと、切替弁１２が作動位
置ａに切替えられ、油圧ポンプ４の吐出側が切替
弁１２および切替弁１３を介して管路１６につら
ねられ、閉回路２０Ａまたは２０A′に供給され
る。閉回路２０Ａ，２０A′は走行体前進時の駆
動側回路である。したがつて、油圧ポンプ４から
の吐出油は、左右両側に分れて、それぞれの油圧
ポンプ１からの吐出油に合流し、それぞれの油圧
モータ６の回転数を上げることができる。油圧モ
ータ６を回転させた圧油は、油圧ポンプ１に吸込
まれるとともに、油圧ポンプ１が吸込む以外の圧
油は循環用弁７、低圧安全弁８を経て油タンク２
１に戻る。

切替弁１３は、管路１６の圧力がその弁１３の
ばね１７による設定圧を超えた時に作動位置ａに
切替わり、油圧ポンプ４からの圧油は補給管路２
２を経て低圧安全弁５へ流れる。

第１図の駆動油圧回路において、油圧ポンプ４
の吐出油は、通常は逆止め弁１０Ｂ、または１０
Ａから低圧側の閉回路２０Ｂ、または２０Ａに送
られ、油圧ポンプ１の吸込側を負圧にしないため
に使用される。

第２図の実施態様では、操作レバー２が中立位
置にあり、ペダル１１を踏みこまない場合、ま
た、ペダル１１の踏みこみ状態で管路１６の圧力
が上がつて切替弁１３がａ位置に切替えられた時
には、油圧ポンプ４は第１図の駆動油圧回路にお
ける油圧ポンプ４と同じ働きをする。

管路１６には一方の走行体の閉回路側から他方
の走行体の閉回路側に圧油が逆流するのを防止す
る逆止め弁１５Ａ，１５Ｂが設けられている。ま
た、鎖線で表わすように油圧ポンプ４の吐出側に
切替弁１８を設け、作業機（たとえば油圧シリン
ダ）１９用の圧油を取り出すこともできる。

以上説明したこの発明によれば下記の効果が得
られる。

(1) 可変容量形油圧ポンプの最大吐出量以上の油
圧モータの回転が得られる。

(2) 閉回路油補給用油圧ポンプを、単なる補給用
としてだけでなく、油圧モータの回転を上げる
仕事に有効に使用できる。

(3) 原動機の出力に対して可変容量形油圧ポンプ
の出力が小さい場合に、閉回路用油圧ポンプを
有効に使うことで、原動機の出力を最大にする
ことができる。

(4) 従来の油圧駆動回路に対して、大きな原価増
を招くことなく実施できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の油圧駆動回路を示す系統図、第
２図はこの発明の一実施態様を示す系統図であ
る。 １……可変容量形油圧ポンプ、２……操作レバ
ー、３……サーボ弁、４……閉回路油補給用油圧
ポンプ、５……低圧安全弁、６……固定容量形油
圧モータ、７……閉回路油循環用弁、８……低圧
安全弁、９Ａ，９Ｂ……高圧安全弁、１０Ａ，１
０Ｂ……逆止め弁、１２……切替弁、１３……切
替弁、１５Ａ，１５Ｂ……逆止め弁、１８……切
替弁、１９……作業機、２０Ａ，２０A′，２０
Ｂ，２０B′……閉回路、２１……油タンク、２
２……補給管路、２３……補給管路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 可変容量形油圧ポンプと、この可変容量形油
   圧ポンプに閉回路で接続された油圧モータと、閉
   回路の高圧側の油圧により切替えられて、閉回路
   の低圧側を低圧安全弁を介して油タンク側に接続
   する閉回路油循環用弁と、可変容量形油圧ポンプ
   と同一の原動機により駆動される閉回路油補給用
   油圧ポンプと、この閉回路油補給用油圧ポンプの
   吐出油を逆止め弁を介して閉回路の低圧側に補給
   する補給管路とをそなえた油圧駆動回路におい
   て、前記補給管路の途中に設けられ、切替え操作
   により閉回路油補給用油圧ポンプの吐出油を強制
   的に前記閉回路における可変容量形油圧ポンプの
   吐出側管路に供給する切替弁を設けたことを特徴
   とする油圧駆動回路。