JPH0245004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、組立性の向上を図るとともに、印字
の高精度化を可能としたスプリングチヤージ型プ
リントヘツドに関する。

〔従来技術〕

従来、スプリングチヤージ型プリントヘツドに
おいて印字用ワイヤをセツトする場合には、第３
図に示すように、ノーズ１１のワイヤガイド路１
２の中間と先端に取付溝１３，１４をそれぞれ設
け、これら取付溝１３，１４にワイヤの中間ガイ
ド１５と先端ガイド１６を係合して予め固定した
後、ヘツド本体１７から延設するワイヤ１８を、
ノーズ１１の後方の開口部１９より中間ガイド１
５及び先端ガイド１６のガイド孔（図示せず）に
挿入してセツトしていた。

〔解決すべき問題点〕 上述のように、従来のスプリングチヤージ型プ
リントヘツドにおいては、ワイヤの中間ガイドと
先端ガイドをノーズのそれぞれの取付溝に係合し
て固定した構成とするとともに、その後、ノーズ
の後方よりワイヤを中間ガイドと先端ガイドのガ
イド孔に挿入している。そのため、ワイヤを挿入
する作業が面倒で組立に多大の時間を要するとい
つた問題があつた。

また、中間ガイドと先端ガイドのノーズへの取
付けを、両ガイドを取付溝へ係合して行なつてい
るので、両ガイドに多少のがたつきが生じ、この
ガイドのがたつきが印字精度に悪影響を与えると
いつた問題があつた。

なお、一部において、特開昭56−37173号に示
すように、ワイヤを中間ガイドと先端ガイドに支
承した後、これらガイドをノーズのそれぞれの取
付溝に係合するスプリングチヤージ型プリントヘ
ツドも存在するが、この例のものはノーズ後方の
開口部を大きくあけておき、ワイヤを撓わませて
中間ガイドと先端ガイドをそれぞれの取付溝に係
合しなければならず、前述した従来例のものと違
つた作業上の困難性を有していた。また、ノーズ
後方の開口部を大きくあけなければならないた
め、ヘツド本体内の作動音が外部に洩れ非常に騒
がしいという問題があつた。

〔問題点の解決手段〕

本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたもの
で、ノーズのワイヤガイド路の中間に、ヘツド本
体側が太くなる段差を備えた中間ガイドの取付部
を形成するとともに、該中間ガイドの取付部から
ヘツド本体側のワイヤガイド路をヘツド本体に向
けて漸次広くなるテーパ状に形成し、この中間ガ
イドの取付部に、予めワイヤをガイド孔に挿入し
た中間ガイドをワイヤガイド路のテーパ部側より
圧入嵌着した構成としてある。これにより、本考
案はスプリングチヤージ型プリントヘツドの組立
を容易に行なえるようにして、組立作業の容易化
と短縮化を図るとともに、印字精度の向上を図つ
ている。

また、本考案は、各ガイドのノーズへの装着を
ワイヤを撓わませることなく行なうので、ノーズ
後方の開口部を小さくすることができ、ヘツド本
体内の作動音が外部へ洩れるのを防止し、防音効
果を高めている。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
もとづいて詳細に説明する。

図面において、１はプリントヘツドの本体で、
アーマチユア１ａ、コア１ｂ、コイル１ｃ、永久
磁石１ｄ、板ばね１ｅを内蔵している。ワイヤ２
は、その一端をアーマチユア１ａの先端に接続し
てあり、あらかじめ、永久磁石１ｄでアーマチユ
ア１ａを吸引し、アーマチユア１ａの根元に設け
た板ばね１ｅを撓わましておき、かつ永久磁石と
逆方向の磁束を発生させる方向にコイル１ｃに電
流を流し印字動作を行なわしめる。

３はワイヤ２の中間部を支承する中間ガイド
で、ガイド孔３ａにワイヤ２を往復動自在に挿入
してある。この中間ガイド３は多数のワイヤ２を
支承すべく所定の寸法Ａを有している。４はワイ
ヤ２の先端部を支承する先端ガイドで、ガイド孔
４ａにワイヤ２を往復動自在に挿入してある。こ
の先端ガイド４は多数のワイヤ２を支承すべく所
定の寸法Ｂを有している。

