JPH0311208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、２部品から成るジーンズ釦、スナツ
プ釦あるいはリベツト等を被服生地に取付ける部
品自動取付機において、特に被服生地の部品取付
位置を指示する投光器を作動させるための投光器
作動機構に関するものである。

従来の技術 上型ユニツトに上部品を把持し、下部ユニツト
に下部品を保持した状態で被服生地を上型ユニツ
トと下型ユニツトとの間に介在させ、上型ユニツ
トのパンチを下型ユニツトのダイに対して上下動
させることで上部品と下部品とを加締固定して該
両部品を被服生地に取付ける部品自動取付機にお
いては、一般に、光線の照射により被服生地の部
品取付位置を指示する投光器を備えている。

従来、この種の部品自動取付機における投光器
は、上型ユニツトのパンチを上下動させる駆動源
とは別の駆動源により作動され、該上型ユニツト
と被服生地との間でパンチが下降する前に後退
し、パンチが上昇した後に前進するようになつて
いる。

考案が解決しようとする問題点 しかし、従来の部品自動取付機における投光器
は、上型ユニツトのパンチを上下動させる駆動源
とは別の駆動源により作動するようになつている
ため、パンチが下降する前に投光器を後退させ、
パンチが上昇した後に投光器を前進させなければ
ならず、従つてそれだけ投光器の作動時間が遅く
なつてしまうという問題点があつた。また、パン
チの上下動に対する投光器の前進、後退のタイミ
ング調整が難しく、従つてパンチとともに上下動
する上型ユニツトと投光器とが接触してしまうと
いう問題点があつた。

本考案は、上記問題点に着目して成されたもの
であつて、投光器の作動時間を短くすることがで
き、しかも投光器と上型ユニツトとの接触を確実
に防止できる部品自動取付機における投光器作動
機構を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案によれば上記問題点は、パンチを有し、
上下動自在のラムと、前記ラムの上下動に依りラ
ムガイドフレームより出没自在に摺動するスライ
ダー部材と、前記スライダー部材の出没により揺
動する揺動レバーと、投光器が取付部材を介して
取付けられ、前記揺動レバーの揺動により投光器
を前進、後退させる方向に摺動するスライダー杆
と、前記投光器を前進させる方向に該スライダー
杆を付勢する付勢手段とを備えた投光器作動機構
とすることで解決される。

実施例 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は、上部品Ａと下部品Ｂとから成るジー
ンズ釦、スナツプ釦あるいはリベツト等を被服生
地Ｃに取付ける部品自動取付機の加工処理部分を
示し、１は支持体、２は支持体１に固着したラム
ガイドフレーム２，３は上部品Ａを把持する上型
ユニツト、４は上型ユニツト３内で上下動する上
パンチ、５は下部品Ｂを保持する下型ユニツト、
６は下部品Ｂを載置して下型ユニツト５内で上下
動する下パンチ、７は被服生地Ｃの部品取付位置
に光線を照射する投光器８を作動させる本考案の
投光器作動機構である。

前記ラムガイドフレーム２は、支持体１に対面
するラムガイド部１１と、このラムガイド部１１
の両側から支持体１の反対側に延びる一対のガイ
ド側板部１２，１２とから成つて横断面形状がコ
字状に形成されており（第４図参照）、該ラムガ
イド部１１及び両ガイド側板部１２，１２で囲ま
れた空間部が支持体１の上下方向に延びるガイド
凹溝１３となつている。該両ガイド側板部１２，
１２には、ガイド凹溝１３を閉塞するガイドカバ
ー１４が支持体１の反対側から固着されており、
またラムガイド部１１には、上方側に切欠部１５
が形成されている。該ガイドカバー１４には、長
手方向の下方に支持体１の上方側に向けて延びる
溝１６が形成されている。

