JP2588272B2 - Fe−Co系焼結磁性材料の製造方法 - Google Patents

Fe−Co系焼結磁性材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、射出成形法を用いた直流または交流磁気特
性に優れたFe−Co系焼結磁性材料の製造方法および得ら
れる軟磁性材料に関する。
<従来技術とその問題点> Fe−Co系合金は、あらゆる磁性材料の中で最高の飽和
磁束密度を有する軟質磁性材料として知られており、小
型でも高い磁気エネルギーの伝達が要求されるモーター
や磁気ヨークなどへの応用が期待されている。しかし溶
製材としてのFe−Co系合金は、脆いため、冷間加工が不
可能に近いという欠点を持っている。
このためバナジウムを添加することにより冷間加工性
を改善する試みがなされているが、ある程度改善がみら
れるものの加工性はやはり不十分である。
粉末治金法は、このような難加工性を克服する有力な
手段と考えられているが、焼結体の高密度化が困難で、
実用性のある磁気的特性を有する材料が得られない。こ
のため種々の方法が提案されている。
例えば特開昭61−291934号では、規則格子を形成して
いないFe−Co合金の利用により、圧縮性の改善と焼結性
の改善をはかっている。また特開昭62−54041号では、
熱間静水圧プレス(HIP)処理による焼結密度向上がな
され、特開昭62−142750号ではFe−Co合金粗粉とCo微粉
の組合せによる圧粉密度の改善と焼結密度の向上がなさ
れている。
しかしながらこれらの提案はいずれも、圧縮成形によ
るため、圧縮性を阻害しない程度で、金型クリアランス
にかみ込まれない程度の焼結性に乏しい粗粉末しか使用
できないので、焼結材の磁気特性は低く、さらに高い磁
気特性を有する焼結材料が要望されていた。
また、特開昭55−85650号公報には、Fe−Co系合金に
0.1〜0.4%のホウ素を添加して高密度焼結材を得る試み
が開示されている。
また、特公昭57−38663(特開昭55−85649)号公報に
は、Fe−Co系合金に0.05〜0.7%のリンを添加して高密
度焼結材を得る試みが開示されている。
しかし、いずれの場合も、第三元素による焼結中の遷
移的な液相生成を利用して高密度化を促進するもので、
焼結温度を狭い範囲に厳密に管理することが必要である
ため、量産時においては、高い製品歩留りを得ることが
困難である。また、いずれの添加元素も、Fe−Co合金の
脆性を助長するものであるため、最終的に精密部品に仕
上げる加工工程で、割れや欠け(チッピング)が生じる
問題があった。
また、特開昭61−291934号、特開昭62−142750号では
1300〜1400℃での高温焼結処理が必要であり、また特開
昭62−54041号では1300℃程度の高温での焼結に加えて8
00気圧以上という高温をも必要とし、大量生産が困難で
あるばかりでなく特別な装置を必要とするため経済的で
ない。
一方、実質的にFe、Coのみを含有する材料は電気抵抗
率が低く、交流使用時に鉄損値が増大する。このためF
e、Co系材料に第3成分を入れることが考えられる。例
えばFe−Co−V系材料では、交流特性が改善されるが、
このような第3成分は焼結時に酸化されやすい等の問題
があり、酸化を抑制する製造方法が開発されないと直流
特性が劣るという問題点がある。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、複雑な形状に加工することができ、
優れた直流磁気特性を有し、さらに低鉄損の高飽和磁束
密度を有するFe−Co系焼結磁性材料および経済性にも優
れたその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、交流使用時に鉄損値が少なく、
交流磁気特性に優れたFe−Co系焼結磁性材料および成形
加工が容易で、成分の極端な酸化を伴わずに有機バイン
ダに起因するCを除去することのできるその製造方法を
提供しようとする。
<課題を解決するための手段> 以上の目的を達成するために、本発明の第1の態様
は、平均粒径が3〜25μmのFe、Co、Vの合金粉および
/または混合粉末を調整し、 次にこれを少なくとも有機バインダと混練し、射出成
形処理、脱脂処理を行った後、 還元性雰囲気または30Torr以下の減圧雰囲気中1000〜
1300℃で低温焼結を行った後、不活性ガス雰囲気中でさ
らにこれより50℃以上昇温して高温焼結を行って、 Co:15〜60wt%、 V:0.5〜3.5wt%、 O:0.6wt%以下、 C:0.04wt%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、焼
結密度比が95%以上、平均焼結粒径が50μm以上500μ
m以下である焼結材料を得るFe−Co系焼結磁性材料の製
造方法を提供する。
低温焼結が30Torr以下の減圧雰囲気中1000〜1300℃で
あるのが好ましい。
