JPH02837B2

JPH02837B2 -

Info

Publication number: JPH02837B2
Application number: JP58185375A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Matsuo; Takahiro Wada; Koji Matsunaga; Fumiko Yokoya; Koji Nitsuta; Takeshi Hayashi
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1983-10-04
Filing date: 1983-10-04
Publication date: 1990-01-09
Also published as: JPS6077392A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は暖房器などに用いる蓄熱式電気ヒータ
に関するものである。

従来例の構成とその問題点従来、人体などの局所暖房器においては、その
保温材の中に埋設した電気ヒータが汎用されてい
るが、この従来の電気ヒータでは、その電源コー
ドが常時必要であり、暖房器の空間的使用範囲が
その電源コードの長さの範囲に限定されていた。
近年、電気ヒータの電源切断後もなお一定時間暖
房機能を有する暖房器が要望されており、それに
は蓄熱式電気ヒータの開発が必要である。しか
も、この様な蓄熱式電気ヒータは軽量であり、可
撓性があり、蓄熱に要する時間が短かく（蓄熱能
率が高く）、安全性が高く、低コストであること
が要望される。一方、従来の潜熱蓄熱方式は堅牢
な蓄熱槽の中に潜熱蓄熱材を収納し、さらにその
潜熱蓄熱材の中に電気ヒータなどの加熱源を埋設
した構成である。この従来の潜熱蓄熱方式を上述
の暖房器の蓄熱方式として採用するには重量、可
撓性、コストなどにおいて問題があつた。

発明の目的本発明の目的は軽量であり、可撓性があり、加
熱（蓄熱）能率が高く、安全性が高く、低コスト
である潜熱蓄熱方式による暖房器、保温器などに
用いる電気ヒータを提供することにある。

発明の構成本発明の基本構成は可撓性シートの少なくとも
片面上に少なくとも２個以上の発熱体を設置し、
それらの発熱体の間をリード線でもつて電気的接
続し、潜熱蓄熱材を収納する少なくとも２個以上
の密封容器でもつて上記発熱体を覆い囲む構成で
ある。さらに上記発熱体は必要に応じて電気絶縁
被覆された線状、リボン状、あるいは面状発熱体
であり、潜熱蓄熱材を収納する密封容器と密接し
た構成をとつている。この様な構成の蓄熱式電気
ヒータは可撓性があり軽量であり、蓄熱材加熱効
率が高く、しかも低コストであるという特徴を持
つている。ここで、軽量な可撓性シートの材質と
しては、布、プラスチツクフイルム、プラスチツ
クラミネートフイルムなどの電気絶縁性シートの
他に、金属箔、金属箔・プラスチツクラミネート
フイルムなどを用いることができる。電気絶縁性
シートを用いた場合（潜熱蓄熱材を収納する密封
容器の材質もプラスチツクなどの電気絶縁性材質
である場合）は発熱体およびリード線を必ずしも
電気絶縁被覆する必要はないが、それらを電気絶
縁被覆することにより、安全性がより高くなる。
一方、潜熱蓄熱材を収納する密封容器の材質とし
てはプラスチツク、金属箔、金属箔・プラスチツ
クラミネートフイルムなどを用いることができ
る。これらは軽量、耐薬品性、耐水性、安全性、
コストにおいて優れた特徴を有している。

また本発明の構成は発熱体を可撓性シートに溶
着、固定した後、その発熱体を密封容器でもつて
覆い囲み、その密封容器を発熱体に熱良導性接着
剤で接着させるかあるいはその密封容器を可撓性
シートに接着・固定させる。後者の場合は発熱体
と潜熱蓄熱材との熱的接触を良くするために、発
熱体と密封容器との間隙に熱良導性充填剤を詰め
る。特に後者の場合は長期信頼性において優れて
いる。さらにこれらの構成はいずれも作業性、量
産性において優れている。

また本発明の構成はまず発熱体を密封容器に熱
良導性接着剤で接着、固定した後、密封容器を可
撓性シートに接着、固定する。この構成も作業
性、量産性において優れ、蓄熱材の加熱効率を高
める効果において優れている。

