JPH0252192A - レーザ熱加工方法及びレーザ熱加工装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、加工用レーザ光を用いた金属の焼入れ処理方
法及び装置に関する。

（従来の技術） 従来、変態硬化を利用した焼入れ用！１４＋イのレーザ
焼入れを行う場合、レーザを照射する前に金属表面を酸
化処理やリン酸塩などの化成処理、またはカーボン塗料
を塗布するなどして、金属の表面のレーザ光の吸収率を
高める必要があった。この場合は、ランダム１−光をＨ
する通常のマルチモード炭酸ガスレーザを母材に対し垂
直人１１Ｊさせるのが一般的であった。もっとも焼入れ
場所の形状の問題で垂直でない入射角をとる場合もあっ
た。

前処理法については一長一短があり、リン酸塩処理や酸
化皮膜の形成方法は、母材を広範囲に変質させることに
なるが、大量に処理する場合は適している。カーボン塗
布法は個別に処理するため大量生産向きでないが、レー
ザの吸収率は、他の方法より高く利用し易い。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記カーボン塗布法においては、余分に塗布し
たカーボンを溶剤洗浄などにより除去しなければならな
い。その際適宜機械的補助手段を用いて、十分に除去す
るのに手数を要している。

従って、カーボン塗膜は必要最少限が望ましい。

しかしながら、カーボン塗膜が薄すぎる場合は、炭酸ガ
スレーザの吸収能力が十分でなくカーボン層から金属表
面への入熱が不足し、金属母材の温度を十分な変態域ま
で上ｙ１させるのに長時間を要し、焼入れ結果すなわち
焼入れ中や深さにバラツキを生じるようになる。従って
、通常１０数μｍの膜厚を必要とする。このためカーボ
ン塗膜の塗布を数層重ねなければならず、塗布時間や塗
膜乾燥時間の増大、またレーザ焼入れ後の余分な塗膜の
除去などに多大の手数を要していた。このようにレーザ
焼入れ処理はオンタイムのａ効な焼入れ技術である反面
このような不都合な点も持っている。

よって、本発明の目的は、レーザの焼入れの白゛効性を
保持し、カーボン塗膜の塗（１１や、余分な塗膜の除去
に要する時間を出来るだけ省略するレザ熱加工方法及び
レーザ熱加圧装置を提（Ｊ（することである。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明は、上記し１的を達成するために、［ワークの表
面にレーザ光吸収剤を塗（１’ｉ　Ｌ、直線偏光したレ
ーザ光をそのワークに誘導し集光させ、レーザ光の偏光
面がワーク表面へのレーザ光入射面に概ね平行で、レー
ザ光の入射角が４５゜以上となるようワークを保持しつ
つレーザ光とワークとを相対的に走査させるレーザ熱加
工方法」と、［ワークの表面にレーザ光吸収剤を塗布す
る塗布手段と、直線偏光したレーザ光を出力するレザ発
振器と、このレーザ発振器からのレーザ光をレーザ光吸
収剤を塗布したワークに誘導し集光させる伝送集光手段
と、この伝送集光手段からのレーザ光の偏光面がワーク
表面へのレーザ光入射面に概ねｒｔ−行で、レーザ光の
入射角が４５°以上となるようレーザ光吸収剤を塗布し
たワークを保持しつつレーザ光とレーザ光吸収剤を塗布
したワークとを相対的に走査させるワーク保持走査手段
とから構成したレーザ熱加工装置」とを提供する。

（作用） 上述した本発明においては、以下のように作用する。

光学の理論によると光の反射率は光の１−光状態によっ
て異なり、直線偏光の反射率Ｒは、光波のＰ波、Ｓ波の
反射率Ｒ、Ｒｓ　、偏光面と入射面との角度をαとする
とき Ｒ−Ｒｃｏｓ２ａ＋Ｒ５ｉｎ２ａ　　　　（１）Ｓ で表される。Ｐ波、Ｓ波の反射率Ｒ、Ｒは入Ｓ 射角によって変化し、材料の物性値から計算によって求
められる。これらの計算によると、Ｓ波の反射率はいろ
いろな入射角に対し常にＰ波の反射率より大きくＲ８≧
Ｒｐである。Ｒ８とＲｐの壬は入射角が大きくなるにつ
れ次第に増大し、ブリュスタ角にて最大となり、ブリュ
スタ角をこえて入射角が大きくなると減少する。

