JPH0250797B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は物品の選別移送装置に関するものであ
る。

鶏卵や果実などの物品は同じ範囲内の大きさな
いし重さのものを数個一括包装して販売されるこ
とが多い。例えば、鶏卵は通常７段階の重さに選
別され、その中の中間４段階の鶏卵を６〜10個ず
つプラスチツク容器に収納包装している。

従来の自動鶏卵選別包装装置は、選別すべき重
さの区分の数（例えば７区分）に応じた数（例え
ば７列）の移送路を平行に並設し、各移送路の一
端に選別した対応する区分の卵を載置して移送さ
せ、各移送路の他端の包装場所ないしステーシヨ
ンに配置した包装容器に送り込むように構成され
ている。従つて選別すべき区分数に対応した数の
移送路および包装ステーシヨンが必要である。

このような構成では、例えば選別して包装しよ
うとする卵がすべて同一の区分のものであると、
対応する一つの移送路のみを介して一つの包装ス
テーシヨンに送られてくるから、その間残りのす
べての移送路および包装ステーシヨンは遊んでい
ることになる。実際には、選別される以前の卵が
すべて同じ区分に属することはありえないが、装
置の設計はそのような極端な場合を想定して行な
わなければならないので、装置がそれだけ大形と
なりコスト高となる。

本発明は以上の点にかんがみ、物品を予め定め
たグレード毎に選別し、選別された同一グレード
の物品の予め定めた個数を一まとめにして予め定
めた場所に移送することができる装置を提案した
ものである。

本発明の装置を例えば包装装置に使用すると、
単一の包装ステーシヨンを異なる複数のグレード
に時分割的に使用する事が可能となり、それだけ
装置の小型化が図れ、コストダウンが可能とな
る。また包装ステーシヨンが自動化されている場
合はどのグレードの被包装物品が包装ステーシヨ
ンへ移送されたかの判別信号を、本選別移送装置
から包装ステーシヨンへ送り、包装ステーシヨン
ではその信号に従つてそのグレードの包装資材を
択一的に選び出し自動包装を行なうことができる
し、また包装ステーシヨンが包装動作に作業員の
補助を必要とする場合は、本装置からの判別信号
をその包装ステーシヨンで受けて作業員に表示
し、この表示を作業員が判定し、例えばそのグレ
ードの包装資材を選択し作業を進めることができ
る。

例えば、鶏卵の場合、作業員の前へＬサイズの
卵10個が送られてくることが表示されると、作業
員はそのグレード（Ｌサイズ用）の容器や同封す
るラベル等を選択し、真空吸着器等で５個又は10
個の卵を一度に吸着して容器に収納することにな
り、時分割的な作業を効率よく行なう事が可能と
なる。

なお、本明細書において物品の「グレード」と
は物品を選別するときの基準として用いることが
できる物理量や評価値等（例えば、重さ、体積、
長さ、形状、色、品質、熟成度、風味など）の段
階、区分または等級を意味する。

本発明によれば、物品のグレードを判定し、予
め定めた複数のグレードのそれぞれに対応する複
数の待機場所に、対応するグレードの物品を振り
分け送付して一時的に待機させ、各待機場所にお
いて待機している物品の個数が予め定めた個数
（例えば包装単位個数）またはそれ以上に達した
とき待機状態を解除して待機物品を単位個数一括
して予め定めた特定の位置、例えば包装ステーシ
ヨンに移送する。

すなわち、物品を異なるグレード毎に異なる場
所に一時的に待機させ、同一グレードの物品を単
位個数毎にまとめて所定の単一の位置に送るよう
にしたので、単一位置で異なるグレードの物品の
処理を時分割的に行なうことができる。

以下、図面を参照して実施例を説明するが、説
明の便宜上、単位個数ずつ包装（パツク）される
べき鶏卵（単に卵という）を対象物品とし、卵が
選別されるべきグレードとしては重量区分を用
い、卵を大小二つの重量区分に分け、大は６個ず
つ小は10個ずつ一括して包装されるものとする。