また本発明の構成は発熱体とリード線との接続
部が密封容器（潜熱蓄熱材）と直接的にあるいは
可撓性シートを介して間接的に間接的に熱的接触
を保つものであり、この構成により発熱体の表面
温度はすべての部分で均一であり、発熱体の安全
性を高め信頼性を高める効果がある。

また本発明の構成は発熱体と密封容器との熱接
触が可撓性シートを介して間接的である構成を含
む。

実施例の説明実施例１第１図に示す様な潜熱蓄熱式電気ヒータを試作
した。１１は発熱体であり、ここでは表面が電気
絶縁された銅合金線から成り、外直径３mm，長さ
30cm，消費電力60W（印加電圧100V）のヒータ線
を用いた。その線状発熱体の両端にリード線１２
を接続した。１４は潜熱蓄熱材を収納する密封容
器であり、ここでは第１図に示す様な形状の長さ
32cm，内容積85cm³のプラスチツク製中空成形体を
用いた。この密封容器１４の中に潜熱蓄熱材１６
を充填した後、その容器を密封した。ここで用い
た潜熱蓄熱材１６は過冷却防止剤ピロリン酸ソー
ダ１０水塩を１重量％含有した酢酸ソーダ３水塩
であり、110grを１本の容器１４の中に充填した。
次に密封容器１４に設けられた凹部（第１図ａ）
の中に発熱体１１およびリード線１２を埋設し、
熱良導性接着剤でもつて、発熱体１１を密封容器
１４の外壁に設けられた凹部に固定した。この
時、発熱体１１とリード線１２との接続部１３は
必ず密封容器１４の外壁と接するようにし、その
外壁を介して潜熱蓄熱材１６と熱的接触を保つ様
に固定した。この様にして得た密封容器１４と同
じものを４本作成し、それらを可撓性シート１７
に第１図に示すように並列に固定した。

この場合、発熱体１１が固定されている密封容
器１４の外壁面が可撓性シート１７の片面と接す
るようにした。ここで用いた可撓性シートは長さ
33cm，巾20cmのプラスチツクフイルムであり、そ
の片面上に密封容器１４を固定するのに耐熱性接
着剤を用いた最後に４本の発熱体を並列結線し
た。この様にして第１図に示す蓄熱式電気ヒータ
を作成した。なお、この潜熱蓄熱材１６の融点は
58℃、凝固点は53℃，融解・凝固潜熱は60cal／
ｇ、固体でも平均比熱は0.3cal／ｇ℃，液体での
比熱は0.7cal／ｇ℃である。したがつて外気温度
５℃，蓄熱温度レベルを65℃に設定すると、この
蓄熱式ヒータの蓄熱容量は潜熱量26.4kcalと顕熱
量9.2kcalとの和35.6kcalとなりヒータ電力は
240W（印加電圧100V）であるから、それだけの
熱量を断熱状態で蓄熱するのに要する時間は10分
21秒となる。

次にこの蓄熱式電気ヒータは局所暖房器の一つ
である電気チヨツキのヒータとして用いることが
できる。チヨツキの保温材の中にこの蓄熱式ヒー
タを埋設した結果、電源を入力するとチヨツキは
保温状態（20W放熱）に入り電源を入力してから
11分30秒で潜熱蓄熱材１６の温度は設定温度の65
℃に達し、この時点で電源を切断しても、その後
２時間保温状態（20W放熱）を持続することがで
きた。

従来の電気チヨツキ（ヒータ電力は比較のため
20Wとする）は電源入力時は保温状態（20W放
熱）を保つことができるが、電源を切断すると急
速に保温機能を失う。これに対し本発明実施例の
蓄熱式電気ヒータ（ヒータ電力240W，蓄熱容量
35.6kcal）を用いると電源切断後も保温機能を持
続することができる。しかもこの蓄熱式電気ヒー
タは軽量（約600ｇ）であり、可撓性があり低コ
ストであり実用性の高いものである。

