JPH0242467B2 - - Google Patents

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JPH0242467B2
JPH0242467B2 JP62113217A JP11321787A JPH0242467B2 JP H0242467 B2 JPH0242467 B2 JP H0242467B2 JP 62113217 A JP62113217 A JP 62113217A JP 11321787 A JP11321787 A JP 11321787A JP H0242467 B2 JPH0242467 B2 JP H0242467B2
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blood powder
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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【発明の詳細な説明】
本発明は、家畜類、家禽類の血液をもとにして
得られる鉄高含有血粉に関する。 「産業上の利用分野」 家畜、家禽の屠殺に際して出る血液に関して
は、種々の加工がほどこされ、食品、医薬品の原
料としてまた、工業用素材として有効利用されて
いる。 ことに、血液中の血餅を構成するヘモグロビン
は加水食品であるハムの着色剤や結着剤として多
く利用され、今後もその方面の利用は拡大すると
いわれている。一方、最近のヘモグロビンの新し
い応用分野に、鉄の供給源として貧血者向けの栄
養補助食品、あるいは医薬品への利用が着目され
るようになつてきている。 従来の鉄欠乏性貧血患者、又は貧血体質の人に
はその治療や予防を目的として、硫酸第1鉄、酸
化鉄の様な無機鉄、クエン酸鉄、フマール酸鉄の
様な有機鉄(以下無機鉄を含めて非ヘム鉄とい
う)などの鉄剤を含む医薬品や食品が用いられる
のが一般的であつたが、これら非ヘム鉄は、概し
て体内における吸収効率が低く、それなりの効果
を求めようとする場合、摂取量を多くする必要が
あり、消化器官、特に胃を荒らす場合が多いこと
から敬遠されがちであつた。 他方、ヘモグロビン中に含まれる鉄(以下ヘム
鉄という)は、前述の非ヘム鉄に比して、生物学
的利用率も高く、胃を始めとする消化器管への弊
害もほとんど無く、新しい鉄供給源として見直さ
れてきている。 ウシ、ブタ、馬、ニワトリなどの家畜、家禽類
の血液中成分の10〜15%を占めるヘモグロビン
は、分子量60000〜70000程の蛋白質で、その1分
子に4分子のプロトヘムが結合している。ヘモグ
ロビン1分子中に含まれる鉄は、0.18〜0.24%程
で、食物として人が摂取した場合、ヘモグロビン
は消化吸収され、含まれる鉄は、人のヘモグロビ
ンの合成に利用される。 我々人間は、ヘモグロビンをそのまま食べる習
慣は無く、普通は動物のレバー料理、又は肉料理
などで、知らず知らずのうちに摂つている訳であ
るが、前述した様に、貧血の予防、治療を目的と
した場合は、ヘモグロビンを直接摂つた方が、食
物量、効率の面からしても、好ましいことは言う
までもない。 「従来の技術」 動物の血液からヘモグロビンを得るには、血液
を摂取したのち溶血させ、遠心分離機によつて血
餅部分を分取し、水、有機溶媒等による洗浄によ
つて、繊維質、塩などの不純物を取り除いて精製
される。 蛋白を主体とするヘモグロビンは、安定化のた
め、濃縮乾燥操作によつて得られる粉体(血粉=
ヘモグロビン)の型で、市場に提供されるのが一
般的である。この血粉を可食グレートに仕上げ、
一部貧血者向けの、食品に利用するわけである
が、血粉中の鉄含量は前にも述べた如く、高々の
0.24%程のものであり、例えば、成人女性の1日
の鉄必要量10mgを、血粉のみから摂取しようと仮
定すると、利用効率を考慮に入れると、10g以上
を食べる必要があり、血液特有の生臭さも手伝つ
て、とても摂取不可能な量となつてしまう。こう
したことから、ヘモグロビンをある種の蛋白分解
酵素を用いて処理し、蛋白含量の少ない、つまり
鉄含有率の高い血粉を製造し、前述の用途に供し
ようとする動きが見られる。 そうした鉄高含有血粉製造の従来例の一例を明
記すると以下の様である。 〔従来法〕 不純物を取除いた新鮮な牛血液100を遠心分