第１図において、１はコンベア機構で、矢印Ｘ
方向に循環走行する無端ベルト１′上に、卵Ｅが
保持器２を介して順次載置される。卵Ｅは例えば
洗卵乾燥機（図示省略）から自動的に無端ベルト
１′上に移置されるか、作業員の手作業によつて
載置され、種々の大きさないし重さの卵が無差別
に混在している。

４は自動重量測定機で、無端ベルト１′の末端
に隣接配置され、卵Ｅを保持器２ごと順次受け取
つてそれぞれの卵の重さを測定し、各測定値に対
応する信号（重量信号）を発生する。

５₁，５₂はそれぞれ大卵待機機構および小卵待
機機構で、それぞれ無端コンベアベルト６₁およ
び６₂を含む。これらの無端コンベアベルト６₁，
６₂は平行に並設されそれぞれの一端が前記自動
重量測定機４の側方近傍に配置される。ベルト６
_１，６₂は適当な駆動機構（図示省略）によつて矢
印Ｘ方向に連続的に循環走行せしめられる。

７は自動重量測定機４で測定された卵をそのグ
レードに応じて大卵待機機構５₁または小卵待機
機構５₂の無端コンベアベルト６₁または６₂の一
端（上流端）上に振り分け載置する手段で、具体
的には例えば電動シリンダ８と、このシリンダに
対し突出退入するロツド９と、このロツドを駆動
するパルスモータを含む駆動手段８′とからなり
ロツド９の先端の押し板１０によつて重量測定機
４の秤量皿４′上の卵Ｅを秤量後保持器２ごと押
し動かしてコンベアベルト６₁または６₂上に載置
する。ロツド９（押し板１０）のストロークは後
述のようにして制御される。

１１₁，１１₂はそれぞれ重量測定機４とコンベ
アベルト６₂の間およびコンベアベルト６₁と６₂
の間の渡し板である。

１２₁，１２₂はそれぞれ大卵待機機構５₁およ
び小卵待機機構５₂を構成する開閉扉で、それぞ
れ無端コンベアベルト６₁および６₂の他端（下流
端）に配置され、図に実線で示す閉止位置ではそ
れぞれコンベアベルト６₁，６₂上で大卵および小
卵を待機させ（このとき保持器２の底面がコンベ
アベルト６₁，６₂上面に対してスリツプし）、後
述のようにして各扉１２₁，１２₂が択一的に鎖線
位置まで開かれると、待機させられていた一群の
卵が移送コンベア機構１３上に順次送り出され
る。

１４₁，１４₂はそれぞれ扉１２₁，１２₂を上記
閉止位置および開放位置に選択的に駆動するロー
タリーソレノイドである。

１５₁，１５₂はそれぞれ大卵待機機構５₁およ
び小卵待機機構５₂の上記他端（下流端）側方に
配置された待機解除卵個数検出器で、それぞれ待
機機構５₁および５₂から移送機構１３へ移送され
る大卵および小卵の個数を計数し計数信号（例え
ば卵１個につき１パルス）を発生する。

移送コンベア機構１３の下流端には包装容器に
卵を収納して包装するための包装ステーシヨン
（図示省略）が配置される。この包装ステーシヨ
ンでは適当な装置により包装容器に卵を自動的に
収納するようにしてもよいし、作業員の手作業に
よる包装を行なつてもよい。

１６は操作ユニツトで、後述のコンピユータを
含む制御回路を内蔵するとともに、操作パネル１
７には大卵包装単位個数（必要待機個数）設定器
１８₁（第２図）の設定表示部１９₁および小卵包
装単位個数（必要待機個数）設定器１８₂（第２
図）の設定表示部１９₂、並びに大卵小卵重量区
分境界値設定器２０（第２図）の設定表示部２
１、その他スイツチ類等（図示省略）が配置装備
される。

第２図は、上述の操作ユニツト１６に内蔵され
た制御回路のブロツク図で、第１図におけると同
一の参照記号は対応する要素を示し、２２はイン
プツトポート、２３はマイクロコンピユータ、２
４はアウトプツトポートである。また、第３図は
マイクロコンピユータ２３のメモリに予め書き込
まれている本発明装置の動作制御プログラムの一
例のフローチヤートであり、以下第１図とともに
第２図および第３図を参照して動作を説明する。

