JPH0257660A - 耐食性に優れた焼結合金鋼の製造方法 - Google Patents

耐食性に優れた焼結合金鋼の製造方法

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JPH0257660A
JPH0257660A JP63206708A JP20670888A JPH0257660A JP H0257660 A JPH0257660 A JP H0257660A JP 63206708 A JP63206708 A JP 63206708A JP 20670888 A JP20670888 A JP 20670888A JP H0257660 A JPH0257660 A JP H0257660A
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sintered
corrosion resistance
sintered alloy
alloy steel
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Osamu Furugimi
修 古君
Sadakimi Kiyota
禎公 清田
Junichi Ota
純一 太田
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、粉末冶金法によって製造される耐食性に優れ
た安価な焼結合金鋼の製造方法に関する。
〈従来の技術〉 近年、粉末冶金法による焼結部品の製造は著しい伸びを
示し、焼結部品の適用範囲が広がりつつある。 なかで
も、ステンレス鋼を用いた自動車部品、電子・電気部品
、事務用部品は、形状の複雑化に伴い、製造方法も切削
加工法から粉末冶金法に置き換えられつつある。
しかし、粉末冶金法で製造された焼結合金には気孔が存
在し、この気孔が耐食性や機械的特性を損ねる欠点があ
った。 このため、焼結合金の密度はできるだけ高いこ
とが必要で、密度比92%以上が望まれている。
〈発明が解決しようとする課題〉 粉末冶金法による焼結部品の製造に際し、従来の金型ブ
レス成形では、原料粉の粒径が150〜数10μmと大
きいので、成形、焼結だけでは密度比80〜90%とな
り、十分な高密度が得られなかった。 特に、原料が粗
粒粉であるため、粒子間の隙間が大きく、50μm以上
の径を有する気孔ができ、これは、焼結によっても収縮
するが消滅せずに焼結合金の組織中に残留し、これに起
因した耐食性の劣化が顕著であった。
そこで、焼結合金の高密度化と耐食性の向上のために、
各種の方法が提案されている。
例えば、液相焼結を行うことによって高密度化を図り、
同時に耐食性を向上させる方法がある。
この方法は、耐食性を改善するためにステンレス鋼粉に
他の合金元素を添加し、液相を出現させて高密度化を図
るものである。
具体的には、特開昭58−213859号で示されてい
るように、焼結中にCoやBを含む液相が生じて気孔を
埋めるように、COやBを生地中に分散した焼結材料を
用いる方法である。 しかし、COは高価な金属である
ため、製品のコスト高を招き、粉末冶金の長所である経
済性が損なわれる。
また、特開昭61−253349号に示されているよう
に、Pを添加し、同様に液相を出現させて高密度化した
焼結ステンレス鋼も提案されている。 しかし、Pの固
溶した液相部が冷却後に脆弱な相として残るために、機
械的特性が劣化する。
従って、このような合金元素を添加し、液相焼結するこ
とによって高密度化するだけでは、所望の特徴を有する
焼結合金は得られない。
また、高温、高圧下(熱間等方圧加圧、HIP)で−次
焼結体を再焼結することによって高密度化を図り、同時
に耐食性を向上させる方法がある。
この方法は、セラミックスの焼結体製造方法として開発