前記上型ユニツト３は、ガイドカバー１４の溝
１６に向けて突出する係止部１９をその上部に有
してラムガイドフレーム２のガイド凹溝１３に摺
動自在に嵌め込まれ、ラムガイドフレーム２に対
し上下動するようになつている。該上型ユニツト
３には、上パンチ４を固着したラムロツド２０が
摺動自在に差し込まれている。該ラムロツド２０
は、ラムガイドフレーム２のガイド凹溝１３内で
摺動するラム２１と一体に成つている。該ラム２
１は、上パンチ４の下降分だけ上型ユニツト３か
ら離間しており、その下部にはガイドカバー１４
の溝１６側からフツク２２が固着されている。該
フツク２２は、上部品Ａと下部品Ｂとを加締固定
する前の待機時にあつては上型ユニツト３の係止
部１９に係止して上型ユニツト３を保持している
が、上部品Ａと下部品Ｂとを加締固定する加工処
理時にあつては上型ユニツト３の係止部１９から
離間し、上部品Ａと下部品Ｂとを加締固定した加
工処理後にあつては上型ユニツト３の係止部１９
に係止して後述するラム２１の上昇により上型ユ
ニツト３を強制的に上昇させる。該ラムロツド２
０には、圧縮コイルバネ２３が圧入され、上型ユ
ニツト３を常時下方側に付勢している。

前記ラム２１は、トグルリンク２６を介して連
結されたエアーシリンダー２７の作動によりラム
ガイドフレーム２のガイド凹溝１３内で上下動す
る。該トグルリンク２６は、互いに揺動自在に連
結した主リンク片２８と副リンク片２９とから成
つている。該主リンク片２８は、両ガイド側板部
１２，１２の上部に横架した固定軸３０に揺動自
在に取付けられ、また副リンク片２９は、ラム２
１の上部に揺動自在に取付けられている。該エア
ーシリンダー２７は、ピストンロツド３１が連結
片３２を介して主リンク片２８の連結部に揺動自
在に連結され、そのシリンダーケース３３が支持
体１に揺動自在に取付けられている。該トグルリ
ンク２６は、ラムガイドフレーム２の切欠部１５
内において、ピストンロツド３１が伸長するとガ
イドカバー１４側に屈伸して上部品Ａと下部品Ｂ
とを加締固定する加工処理時の定位置までラム２
１を下降させ、ピストンロツド３１が収縮すると
エアーシリンダー２７側に屈曲した上部品Ａと下
部品Ｂとを加締固定する前の待機時の定位置まで
ラム２１を上昇させる。該ラム２１には、ラムガ
イドフレーム２のラムガイド部１１と対面する面
側に、後述するスライダー部材４１を支持体１側
に摺動させるカム溝３６が形成されている（第６
図参照）。該カム溝３６は、スライダー部材４１
に取付けた転動体５６の一部を収納するように形
成されており、転動体５６の外周側面が当接する
垂直面３７と、この垂直面３７の上方側で支持体
１側に転動体５６が走行する傾斜面３８とを有し
て、ラムガイドフレーム２のガイド側板部１２，
１２が離間する方向に延びている。

前記投光器作動機構７は、スライダー部材４１
と、揺動レバー４２と、スライダー杆４３と、取
付部材４４と、エアーシリンダー４５とで構成さ
れている。

前記スライダー部材４１は、ラムガイドフレー
ム２の長手方向において、ラムガイド部１１と支
持体１の表面側に位置するガイド側板部１２との
角部に取付けられており、支持体１の表面側でラ
ム２１のカム溝３６と対面している。該スライダ
ー部材４１は、第２図ないし第６図に示されるよ
うに、揺動レバー４２を押圧する屈曲頭部４８を
有してガイドカバー１４側に延びる基部４９と、
この基部４９の長手方向中央からガイド側板部１
２の内側面付近まで突出する第１保持部５０と、
この第１保持部５０からラムガイド部１１の中央
付近まで突出する第２保持部５１とから成つてお
り、基部４９がガイド側板部１２の表面側に形成
した第１摺接溝５２に、第１保持部５０がガイド
側板部１２の裏面側に形成した第２摺接溝５３
に、また第２保持部５１がラムガイド部１１に形
成した第３摺接溝５４に夫々嵌合してラムガイド
フレーム２より出没自在に摺動するようになつて
いる（第２図及び第４図参照）。該ラムガイドフ
レーム２には、スライダー部材４１が脱落しない
ように支持体１の表面側から蓋体５５が取付けら
れている。該両保持部５０，５１は、第５図及び
第６図に示されるように、基部４９の高さ方向の
略中央に位置して基部４９よりも肉薄に形成され
ており、第１保持部５０がラム２１のカム溝３６
を越えてガイドカバー１４側に延びているのに対
し（第５図参照）、第２保持部５１がラム２１の
カム溝３６内に突出している（第６図参照）。該
スライダー部材４１には、ラム２１のカム溝３６
内に突出する転動体５６が取付けられている。該
転動体５６は、焼入れ鋼等により形成されてお
り、基部４９に固着したピン５７に回転自在に取
付けられ、第１保持部５０に形成した嵌合孔５８
及び第２保持部５１に形成した半円弧状の嵌合孔
５９内に遊嵌し、第２保持部５１部分の外周側面
がカム溝３６の垂直面３７に当接している（第４
図ないし第６図参照）。

