JPH0239106Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 本考案は伸縮可撓管継手用脱管防止機構の考案
に係り、継手組立後においても容易に取付けら
れ、しかも接続された管体の充分な伸縮性、可撓
性を確保せしめることのできる構成および製作の
簡易な脱管防止機構を提供しようとするものであ
る。

産業上の利用分野。

伸縮性と可撓性を充分に有するようにされた管
継手における脱管防止。

従来の技術。

接続すべき管体を伸縮可能でしかも可撓性をも
有効に得しめるように接続する継手は従来から知
られているが、このような継手においてその管体
脱落を防止するように形成することは必ずしも容
易でない。即ち上記のように伸縮可能な継手では
抜け出しを防止するように接続することが脱管事
故を回避する上において枢要であるが、該脱管防
止機構は管体外面に対する溶接などの固着手段で
係止部材を管体に固着することとなり、その係止
部材固着手段は管体外面に設けられていることは
当然である。

考案が解決しようとする問題点。

上記したような従来のものにおいては係止部材
の固着のための加工に特別な溶接機器を必要とす
るので施工現場での加工が困難であり、即ち管体
設定後に固着するとすれば管体端部周囲を特別に
掘削して加工することとなつて工数が嵩み、この
ため一部工場で加工するとすれば工場で取付けら
れた係止部材が該管体の荷役および埋設の取扱い
と継手部材の装着上妨害となり、現場における取
扱い施工を困難とする。更に係止部材が比較的大
型で管体の伸縮可撓性が阻害され易いなどの欠点
を有している。

「考案の構成」 問題点を解決するための手段。

本考案は上記したような従来のものの問題点を
解決するために、係止部を有する筒形スリーブに
パツキング収容部を有するハウジング部体を締着
係合せしめ、前記収容部に位置せしめた断面Ｃ形
パツキングにより上記スリーブと接続すべき管体
との間をシールさせるようにしたものにおいて、
前記ハウジング内の断面Ｃ形パツキング部分より
上記した筒形スリーブ内に挿入される管体の挿着
端部部分にボルトのような止着子の挿嵌孔を配設
し、管体内からそれら挿嵌孔に挿入された各止着
子により該管体の端部外側に係止部材を締着し、
しかも前記筒形スリーブの端部に前記ハウジング
部体と係止すると共に該係止部材に係止する係止
部分を筒形スリーブの内面に突出させた係止片を
取付けたことを特徴とする伸縮可撓管継手におけ
る脱管防止機構を提案する。

作用。

上記したような本考案によるものは接続すべき
管体を現場に設定しパツキング、ハウジング及び
筒形スリーブを組付けて管体相互を接続した状態
で管体内から係止部材を該管体の外面と筒形スリ
ーブとの間に添着し、同じく管体内から止着子を
挿嵌孔を介して係止部材に締着することにより該
係止部材を筒形スリーブに取付けられた係止片の
係止部に係止させて伸縮可撓管継手における脱管
防止機構を形成することができる。

筒形スリーブと係止片は別体成形された部材を
溶接によつて取付けることにより単なる管材であ
る筒形スリーブに圧延材である係止片を用いて簡
易に製作され、係止部材も短小な部材として簡易
に準備される。

断面Ｃ形パツキングはその内腔に管内流体圧を
作用せしめられ安定なシール作用をなし、しかも
管体とハウジングないし筒形スリーブとの間に緊
圧してシール作用するものでないから接続された
管体の伸縮および可撓性を充分に得しめる。