本発明の第2の態様は、平均粒径が2〜15μmのFe粉
を含有し、かつ平均粒径が1〜10μmのCo粉および平均
粒径が3〜10μmのFe−Co合金粉から選ばれる少なくと
も1つを含有し、かつ 平均粒径が1〜30μmのCrおよび/またはCr酸化物粉
および平均粒径が2〜30μmのFe−Cr合金粉から選ばれ
る少なくとも1つを含有し、 次にこれを少なくとも有機バインダと混練し、射出成
形処理、脱脂処理を行った後、 還元性雰囲気または30Torr以下の減圧雰囲気中1000〜
1350℃で低温焼結を行った後、非酸化性雰囲気中でさら
にこれより50℃以上昇温して高温焼結を行い Co:20〜50wt%、 Cr:0.5〜3.5wt%、 O:0.04wt%以下、 C:0.02wt%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、焼
結密度比が95%以上、平均焼結粒径が50μm以上500μ
m以下であるFe−Co系焼結磁性材料の製造方法を提供す
る。
低温焼結が30Torr以下の減圧雰囲気中1000〜1350℃で
あるのが好ましい。
以上の本発明の第1の態様および第2の態様によって
得られる焼結磁性材料は、Fe−Co系、Fe−Co−V系、Fe
−Co−Cr系の特定の組成と物性をもったFe−Co系焼結磁
性材料である。
以下に、本発明を詳述する。
はじめに、本発明の製造方法を説明する。
本発明の製造方法は、金属粉末を有機バインダと混練
したのち、射出成形処理、脱脂処理しさらに異った条件
による2段の焼結処理を行うものである。特に本発明に
おいては、従来、一般に採用されている圧縮成形法の代
わりに、複雑な形状にも加工できる射出成形法を採用す
る点に大きな特徴がある。圧縮成形法では、原料粉末が
焼結性の低い粗粉末に限定されるのに対して、射出成形
法では、焼結性の高い微粉末を使用できる利点がある。
これにより従来の低い磁気特性の改良が可能になった。
さらに適切に選択したそれぞれ異なる条件で2段焼結処
理することにより、密度の高い、磁気特性の優れた焼結
材料を経済的に製造できる。
本発明の原料粉末を構成する出発原料粉末は、高圧水
アトマイズ法、還元法、カルボニル法等により製造され
る金属または合金粉末であり、鉄源としてカルボニルFe
粉、水アトマイズFe粉還元Fe粉等が、コバルト源として
アトマイズCo粉、還元Co粉、粉砕Co粉等が、鉄およびコ
バルト源としてアトマイズFe−Co粉、粉砕Fe−Co粉等が
選択でき、分級あるいは粉砕することによって所望の粒
度に調整して使用する。本発明の原料粉末は、上記出発
原料単独またはそれらの混合粉末として使用できる。原
料粉末の純度については、焼結過程で除去できるC、O
およびNを除く他の不純物が実質的に無視できる程度で
よい。
本発明に用いるバインダは、熱可塑性樹脂類またはワ
ックス類あるいはその混合物を主体とする公知のバイン
ダが使用でき、必要に応じて可塑剤、潤滑剤および脱脂
促進剤等を添加する。熱可塑性樹脂としては、アクリル
系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、およびポリス
チレン系、塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、酢酸ビニ
ル系セルロース系等の1種あるいは2種以上の混合物ま
たは共重合体が選択できる。ワックス類としては、密ろ
う、木ろう、モンタンワックス等に代表されるような天
然ろうおよび低分子ポリエチレン、ミクロクリスタリン
ワックス、パラフィンワックス等に代表されるような合
成ろうより1種あるいは2種以上を選択して使用でき
る。可塑剤は、主体となる樹脂類あるいはワックス類と
の組合せによって選択しジオクチルフタレート(DO
P)、ジエチルフタレート(DEP)、ジヘプチルフタレー
ト(DHP)等を使用できる。潤滑剤としては、高級脂肪
酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル等を使用でき、場合
によってはワックス類を潤滑剤として兼用する。また、
脱脂を促進することを目的に、樟脳等のような昇華性物
質を添加することもできる。
添加すべきバインダ量は、全体積の45〜60vol%であ
り(残体積は原料金属粉)、成形すべき形状の成形容易
性と脱脂性を考慮して調整できる。
原料粉とバインダとの混合・混練には、バッチ式ある
いは連続式のニーダを使用できる。混練後、ペレタイザ
ーあるいは粉砕機等を使用して造粒を行い成形用原料を
得る。
成形用原料は、通常のプラスチック用射出成形機を用
いて、成形をすることができる。
得られた成形体は、大気中あるいは雰囲気ガス中で、
脱脂処理を施こす。
これは、成形後バインダを除去するために行う工程
で、特に限定されるものではないが、例えば、還元性雰
囲気、不活性ガス雰囲気、減圧雰囲気等の非酸化性雰囲
気中で一定速度で昇温し、400〜700℃の温度に保存す