離し、血餅約40Kgを得る。これに2.5倍量の水を
加えて溶血させたのち、苛性ソーダの適量を用い
てPHを8.5に調整する。撹拌下に蛋白分解酵素
(アルカラーゼ0.6L ノボインダストリー社製)
1.2Kgを加えて、温度50℃で3時間加水分解を行
なう。反応終了後、系の温度を上昇させて酵素を
失活させた後、PHを塩酸を用いて4.0以下に調整
する。この際、析出する析出物(鉄含有率の高い
ヘモグロビン分解物)を遠心分離機を用いて、ペ
ースト状に回収し、さらにこのペーストを、水を
加えて洗浄することにより、塩等の夾雑物を取除
いた後、再度遠心分離機を用いてペースト状に目
的物を回収する。次いで、スプレードライヤーを
用いて乾燥し、鉄高含有血粉2.0Kgを得る。ここ
で得られた血粉は鉄を1.1%含有している。 しかし、鉄高含有血粉の市場への供給能力、商
品価値を考え合わせた場合、こうした従来の方法
では、次の様な問題があることが否めない。その
1つは、製造工程中、系のPHを酸性側へ移行させ
ることによつて析出してくる目的物(鉄高含有ヘ
モグロビン)は、非常に微細な結晶であること
や、共存する分解液がアミノ酸等を多量に含むた
め、気泡性に富むことなどから、遠心分離機やフ
イルタープレス、その他の回収機による回収効率
が非常に悪く、回収コストが高くつくことにな
り、必然的に製品単価にはね返り市場性も低くな
る。実際、前述の製造法によれば、鉄含量の理論
値からしても3.5Kg程の血粉が得られても良い筈
であるが、2.0Kg(57%の収率)と、回収率が悪
い。他方、得られた鉄高含有血粉は、血液由来物
特有の生臭さを持つており、未加工の血粉に比し
て、使用量が少なくて済むと言つても、やはり食
品として口にし難い欠点は、解消されていない。 「発明が解決しようとする問題点」 本発明者らは、既に動物の血液の有効利用を目
的として、一連のボルフイリン化合物に着目し、
ヘモグロビンから得られるヘマトポルフイリン
等、ポルフイン誘導体を用いた毛髪剤への応用に
ついて、特許公報昭59−14003、昭56−4532に示
される様な開発を行なつているが、本発明は、血
液の有効利用の一端である、鉄高含有血粉の食
品、医薬品への応用を考えるとき、前述した従来
法に見られる種々の欠点を改良し、市場性を向上
させることを目的として、鋭意研究した。 〔発明の構成〕 本発明は、家畜類、家禽類の血液からヘモグロ
ビンを分離、これを加水分解することによつて鉄
として0.3%以上を含む、生臭い味を持たない、
鉄高含有血粉と、及びその製造法にある。製造法
としては、工程中に天然カチオン高分子であるキ
トサンを使用することを特徴とする。詳しくは以
下に開示する。 実施例 1 不純物を取除いた新鮮な牛血液1000Kgを遠心分
離し、血餅約400Kgを得る。これに2.5倍量の水を
加えて溶血させる。(別に出発原料として牛血液
を同様に溶血させ、ヘモグロビンのみを遠心分離
機等で回収し、噴霧乾燥法などで乾燥させ血粉と
なしたのち、殺菌処理を行なつて可食グレードと
して場市されている、一般名ヘモグロビンパウダ
ー150Kgを1500の水に分散させたものでも可能) 次いで苛性ソーダの適量を用いて、PHを8.5に
調整した後、撹拌下に蛋白分解酵素8〜12Kgを加
えて、温度50℃で4〜5時間加水分解を行なう。
酵素反応終了後、系の温度を上昇させて、酵素を
失活させた後、系の温度を40℃以下に降温させ、
塩酸を用いてPHを4.0〜6.0、望ましくは5.5に調整
する。 この操作によつて、次第に不溶物(鉄含量が高
いヘモグロビン分解物)が析出する。次いで、こ
れとは別にキトサン500gを、水100に撹拌下に
分散させたのち、希塩酸を用いてキトサンを溶解
させて調整した粘稠な液を、緩やかに撹拌しなが
ら加える。次いで苛性ソーダを用いて系のPHを
7.0付近に上げる。この際、不溶物はキトサン溶
液の添加によつて相互に凝集し、大きな粒子とな
つて系に懸濁される。 次いでフイルタープレス機を用いて、不溶物を
スラツジとして回収する。スラツジは湿体重量と
して、凡そ200Kg程の物である。スラツジは、再
度反応タンクに返し、2000程の水を加えて撹拌
しながら水洗を行なう。 0.5〜1時間程の水洗後、再びフイルタープレ
ス機を用いて、鉄含量が高いヘモグロビン分解物
のスラツジを回収する。次に減圧乾燥機を用い