された方法であるが、近年は、焼結合金の製造にも応用
されている。 具体的には、圧力媒体としては、普通は
Arガスを用い、1000〜2000気圧、1300〜
1500℃の条件下で一次焼結体を再焼結し、緻密な焼
結合金とする方法である。
この方法により、焼結合金の高密度化と耐食性の向上を
図ることができるが、1000〜2000気圧の圧力を
得るためには特別な装置が必要であり、コストが非常に
高くなる。
さらに、本出願人により、特願昭63−156841号
で、耐食性および機械的性質の優れた焼結合金鋼の製造
方法が提案されている。
この方法によれば、耐食性および機械的性質の優れた焼
結合金鋼が得られる。 しかし、原料鋼粉として平均粒
径15μm以下の微粉を用いなければならない。 そし
て、このような微粉は、高圧水アトマイズ法により、ま
たは、水アトマイズ法で得られた鋼粉を分級して得られ
るものであるから、極めてコスト高となる。
以上のように、焼結合金の高密度化と耐食性の向上のた
めに提案されている各種の方法は、コスト高を招く等の
欠点を有する。
本発明は、原料粉末として通常の粒径(平均粒径16〜
40μm)の合金鋼粉を用いても密度比は92%以上と
なり、鋼粉表面のCr量の低下がないために耐食性に優
れる焼結合金鋼の製造方法の提供を目的とするものであ
る。
く課題を解決するための手段〉 本発明者らは、焼結合金鋼の焼成条件に関して鋭意研究
を重ねた結果、本発明を完成させるに至ったものである
本発明は、Cr:18〜25重量%、Ni:8〜24重
量%を含む鋼粉を用い、または、Cr:16〜25重量
%、Ni:8〜24重量%、Motto重量%以下を含
む鋼粉を用い、該鋼粉に結合剤を添加混合して成形した
後、該成形体中の結合剤を非酸化性雰囲気中で加熱して
除去し、続いて、非酸化性雰囲気中で1100〜137
0℃で焼結し、その後、一旦常温まで冷却するかまたは
冷却することなしに、圧力0.1Torr以下の減圧下
で1100〜1370℃で焼結し、さらに、一旦常温ま
で冷却するかまたは冷却することなしに、非酸化性雰囲
気中で1250〜1370tで焼結することを特徴とす
る耐食性に優れた焼結合金鋼の製造方法を提供するもの
である。
以下に、本発明の詳細な説明する。
本発明の耐食性に優れた焼結合金鋼の製造方法において
用いる原料鋼粉は、Crを16〜25重量%、Niを8
〜24重量%、MOを0または10重量%以下含む。 
これらの成分は、耐食性を左右する重要な元素であり、
各々の含有量は、以下の理由によって限定される。
Cr : Crは、その含有量が高いほど耐食性は向上
する。 含有量が16重量%未満では、所望の耐食性が
得られず、一方、25重量%を超えて添加しても、それ
以上の顕著な効果の向上は認められず、コストの点で不
利となる。
さらに、Cr含有量が高いと、シグマ脆性、475℃脆
性といった問題が生ずる。
Ni :Niは、オーステナイト相を安定化させるため
に必要な元素である。オ−ステナイト相が安定化すると
、耐食性および靭性等の機械的特性が向上する。 含有
量が8重量%未満では、安定なオーステナイト相の生成
能が乏しく、耐食性が劣化する。 一方、24重量%を
越えて添加しても、それ以上の顕著な効果の同上は認め
られず、コストの点で不利となる。
Mo:Moは、耐食性、耐酸化性改善に有効な元素であ
る。  10重量%を越えて添加しても、それ以上の顕
著な効果の向上は認められず、コストの点で不利となる
尚、本発明で用いる原料鋼粉は、Moは含有していなく
てもよいのであるが、上記の通り、MOは耐食性、耐酸
化性改善に有効な金属であるから、Moを含有する原料
鋼粉を用いた方が、より耐食性、耐酸化性に優れた焼結
体が得られる。
鋼粉の平均粒径は、焼結体の密度比を左右する因子の一
つであり、平均粒径が小さいほど密度比は上昇する。 
