JPH029019B2 - - Google Patents

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JPH029019B2
JPH029019B2 JP11515982A JP11515982A JPH029019B2 JP H029019 B2 JPH029019 B2 JP H029019B2 JP 11515982 A JP11515982 A JP 11515982A JP 11515982 A JP11515982 A JP 11515982A JP H029019 B2 JPH029019 B2 JP H029019B2
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JP
Japan
Prior art keywords
crystals
glycine
crystal
solution
crystallization
Prior art date
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Expired
Application number
JP11515982A
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English (en)
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JPS597143A (ja
Inventor
Tadashi Myazawa
Takafumi Tosa
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
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Publication of JPS597143A publication Critical patent/JPS597143A/ja
Publication of JPH029019B2 publication Critical patent/JPH029019B2/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はグリシンの製造法に関し、更に詳しく
は、グリシンのα晶をγ晶共存下で水分の存在下
に保ち、γ晶へ結晶状態で転移させることにより
固結に対して安定なグリシンγ晶の製造方法に関
するものである。
グリシンの結晶形としてはα、β、γの3型が
知られ、それはIRスペクトルおよびX線回折に
よつて区別される。Y.Iitaka;Proc.Japan
Acad.、30、109(1954)及び坪井他編「赤外線吸
収スペクトル」(化学の領域増刊37号)46頁
(1959年)を参照。
従来グリシンの製造は、工業的には、通常の濃
縮晶析(参考例1)、冷却晶析(参考例2)及び
溶媒晶析(参考例3)等で行なわれており、この
ようにして得られるα晶が商品化されていた。し
かしながら、このようにして得られるグリシン製
品はしばしば保存中に岩石状に強固に固結し、製
造上、流通保存上、使用上等に於いて非常に大き
い問題点があつた。
本発明者は、このグリシンの固結に関し永年に
わたり鋭意検討し、グリシンの固結に関する機構
を明らかにし、本発明を完成するに到つた。
グリシンの固結に関し本発明者により得られた
知見は、次の通りである。固結したグリシンは
すべてγ晶であつた。γ晶は固結しなかつた。
α晶は固結困難だが、湿潤状態に保存すると固
結が認められ、固結グリシンはγ晶であつた。
α晶とγ晶との混合物は固結に対する速度が最も
早く、固結グリシンはγ晶であつた。α晶から
γ晶への転移はグリシン結晶の純度がよくなる程
早く、また固結しやすかつた。特に、医薬用純度
のものの固結は殆んど避けられない。
以上の知見よりグリシンの固結の機構はα晶が
γ晶に転移する際に起こることが明らかとなつ
た。従つて、固結に対し安定なグリシンを得るに
はγ型グリシンを得ることが肝要である。
なお、β晶は通常の水晶析では得られなかつ
た。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の方法は、α晶をγ晶共存下で水分の存
在下に保つことによつて行なわれる。
α晶をγ晶の共存下とは、α晶単独の場合はα
晶に対しγ晶を1〜100%(重量)、好ましくは5
〜50%添加する。また、α晶にγ晶が既に随伴し
ていてγ晶がIRスペクトルで確認される場合は
そのまま本発明の転移工程に付することができる
が、転移速度を早める為、状況に応じγ晶を添加
することもできる。
水分の存在下とは、水分量がグリシン結晶の
0.5〜70%、好ましくは2%〜50%が適当であり、
乾燥結晶の場合はこれに必要量の水分を均一に吹
きつけること等によつて行なわれるが、例えば、
濃縮晶析によるα晶晶析後の分離結晶及び晶泥で
は特に水を添加する必要がない。
また、転移は室温でもよいが、その速度を早め
るために、加熱することは有効である。
結晶がγ晶に転移したことを確認した後、必要
により固液分離をし、結晶を乾燥するが、この乾
燥は公知の方法でよい。
γ晶の確認はIRスペクトルで容易に判別され
る。すなわち、α晶の特性吸収は910cm-1、γ晶
の特性吸収は930cm-1に、それぞれみられる。
なお、通常の濃縮晶析、冷却晶析、溶媒晶析等
では、γ晶は得られなかつた。
本発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例 1 市販のグリシン757Kg(有機合成(株)製、α晶)
を80℃の温水に溶解して2.8Kl(270g/)のグ
リシン溶液を調製した。この水溶液をグリシンに
対し10%の活性炭で脱色した。脱色液を1.45Kl
(480g/)まで50℃で減圧下で濃縮した。この
濃縮液を95℃に加熱し濃縮中に析出した結晶(α
晶であつた。)を溶解した。この溶解液を晶析缶
に移し撹拌しながら50℃/hrの冷却速度で冷却
し、65℃でγ晶14Kgを種晶として加えた。γ晶の
種晶は固結したグリシンを粉砕したもので28メツ
シユのふるいをパスしたものを用いた。
種晶添加後、更に50℃/hrで15℃まで冷却し、
遠心分離機で固液分離し、結晶を35の水で洗浄
した。分離した結晶はIRスペクトルよりα晶と
γ晶との混合物(α 90%、γ 10%)であるこ
とを確認した。
得られた結晶をコニカルドライヤーに入れ60
