JPH0256570B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は空気調和機の除湿運転制御方法に関す
るものである。

従来例の構成とその問題点 一般の空気調和機は、基本的には圧縮機、凝縮
器、減圧装置、蒸発器からなり、冷房運転時は蒸
発器が室内側にあつて冷房すると同時に除湿も行
う。ところが室内が低温多湿で不快な場合に冷房
運転を行なえば除湿もされるが同時に冷房もされ
るため、冷え過ぎによる不快感を招く。そこでこ
のような場合、部屋の温度をできるだけ下げない
ようにして、大幅に湿度を下げる冷凍サイクルが
必要となる。

従来、この種の除湿運転可能な冷凍サイクルの
一例として第１図に示すように圧縮機ａ、凝縮器
ｂ、第１の減圧機ｃ、第１の熱交換器ｄ、第２の
減圧器ｅ、第２の熱交換器ｆを順に直結するとと
もに、第１の減圧機ｃと並列に第１の２方弁ｇを
また第２の減圧機ｅと並列に第２の２方弁ｈを連
結した冷媒回路がある。

そして、通常の冷房運転時は、第１の２方弁ｇ
が閉じ、第２の２方弁ｈが開き、冷媒は圧縮機ａ
から凝縮器ｂ、第１の減圧器ｃ、第１の熱交換器
ｄ、第２の２方弁ｈ、第２の熱交換器ｆの順に流
れ、第１の熱交換器ｄ、第２の熱交換器ｆともに
蒸発器として働く冷凍サイクルが形成される。

また、除湿運転時は、第１の２方弁ｇが開き、
第２の２方弁ｈを閉じて、冷媒は圧縮器ａから凝
縮器ｂ、第１の２方弁ｇ、第１の熱交換器ｄ、第
２の減圧器ｆの順に流れ、第１の熱交換器ｄは副
凝縮器として、第２の熱交換器ｆは蒸発器として
働く冷凍サイクルが形成される。そして第２の熱
交換器ｆで冷房、除湿された室内側空気は、高温
高湿状態の冷媒が流れている第１の熱交換器ｄを
通過し、第２の熱交換器ｆ通過以前の温度まで暖
められる。

このように従来の冷凍サイクルでは、周的の構
造からなる冷房暖房兼用の空気調和機に対して減
圧器１個、２方弁２個を余分に必要とし、構造が
複雑になり、部品点数が増え製造コストも大幅に
増大する等の欠点を有していた。

発明の目的 本発明は、上記従来例の欠点に鑑み、部品点数
を減らし構造をより単純にし、除湿しながら部屋
の温度を下げないようにすることを目的とするも
のである。

発明の構成 上記目的を達成するために本発明は、圧縮機、
四方弁、室外熱交換器、減圧器、室内側熱交換器
を順次環状に連結してヒートポンプ式冷凍サイク
ルを構成し、室内側の空気を室外側へ排気する排
気装置を設けた一体型空気調和機に、前記室内側
熱交換器の温度を検出する温度検出装置と室内側
送風機の運転時間を制御するタイマーと前記温度
検出装置により検出された温度を設定温度と比較
する温度比較回路を設け冷房運転開始より前記タ
イマーにより所定時間ts運転後、室内送風機を停
止させ、その後前記温度検出装置による出力温度
Ｔが着霜温度よりも低い所定値T1になつたとき
前記四方弁を暖房側へ切換えるとともに、前記排
気装置を運転させ、その後前記出力温度Ｔが着霜
温度よりも高い第２の所定値T2になつたときに、
前記四方弁を冷房側へ切換えるとともに前記排気
装置を停止し、室内側送風機を運転する等の出力
手段を備えた構成とした。

実施例の説明 以下、本発明をその一実施例を示す添付図面の
第２図〜第４図を参考に説明する。

第２図は、冷凍サイクル図であり、圧縮機１、
四方弁２、室外側熱交換器３、減圧器４、室内側
熱交換器５を環状に連結している。そして６は室
外側送風機で、７は室内側送風機である。暖房運
転時は実線矢印の方向に冷媒が流れ冷房運転時は
破線矢印の方向に冷媒が流れる。

