JPH0243284B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術的背景とその問題点〕 天井直付け形の照明器具としては、第４図に示
すように、本体１から複数のアーム２…を突出
し、これらアーム２…で複数の灯具３…を支持し
たシヤンデリヤ式のものがよく知られている。こ
のような照明器具は大型で高重量となるから、天
井面に対して堅牢に取付けることが要求される。

従来におけるその取付構造を第５図および第６
図に示し、４が室内の天井面、５がこの天井面４
に取付けられた埋込み式の引掛けシーリングであ
る。引掛けシーリング５はシーリングボデイ６と
円環状の取付金具７とからなり、取付金具７は周
縁に、Ｌ状でその先端に爪８を起立させた一対の
支持片９，９を一体に有している。１０は取付環
で、この取付環１０には内周縁に一対の切欠部１
１，１１が形成され、また平面部分に円弧状の透
孔１２…および一対のねじ孔１３，１３が穿設さ
れ、さらに下面に一対のスタツド１４，１４およ
び切起しによる掛止部１５，１５が設けられてい
る。

照明器具の本体１からはその上面側に電源コー
ド１８および仮止め用チエーン１９，１９が導出
し、電源コード１８の先端に上記シーリングボデ
イ６に対応するシーリングキヤツプ２０が取付け
られている。なお、２１，２１は上記取付環１０
のねじ孔１３，１３に螺挿可能な係止ねじ、２
２，２２はスタツド１４，１４に挿入可能な挿入
孔、２３，２３はそのスタツド１４，１４に螺着
可能な飾りねじである。

しかして、まず引掛けシーリング５の下方に取
付環１０を配置し、切欠部１１，１１を支持片
９，９に対向させる。そして取付環１０を押し上
げ、切欠部１１，１１に支持片９，９を進入さ
せ、この状態で取付環１０を回動し、ついでこの
取付環１０を下方に移動し、透孔１２，１２に爪
８，８を進入させ、取付環１０の内周縁を支持片
９，９の上面に落し込んで支持する。そして、取
付環１０の下方からねじ孔１３，１３に係止ねじ
２１，２１を螺挿し、これら係止ねじ２１，２１
の先端を第６図に示すように、天井面４にそれぞ
れ当接させ、この当接圧で取付環１０の内周縁を
支持片９，９の上面に押圧して係止する。このの
ち照明器具の本体１を取付環１０の下方に配置
し、仮止め用チエーン１９，１９を掛止部１５，
１５に引掛けて本体１を吊下げ状態に仮止めす
る。この状態でシーリングキヤツプ２０をシーリ
ングボデイ６に接続する。そして本体１を押し上
げ、挿入孔２２，２２にスタツド１４，１４を挿
入し、その先端部に飾りナツト２３，２３を螺着
し、これら飾りナツト２３，２３で本体１を支持
する。

しかしながらこのような従来の取付構造におい
ては、係止ねじ２１，２１の先端を天井面４に当
接させた際に、とくにその天井面４が石膏ボード
などの軟質材料のものであると、係止ねじ２１，
２１の先端がその天井面４に容易に食込んで取付
環１０を安定して係止することが困難となり、ま
た天井面４を傷付けてしまうという問題があつ
た。さらに、本体１を天井面４に取付けたのち
に、灯具の向きを室内に調和させるような場合に
は、本体１を回動させるわけであるが、このよう
な場合においても、係止ねじ２１，２１が本体１
と一体的に回動するから、その先端で天井面４を
傷付けてしまう難点があつた。

〔発明の目的〕

この発明はこのような点に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、取付環を常に安
定して支持片に係止することができるとともに、
天井面を傷付けるような恐れがない天井直付け形
照明器具を提供することにある。

〔発明の概要〕

すなわちこの発明は、天上面に設けた支持片の
上面に取付環の周縁を落し込み、この取付環に係
止ねじを螺挿し、この係止ねじの先端を天井面に
当接させ、この当接圧で取付環を上記支持片に押
圧して係止し、この取付環に照明器具の本体を取
付けてなるものにおいて、平滑な基部の両端縁に
脚片を一体的に有するコ字形の保護板を形成する
一方、上記取付環にその径方向に沿つて長い一対
のスリツト状のスライド孔を平行に形成し、上記
保護板の脚片を上記スライド孔にその上方から挿
入するとともに、取付環から上記保護板の基部の
下面に向つて係止ねじを螺挿し、この係止ねじの
螺進により保護板を上昇させ、この保護板を介し
て係止ねじの先端を天井面に当接させるようにし
たものである。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例について第１図ない
し第３図を参照して説明する。なお、この発明は
係止ねじの周辺部分に改良を加えたものであるか
ら、その主要部のみを図示し、他の部分について
は第５図に示す符号をそのまま用いて説明する。