−殻内には、平均粒径が15μmを超える鋼粉を用いる
と、成形時に生じる粒子間の隙間も大きくなり、所望の
耐食性が得られなくなる。 しかし、本発明においては
、通常の粒径(平均粒径16〜40μm)の原料鋼粉を
用いても、後述する焼結工程を経ることにより、粒子間
の隙間が小さく、耐食性を有する焼結合金鋼が得られる
従って、原料鋼粉は、アトマイズ法、混粉法等の通常の
方法で得られるものでよい。
本発明では、上記の鋼粉を用い、まず成形を行うが、平
均粒径が16〜40μm程度であるため、鋼粉だけでは
液相焼結が進まない。 そこで、結合剤を添加混合した
後に成形を行う。
結合剤は、熱可塑性樹脂および/またはワックスを主体
とするものを使用し、必要に応じて可塑剤、潤滑剤およ
び脱脂促進剤などを添加する。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系、ポリエチレン系、
ポリプロピレン系およびポリスチレン系等があり、ワッ
クス類としては、密ろう、木ろう、モンタンワックス等
に代表されるような天然ろう、および低分子ポリエチレ
ン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワック
ス等に代表されるような合成ろうがあるが、これらから
選ばれる1種あるいは2種以上を用いる。
可塑剤は、主体と成る樹脂あるいはワックスとの組合せ
によって選択するが、具体的には、フタル酸ジー2−エ
チルヘキシル(DOP)、フタル酸ジエチル(DEP)
  フタル酸ジ−n−ブチル(DHP)等があげられる
潤滑剤としては、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル等があげられ、場合によっては、ワックス類を潤
滑剤として兼用する。
また、脱脂促進剤として、樟脳等の昇華性物質を添加す
ることもできる。
尚、結合剤の量は、後工程の成形法によって異なり、通
常の金型ブレス成形では0.5〜3.0重量%、射出成
形では10重量%程度である。
鋼粉とバインダとの混合・混練には、バッチ式あるいは
連続式のニーダが使用でき、パッチ式ニーダの中では加
圧ニーダやバンバリーミキサ−等が、また、連続式ニー
ダの中では2軸押出し機等がそれぞれ有利に適合する。
 そ して、混練後、必要に応じてペレタイザーあるい
は粉砕機等を使用して造粒を行い、成形用コンパウドを
得る。
成形は、従来の金型ブレス成形をはじめとして、押し出
し成形、粉末圧延成形、射出成形等の方法で行うが、射
出成形が好ましい。
射出成形は、通常のプラスチック用射出成形機、あるい
は各種のセラミック用、金属粉末用の射出成形機等、通
常の射出成形に用いられる射出成形機を用いて行なえば
よい。 この際において、射出圧力は、通常0.5〜2
.5t / c m 2種度、温度は100〜180℃
程度である。
成形後、結合剤を除去するため、非酸化性雰囲気中、好
ましくはN、雰囲気中またはAr霊霊気気中加熱する。
 尚、このときの処理雰囲気を、加圧もしくは減圧状態
にしてもよいのは公知の通りで、ある。
加熱温度は、最高温度が450〜650℃程度、また、
保持時間はO〜6hr程度である。
尚、この時の男、温速度を速くしすぎると、得られた成
形体に割れや膨れが生じるので、5〜b ましい。
結合剤を除去した後、焼結を行う。 前工程の加熱処理
終了時、結合剤の一部が残留しているが、焼結により、
残留結合剤中の炭素とステンレス鋼粉の表面に存在する
酸化被膜中の酸素との反応を促進させ、最終焼結体中の
C量を減少させる。 従って、結合剤の除去程度を加減
するか、あるいは除去後に酸化処理を行い、C10モル
比を最適値に、好ましくは0.3〜3.0に調節してか
ら焼結を行う。
第一段の焼結は、非酸化性雰囲気中で 1100〜1370℃で行い、保持時間は0.5〜8時
間時間上する。