第３図は、一体型空気調和機の構造図であり、
８は排気装置である。

排気する時は室外側送風機６が運転するととも
に、排気装置の排気扉が開き空気は矢印の方向に
流れ排気する。

第４図は、冷房運転時に室内側送風機を停止後
の経過時間ｔと室内熱交換器温度Ｔ及び室内熱交
換器の着霜量Ｍの一般的特性を示したものであ
る。

冷房運転時に室内側送風機を停止すると室内側
熱交換器の蒸発圧力が低下し温度が下がり０℃を
下回ると熱交換器は着霜を開始する。そしてT₁
の温度まで下がると熱交換器はほとんど着霜によ
り目づまりを生じてくる。その後さらに温度が下
がつても着霜量の増加はゆるやかになる。

また第５図は、室内熱交換器に全面着霜させた
後に暖房運転した場合の時間経過と室内熱交換器
温度Ｔ及び室内熱交換器に付着している水分量Ｌ
の関係を示した図である。暖房運転を行なうと、
室内熱交換器は高温高圧の冷媒が流れ、着霜して
いた霜を溶かす。そして完全に溶かした後、急激
に熱交換器温度は上昇する。したがつて室内熱交
換器温度が０℃以上のT₂の温度の時は完全に霜
は溶けており熱交換器に付着している水分量も極
めて少ない状態になつている。

第６図は除湿運転の信号の流れを示したもので
ある。

最初は冷房運転を行なう。そしてある設定時間
（ts）経過すると室内側送風機を停止し室内熱交
換器に着霜させると共に室内側熱交換器温度を検
出し、その検出温度を設定温度T₁と比較回路で
比較し、着霜温度か否か判定する。ここで設定温
度T₁以下になつた時、四方弁を切換え暖房サイ
クルにすると共に排気装置を運転し、室内の空気
が室内交換器を通つて室外に排気される。この
時、室内熱交換器に着霜していた霜は高温高圧の
冷媒によつて溶かされドレン水と蒸気になる。こ
の湿度の高い蒸気を排気装置によつて室外へ排気
する。そして霜が完全に溶け室内熱交換器の温度
が上昇し設定温度T₂以上になると再び四方弁は
切り換えられ、排装置は停止（排気扉を閉じる）
し室内側送風機を運転し冷房運転を行ない、室内
側の空気の対流を図る。そして再び上記項目を繰
り返えす。

以上の制御は、マイクロコンピユータを具備し
た回路により実現可能となる。

第７図は簡単な回路ブロツクを示す、温度セン
サＳの信号を受け温度検出装置Ｐで温度を検出
し、マイクロコンピユータＭで信号を受信し、温
度判定を行ない、リレーＬに信号を出す。

発明の効果 上記実施例より明らかなように本発明は、設定
時間冷房運転を行ないその後、室内送風機を停止
し室内側熱交換器に着霜させた後暖房運転及び排
気により湿度をドレン水又は蒸気として室内から
取り除く除湿運転制御方法であるため、室温をほ
とんど下げずに除湿ができ、かつ従来の構成要素
を使用するため、除湿専用部品が必要でないた
め、構造が簡単であり安価にできる等優れた効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す除湿運転可能な冷凍サイ
クル図、第２図は本発明の一実施例を示す空気調
和機の冷凍サイクル図、第３図は同空気調和機の
構造図、第４図、第５図それぞれ、熱交換器温度
と熱交換器の着霜量または付着している水分量の
関係を時間経過につれて示した特性図、第６図は
本発明の一実施例を示す除湿運転制御方法のフロ
ーチヤート、第７図は同除湿運転を行うための制
御ブロツク図である。 １……圧縮機、２……四方弁、３……室外側熱
交換器、４……減圧器、５……室内側熱交換器、
７……室内側送風機、８……排気装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、減圧器、室
   内側熱交換器を順次環状に連結してヒートポンプ
   式冷凍サイクルを構成し、室内側の空気を室外側
   へ排気する排気装置を設けた一体型空気調和機
   に、前記室内側熱交換器の温度を検出する温度検
   出装置と、室内側送風機の運転時間を制御するタ
   イマーと、前記温度検出装置により検出された温
   度を設定温度と比較する温度比較回路を設け、冷
   房運転開始より前記タイマーにより所定時間運転
   後、室内送風機を停止させ、その後前記温度検出
   装置による出力温度が着霜温度よりも低い第１の
   所定値になつたとき前記四方弁を暖房側へ切換え
   るとともに、前記排気装置を運転させ、その後前
   記出力温度が着霜温度よりも高い第２の所定値に
   なつたときに、前記四方弁を冷房側へ切換えると
   ともに前記排気装置を停止し、室内側送風機を運
   転する信号を出力するの出力手段を備えた空気調
   和機の除湿運転制御方法。