JPH0241415B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、オフセツト印刷での有価証券印刷の
ための輪転印刷機におけるザンメル印刷用の印刷
機構に関する。この場合の印刷機構は、複数の部
分版であるオフセツト分色版と、これらのオフセ
ツト分色版に各１つ付属するインキ装置と、第１
のゴム胴と、オフセツト版を有する１つの版胴
と、第２のゴム胴および１つの対向圧胴とを備え
ている形式のものである。

［従来の技術］ 間接的な凸版印刷のための輪転印刷機における
ザンメル印刷機構は既に公知である。しかしこの
公知の印刷機構においては、１つのゴム胴の周囲
に、凸版を保持する複数の版胴が配置されてい
る。ゴム胴はこれらの板胴から多色のインキ着け
を受ける。こうしてゴム胴の上には凸版から移さ
れた多色のインキ膜ができる。

アメリカ合衆国特許第3390631号明細書によれ
ば、部分的な凸状インキ着け版面を有する分色版
ローラが公知である。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の課題は、輪転印刷機におけるオフセツ
ト印刷でのザンメル印刷用の印刷機構において、
有価証券に偽造防止用の地紋として単数又は複数
の線を多色に印刷するのに適し、しかもこの印刷
すべき各線が色変り部分において途切れることな
くかつずれも伴わずに印刷され、更に分色版ロー
ラが軟質の表面を有する必要がないようにするこ
とである。

［課題を解決するための手段］ このような課題を本発明は次のようにして解決
した。すなわち、オフセツト分色版がそれぞれ個
有の分色版ローラに張られており、版胴が第１の
ゴム胴並びに第２のインキ移し胴と協働し、第１
のインキ移し胴が第１のゴム胴並びに第２のイン
キ移し胴と協働し、オフセツト分色版を有する分
色版ローラの周寸法が、第１のインキ移し胴、第
２のインキ移し胴、版胴および第２のゴム胴の各
周寸法と同じ大きさであるようにしたのである。

本発明による主な利点は、複数の線又は面が色
変り部分で途切れずにかつ全くずれを伴わずに、
オフセツト印刷でのザンメル印刷で印刷されるこ
とである。この場合ん、最初に先ず各インキを集
め、それから硬質の凸版面上に引き渡すための集
合胴を配置する必要がなくなる。また、多色の地
紋を印刷するために、凸版を有する複数の版胴を
設ける必要もなくなる。これによつて、個々の凸
版を労力をかけて互いに調整したり見当を合わせ
て位置ぎめすることも不要となる。要するに、オ
フセツト版を用いて品度の高い印刷像を得ること
ができる。また版面上の線幅が、印刷担体上に伝
達されるまでほぼ保持される。この線及び着色面
の輪郭は鮮明になり、一様な色調を有する。更
に、印刷担体へ硬質の版から間接的に行われる凸
版印刷において避け難い縁部のつぶれや一様でな
い色調の発生が回避される。更に本発明の利点
は、分色版ローラを介して見当精度を保つて部分
的にインキ塗布するために、耐用年数の長い硬質
のオフセツト分色版を使用可能なことである。見
当精度の大きいこの硬質の分色版の製造は軟質の
分色版と反対に極めて簡単である。従来のザンメ
ル印刷で用いねばならなかつたような軟質のゴム
製分色版の製造は極めて高価で、しかも見当精度
に関しては不正確なものである。オフセツト分色
版の使用によつて更に、極めて小さな着色面を他
の色の部分内にインキ着けることも可能となる。
というのは、ゴム製分色版と異なつて極めて小さ
な画線部を形成することができて、この画像部が
ゴム製分色版の場合にように硬質の版型と協働す
る時にずれ動いてしまうことはないからである。

［実施例］ 次に、図示の実施例につき本発明を説明する。

図面では本発明による印刷機構が放葉紙輪転印
刷機を用いて説明されているが、本印刷機構は巻
取り紙輪転印刷機にももちろん使用可能である。

枚葉紙２は給紙台１から公知の形式で、図示さ
れていない搬送ベルトによつてストツプドラム３
と移送ドラム４とを介して対向圧胴６に達する。
ストツプドラム３、移送ドラム４、対向圧胴６に
は、枚葉紙輪転印刷機の場合は制御される枚葉紙
くわえ爪が公知の形式設けられている。対向圧胴
６の周面にはゴムブランケツトが配置されてな
く、要するに硬質である。