取付環１０にはねじ孔１３，１３を挟んで互い
に対向するように、それぞれ一対ずつ取付環１０
の径方向に沿つて長いスリツト状のスライド孔２
５…が穿設されている。そしてこれらスライド孔
２５…を介して取付環１０に保護板２６，２６が
取付けられている。この保護板２６は例えば金属
材料により、平滑な基部２７の両端縁に脚片２
８，２８を一体的に有するにコ字形に形成され、
さらに各脚片２８，２８の先端縁に係止鍔２９，
２９が折曲形成されている。そしてこの保護板２
６は、取付環１０の上面側から脚片２８，２８を
内側に弾性的に変形させながらスライド孔２５，
２５に弾性的に挿入し、ねじ孔１３に螺挿された
係止ねじ２１の先端を跨ぐように取付環１０に取
付けてある。

しかして、係止ねじ２１を螺進させると、この
係止ねじ２１の先端が保護板２６の基部２７に当
接し、この係止ねじ２１と一体的に保護板２６が
上昇して基部２７が天井面４に当接する。そして
この当接面で取付環１０の内周縁が支持片９に押
圧され、取付環１０が引掛けシーリング５に対し
て係止される。こののち前述と同様の手順で照明
器具の本体１を天井面４に取付ける。

このような構成によれば、係止ねじ２１の先端
が天井面４に直接当接せず、大きな面積を有する
平滑な保護板２６の基部２７を介して当接するか
ら、天井面４が軟質材料のものであつても、係止
ねじ２１の先端がその天井面４に食込むようなこ
とがなく、したがつて取付環１０に常に一定の圧
力を加えてこれを安定して係止することができ、
また天井面４を傷付けるようなこともない。さら
に、取付環１０にその径方向に沿つて長い一対の
スリツト状のスライド孔２５，２５を平行に形成
し、これらスライド孔２５，２５に保護板２６の
脚片２８，２８を挿入して保護板２６を支持する
ようにしたから、この保護板２６における基部２
７の両側縁のエツジが取付環１０の周方向に沿う
ように配置し、このため取付環１０を回動して灯
具３の向きを変えるような場合に、基部２７の両
側縁のエツジで天井面４を傷付けてしまうような
ことがない。つまり、基部２７の両側縁のエツジ
が取付環１０の周方向と直角の状態に配置してい
ると、取付環１０の回動に応じて保護板２６がそ
の周方向に移動した際に、基部２７のエツジで天
井面４が容易に傷付いてしまうが、この発明にお
いては、基部２７のエツジが取付環１０の周方向
に沿うように配置しているからこのような傷付き
が生じることがない利点がある。

〔発明の効果〕

以上説明したようにこの発明によれば、天井面
が軟質材料のものであつても、取付環を常に安定
して支持片に係止することができ、かつ天井面を
傷付けるような恐れがないという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す要部の断面
図、第２図は同じく取付環の平面図、第３図は同
じく保護板の斜視図、第４図は代表的な直付け形
照明器具の外観図、第５図は従来技術を示す分解
状態の斜視図、第６図は同じく要部の断面図であ
る。 １……照明器具の本体、４……天井面、９……
支持片、１０……取付環、１３……ねじ孔、２１
……係止ねじ、２６……保護板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 天上面に設けた支持片の上面に取付環の周縁
   を落し込み、この取付環に係止ねじを螺挿し、こ
   の係止ねじの先端を天井面に当接させ、この当接
   圧で取付環を上記支持片に押圧して係止し、この
   取付環に照明器具の本体を取付けてなるものにお
   いて、平滑な基部の両端縁に脚片を一体的に有す
   るコ字形の保護板を形成する一方、上記取付環に
   その径方向に沿つて長い一対のスリツト状のスラ
   イド孔を平行に形成し、上記保護板の脚片を上記
   スライド孔にその上方から挿入するとともに、取
   付環から上記保護板の基部の下面に向つて係止ね
   じを螺挿し、この係止ねじの螺進により保護板を
   上昇させ、この保護板を介して係止ねじの先端を
   天井面に当接させたことを特徴とする天井直付け
   形照明器具。