る。この時、昇温速度を速くし過ぎると製品に割れが腫
れを生じるため5〜100℃/hで昇温するのが好ましい。
本発明の特徴である2段焼結処理は、比較的低温での
焼結と、比較的高温での焼結を行う。ここで言う低温お
よび高温とは、VおよびCrの酸化物の存在に起因してα
→γ変態点を経由する際に焼結材料の焼結粒のいちじる
しい成長が起らない場合であり(V、Cr酸化物は1000℃
未満では還元が困難)、最も効果的にV、Crの酸化物を
還元できる温度領域を低温と言い、この温度よりも50℃
以上高い温度域を高温と言い、V、Crの酸化物を実際に
還元した温度(低温)に対して相対的に決るものであ
る。低温側での焼結は、材料の結晶粒の過度の成長を防
止しつつ、C、Oその他の不純物を除去して材料を高純
度化し、一方、材料中の空孔を閉空孔化する。基本的に
は、Fe−Co系材料の焼結速度が加速しはじめる温度に設
定する。あまり高温にすると粉末同志の焼結が早く進行
し、焼結粒が過度に成長するので、高純度化、閉空孔化
の妨げとなる。Fe−Co系にVやCrを加える場合は、Vは
酸化しやすいのでできるだけ酸化を防止、あるいは還元
できる条件が好ましく、CoやCrは材料表面から蒸発しや
すいのでできるだけ蒸発を少なくする条件を選ぶことが
必要である。
高温側の焼結条件は、材料の結晶粒を成長させ高密度
化をはかり、また、各成分の拡散速度の高い温度領域で
焼結して材料の均一化処理を行う。高温側の焼結によっ
て、磁気特性がより向上する。
焼結処理の雰囲気は、低温側焼結では、減圧雰囲気も
しくは還元性雰囲気、高温側焼結では不活性ガス雰囲気
とする。
また、焼結を終えた材料は、必要に応じて、磁気焼鈍
を施す。磁気焼鈍は、非酸化性雰囲気中、800〜950℃程
度の温度で行うことができる。
次に、本発明の第1の態様における製造方法について
説明する。
原料粉末の平均粒径は、焼結密度を左右し、ある上限
粒度を超えると本発明の焼結材料が得られないことを本
発明者は知見した。焼結方法によって使用しうる原料粉
末の粒度は異なるが、平均粒径は3〜25μmであること
が必要である。まず、通常の加熱のみによる焼結の場合
は、3〜9μmの平均粒径が好ましく、加熱と同時にガ
ス圧による加圧を併用する加圧焼結を適用する場合は、
10〜25μmが好ましい。加熱のみによる焼結をおこなっ
た場合、平均粒径が増加するにつれて焼結密度比は低下
し、9μmを超えると焼結密度は95%を達成できず、さ
らに25μmを超えると焼結密度比は90%を達成できな
い。
しかし、焼結密度比が90%を上回る場合は、焼結体の
気孔は閉気孔となっているため、加圧焼結によって、焼
結密度比を95%以上にすることができる。
また、10μm以上の平均粒径では加圧焼結による密度
比の向上が著しく、10μm未満の粉末よりもむしろ高い
密度比がえられる。
一方、平均粒径が25μmを超えると決して95%以上の
密度比が達成できず、本発明の焼結材料が得られないた
め、平均粒径の上限値を25μmに限定した。また、平均
粒径が3μm未満の粉末は高コストであるため、経済的
でないため除外する。
つぎに、焼結条件について説明する。
焼結の第1段目すなわち低温焼結は、還元性雰囲気で
ある水素含有ガスもしくは減圧雰囲気で行う必要があ
る。
但し、ここで言う減圧雰囲気とは、気密性の高い加熱
炉内を真空ポンプで排気することで得られ、さらに、排
気と同時に微量の非酸化性ガスを流通することでも得ら
れるものであり、前者の場合は、炉内圧は0.05Torr以
下、後者の場合は30Torr以下であることが必要である。
さもなければ、原料粉末表面の酸化物とバインダの残留
に起因する炭素との反応が十分に進まず、高純度の焼結
体が得られない。さらに、減圧雰囲気について詳しく説
明すると、酸化物と炭素との還元反応を支配するのは、
反応生成物であるCOもしくはCO2ガスの分圧の合計(以
下、生成物ガス圧と略記する)であるため、生成物ガス
圧を、常に、酸化・還元平衡圧未満に維持できるよう
に、反応系外(焼結炉外)へ排出することが必須条件と
なる。この条件を満たす方法としては、減圧雰囲気を使
用する方法、Ar、N2等の高純度の非酸化性ガスを使用す
る方法および両者を併用する方法がある。第1の場合
は、生成物ガス圧が焼結炉内の全圧に、実質上、等しく
なるような気密性の高い加熱炉に炉内全圧を0.05Torr以
下に保持できるに十分な排気速度を持つ真空ポンプを装
着した、真空焼結炉で行うことができる。第2の場合
は、炉内圧を大気圧領域でおこなうもので、生成物ガス
圧を0.05Torr以下にするためには、生成物ガスを含まな
い新鮮な高純度のガスを、単純な計算上では、759.95To
rr以上必要である。しかし、反応時に、生成ガスの約1
万倍もの非酸化性ガスを供給することは、工業的には、
不可能であるため好ましいものとはいえない。第3の場
合は、第1の場合として示した真空焼結炉に圧力調整弁
を介して生成物ガスを含まない新鮮な高純度の非酸化性