実施例２第２図に示す様な潜熱蓄熱式電気ヒータを試作
した。２１は発熱体であり、ここでは実施例(1)で
用いたヒータ線と同じものを用いた。その線状発
熱体の両端にリード線２２を接続した。同じ発熱
体を４本作成し、第２図に示す様にそのうち２本
の発熱体を可撓性シート２７の上面に、残りの２
本を反対側の下面に互に平行に、しかも上面と下
面とに交互に固定した。ここで用いた可撓性シー
ト２７は縦巾33cm，横巾20cmの布であり、その布
への発熱体２１の固定は耐熱性接着剤および縫い
付けによつた。２４および２５は潜熱蓄熱材を収
納する密封容器であり、ここではポリエチレン
（60μｍ）／Al箔（9μｍ）／ナイロン（12μｍ）の
３層からなるプラスチツクラミネートフイルムを
容器材質として用い、ポリエチレン側を内側にし
て熱圧着シールによりチユーブ状の容器を作成し
た。２４としては長さ32cm，内容積50cm²のチユー
ブ状容器をそれぞれ作成した。２４は容器には潜
熱蓄熱材２６を88ｇ，25の容器にはそれぞれを62
ｇ充填した後、密封した。ここで用いた潜熱蓄熱
材２６は実施例(1)で用いたものと同じである。２
４および２５と同じものをそれぞれ４本づつ作成
した。そして、４本の密封容器２４でもつて、そ
れぞれ４本の発熱体２１を覆い囲む様にして、容
器２４を可撓性シート２７に耐熱性接着剤で固定
した。また、その可撓性シート２７のちようど反
対側には密封容器２５をそれぞれ、第２図の様に
耐熱性接着剤で可撓性シート２７に固定した。最
後に、４本の発熱体を並列結線した。この様にし
て第２図に示す蓄熱式電気ヒータを作成した。
今、外気温度５℃，蓄熱温度レベルを65℃に設定
すると、この蓄熱式電気ヒータの蓄熱容量は潜熱
量36kcalと顕熱量12kcalとの和48.5kcalとなり、
ヒータ電力は240W（印加電圧100V）であるから、
それだけの熱量を断熱状態で蓄熱するのに要する
時間は14分６秒となる。

次にこの蓄熱式電気ヒータを実施例１と同じく
電気チヨツキのヒータとして用いることができ
る。チヨツキの保温材の中にこの蓄熱式ヒータを
埋設した結果、電源を入力するとチヨツキは保温
状態（20W放熱）に入り電源を入力してから15分
23秒で潜熱蓄熱材２６の温度は設定温度の65℃に
達し、この時点で電源を切断しても、その後、２
時間49分保温状態（20W放熱）を持続することが
できた。この様に本発明実施例の蓄熱式ヒータ
（ヒータ電力240W，蓄熱容量48.5kcal）を用いる
と電源切断後も保温機能を持続することができ
る。しかも、この蓄熱式ヒータは軽量（約700ｇ）
であり、可撓性があり、低コストであり実用性の
高いものである。

実施例３第３図に示す様な潜熱蓄熱式電気ヒータを試作
した。３１は発熱材であり、ここでは表面が電気
絶縁されたニツケル金箔から成り、面積５cm×３
cm，消費電力20W（印加電圧25V）の面状ヒータ
を用いた。この同じ面状ヒータを12個作成し、そ
れらを第３図に示す様に４個づつ直列に結線し、
３本の直列体を作成し、さらにその直列体間を並
列結線した。１２はリード線であり、発熱体間の
直列結線の長さは３cmであつた。この様な12個の
面状ヒータを第３図に示す様に可撓性シート３７
の片面に耐熱性接着剤で固定した。ここで用いた
可撓性シートは面積34cm×20cmプラスチツクフイ
ルムである。３４および３５は潜熱蓄熱材を収納
する密封容器であり、ここでは実施例２で用いた
プラスチツクラミネートフイルムと同じ材質のも
のを用い、熱圧着シールにより長さ６cm，巾４
cm，内容積16.8cm³の袋を24個作成し、それらの袋
３４および３５の中に実施例１で用いたものと同
じ潜熱蓄熱材３５を20ｇ充填した後、それらの袋
を密封した。これらの12個の密封容器３４は面状
ヒータの上に、残りの12個の密封容器３５は可撓
性シート３７を介して面状ヒータの下方にそれぞ
れ固定した。なお、面状ヒータの下方にそれぞれ
固定した。なお、面状ヒータ３１と密封容器３４
との間および可撓性シート３７（面状ヒータのあ
る部分）と密封容器３５との間には熱良導性充填
材（Cu粉）を充填し、密封容器３４および３５
の周辺部を接着剤で可撓性シートに固定した。な
お、発熱体３１とリード線３２との接続部３３は
密封容器の壁、あるいは可撓性シートを介して潜
熱蓄熱材３６と熱的接触を保つ様にした。この様
にして作成した第３図に示す蓄熱式電気ヒータは
蓄熱容量38.8kcal（但し、外気温度５℃，蓄熱温
度レベル65℃）、ヒータ電力240W（100V印加）で
ある。