大卵小卵重量区分境界値設定器２０によつて設
定された重量区分境界値W_d（例えば上例で60ｇ）
（以下境界値という）、大卵包装単位個数設定器１
８₁によつて設定された大卵包装単位個数NP₁お
よび小卵包装単位個数設定器１８₂によつて設定
された小卵包装単位個数NP₂はインプツトポート
２２を介してコンピユータ２３のメモリに記憶さ
れる。

卵の重量が重量測定機４で測定されると、測定
値（重量信号）Ｗがコンピユータ２３に送られ
る。コンピユータ２３はこの重量測定値と先に記
憶した設定境界値W_dとを比較し、設定値W₁が境
界値W_dと等しいかこれより大（W₁≧W_d）であ
れば振分け信号S₁を、また測定値W₂が境界値W_d
より小（W₂＜W_d）であれば振分け信号S₂を、そ
れぞれアウトプツトポート２４を介して振分け載
置手段７の駆動手段８′に与える。すなわち信号
S₁（大卵の場合）を受けると、駆動手段８′はロツ
ド９従つて押し板１０をコンベアベルト６₁まで
動かし、大卵を測定機４の皿４′上からコンベア
ベルト６₁上へ移送載置する。信号S₂（小卵の場
合）を受けると駆動手段８′は押し板１０をコン
ベアベルト６₂まで動かし小卵をこのベルト６₂上
へ移送載置する。

一方コンピユータ２３は重量測定機７によつて
重量測定された卵の重量区分別（図示実施例では
大卵と小卵）の個数（重量区分別の卵の現待機個
数）N₁，N₂を記憶し、記憶個数N₁，N₂がそれ
ぞれ予め定められた必要待機個数（包装単位個
数）NP₁，NP₂以上になつたとき、扉開放信号
（待機解除信号）SD₁またはSD₂を発生する。す
なわちコンピユータは図示例で秤量された大卵の
記憶値（現待機個数）N₁が６以上になつたとき
信号SD₁を、また秤量された小卵の記憶値（現待
機個数）N₂が10以上になつたとき信号SD₂を、
それぞれ発生し、アウトプツトポート２４を介し
てそれぞれ扉１２₁，１２₂の開閉手段、例えばロ
ータリーソレノイド１４₁，１４₂に択一的に与
え、扉１２₁，１２₂を開いてそれぞれコンベアベ
ルト６₁，６₂上の卵をコンベアベルト１３上へ送
出移置させる。

なお、扉１２₁と１２₂は同時には開かれず、一
方が開かれている限りこれが閉じられるまで他方
の扉は開放されない。換言すれば、大卵（または
小卵）の待機解除動作中は小卵（または大卵）の
待機解除動作は行なわれない。

扉１２₁または１２₂が開かれコンベアベルト６
_１または６₂上の大卵または小卵がコンベアベルト
１３上へ移送されるとき、移送される卵の数を検
出器１５₁または１５₂が計数して計数値（待機解
除移送個数）NC₁またはNC₂をコンピユータ２３
に与える。コンピユータは設定包装単位個数（必
要待機個数、実施例では大卵６個、小卵10個）
NP₁またはNP₂に等しい数の計数値NC₁または
NC₂を受けたとき、扉閉止信号SD′₁またはSD′₂
をロータリーソレノイド１４₁または１４₂に与え
て扉１２₁または１２₂を閉止させ、大卵または小
卵の現待機個数の記憶値N₁またはN₂から計数値
NC₁またはNC₂を減算するとともに、待機解除移
送表示信号（単位数の大卵または小卵を待機解除
して移送しつつあることを表示する信号SN₁また
はSN₂）を発生する。この信号は適当な表示器を
表示動作させるのに使用してもよいし、また次段
の装置（例えば包装ステーシヨン）に送つて適宜
利用することもできる。