ガスを導入する方法で、加熱時の揮発性金属原子の蒸発
の抑制に幾分かの効果があるとされるもので、炉内の全
圧は30Torr以下であることが好ましい。この方法におい
ては、炉内の全圧は、生成物ガス圧と導入した非酸化性
ガス圧の和で表されるが、真空ポンプの排気速度が一定
の場合、導入ガスの有無にかかわらず、生成物ガスの加
熱炉外への排気速度は一定である。しかし、炉内の全圧
が30Torrを超えると、真空ポンプ(特に、メカニカルブ
ースターと油回転ポンプを組み合せた場合)の排気速度
は急激に低下すること、および、生成物ガスの焼結体表
面からの離脱速度が低下することに起因して、生成物ガ
スの排気速度が低下し、その結果、還元反応速度を低下
させる。そのため、炉内の全圧の上限を30Torrとした。
また、焼結温度は、1000〜1300℃で行う必要がある。こ
の下限値を下回ると、雰囲気と原料粉末との間で起こる
不純物除去反応が効果的に進行しない。また、この上限
値を超えると、不純物除去反応よりも粉末同志の焼結の
方が早く進行するために、不純物が除去できない。これ
らの不純物は、水蒸気もしくは炭酸ガスとして除去され
るため、ガス流通孔を失うことは大きな弊害となる。特
に、成形体は微粉末で構成されるため、もともと流通孔
は小さいので、注意が必要である。また、これらの温度
は、焼結の進行が速やかになりはじめる温度でもあり、
原料粉末の粒度によっても異なるため、平均粒径が小さ
い場合は、より低温側に平均粒径が大きい場合は、より
高温側に、本発明の範囲より選択するのが好ましい。
焼結時間は、使用した焼結温度で、C、O量が平衡値
に達するに要する時間であり、通常、20分〜4時間の範
囲であり、数回の試行実験で容易に決定できる。
続いて、本発明の焼結の第2段目すなわち高温焼結に
ついて説明する。
第2段目は、第1段目で高純度化、閉空孔化した焼結
体を高密度化する工程であるため、もはや反応性のガス
を使用する必要はない。したがって、雰囲気ガスは窒
素、アルゴン等の不活性ガスに限定する。また、温度
は、第1段目の焼結温度よりも50℃以上高い温度である
必要がある。
温度の下限値を、第1段目の焼結温度よりも50℃以上
高い温度としたのは、第1段目の焼結温度が、焼結速度
が加速しはじめる温度に設定してあるために、高温度化
が不充分であるためである。さらに、第1段目で減圧雰
囲気を使用した場合、構成元素の蒸気圧の差によって焼
結体表面に組成分布が生じる。また、還元性のガス雰囲
気でも、ガスに触れている焼結体もしくは粉末表面とそ
れらの内部との間に組成分布が生じることがある。この
組成分布は焼結体中の原子拡散律速で成立するものであ
り、大気圧以上の構成元素の蒸発しない雰囲気で、ある
いは化学反応の全く起こることのない雰囲気で、第1段
目よりも50℃以上高い温度、すなわち、より拡散速度の
高い温度領域で、均一化処理を速やかに進行させる必要
があるからである。
上限温度は、必要以上に結晶粒度が粗大化したり、溶
融を開始する温度である。より好ましい温度範囲は、12
00〜1400℃である。
第2段目すなわち高温焼結における焼結時間は、使用
した焼結温度で、焼結密度および化学組成分布が平衡に
達するに要する時間であり、通常、20分〜2時間の範囲
であり、数回の試行実験で容易に選択できる。
以上のように、焼結方法を限定することによって、射
出成形法を利用して、高磁気特性のFe−Co−V系焼結材
料を経済的に製造することができる。
本発明の原料粉末を構成する出発原料粉末は、すでに
説明したFe、Co、Fe−Co粉およびこれらと同様に、アト
マイズFe−Co−V粉、アトマイズFe−V粉、アトマイズ
Co−V粉、粉砕Fe−V粉等が選択できる。原料粉末の純
度については、焼結過程で除去できるC、OおよびNを
除く他の不純物が実質的に無視できる程度でよく、通
常、Fe、Co、Vの合計量が97〜99wt%の粉末が使用でき
る。
原料粉末は、バインダと混練してコンパウンドとし、
射出成形法により成形し、脱脂処理を施す。
脱脂処理の後、高密度化およびC、O量の低減のため
に前述のように焼結を行う。
また、必要に応じて、最終焼結体のC、O量を調整す
る。C、O量の増減の方法としては、脱脂体のC/O量比
の増減によってなされ、C/O量比を小さくすることでC
量を低減でき、C/O量比を大きくすることでO量を低減
できる。
C/O量比の増減には、原料粉末のC、O量の調整、バ
インダの除去程度の加減、あるいは除去後の酸化処理な
どによって行うことができる。さらに、C、O量の全体
レベル(C量とO量の積に相当)の低減には、第1段目
の焼結雰囲気の変更によって行い、減圧雰囲気を利用す
る場合は圧力の低減により、還元性雰囲気を利用する場
合は雰囲気ガスの純度の向上によって達成できる。
次に、本発明の第1の態様で得られるFe−Co−V系焼
結材料について説明する。