鋼の列についての計算例を第１図に示す。

４５°を越えると反射重置１−光のＲ８とＲｐの差は急
激に大きくなり、８５°前後で最大となる。

１偏光の場合は（１）式によって、その反り・１率Ｒは
容易に Ｒ−−！−（Ｒ＋Ｒ）　　　　　　　　（２）ＳＰ が誘導される。従って、レーザ光の出力はＰ波として利
用するのが最も吸収効率が良（、ついで円偏光、Ｓ波の
順である。

本発明のように直線偏光面がワークに対してＰ波となる
ようにワークに入射させると、同一人り・１角の円偏光
光の入射に比ベワークの入熱は反射率の差分だけ増大す
る。その増分は４５″を越え８５°に近づくほど顕著と
なる。ワークに対するカーボン塗料の皮膜の厚さが十分
厚ければ、このし−ザ光の偏光状態の差は現れてこない
が、膜厚が薄くなればレーザ光が直接ワーク表面に作用
するＬうになるため、レーザ光の偏光状態が影響をもつ
ようになる。このときＰ波として利用するレーザ光は円
偏光光として利用するよりもワークへの入熱が増大する
ことになり、また、円偏光レーザを用（ビＣ，Ｐ波偏光
と同じ入熱を得るには、Ｐ波偏光よりもレーザ出力を高
くするか、カーボン塗膜を厚くする必要がある。Ｐ波偏
光を用いカーボンｉ２！（＋ｉを行わない場合はワーク
表面の加工キズの方向やその大きさに影響を受けるので
、一定の焼入れ効果を得るにはワーク表面の表面状況を
厳・しく管理しなければならず、生産性を考慮した場合
はカーボン塗布の方が望ましい。

（実施例） 以ド、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。

第２図は本発明の実施例を示す平面図である。

直線偏光レーザを射出するレーザ発振器１から発したレ
ーザ光２は光路の途中に設けた折曲げミラー３によって
レーザ光２の伝送方向を変え、さらに折曲げミラー４に
より、垂直下方に曲げられ加工テーブル５に導かれる。

加工テーブル５は、垂直下方に伝播するレーザ光２の偏
光面に対し垂直方向に駆動する構造を有し、第３図に示
したように、治具６によって所定の角度だけ傾斜させた
加工ワーク７を配置している。加工ワーク７の傾斜はレ
ーザ光２の偏光面が入射角と平行になるように、レーザ
光２の入射角が４５°以上できるだけブリュスタ角に近
い角度に調整する。ブリュスタ角に近すぎるとレーザ光
２の加工ワーク７に対する位置決め精度の確保が困難と
、なるため、レーザ光２の入射角は７５″以下が目安と
なる。また、レーザ光２の加工ワーク７上でのエネルギ
ー密度を適正するため、適当な集光レンズ８を用いる。

加工ワーク７はその表面９をＩＯ３程度以下まで機械仕
上げした後、焼入れする部分に厚さ数μｍで均一にカー
ボンを主成分とするレーザ光２の吸収のための塗料１０
を施こす。

このようなものにおいては、エネルギー密度が適当に高
められたレーザ光２が加工ワーク７に入射する際、その
表面９に塗布されたカーボン塗料１０に作用し、熱をカ
ーボン塗料１０に与える。