５はワイヤ２を印字位置までガイドするノーズ
で、その中央部にワイヤガイド路６を形成してあ
る。７はワイヤガイド路６の中間に段差を設けて
形成した中間ガイド３の取付部である。この取付
部７の段差は、ヘツド本体１側が幅広となつてお
り、その幅は中間ガイド３の寸法Ａとほぼ同寸法
となつている。また、取付部７の段差からヘツド
本体１側に連続するワイヤガイド路６は、ヘツド
本体１側に向つて漸次広くなるテーパ状に形成し
てある。８はノーズ５の先端に形成した先端ガイ
ド４の取付部である。中間ガイドの取付部７と先
端ガイドの取付部８の間のワイヤガイド路６は均
一の広さで形成してあり、その広さの寸法は先端
ガイド４の寸法Ｂより幅狭となつている。９はノ
ーズ５のヘツド本体１側、すなわちワイヤガイド
路６の後方に設けた開口部である。

このような構成からなる実施例のスプリングチ
ヤージ型プリントヘツドにおいては、先ず、アー
マチユア１ａと接続するワイヤ２を中間ガイド３
のガイド孔３ａに往復動自在に支承する。次い
で、ワイヤ２を支承する中間ガイド３をノーズ５
に装着する。このとき、中間ガイド３は、ワイヤ
ガイド路６の開口部９を通り幅広となつている方
向から取付部７の段差に装着する。ここで、取付
部７の段差と中間ガイド３の幅の寸法Ｂは同じで
あるので、中間ガイド３は中間ガイドの取付部７
に圧入嵌着され、がたつきを一切生じない状態で
装着される。前述のようにして中間ガイド３をそ
の取付部７に装着する際、中間ガイド３と取付部
７の接合面に接着剤を塗つてあるので、中間ガイ
ド３は、ワイヤ２を支承した状態で段差を有する
取付部７に堅固に装着される。

一方、ワイヤ２の先端を支承する先端ガイド４
は、ノーズ５の先端から突出する各ワイヤ２をガ
イド孔４ａに挿入して往復動自在に支承した後、
ノーズ５の先端に形成した取付部８に装着する。
この場合も、先端ガイド４とその取付部８の接合
面に接着剤を塗つてあるので、先端ガイド４は取
付部８に堅固に装着される。

このように、本実施例のスプリングチヤージ型
プリントヘツドにおいては、ワイヤ２の中間部と
先端部をそれぞれ中間ガイド３と先端ガイド４で
支承するとともに、ノーズ５の中間ガイドの取付
部７を段差を設けて形成し、上記中間ガイド３を
段差に圧入嵌着して取付部７に装着する構成とし
てある。また、ノーズ５の後方にワイヤガイド路
６と連続して設けた開口部９も、ワイヤ２と、そ
の中間ガイド３と先端ガイド４を通すだけの小さ
い孔としてある。

〔考案の効果〕

以上の如き本考案によれば、予めワイヤを中間
ガイドに挿入し、この中間ガイドをノーズに装着
する構成としてあるので、組立を容易且つ短時間
のうちに行なえる。また、中間ガイドの取付部へ
の装着は、段差とテーバ状のワイヤガイド路を利
用して、がたつきのないようにしてあるのでワイ
ヤの振れがなくなり印字精度の向上を図れる。さ
らに、各ガイドをノーズに装着する際、ワイヤを
撓わませる必要がないので、ノーズ後方の開口部
を小さくでき、ヘツド本体内の作動音の洩れを防
止し防音効果を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の分解平面図、第２
図は第１図のものを組立てた状態の斜視図、第３
図は従来例の分解平面図を示す。 １……プリントヘツド本体、２……ワイヤ、３
……中間ガイド、４……先端ガイド、５……ノー
ズ、６……ワイヤガイド路、７……中間ガイドの
取付部、８……先端ガイドの取付部、９……開口
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワイヤの中間部と先端部をそれぞれ中間ガイド
   と先端ガイドとに往復動自在に支承し、且つ、ノ
   ーズのワイヤガイド路の中間に、ヘツド本体側を
   太くして段差を形成し、予めワイヤを挿入した中
   間ガイドの取付部を備えるとともに、該中間ガイ
   ドの取付部からヘツド本体側のワイヤガイド路を
   ヘツド本体に向けて漸次広くなるテーパ状に形成
   したことを特徴とするスプリングチヤージ型プリ
   ントヘツド。