前記揺動レバー４２は、その上部が支持体１に
固着した固定支軸６２に揺動自在に取付けられて
おり、スライダー部材４１の屈曲頭部４８と対面
する位置に当接部材６３を有している。該当接部
材６３は、焼入れ鋼等により形成され、揺動レバ
ー４２に固着したピン６４に回転自在に取付けら
れてスライダー部材４１の屈曲頭部４８に当接し
ている。該揺動レバー４２の下部は、二又状に形
成され、スライダー杆４３の先端部に回動自在に
取付けた嵌合部材６５と嵌合している。

前記スライダー杆４３は、支持体１に固着した
基台６８に取付けられている。該基台６８には、
第７図に示されるように、投光器８が前進、後退
する方向に延びるガイド溝６９が形成されてお
り、このガイド溝６９内にスライダー杆４３が摺
動自在に嵌め込まれている。該スライダー杆４３
には、取付部材４４の上部が固着されている。該
取付部材４４は、その下部に基台６８の下方側に
延びる取付部７０を有して縦断面形状が略Ｌ字状
となつている。該取付部７０には、上パンチ４及
び下パンチ６の軸線と一致するように投光器８が
固着されている。

前記エアーシリンダー４５は、取付部材４４の
後方に位置しており、そのシリンダーケース７１
が基台６８に固着した支持台７２に取付けられて
いる。該エアーシリンダー４５のピストンロツド
７３は、取付部材４４の上部に取付けられた連結
部材７４に、ボルト及びナツトからなる締着部材
７５を介して固定連結されている。該エアーシリ
ンダー４５は、ピストンロツド７３の収縮時には
無負荷状態となつており、スライダー杆４３の後
退に伴なつてピストンロツド７３が所定の位置ま
で後退すると、直ちにピストンロツド７３を伸長
させる空気圧がシリンダーケース７１内に供給さ
れる。

作 用 次に、本考案に係る部品自動取付機における投
光器作動機構７の動作を第１図及び第８図を参照
して説明する。

前記投光器作動機構７は、上部品Ａと下部品Ｂ
とを加締固定する前の待機時において、エアーシ
リンダー４５のピストンロツド７３が伸長し、投
光器８が上型ユニツト３の下方まで前進している
（第１図参照）。

先ず、この待機時からエアーシリンダー２７の
ピストンロツド３１が伸長すると、トグルリンク
２６の屈伸によりラム２１が下降する。ラム２１
が下降し始めると、スライダー部材４１の転動体
５６がラム２１のカム溝３６の垂直面３７から傾
斜面３８上を回転しながら走行し、これに伴つて
スライダー部材４１が支持体１側に摺動する。ス
ライダー部材４１が摺動すると、屈曲頭部４８が
揺動レバー４２の当接部材６３を押圧し、これに
伴なつて揺動レバー４２が固定支軸６２を中心に
反時計回り方向に揺動する。揺動レバー４２が揺
動すると、スライダー杆４３が上型ユニツト３か
ら離間する方向に摺動し、これに伴なつてエアー
シリンダー４５のピストンロツド７３を収縮して
投光器８が上型ユニツト３の下方から後退する。
該スライダー杆４３の摺動は、スライダー部材４
１の転動体５６がラム２１のカム溝３６から退却
した時点で停止し、さらにラム２１が下降すると
転動体５６がラム２１の外周面上を走行して、上
型ユニツト３が上パンチ４とともに加工処理時の
所定の位置まで下降する。

前記エアーシリンダー４５のピストンロツド７
３が所定の位置まで後退すると、直ちにピストン
ロツド７３を伸長させる空気圧がシリンダーケー
ス７１内に供給される。空気圧が供給されると、
スライダー杆４３が上型ユニツト３側に付勢され
て投光器８を前進させようとする。しかし、スラ
イダー部材４１の転動体５６がラム２１の外周側
面に当接しているため、スライダー杆４３の摺動
が阻止され、従つて、投光器８もその位置で停止
している（第８図参照）。