この蓄熱式電気ヒータを実施例１私同じく電気
チヨツキのヒータとして用いると、電源を入力す
るとチヨツキは20W放熱の保温状態に入り、電源
を入力してから12分18秒で潜熱蓄熱材３６の温度
は設定温度の65℃に達し、この時点で電源を切断
しても、その後、２時間15分保温状態（20W放
熱）を持続することができた。しかもこの蓄熱式
電気ヒータは軽量（約650ｇ）であり、可撓性が
あり、低コストであり、実用性の高いものであ
る。

発明の効果以上の如く本発明の蓄熱式電気ヒータは、短時
間蓄熱（例えば30分以内）、長時間放熱（例えば
２時間以上）が可能である蓄熱効率の高いヒータ
を得ることができる。さらに本発明の構成は軽量
であり、可撓性があり、安全性が高く、低コスト
なヒータを提供し、局所暖房器などのヒータとし
て用いた場合、そのコードレス化を可能にするも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ、第２図ａ，ｂ、および第３図
ａ，ｂはそれぞれ本発明の蓄熱式電気ヒータの実
施例を示す断面図および平面図である。１１，２１，３１……発熱体、１２，２２，３
２……リード線、１３，２３，３３……発熱体と
リード線との接続部、１４，１５，２４，２５，
３４，３５……潜熱蓄熱材を収納する密封容器、
１６，２６，３６……潜熱蓄熱材、１７，２７，
３７……可撓性シート。

Claims

【特許請求の範囲】１可撓性シートの少なくとも片面上に少なくと
も２個以上の発熱体を設置し、上記発熱体の間を
リード線で電気的接続し、潜熱蓄熱材を収納する
少なくとも２個以上の密封容器で上記発熱体を包
囲してなる蓄熱式電気ヒータ。２可撓性シートは、布、あるいはプラスチツク
フイルム、あるいはプラスチツクラミネートフイ
ルムから成る電気絶縁性シートで構成した特許請
求の範囲第１項記載の蓄熱式電気ヒータ。３発熱体および上記リード線は、電気絶縁被覆
してなる特許請求の範囲第１項記載の蓄熱式電気
ヒータ。４発熱体は、線状、リボン状、あるいは面状発
熱体で構成してなる特許請求の範囲第１項記載の
蓄熱式電気ヒータ。５発熱体は、密封容器に密接して設けた特許請
求の範囲第１項記載の蓄熱式電気ヒータ。６発熱体と密封容器との間隙に熱良導性充填剤
を詰めた特許請求の範囲第１項記載の蓄熱式電気
ヒータ。７発熱体と密封容器は、熱良導性接着剤で接着
した特許請求の範囲第１項記載の蓄熱式電気ヒー
タ。８発熱体は、可撓性シートに密着固定してなる
特許請求の範囲第１項記載の蓄熱式電気ヒータ。９密封容器は、可撓性シートに固定した特許請
求の範囲第１項記載の蓄熱式電気ヒータ。１０密封容器は、可撓性シートを介して発熱体
に熱的に接触させた特許請求の範囲第１項記載の
蓄熱式電気ヒータ。１１発熱体とリード線との接続部は、密封容器
と直接的にあるいは可撓性シートを介して間接的
に熱的に接触させた特許請求の範囲第１項記載の
蓄熱式電気ヒータ。１２密封容器は、プラスチツク、あるいは金属
箔、あるいは金属箔・プラスチツクラミネートフ
イルムで構成した特許請求の範囲第１項記載の蓄
熱式電気ヒータ。