対向圧胴６には圧着されながら第２の（小さい
方の）ゴム胴８が協働している。対向圧胴６と第
２のゴム胴８との間で、例えば枚葉紙２である印
刷担体が印刷される。第２のゴム胴８の周面には
ゴムブランケツト７が配設されている。このゴム
ブランケツト７は版胴９のオフセツト版によつて
部分的に多色にインキ塗布される。つまり版胴９
は周面上に印刷すべき模様に相応した硬質の湿式
オフセツト版を保持している。版胴９の単数又は
複数のオフセツト版は、第２のインキ移し胴１１
のゴムブランケツト３０上になされた部分的なイ
ンキ着けによつて多色に部分的にインキ着けされ
る。第２のインキ移し胴１１のゴムブランケツト
３０は、第１のインキ移し胴１３のゴムブランケ
ツト３５によつて多色の部分的なインキ着けを受
ける。ゴムブランケツト３５は第１の（大きい方
の）ゴム胴１２のゴムブランケツト１０からイン
キ着けを受ける。第１のゴム胴１２のゴムブラン
ケツト１０は、分色版ローラ１４，１６，１７，
１８上に張られたオフセツト分色版１９，２１，
２２，２３によつてインキ着けされる。

第１のゴム胴１２の例えば半周に亘つて分配さ
れて複数の分色版ローラ１４，１６，１７，１８
が配置されている。これらの分色版ローラ１４，
１６，１７，１８の周面上にそれぞれ１つのオフ
セツト分色版１９，２１，２２，２３が配置され
ている。部分的な画線部を有している各オフセツ
ト分色版１９，２１，２２，２３は、それぞれ配
属されたインキ装置２４，２６，２７，２８によ
つてインキ着けされる。各インキ装置２４，２
６，２７，２８には公知の湿し装置５，１５，２
０，２５がそれぞれ１つ配属されている。

インキ装置２４，２６，２７，２８によつてイ
ンキを供給された各分色版ローラ１４，１６，１
７，１８のオフセツト分色版１９，２１，２２，
２３は、インキを第１のゴム胴１２のゴムブラン
ケツト１０へ移し、これによつて各ゴムブランケ
ツトは一様に多色にインキ着けされる。ゴムブラ
ンケツト１０は、第１のインキ移し胴１３との接
触に伴い、約50％の量にインキ分割に従いこの第
１のインキ移し胴１３へ多色にインキ着けする。

第１のインキ移し胴１３から第２のインキ移し
胴１１へインキが移され、次いで版胴９のオフセ
ツト版へインキ着けされる。版胴９のオフセツト
版はこの場合同時に第１のゴム胴１２からもイン
キ着けされ、従つて二重のインキ着けがなされ
る。この版胴９からは多色の印刷像が第２のゴム
胴８のゴムブランケツト７へ伝えられる。この第
２のゴム胴８と付属の対向圧胴６との間で枚葉紙
２へ印刷される。

分色版ローラ１４，１６，１７，１８の外周又
は直径は、第１のインキ移し胴１３、第２のイン
キ移し胴１１、版胴９、第２のゴム胴８と同一で
ある。第１のゴム胴１２の直径はこれらのローラ
及び胴の直径の数倍であり、例えば図示の例では
３倍の直径である。対向圧胴６は第１のゴム胴１
２と同じ直径でよい。しかしこの対向圧胴６は第
２のゴム胴８と同じ直径を有していてもよい。

図示の実施例のように第１のゴム胴１２が、第
１のインキ移し胴１３又は第２のインキ移し胴１
１及び版胴９のそれぞれの直径の３倍の直径を有
している場合、第１のインキ移し胴１３と版胴９
とが第１のゴム胴１２の回転中心２９と形成する
２本の仮想直線３１と３２との間の角度αは
42.94゜の値である。この場合第１のインキ移し胴
１３の回転軸線３３が直線３１上に、そして版胴
９の回転軸線３４が直線３２上に位置している。
このような角度αによれば、第１のゴム胴１２か
ら第１および第２のインキ移し胴１３，１１を経
て版胴９へ達するインキ移し点の距離が、第１の
ゴム胴１２の周面上のインキ移し個所１２，１３
とインキ移し個所１２，９との間の距離の整数倍
となる。これによつて、版胴９における二重のイ
ンキ着けに際して見当の狂いが生ずることはな
い。要するに付加的な見当合わせの必要がなくな
る。

本発明によつて胴のローラの間に他の直径関係
を設定する際には、インキ塗布が印刷担体上に伝
達される前に、オフセツトによるインキ塗布が第
１のゴム胴１２のゴムブランケツト１０上で少な
くとも２回インキ分割されるように配慮される。

全ての胴、ローラ、ドラムは公知の形式で、メ
インモータ３６の共通の歯車伝動系を介して同期
で駆動される。

当然ながら本発明による印刷機構は同時的な両
面印刷に用いることも可能である。この場合、対
向圧胴６が不要となり、第２のゴム胴８に対して
鏡面対称的にもう１つのゴム胴８、そして１つの
版胴９と第２のインキ移し胴１１と第１のインキ
移し胴１３と第１のゴム胴１２と、更にこのゴム
胴１２にオフセツト分色版１９，２１，２２，２
３を介してインキ着けをする複数の分色版ローラ
１４，１６，１７，１８とが配設され、この分色
版ローラ１４，１６，１７，１８のそれぞれに湿
し装置５，１５，２０，２５を有するインキ装置
２４，２６，２７，２８が配属される。