次に、上部品Ａと下部品Ｂとを加締固定した加
工処理後において、エアーシリンダー２７のピス
トンロツド３１が収縮すると、トグルリンク２６
の屈曲によりラム２１が上昇し、これに伴なつて
上型ユニツト３も上昇する。ラム２１が上昇して
カム溝３６とスライダー部材４１の転動体５６と
が対面すると、転動体５６がカム溝３６内に突入
して傾斜面３８上を走行し、これに伴なつてスラ
イダー部材４１がガイドカバー１４側に摺動す
る。スライダー部材４１が摺動すると、揺動レバ
ー４２の時計回り方向の揺動が許容され、これに
伴なつてエアーシリンダー４５のピストンロツド
７３も伸長することから、スライダー杆４３は上
型ユニツト３側に摺動し、従つて投光器８も前進
する。スライダー部材４１の転動体５６がカム溝
３６の垂直面３７上を走行して、第１図に示す待
機時の位置でラム２１の上昇が停止すると、スラ
イダー杆４３の摺動が阻止され、従つて投光器８
もその位置で停止する。その後、エアーシリンダ
ー４５を無負荷状態にして、前述したようにラム
２１を下降させる。

なお、上記実施例において、エアーシリンダー
２７を用いることにより投光器８を前進させる方
向にスライダー杆４３を付勢しているが、このエ
アーシリンダー２７に代えて圧縮コイルバネある
いは引張りコイルバネ等により投光器８を前進さ
せる方向にスライダー杆４３を付勢してもよく、
このようにするとエアーシリンダー２７のみなら
ず連結部材７４及び締着部材７５も不用となるこ
とから、構成が著しく簡単になつて低価格化が計
れる。

また、第３図及び第４図において、１ａはスラ
イダー部材４１をラムガイドフレーム２に取付け
易くするために支持体１に形成した貫通孔であ
る。

考案の効果 以上のように本考案によれば、パンチを有し、
上下動自在のラムと、前記ラムの上下動に依りラ
ムガイドフレームより出没自在に摺動するスライ
ダー部材と、前記スライダー部材の出没により揺
動する揺動レバーと、投光器が取付部材を介して
取付けられ、前記揺動レバーの揺動により投光器
を前進、後退させる方向に摺動するスライダー杆
と、前記投光器を前進させる方向に該スライダー
杆を付勢する付勢手段とを備えた部品自動取付機
における投光器作動機構であるから、投光器の作
動がラムの上下動に依存することとなつて投光器
の作動時間が短くなるとともに、投光器と上型ユ
ニツトとの接触を確実に防止できるという実用的
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る部品自動取付機におけ
る投光器作動機構の一実施例を示す正面図、第２
図は、投光器作動機構の一構成部品であるスライ
ダー部材を示す斜視図、第３図は、第２図に示す
スライダー部材の取付状態を示す拡大図、第４図
は、第３図の−線断面図、第５図は、第４図
の−線断面図、第６図は、第４図の−線
断面図、第７図は、第１図の−線断面図、第
８図は、本考案に係る部品自動取付機における投
光器作動機構の動作説明図である。 ２：ラムガイドフレーム、４：上パンチ、８：
投光器、２１：ラム、３６：カム溝、４１：スラ
イダー部材、４２：揺動レバー、４３：スライダ
ー杆、４４：取付部材、４５：エアーシリンダ
ー、５６：転動体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パンチ４を有し、上下動自在のラム２１と、
   前記ラム２１の上下動に依りラムガイドフレー
   ム２より出没自在に摺動するスライダー部材４
   １と、前記スライダー部材４１の出没により揺
   動する揺動レバー４２と、投光器８が取付部材
   ４４を介して取付けられ、前記揺動レバー４２
   の揺動により投光器８を前進、後退させる方向
   に摺動するスライダー杆４３と、前記投光器８
   を前進させる方向に該スライダー杆４３を付勢
   する付勢手段４５とを備えたことを特徴とする
   部品自動取付機における投光器作動機構。 (2) 前記スライダー部材４１は転動体５６を有
   し、該転動体５６はラム２１のカム溝３６と係
   合し、該スライダー部材４１をラムガイドフレ
   ーム２より出没自在に摺動させることを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の部品
   自動取付機における投光器作動機構。