第一段の焼結は、結合剤等に由来するCの存在を利用し
た液相焼結である。 この工程により、焼結合金鋼の密
度比が大幅に上昇する。
ここで、非酸化性雰囲気中で焼結を行うのは、焼結を酸
素を含有する雰囲気中で行うと、c+o−*co、CO
+O−+CO,の反応が進み、炭素が消費され、液相焼
結が十分に行われなくなってしまうためである。
また、温度は、1100℃未満では、液相焼結ができず
、密度不足となり、一方、1370℃超では、液相部分
が多くなりすぎ、形状が崩れたり、脆化相を歿すことに
よる強度の低下を招き、また、焼結合金鋼の表面性状の
悪化をもたらすので好ましくない。 本温度範囲内で焼
結を行うと、Cの存在下で液相焼結が可能であリ、原料
粉末として通常の粒径の鋼粉を用いても、焼結合金鋼の
密度比が向上する。
保持時間は、0.5時間未満では十分な密度比の上昇が
見込めず、8時間超では、密度比の漸進的な上昇効果が
なくなるので好ましくない。
第一段の焼結後、一旦常温まで冷却するかまたは冷却す
ることなしに第二段の焼結工程に移行する。 ここで、
冷却の有無は、焼結に用いる装置に依存する。
第二段の焼結は、圧力0.1Torr以下の減圧下で1
100〜1370℃で行い、保持時間は0.5〜8時間
時間上する。
第二段の焼結は減圧焼結であり、この工程により、耐食
性を損なう焼結合金鋼中のC量が低減され、また、Cr
系酸化物の還元が促進される。
減圧焼結は、通常の焼結工程で用いられている水素雰囲
気下における焼結に比べ、含有Cの作用により容易にC
r系酸化物の還元を促進させることができ、その結果、
高密度の焼結合金鋼を得ることができる。
焼結作用は、鋼粉同士の接触点から始まり、金属原子の
固体拡散によって進行するが、鋼粉表面が酸化物で覆わ
れている場合は、金属原子の拡散が遮られて緻密化が進
まず、焼結合金鋼の高密度化が達成されない。 つまり
、高密度を得るためにはCr系酸化物を還元する必要が
あり、そのために、減圧下(0,I To r r以下
)で焼結を行う。 圧力が0.1Torrを超えると、
Cr系酸化物の還元反応が進みにくい。
また、焼結時の温度もCr系酸化物の還元反応に影響を
与える。
温度1100℃未満では、十分な脱炭が見込めず、また
、Cr系酸化物の還元が十分なされないため、酸化物が
残留し、その後の焼結を阻害する。  1370℃を超
えると、脱炭が進まないうちに焼結が進んでしまい、結
果として焼結合金鋼中のC量が多くなり、余分なCh<
 F eやCrの炭化物を生成し、低Cr帯を生じるた
めに、あるいはCr炭化物やC自身の存在のために、焼
結合金鋼の耐食性が悪化する。 さらに、Cは液相を出
現させるが、C量が多いと液相部分が多くなりすぎ、形
状が崩れたり脆化相を残すことによる強度の低下を招き
、また、焼結合金鋼の表面性状の悪化をもたらすので好
ましくない。
保持時間は、0.5時間未満では、十分な脱炭とCr系
酸化物の還元が見込めず、8時間超では、もはや漸進的
な効果が見込めないので好ましくない。
第二段の焼結後、第一段の焼結後と同様に、用いる装置
により、一旦常温まで冷却するかまたは冷却することな
しに第三段の焼結工程に移行する。
第三段の焼結は、非酸化性7囲気中で 1250〜1370℃で行い、保持時間は0.5〜8時
間時間上する。
第三段の焼結は、焼結合金鋼の高密度化と溶体化処理と
を兼ねる。 この工程により、−段と高密度が進み、ま
た第二段の工程で減少した鋼粉表面のCrが内部からの
拡散にょフて補われ、Cr量が均一化する。
前段階までの焼結で、鋼粉同士に接触点ができているが
、さらに高温で焼結することにより、金属原子の固体拡
散を促進させて焼結を進め、残留気孔の微細化と球状化
を図り、高密度化を達成する。 この際の温度が125
0℃未満では、焼結合金鋼の密度化の向上は顕著ではな