本発明の焼結材料は、組成が、 Co:15〜60wt% V:0.5〜3.5wt% O:0.6wt%以下 C:0.04wt%以下 Fe:残部(不可避的不純物を含む) であり、 焼結密度比:95%以上 平均結晶粒径:50μm以上 によって特徴づけられる。
焼結材料の最終組成を限定した理由について説明す
る。
Co:15〜60wt% Coは、Feに置換することによって飽和磁束密度(Bs)
を向上させる効果があるが、しかし、Co量が、15wt%に
満たない場合や、60wt%を超える場合は、その効果が小
さいため、Co量を15〜60wt%に限定した。
V:0.5〜0.5wt% VはFe−Co合金の電気抵抗率の向上に寄与する。しか
し、0.5wt%未満では、電気抵抗率向上の効果が小さ
く、3.5wt%を超えると半硬質磁性となってしまう。
O:0.6wt%以下、C:0.04wt%以下 C、Oは磁気特性、特に保磁力(Hc)および最大透磁
率(μmax)に悪影響を及ぼす。
しかしながら、Vのように非常に酸化性の高い元素を
含む場合、焼結雰囲気下で、原料粉末に起因するO量お
よび射出成形材料とするために添加した有機バインダに
起因するC量を同時に低減することは実質不可能であ
る。そこで、磁気特性に特に悪影響を与えるC量の低減
に主眼をおいた。磁気特性に対して悪影響の小さいO量
を、本発明では、むしろ高くすることによって、C量を
低減したものである。すなわち、C量が0.04wt%を超え
ると磁気特性劣化が著しいため、C量の上限値を0.04wt
%とした。
また、O量が0.6wt%を上回ると、磁気特性が著しく
劣化するため、O量の上限値を0.6wt%とした。
焼結密度比:95%以上 磁束密度は焼結密度比に比例し、焼結密度比が95%を
下回る場合、磁束密度が著しく低下し、本合金系(Fe−
Co−V系)の特徴を失う。
したがって、焼結密度比の下限を95%に限定した。以
上のように限定することによってはじめて本発明の磁気
特性に優れたFe−Co系焼結材料が得られる。
次に、本発明の第2の態様における製造方法について
説明する。
原料粉末の平均粒径は、焼結密度を左右し、ある上限
粒度を超えると本発明の焼結材料が得られない。原料粉
末として、Fe粉、Co粉およびCrおよび/またはCr酸化物
粉を使用する場合は、Fe粉の平均粒径が15μm、Co粉の
平均粒径が10μm、あるいはCrおよび/またはCr酸化物
粉の平均粒径が30μmを超えると、95%以上の焼結密度
比を得ることができず、本発明の焼結材料が得られな
い。また、Fe−Co、Fe−Cr合金粉を使用する場合は、平
均粒径がそれぞれ10μmおよび30μmを超えると、95%
以上の焼結密度が得られない。
一方、前記Fe粉、Co粉、Cr粉、Cr酸化物粉、Fe−Co合
金粉およびFe−Cr合金粉の平均粒径が、各々2、1、
1、1、3および2μmを下回る場合は、磁気特性の向
上は大きくなくかえって粉末価格の上昇が著しいので経
済的でない。
つぎに、焼結条件について説明する。
焼結は2段階の工程より構成する必要がある。
この第1工程すなわち低温焼結は、還元性雰囲気であ
る水素含有ガスもしくは減圧雰囲気で行う必要がある。
但し、ここで言う減圧雰囲気とは、気密性の高い加熱炉
内を真空ポンプで排気することで得られ、さらに、排気
と同時に微量の非酸化性ガスを流通することでも得られ
るものであり、前者の場合は、炉内圧は0.1Torr以下、
後者の場合は30Torr以下であることが必要である。さも
なければ、原料粉末表面の酸化物とバインダの残留に起
因する炭素との反応が十分に進まず、高純度の焼結体が
得られない。この減圧雰囲気に関する事情は、Fe−Co−
V組成の場合と同様である。但し、CrはVよりも酸化性
が弱いため、生成物ガス圧は0.1Torrまで許容でき、そ
の結果、非酸化性アスを流通しない場合の炉内圧は0.1T
orr以下でよい。
また、焼結温度は、1000〜1350℃で行う必要がある。
この下限値を下回ると、雰囲気と原料粉末との間で起こ
る不純物除去反応が効果的に進行せず、また十分な焼結
密度が得られない。また、この上限値を越えると、不純
物除去反応よりも粉末同士の焼結の方が早く進行するた
めに、不純物が徐越できず、また、Crが蒸発し、表面の
Cr量が低下する。これらの不純物は、水蒸気もしくは炭
素ガスとして除去されるため、ガス流通孔を失うことは
大きな弊害となる。特に、成形体は微粉末で構成される
ため、もともと流通孔は小さいので、注意が必要であ
る。また、これらの温度は、焼結の進行が速やかになり
はじめる温度でもあり、原料粉末の粒度によって異なる
ため、平均粒径が小さい場合は、より低温側に、平均粒
径が大きい場合は、より高温側に、本発明の範囲より選
択するのが好ましい。
焼結時間は、使用した焼結温度で、C、O量が平衡値
に達するのに要する時間であり、通常20分〜4時間の範
囲であり、数回の試行実験で容易に決定できる。
続いて、本発明の焼結の第2工程すなわち高温焼結に
ついて説明する。
本工程は、前工程で高純度化、閉空孔化した焼結体を
高密度化する工程であるため、もはや反応性のガスを使