扉１２₁，１２₂の閉止により待機動作が再開さ
れ上述の動作が繰り返えされる。

以上の記述から容易にわかるように、扉１２₁，
１２₂が閉止状態ではコンベアベルト６₁，６₂上
に重量測定機４から移送載置された卵はベルト６
_１，６₂の走行によつて扉１２₁，１２₂の方へ移送
され扉１２₁，１２₂またはすでにそこにある卵に
よつて移動を阻止され卵保持容器２の底面はベル
ト６₁，６₂の上面に対してスリツプし、扉１２₁，
１２₂の手前で前後に隣接して一列に並置され、
一つのグループとして待機せしめられる。

従つて、卵の待機個数が６個または10個となつ
て扉１２₁または１２₂が開かれると、大卵または
小卵は６個または10個ずつ一つのグループとして
コンベヤ１３上に移置され包装ステーシヨン（図
示省略）へ移送される。

以上本発明の一実施例を説明したが本発明はこ
れに限られず種々の変形例を包含する。例えば選
別すべきグレードは大・小二つに限らず３以上の
グレードでもよい。その場合待機機構もグレード
数に応じて増加することもちろんである。

また、各待機機構５₁，５₂において必要な待機
個数に長時間達しない場合にベルト６₁，６₂を走
行させておくのは無駄であるから、省エネルギー
と騒音防止のため、適当な検出手段または論理的
判定手段（例えば最後に振り分けられた卵から一
定時間が経過しても次の卵が振り分けられてこな
いことを判定する）を用いて、ベルト６₁，６₂を
適宜停止させるように構成することもできる。

振分け手段７は図示の押し動かし方式のほかつ
かみ上げ移置方式でもよいし、さらに１台でなく
複数台でもよい。

待機機構５₁，５₂の扉は図示の回動方式の場合
でも、回動軸を上方に水平に配備してもよいし、
また回動方式によらず、上下垂直移動方式として
もよい。検出器１５₁，１５₂は光電式のほか、接
触式のものでもよい。対象物品も卵に限られな
い。

また、必ずしも重量による振り分けに限らず、
例えば清涼飲料水のかん詰の場合、かんの形状ま
たは色によつて区分することも可能であるし、果
実類の場合、重量以外の選別基準、例えば熟成度
（糖度）を用いることも可能でありこの場合その
判定は自動的にまたは作業員が行なつてもよい。

以上のように、本発明によれば異なるグレード
の物品を各グレード毎に所定数一まとめにして単
一の移送手段によつて移送することができるので
装置の簡略化、小形化、効率の向上、コストダウ
ンを達成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の概略構成図、第２
図は制御回路のブロツク図、第３図は動作のフロ
ーチヤートである。 ４……重量測定機、５₁，５₂……待機機構、８
……振分け機構、１２₁，１２₂……開閉扉、１６
……制御ユニツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (a) 物品を複数のグレードに選別するための
   基準を設定する手段と、 (b) 前記グレードのそれぞれに対応する予め定め
   た異なる位置に物品を一時的に待機させる複数
   の待機手段と、 (c) 前記各待機手段で一時的に待機させられる物
   品の必要待機個数を設定する手段と、 (d) 物品のグレードを前記設定基準によつて判定
   し対応するグレード信号を発生する手段と、 (e) グレードを判定された物品をそのグレード信
   号に基づいて対応する前記待機手段に振り分け
   る振り分け手段と、 (f) 前記各待機手段に振り分けられた物品の個数
   を各待機手段毎に記憶する手段と、 (g) 前記各待機手段毎に振り分けられた物品の
   記憶された個数と各待機手段毎に予め設定され
   た必要待機個数とを比較し、記憶された待機個
   数が設定された必要待機個数に等しいかまたは
   これより多いとき、その待機手段に対して物品
   待機状態を解除せしめる解除信号を与える手段
   と、 (h) 物品待機状態が択一的に解除せしめられた
   前記待機手段から前記設定された必要待機個数
   の物品を受けとり、これらの物品を一群として
   所定の場所へ移送する移送手段と、 (i) 待機解除された物品の個数を計数し、計数個
   数が設定必要待機個数と等しくなつたとき物品
   待機状態を解除されている待機手段に対して物
   品待機状態への復帰信号を与える手段と、 (j) 待機手段によつて待機せしめられている物品
   の記憶個数から待機解除された物品の個数を減
   算する手段とからなることを特徴とする物品の
   選別移送装置。