更にオフセツト印刷機の代りに、例えばドイツ
連邦共和国特許第31099637号明細書に記載された
ような対向圧胴を有する間接式の凸版印刷機を配
置することも可能であろう。

印刷された枚葉紙２は公知のくわえ爪装置によ
つて排紙装置に搬送され、そこでパイルされる。
本発明による印刷機構を巻取り紙印刷機に用いた
場合は、印刷された紙匹を例えば横カツタに搬送
して枚葉紙に切断し続いてパイル排紙装置に送る
ようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
本発明によるザンメル印刷用の印刷機構を備えた
輪転印刷機の略示側面図である。 １……給紙台、２……枚葉紙、３……ストツプ
ドラム、４……位相ドラム、５，１５，２０，２
５，３７，３８……湿し装置、６……対向圧胴、
７，１０，３０，３５……ゴムブランケツト、
８，１２……ゴム胴、９……版胴、１１，１３…
…インキ移し胴、１４，１６，１７，１８……分
色版ローラ、１９，２１，２２，２３……オフセ
ツト分色版、２４，２６，２７，２８……インキ
装置、２９……回転中心、３１，３２……仮想直
線、３３，３４……回転軸線、３６……メインモ
ータ、α……角度。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オフセツト印刷での有価証券印刷のための輪
   転印刷機におけるザンメル印刷用の印刷機構であ
   つて、複数の部分的なオフセツト分色版と、これ
   らのオフセツト分色版に各１つの付属するインキ
   装置と、第１のゴム胴と、オフセツト版を有する
   １つの版胴と、第２のゴム胴及び１つの対向圧胴
   とを備えている形式のものにおいて、オフセツト
   分色版１９，２１，２２，２３がそれぞれ固有の
   分色版ローラ１４，１６，１７，１８に張られて
   おり、版胴９が第１のゴム胴１２並びに第２のイ
   ンキ移し胴１１と協働し、第１のインキ移し胴１
   ３が第１のゴム胴１２並びに第２のインキ移し胴
   １１と協働し、オフセツト分色版１９，２１，２
   ２，２３を有する分色版ローラ１４，１６，１
   ７，１８の周寸法が第１のインキ移し胴１３、第
   ２のインキ移し胴１１、版胴９および第２のゴム
   胴８の各周寸法と同じ大きさであることを特徴と
   する、有価証券印刷のための輪転印刷機における
   ザンメル印刷用の印刷機構。 ２ 分色版ローラ１４，１６，１７，１８に湿し
   装置５，１５，２０，２５が配属可能である、特
   許請求の範囲第１項記載の輪転印刷機におけるザ
   ンメル印刷用の印刷機構。 ３ 第２のインキ移し胴１１に湿し装置３７が配
   属されている、特許請求の範囲第２項記載の輪転
   印刷機におけるザンメル印刷用の印刷機構。 ４ 版胴９に湿し装置３８が配属されている、特
   許請求の範囲第３項記載の輪転印刷機におけるザ
   ンメル印刷用の印刷機構。 ５ 第１のゴム胴１２の周寸法が版胴９の周寸法
   の整数倍の値であり、対向圧胴６が第１のゴム胴
   １２と同じ外周寸法である、特許請求の範囲第４
   項記載の輪転印刷機にザンメル印刷用の印刷機
   構。 ６ 分色版ローラ１４，１６，１７，１８が、部
   分的にインキ着けするオフセツト分色版１９，２
   １，２２，２３を保持している、特許請求の範囲
   第５項記載の輪転印刷機におけるザンメル印刷用
   の印刷機構。 ７ 対向圧胴６が硬質の胴として構成されてい
   る、特許請求の範囲第５項記載の輪転印刷機にお
   けるザンメル印刷用の印刷機構。 ８ 対向圧胴６がオフセツト印刷ブランケツトを
   張られた胴として構成されている、特許請求の範
   囲第６項記載の輪転印刷機におけるザンメル印刷
   用の印刷機構。 ９ 対向圧胴６に１つの印刷ユニツトが付属して
   おり、この印刷ユニツトは、第２のゴム胴８と、
   １つの版胴９と、第２のインキ移し胴１１と、第
   １のインキ移し胴１３と、第１のゴム胴１２と、
   オフセツト分色版１９，２１，２２，２３を有す
   る複数の分色版ローラ１４，１６，１７，１８
   と、各分色版ローラに属するインキ装置２４，２
   ６，２７，２８とから成つている、特許請求の範
   囲第６項記載の輪転印刷機におけるザンメル印刷
   用の印刷機構。 １０ オフセツト分色版１９，２１，２２，２３
   を有する分色版ローラ１４，１６，１７，１８の
   それぞれに湿し装置５，１５，２０，２５が配属
   可能である、特許請求の範囲第９項記載の輪転印
   刷機におけるザンメル印刷用の印刷機構。