て、70〜80℃の温度で乾燥した後、粉砕し、目的
とする鉄高含有血粉を得る。これによつて得られ
る鉄高含有血粉の鉄含有量は、1.0〜1.2%程であ
り、出発原料牛血液1000Kg(牛ヘモグロビンパウ
ダー150Kg)から、35〜40Kg程の鉄高含有血粉が
得られ、収率は90〜95%の高い値となる。 また得られた血粉は、従来法によつて得られた
血粉に比して生臭い臭い、味が極端に少なく、食
品としての価値も、非常に高いものであつた。 (物性及び作用又は効果の確認) 前記実施例で示す鉄高含有血粉に係る物性等の
特徴についての試験の結果を、第1〜2表及び第
1〜3図、第4図に示す。 尚、第4図において用いた検液は、あらかじ
め、試料0.5gを1%NaOH1中に溶解したもの
を用いて行なつた。又、第4図の成績結果(O.D
値)から、本法によつて得られた鉄高含有血粉を
求めてみると、その成績結果は、第2表に示すご
とくとなる。
【表】
【表】
〔発明の効果〕
本発明(実施例)により得られた鉄高含有血粉
は、鉄として0.3%以上を含み、血液由来物質特
有の、生臭い味が殆ど無いことが、大きな特徴で
ある。また、酵素による加水分解終了後、目的物
を回収するために、PHを4.0以下に調整して析出
させなければならなかつた従来法に比して、PH
6.0〜7.0の中性域で効率よく回収できるため、従
来法で得た鉄高含有血粉の様に、食した時の低PH
による刺激味が、全くないことも大きなメリツト
である。 また、天然カオチン性高分子キトサンを用いた
ことは、次の点でも製造効果の向上に役立つてい
る。つまり従来法によつては、加水分解後にPHを
調整することによつて、析出する目的物(鉄高含
有血粉となる)があまりにも微細であるため、固
〜液分離が非常に困難で、一般的なバツチ、連続
遠心分離機による回収や、フイルタープレス機な
どによる回収が商業ベースでは、殆んど不可能で
あつた。この点、キトサンにより凝集した目的物
は、大きな塊状を形成し、最も操作性の良いフイ
ルタープレス機で効率よく回収できることとなつ
た。 本発明による効果は、上記した如くであり、収
率的にも良好で操作性に優れていること、また従
来、加工食品、医薬品への血粉の利用に当つて、
臭い、味の欠点から用途が限定されてきたわけで
あるが、本発明によつて加工食品、医薬品への応
用が大きく拡大することと期待できる。 尚、本発明による実施例1に示す方法によれ
ば、その最終的に得られたところの鉄高含有血粉
には、工程中に用いたキトサンが微量に存在する
ことが推定されるも、第1〜4図に示す赤外部、
紫外部〜可視部にかけてのスペクトルからは、基
本的な点において、特に違いは確認出来なかつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は、KBr錠剤法による、赤外線吸
収スペクトルである。第1図は、本法による鉄高
含有血粉、第2図は、従来法による鉄高含有血
粉、第3図は、未処理血粉(酸素分解する前のも
の)。第4図は、本発明法による鉄高含有血粉、
従来法による鉄高含有血粉、未処理血粉(酸素分
解する前のもの)の紫外部、可視部吸収スペクト
ルを示す。第4図中、Aは本法による鉄高含有血
粉、Bは、従来法による鉄高含有血粉、Cは、加
水分解する前の未処理血粉。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 家畜類、家禽類の血液をもとに得られたヘモ
    グロビンに、蛋白分解酵素を反応させ、加水分解
    後の溶液に、キトサン溶解液を添加した後、スラ
    ツジとして回収、次に、乾燥、粉砕して得られ
    た、血液由来の特有の生臭い味が殆ど無く、且
    つ、定量するとき、鉄として0.3%以上を含有す
    ることを特徴とする、鉄高含有血粉。 2 家畜類、家禽類の血液をもとに得られたヘモ
    グロビンに、蛋白分解酵素を反応させ、加水分解
    後の溶液に、キトサン溶解液を添加した後、スラ
    ツジとして回収することを特徴とする、鉄高含有
    血粉の製造法。
JP62113217A 1987-05-08 1987-05-08 鉄高含有血粉及びその製造法 Granted JPS63276460A (ja)

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