用する必要はない。したがって、雰囲気ガスは水素ガ
ス、窒素ガス、アルゴンガス等の非酸化性ガスに限定す
る。また、工程温度は、焼結温度よりも50℃以上高い温
度である必要がある。
温度の下限値を、第1段階の焼結温度よりも50℃以上
高い温度としたのは、第1段階の焼結温度が、焼結速度
が加速しはじめる温度に設定してあるために、高密度化
が不充分であるためである。さらに、第1工程で減圧雰
囲気を使用した場合は、構成元素の蒸気圧の差によって
焼結体表面に組成分布が生じる。また、還元性のガス雰
囲気でも、ガスに触れている焼結体もしくは粉末表面と
それらの内部との間に組成分布が生じることがある。こ
の組成分布は焼結体中の原子拡散律速で成立するもので
あり、大気圧以上の構成元素の蒸発しない雰囲気で、あ
るいは化学反応の全く起ることのない雰囲気で、第1段
階よりも50℃以上高い温度、すなわち、より拡散速度の
高い温度領域で、均一化処理を速やかに進行させる必要
があるからである。
上限温度は、必要以上に結晶粒径が粗大化したり、溶
融を開始する温度である。より好ましい温度範囲は、12
00〜1350℃である。
焼結時間は、使用した焼結温度で、焼結密度および化
学組成分布が平衡に達するのに要する時間であり、通常
20分〜2時間の範囲であり、数回の試行実験で容易に選
択できる。
以上のように、焼結方法を限定することによって初め
て、射出成形法を利用して、高磁気特性のFe−Co−Cr系
焼結材料を経済的に製造することができる。
本発明の原料粉末を構成する出発原料粉末は、Fe、C
o、Fe−Co粉およびこれらと同様に、鉄、コバルトおよ
びクロム源としてアトマイズFe−Co−Cr粉等が選択でき
る。上記出発原料粉末の純度については、焼結過程で除
去できるC、OおよびNを除く他の不純物が実質的に無
視できる程度でよく、通常、Fe、Co、Crの合計量が97〜
99wt%の粉末が使用できる。
成形後、バインダを除去するために脱脂処理を行う。
これは、非酸化性雰囲気中で一定速度で昇温、保持す
る。この時の昇温速度を速くし過ぎると製品に割れや腫
れが生じるため5〜100℃/hで昇温する。また、非酸化
性雰囲気にしないと、Crの酸化が生じ磁気特性を損な
う。
脱脂処理の後、高密度化およびC、O量の低減のため
に前述のように焼結を行なう。
また、必要に応じて、最終焼結体のC、O量を調整す
る。C、O量の増減の方法としは、すでに述べた方法と
同様とすればよい。
次に、本発明の第2の態様によって得られるFe−Co−
Cr系焼結材料について説明する。
本発明の焼結材料は、組成が、 Co:20〜50wt% Cr:0.5〜3.5wt% O:0.04wt%以下 C:0.02wt%以下 Fe:残部(不可避的不純物を含む) であり、 焼結密度比:95%以上 平均焼結粒径:50μm以上 によって特徴づけられる。
本発明の焼結材料の最終組成を限定した理由について
説明する。
Co:20〜50wt% Coは、Feに置換することによって飽和磁束密度(Bs)
を向上させる効果があるが、しかし、Co量が、20wt%に
満たない場合や、50wt%を超える場合は、その効果が小
さいため、Co量を20〜50wt%に限定した。
C:0.02wt%以下、O:0.04wt%以下 C、Oは、磁気特性、特に保持力(Hc)および最大透
磁率(μmax)に悪影響を及ぼす。
C量を0.02wt%以下、O量を0.04wt%以下において、
良好なHc及びμmaxが得られる。従って、低磁界におけ
る磁束密度を向上させるため、C量≦0.02wt%、O量≦
0.04wt%に限定した。なお、C、O量は焼結雰囲気を調
整することにより、制御できる。
Cr:0.5〜3.5wt% Crは、電気抵抗率を上げ、鉄損(W)を下げるのに著
しい効果がある。0.5wt%未満ではその効果は小さく、
3.5wt%を超えても漸進的効果は化ない。
焼結密度比:95%以上 焼結密度比は、焼結体のBsを直接左右するばかりでな
く、Hcおよびμmaxにも影響する重要な特性値である。
すでに第2表で示したように、化学組成は実質的に等し
いが、粒径の異なる原料粉末を用い、焼結密度比を変え
た焼結材料の磁気特性を測定した結果、焼結密度比が95
%に満たない場合、低磁界において磁束密度を向上させ
ることができないことが分かる。このような焼結密度比
の条件はFe−Co系焼結材料においてもFe−Co−Cr系焼結
材料においても同様であった。
平均結晶粒径:50μm以上 結晶粒径は、磁区反転に必要となるエネルギーを左右
するため、Hcおよびμmaxに影響する。平均粒径が小さ
くなると、Hcおよびμmaxはいずれも劣化し、平均粒径
が50μmを下回ると、低磁界における溶製材並の磁気特
性を確保することができない。従って平均結晶粒径は50
μm以上に限定される。
また平均粒径が大きくなると、Hcおよびμmaxはいず
れも向上し、その結果、低磁界における磁気特性も向上
する。しかし、平均結晶粒径が500μmを超えると低磁