カーボン塗！′４１０は加工ワーク７の表面に伝導によ
り伝えながら、自ら雰囲気との化学反応あるいは昇乍に
よって減耗する。カーボン塗料１０がレーザ光２の照射
とともに減耗すれば、レーザ光２は直接加工ワーク７の
表面９に作用するようになり、レーザ光２による直接加
熱となる。カーボン塗料１０の膜厚が薄いほど直接加熱
の割合が高くなる。一般に材料が昇温すれば材料のレー
ザ光の吸収率が高くなるが、本実施例のように直接加熱
の際のレーザ光の吸収率を高くしである場合はカーボン
塗料１０の存在する間の変態温度までに対する昇温比率
を小さくすることができる。逆に言えば、従来の円偏光
光による場合は、Ｐ波利用の場合に比べ吸収率が低い分
、カーボン塗料１０による昇温を期待しなければならず
、カーボン塗料１０の消耗時間が長く、すなわちＰ波利
用に比べてカーボン塗料１０の膜厚を厚くする必要があ
る。

レーザ加熱による昇温過程は加速度的であり、わずかな
吸収率の差が大きな所要時間差となって現れる。カーボ
ン塗膜を利用せず、Ｐ波偏光のみ利用する場合はワーク
表面９の微視的形状によってレーザ光の吸収率が異なる
。ところが、カーボン塗膜を塗布することにより吸収率
を均一化するので、昇温時間のバラツキが小さくなる。

このことは、本発明者による実験においてもカーボン塗
膜を塗（（ｉせずにＰ波偏光を用いた鋳鉄の焼入れを行
い、加工速度１．５ｍ／分てレーザ出力を変えて焼入れ
＋ｌ＋をみたところ、レーザ出力１．ｋＷで焼入れ１１
１３、６ｍｓ、　　１．　２ｋｌｌで３．３順と焼入れ
＋ｌのバラツキが大きくなったとの結果か得られている
。

このようにＰ波偏光だけでなく、本実施例のようにカー
ボン塗料を塗布してレーザ焼入れを行うことにより、安
定して高効率な焼入れを行うことができる。今までカー
ボン塗料を塗布することで説明してきたが、カーボン塗
料に替る化成皮膜処理または酸化皮膜方法によるレーザ
吸収率向上のための補助手段を利用してもよい。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明によれば焼入れ効率が良いの
で小出力のレーザ発振器でも大きな焼入処理能力が得ら
れ、初期投資額やレーザ発振器の運転コストも下げるこ
とが可能で、レーザ焼入れの特長を生かしながら、経済
性の高い焼入れシステムを構築することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の動作作用を説明する鋼材のレーザ光
の反射率特性を示すグラフ、第２図及び第３図は、本発
明の一実施例を示す概要構成図である。 １・・・レーザ発振器、　　２・・・レーザ光。 ３．４・・・折曲げミラー、　　５・・・加工テーブル
。 ６・・・治具、　　７・・・加工ワーク、　　８・・・
集光レンズ。 ９・・・ワーク表面、　　１０・・・カーボン塗料環２ 図 第３

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ワークの表面にレーザ光吸収剤を塗布し、直線偏光
   下レーザ光を前記ワークに誘導し集光させ、前記レーザ
   光の偏光面が前記ワーク表面へのレーザ光入射面に概ね
   平行で、前記レーザ光の入射角が４５°以上となるよう
   前記ワークを保持しつつ前記レーザ光と前記ワークとを
   相対的に走査させることを特徴とするレーザ熱加工方法
   。 ２、ワークの表面にレーザ光吸収剤を塗布する塗布手段
   と、直線偏光したレーザ光を出力するレーザ発振器と、
   このレーザ発振器からのレーザ光を前記レーザ光吸収剤
   を塗布したワークに誘導し集光させる伝送集光手段と、
   この伝送集光手段からのレーザ光の偏光面が前記ワーク
   表面へのレーザ光入射面に概ね平行で、前記レーザ光の
   入射角が４５°以上となるよう前記レーザ光吸収剤を塗
   布したワークを保持しつつ前記レーザ光と前記レーザ光
   吸収剤を塗布したワークとを相対的に走査させるワーク
   保持走査手段とから構成したことを特徴とするレーザ熱
   加工装置。