く、また前段階の減圧下での焼結中に蒸発して減少した
鋼粉表面のCrを、内部からの拡散により補うことがで
きない、 一方、1370℃を超えて焼結した場合、鋼
粉の表面からのCrの蒸発量が大きくなり、Crの濃度
分布が不均一になるばかりでなく、液相部分が多くなり
すぎ、形状が崩れたり、脆化相を残すことによる強度の
低下を招き、また、焼結合金鋼の表面性状の悪化をもた
らすので好ましくない。
保持時間は、0.5時間未満では十分な高密痩化とCr
の拡散が行われず、8時間超では、もはや漸進的な効果
が見込めないので好ましくない。
なお、この工程を非酸化性雰囲気中で行うのは、前段ま
での焼結合金鋼中のC量と0量を維持するためである。
また、ここまでの工程において、非酸化性雰囲気を作る
ために用いるガスは、Ar、He等の不活性ガスのほか
、CH4、C3Ha等の還元ガス、N2または燃焼排ガ
ス等である。
〈実施例〉 本発明を、実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例■) 原料粉末として、 Cr:18.7重量%、Ni:12.4重量%、C:0
.02重量%、O:0.06重量%を含み、残部Feお
よび不可避的不純物元素とからなる組成を有する水アト
マイズ鋼粉で平均粒径が32μmのもの(A粉)と、C
r:24.6重量%、Ni:8.8重量%、MO二8.
3重量%、C:0.03重量%、0:0.08皿量%を
含み、残部Feおよび不可避的不純物元素とからなる組
成を有する水アトマイズ鋼粉で平均粒径が36μmのも
の(B粉)とを用意した。
これらに、アクリル樹脂を主体とする熱可塑性樹脂10
重量%を加え、加圧ニーダを用いて混練した。 これを
、160℃、it/cm2で射出成形を行い、40mω
X20mmX3mmの成形体とした。 つぎに、Ar雰
囲気中で、10’C/hの昇温速度で600℃まで昇温
し、3時間保持して結合剤を除去した。
次に、第一段の焼結処理として、Ar中で、第−表に示
す温度に60分間保持した後、大気中で放令し、続いて
、第二段の焼結処理として、0.04Torrの減圧下
、1250℃に5時間保持した後、室温まで冷却し、さ
らに、第三段の焼結処理として、Ar中で1300℃に
60分間保持し1、焼結合金鋼を得た。
冷却後、アルキメデス法による密度および真密度より密
度比を求め、また、焼結合金鋼中のCrの濃度分布をX
MA装置で分析した。 焼結合金鋼表面のCr量が、内
部のCr量の80%以上のものを均一 80%未満のも
のを不均一とした。
さらに、耐食性を評価するために、焼結合金鋼を温度5
0℃の人工汗中に24時間放置した後、錆の発生の有無
を実体顕微鏡で観察した。
錆が全く見られない場合を良好、少しでも発錆したり変
色している場合を発錆とした。
結果は、第1表に示した。
(実施例ir ) A粉を用い、実施例■と同様な方法で成形体を製造し、
結合剤を除去した。 次に、第一段の焼結処理として、
Ar中で1250℃に60分間保持した後、大気中で放
冷し、続いて、第二段の焼結処理として、0.07To
rrの減圧下、第2表に示す温度に5時間保持した後、
引き続き、第三段の焼結処理として、Ar中で1300
℃に60分間保持し、焼結合金鋼な得た。
その後、実施例■と同様に密度比を求め、また、焼結合
金鋼中のC量とCrの濃度分布をXMA装置で分析した
さらに、実施例Iと同様に、耐食性を評価した。
結果は、第2表に示した。
(実施例m ) B粉を用い、実施例Iと同様な方法で成形し、結合剤を
除去した。 次に第一段の焼結処理として、Ar中で1
250℃に60分間保持した後、大気中で放冷し、続い
て、第二段の焼M処理として、0.05Torrの減圧
下、1250℃に5時間保持した後、引ぎ続き、第三段
の焼結処理として、Ar中で、第3表に示す温度に60
分間保持し、焼結合金鋼を得た。