界における磁気特性の向上効果も鈍化し、また割れ易く
なるので極端に粒径を大きくすることは好ましくない。
<実施例> 以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
(実施例1) 第1表に示す各原料粉末にそれぞれ第1表に示すバイ
ンダを添加し、加圧ニーダによって混練したのち、粉砕
して射出成形用コンパウドを作成した。続いて、射出成
形機によって、外径53×内径41×高さ5mmのリング試験
片を作成した。これを窒素中、+5℃/hの速度で600℃
まで昇温の後、600℃で30分保持して、脱脂処理を施し
た。次にそれぞれ第1表に示す条件で、第1段目の加熱
処理および第2段目の加熱処理を施した。得られた焼結
体の化学成分、密度比、磁気特性および電気抵抗率を第
1表(その2)に示す。
なお、第1表中No.1−1〜1−7については、脱脂後
に露点0℃の水素雰囲気中、350〜650℃で加熱し、温度
の変更によりC、O量を調整したのち第1段目および第
2段目の熱処理を施した。
第1表から、No.1−1〜1−7についてC量およびO
量が各々0.04wt%、0.6wt%を超える場合は、磁気特性
が劣化した(比較例1,3)。
また、O量が低過ぎる場合(比較例2)は、C量を低
減できず、磁気特性が極端に劣化した。しかし、C、O
量が本発明の範囲内の場合は優れた磁気特性が得られた
(本発明例1〜6)。
第1段目の加熱処理温度が本発明範囲より高すぎる場
合(比較例6)や低すぎる場合(比較例5)にはいずれ
も、Cが本発明範囲より高いため、磁気特性が劣化し
た。
第2段目の加熱処理温度が、第1段目の加熱温度より
も50℃以上高くない場合(比較例4)は、低い密度しか
得られないため、優れた磁気特性が得られない。
(実施例2) 第2表に示すF2、Co3、Cr2粉を用いて、第3表に示す
各組成の粉末を調整し、加圧型ニーダーを用い、これら
の原料粉末に対し49vol%のワックス系バインダ(パラ
フィン主体のもの)を添加・混練後、粉砕機によって直
径3mm程度の粒子状の射出成形用原料を作成した。さら
に、射出成形機を用い、射出温度150℃で外径53mm、内
径41mm、高さ4.7mmのリング状に成形した。射出成形体
は、窒素中、7.5℃/hで600℃まで昇温後30min保持して
脱脂処理した。続いて、0.06Torrの真空中、1150℃で1h
保持し、引き続き1300℃、Ar中で2h保持して焼結処理を
施した。
得られた各焼結体について水中重量測定法により焼結
密度比を求めた。
また、同条件で作成した各試料に、捲線を施した後、
自記磁束計よって磁気特性を求めた。各焼結体の特性を
第3表に示す。
本発明範囲の化学組成を有する本発明例12〜14のもの
は極めて優れた磁気特性および高電気抵抗率を示した。
(実施例3) 第4表のNo.3−1では、第2表に示すF3、FCo3、FCr2
粉を用い、No.3−2では、同表のF4、FCo4、FCr4粉を用
いて、実施例2と同様の実験を行った。化学組成および
焼結体の特性を第4表に示す。本発明範囲の平均粒径お
よび焼結密度比を有する本発明例15のものは優れた磁気
特性および高抵抗率を示した。
(実施例4) 第5表のNo.4−1では第2表に示すF3、Co2、FCr3粉
を用い、No.4−2では、同表のF1、Co1、Cr1粉を用い
て、実施例2と同様の実験を行った。化学組成および焼
結体の特性を第5表に示す。本発明範囲の平均焼結粒径
を有する本発明例16のものは優れた磁気特性および高抵
抗率を示した。
(実施例5) 第2表に示すF2、Cr3、FCo2粉を用いて、実施例2と
同様の実験を行った。ただし、第1段の焼結温度は、95
0〜1400℃に変化させた。焼結温度と磁束密度B20、抵抗
率の関係を第1図と第2図に示す。本発明範囲において
優れた特性を示した。
なお、最終組成は、Co:35.2wt%、Cr:2.2wt%、C:0.0
10wt%、O:0.013wt%、Fe:残であった。
(実施例6) 実施例1のNo.1−1のC,O量を調整した脱脂体を用意
した。また、実施例2のNo.2−2の脱脂体も用意した。
焼結においては、第1段目の減圧焼結条件で雰囲気を種
々に変更し、1140℃で1時間保持することによって行っ
た。引続き、いずれの場合も、大気圧のAr中、1320℃で
2時間保持して焼結体を得た。ただし、減圧焼結時に
は、真空排気系のバルブを絞ること、あるいは、真空排
気系はそのままにしてArガスをニードルバルブより微量
導入することによって、真空度を調整・制御した。焼結
体は、実施例1または2と同様の試験を行った。焼結体
の焼結条件、化学成分、密度比、磁気特性、電気抵抗率
を、第6表にまとめた。第6表において、真空焼結時
に、真空排気系のバルブを絞ることによって真空度を調
整した場合は、その圧力を記し、Arガスの微量導入によ
って真空度を調整した場合は、圧力のすぐ後にArと明記
した。
第6表より明らかなように、真空焼結時においては、