℃、常圧で2時間回転させた後、結晶のIRスペ
クトルを測定したところ、完全にγ晶に転移して
いることを確認した。更に60℃減圧乾燥を行い製
品450Kgを得た。
この製品を50Kgフアイバードラムに包装し、40
℃、湿度70%の恒温室で6ケ月間保付したが、全
く固結は認められなかつた。
比較のために、医薬用グリシン1Kg(α晶)を
ビニール袋に封入し、ヒートシールし、34℃、湿
度70%の恒温室に保存したところ、15日後には岩
石状に強固に固結してしまつていた。
実施例 2 市販のグリシン(α晶)1.0Kgを80℃の温水に
溶解して4(250g/)のグリシン溶液を調
製した。この水溶液をグリシンに対し10%の活性
炭で脱色した脱色液を2(500g/)迄50℃
で減圧下で濃縮した。この濃縮液を95℃に加熱し
濃縮中に析出した結晶(α晶であつた。)を溶解
した。この溶解液を撹拌しながら50℃/hrの冷却
速度で30℃まで冷却晶析を行つた。析出した結晶
はIRスペクトル及びX線よりα晶であることを
確認した。
この脱色濃縮液であるグリシンのスラリーにγ
晶50gを種晶として加えた後、30℃で撹拌をしな
がら10時間後に結晶のIRスペクトルを測定して
完全にγ晶に転移していることを確認した。更に
50℃/hrで15℃迄冷却し遠心分離機で結晶を分離
し、0.2の水で洗浄した。分離した結晶を60℃
で減圧乾燥を行い、製品650gを得た。
この製品を500gビニール袋に包装し、40℃湿
度70%の恒温室で6ケ月間保存したが、全く固結
は認められなかつた。
参考例 1 濃縮晶析 市販のグリシンα晶1.0Kgを80℃の温水に溶解
して4(250g/)のグリシン溶液を調製し
た。この水溶液をグリシンに対し10%の活性炭で
脱色し脱色液約2を約1.2まで減圧濃縮する
とグリシンの結晶が析出した。その後残りの脱色
液を徐々に加えつつ50℃で減圧濃縮を続け、脱色
液全量を加え、最終濃縮液量1.6(600g/)
で濃縮晶析を終了した。
得られた濃縮液を15℃まで徐冷し、結晶を遠心
分離機で固液分離し少量の水で洗浄した。分離し
た結晶は、60℃減圧乾燥を行い、製品650gを得
た。
得られた製品についてIRスペクトル測定した
ところ、α晶であることを確認した。
参考例 2 冷却晶析 市販のグリシンα晶750Kgを80℃の温水に溶解
して2.8Kl(270g/)のグリシン溶液を調製し
た。この水溶液をグリシンに対し10%の活性炭で
脱色した。脱色液を約1.45Kl(480g/)まで
50℃で減圧濃縮した。この濃縮液を95℃〜100℃
に加熱し濃縮中に析出した結晶を溶解した。
この溶解液を晶析缶に移し、撹拌しながら50
℃/hrで15℃まで冷却晶析し、遠心分離機で固液
分離し、35の水で洗浄した。分離した結晶は60
℃、減圧乾燥を行い、製品450Kgを得た。
得られた製品についてIRスペクトル測定した
ところ、α晶であることを確認した。
参考例 3 IPA溶媒晶析 市販のグリシンα晶0.5Kgを90℃〜100℃の温水
に溶解して1.7(300g/)のグリシン溶液を
調製した。この水溶液をグリシンに対し10%の活
性炭で脱色し、脱色液を約40℃に保ちつつ、撹拌
しながら1.7のIPA(イソプロピルアルコール)
を徐々に滴下し、グリシンの結晶を晶析した。
IPA滴下終了後10℃/hrで15℃まで冷却し遠心分
離機で固液分離し少量の50%IPA水溶液で洗浄し
た分離した結晶は60℃減圧乾燥を行い、製品350
gを得た。
得られた製品についてIRスペクトル測定した
ところ、α晶であることを確認した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 グリシンα晶をグリシンγ晶共存下かつ水分
    の存在下に保ち、グリシンγ晶へ結晶状態で転移
    させることを特徴とするグリシンγ晶の製造法。
JP11515982A 1982-07-02 1982-07-02 グリシンγ晶の製造法 Granted JPS597143A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11515982A JPS597143A (ja) 1982-07-02 1982-07-02 グリシンγ晶の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11515982A JPS597143A (ja) 1982-07-02 1982-07-02 グリシンγ晶の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS597143A JPS597143A (ja) 1984-01-14
JPH029019B2 true JPH029019B2 (ja) 1990-02-28

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ID=14655787

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JP11515982A Granted JPS597143A (ja) 1982-07-02 1982-07-02 グリシンγ晶の製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH067796B2 (ja) * 1984-06-15 1994-02-02 田辺製薬株式会社 固定化生体触媒による反応方法
JP4557280B2 (ja) * 2003-12-02 2010-10-06 旭化成ケミカルズ株式会社 グリシンの製造方法
RU2471372C1 (ru) * 2011-07-13 2013-01-10 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Новосибирский национальный исследовательский государственный университет" (Новосибирский государственный университет, НГУ) Способ получения гамма-глицина из растворов

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JPS597143A (ja) 1984-01-14

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