その後、実施例Iと同様に密度比、C「の濃変分布、耐
食性を測定、評価した。
結果は、第3表に示した。
第 表 実施例■は、焼結合金鋼の密度比、Crの濃度分布、耐
食性に対する第一段焼結時の温度の影響を検討したもの
である。
本発明例は、いずれも密度比が92%以上であり、Cr
の濃度分布は均一であり、良好な耐食性を示した。 一
方、比較例は、第一段焼結時の温度が低いために、十分
な液相焼結が成されなかったと考えられ、密度比が90
〜91%と低く、そのために、耐食性は不良であった。
実施例!■は、焼結合金鋼の密度比、C量、Crの濃度
分布、耐食性に対する第二段焼結時の温度の影響を検討
したものである。
本発明例は、いずれも密度比が93%以上であり、C量
は0.03%以下であり、Crの濃度分布は均一であり
、良好な耐食性を示した。
一方、比較例は、第二段焼結時の温度が低いために、十
分な脱炭とCr系酸化物の還元が成されなかったと考え
られ、そのために、C量が0.08〜0.09%と多か
った。 従って、耐食性は不良であった。
実施例!!!は、焼結合金鋼の密度比、Crの濃度分布
、耐食性に対する第三段焼結時の温度の影響を検討した
ものである。
本発明例は、いずれも密度比が93%以上であり、Cr
の濃度分布は均一であり、良好な耐食性を示した。 一
方、比較例は、第三段焼結時の温度が低いために、第二
段焼結時に蒸発して減少した鋼粉表面のCrを、内部か
らの拡散によって十分補うことができず、Crの濃度分
布が不均一となり、部分的な耐食性低下によると思われ
る耐食性の劣化が認められた。
を行うこともなく、特別な装置を必要とせずに、耐食性
に優れる焼結合金鋼を容易に製造することができる。
本発明では、原料鋼粉として通常の粒径のものを用いる
ことができるために、原料費が極めて安くなり、加えて
製造時に特別な装置を必要としないので、耐食性に優れ
る焼結合金鋼の製造コストが低下する。 そのために、
焼結合金鋼を、より広い分野で使用することができるよ
うになる。
〈発明の効果〉 本発明により、原料粉末として通常の粒径(平均粒径1
6〜4oAtm)の合金鋼粉を用いても、密度比は92
%以上となり、鋼粉表面のCr量の低下がないために耐
食性に優れる焼結合金鋼の製造方法が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)Cr:16〜25重量%、 Ni:8〜24重量%、 を含む鋼粉を用い、該鋼粉に結合剤を添加混合して成形
    した後、該成形体中の結合剤を非酸化性雰囲気中で加熱
    して除去し、続いて、非酸化性雰囲気中で1100〜1
    370℃で焼結し、その後、一旦常温まで冷却するかま
    たは冷却することなしに、圧力0.1Torr以下の減
    圧下で1100〜1370℃で焼結し、さらに、一旦常
    温まで冷却するかまたは冷却することなしに、非酸化性
    雰囲気中で1250〜1370℃で焼結することを特徴
    とする耐食性に優れた焼結合金鋼の製造方法。
  2. (2)Cr:16〜25重量%、 Ni:8〜24重量%、 Mo:10重量%以下 を含む鋼粉を用い、該鋼粉に結合剤を添加混合して成形
    した後、該成形体中の結合剤を非酸化性雰囲気中で加熱
    して除去し、続いて、非酸化性雰囲気中で1100〜1
    370℃で焼結し、その後、一旦常温まで冷却するかま
    たは冷却することなしに、圧力0.1Torr以下の減
    圧下で1100〜1370℃で焼結し、さらに、一旦常
    温まで冷却するかまたは冷却することなしに、非酸化性
    雰囲気中で1250〜1370℃で焼結することを特徴
    とする耐食性に優れた焼結合金鋼の製造方法。
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