真空排気が不十分で真空度が低下する場合本発明例17、
18、21、22および比較例12、14の比較は、焼結体のC,O
量が高くなり、Fe−Co−V組成では、0.1Torrの真空度
(比較例12)で、Fe−Co−Cr組成では、0.5Torrの真空
度(比較例14)で、磁気特性(特にHcとμmax)の劣化
が著しい。しかし、Fe−Co−V組成では、0.05Torr以下
の真空度(本発明例17、18)で、Fe−Co−Cr組成では、
0.1Torr以下の真空度(本発明例21、22)では、低いC,O
量を確保できるため、優れた磁気特性が得られた。
一方、十分な真空排気を行い、非酸化性ガスを導入す
る場合(本発明例19、20、23、24および比較例13、1
5)、Fe−Co−VおよびFe−Co−Crのいずれの組成にお
いても、炉内圧力の30Torr未満までの上昇においては
(本発明例19、20、23、24)、幾分かのC,O量の上昇は
みられるものの、磁気特性の劣化はなく、30Torrを超え
ると(比較例13、15)、C,Oの上昇が著しくなるため磁
気特性が劣化した。
以上のように、減圧焼結においては、十分に排気を行
い、Fe−Co−V組成では0.05Torr以下、Fe−Co−Cr組成
では0.1Torr以下の圧力とするか、もしくは、いずれの
組成でも非酸化性ガスを導入する場合は、30Torr未満に
することによる本発明の製造方法によって、初めて磁気
特性に優れる焼結体が得られるのである。
<発明の効果> また、本発明によれば、Fe−Co系に第3成分としてV
を入れた場合は、極端な酸化を伴わないように有機バイ
ンダに起因するCを除去することにより交流磁気特性に
優れたFe−Co系焼結磁性材料を得ることができる。
さらに、本発明によれば、Fe−Co系に第3成分として
Crを入れた場合は、優れた磁気特性と低鉄損値を有する
Fe−Co−Cr系焼結磁性材料が得られる。
本発明の磁性材料は、軟磁性材料として、モーターや
磁気ヨーク等、特にOA機器の印字ヘッドのコア等に広く
利用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例5の結果を示すグラフであり、焼結温
度と磁束密度B20との関係を示す。 第2図は、実施例5の結果を示すグラフであり、焼結温
度と電気抵抗率との関係を示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が3〜25μmのFe、CoおよびVの
    合金粉および/または混合粉末を調整し、 次にこれを少なくとも有機バインダと混練し、射出成形
    処理、脱脂処理を行った後、 還元性雰囲気または30Torr以下の減圧雰囲気中1000〜13
    00℃で低温焼結を行った後、不活性ガス雰囲気中でさら
    にこれより50℃以上昇温して高温焼結を行って、 Co:15〜60wt%、 V:0.5〜3.5wt%、 O:0.6wt%以下、 C:0.04wt%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、焼
    結密度比が95%以上、平均焼結粒径が50μm以上500μ
    m以下である焼結材料を得ることを特徴とするFe−Co系
    焼結磁性材料の製造方法。
  2. 【請求項2】平均粒径が2〜15μmのFe粉を含有し、か
    つ平均粒径が1〜10μmのCo粉および平均粒径が3〜10
    μmのFe−Co合金粉から選ばれる少なくとも1つを含有
    し、かつ 平均粒径が1〜30μmのCrおよび/またはCr酸化物粉お
    よび平均粒径が2〜30μmのFe−Cr合金粉から選ばれる
    少なくとも1つを含有し、 次にこれを少なくとも有機バインダと混練し、射出成形
    処理、脱脂処理を行った後、 還元性雰囲気または30Torr以下の減圧雰囲気中1000〜13
    50℃で低温焼結を行った後、非酸化性雰囲気中でさらに
    これより50℃以上昇温して高温焼結を行い Co:20〜50wt%、 Cr:0.5〜3.5wt%、 O:0.04wt%以下、 C:0.02wt%以下 を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、焼
    結密度比が95%以上、平均焼結粒径が50μm以上500μ
    m以下であることを特徴とするFe−Co系焼結磁性材料の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記低温焼結が30Torr以下の減圧雰囲気中
    1000〜1300℃である請求項1に記載のFe−Co系焼結磁性
    材料の製造方法。
  4. 【請求項4】前記低温焼結が30Torr以下の減圧雰囲気中
    1000〜1350℃である請求項2に記載のFe−Co系焼結磁性
    材料の製造方法。
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