実施例。

即ちその具体的な実施例を添附図面に示すもの
について説明すると、第１図は本考案によるもの
の１つの実施形態をその筒形スリーブ１の一半部
について示したもので、該筒形スリーブ１の端部
には断面Ｃ形パツキング３の一端側に係接すると
共にハウジング２の嵌合部２１と係止する係止片
４がスリーブ１の内径側に係止部分４ａを突出し
て取付けられており、ハウジング２には上記嵌合
部２１に連続して断面Ｃ形パツキング３を収容保
持する収容部２３が一体に形成されていて、該収
容部２３に前記位置せしめられたパツキング３が
上記係止片４の外端面と接続すべき管体１０の外
面との間にその内腔３１をスリーブ１と管体挿入
側との間の間隙部分に向けてセツトされる関係は
従来から知られているものと同じである。本考案
は斯様な構成のものにおいて、上述したように筒
形スリーブ１内で挿入される管体１０の挿着端部
部分にボルトのような止着子８の挿嵌孔５を馬鹿
孔として配設し、それら挿嵌孔５，５に挿入され
た各止着子８の端部螺条部分を管体１０の端部外
側と筒形スリーブ１の内面との間に位置せしめら
れた係止部材６の螺孔７に螺入して該係止部材６
を管体１０の外面に締着し、一方斯うして締着さ
れた係止部材６が前記したように筒形スリーブ１
に設けられている係止片４の筒形スリーブ１内へ
突出した係止部分４ａと係止して管体１０が筒形
スリーブ１から脱出することを防止するように成
つている。

なお上記したような第１図の関係は筒形スリー
ブ１の両端部において対称的に形成されることは
勿論であり、パツキング３には管体１０の外周面
に接合シールするリツプ部３２と係止部４の端面
に接合シールするもう１つのリツプ部３３とが前
記内腔３１の両側に対設されている。

又本考案によるものは別に第３，４図に示すよ
うにして実施することができる。即ち管体１０の
端部に別の比較的厚肉のリング部材１２を溶接な
どで接続し、このようなリング部材１２に係合溝
１６を形成し、該係合溝１６に係止部材６の内面
部分を収容させて取付けるようにしたもので挿嵌
孔５に挿着された止子８によつて係止部材６の固
定を図ることは第１，２図の場合と同様である。
係止部材６としては第４図に示すように４個又は
それ以上に分割されたものであり、このようにす
ることにより比較的薄肉の管体１０に対しても係
止部材６を安定状態に取付け、有効な抜け止め機
構を提供することができる。

「考案の効果」 上記した本考案によれば断面Ｃ形パツキングを
用いることにより接続すべき管体１０に対して充
分な伸縮性と可撓性を得しめることができ、然し
て前記管体１０には単に挿嵌孔５を配設した程度
であつて、殊更に該管体１０面から突出するよう
なものは何もないから該管体１０の施工現場への
搬入やパツキング３および筒形スリーブ１の装着
操作やハウジング２の締着操作上妨害となるもの
は何もなく、円滑且つ簡易に現場へ搬入し所定の
可撓伸縮管継手を構成することができ、然してこ
のように構成された継手において上述したように
係止部材６を管体１０内から止着子８によつて簡
易に取付けて管体１０の脱出防止を得しめること
ができ、筒形スリーブ１もその端部に係止片４を
取付けることにより簡易に製作されて断面Ｃ形パ
ツキングに対する接合座とハウジングの係止およ
び前記係止部材に対する係止が共に得られて有効
な脱出防止関係を形成し得るメリツトがあり、管
体１０の前記したように充分な伸縮ないし可撓関
係も全然損われないなどの効果があり、実用上そ
の効果の大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すもので、第１図
は本考案による伸縮可撓管継手脱出防止機構の１
例についてその要部構成関係を示した断面図、第
２図はその管体端部に対する係止部材取付状態を
継手部体を解脱した状態として示した斜面図、第
３図は本考案によるもう１つの実施例についての
縦断面図、第４図はその横断面図である。 然してこれらの図面において、１は筒形スリー
ブ、２はハウジング、３は断面Ｃ形パツキング、
４は係止片、４ａはその係止部分、５は挿嵌孔、
６は係止部材、７は螺孔、８は止着子、１０は管
体、２１は嵌合部、２３はパツキング収容部、３
１は内腔、３２，３３はリツプ部を示すものであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 係止部を有する筒形スリーブにパツキング収容
   部を有するハウジング部体を締着係合せしめ、前
   記収容部に位置せしめた断面Ｃ形パツキングによ
   り上記スリーブと接続すべき管体との間をシール
   させるようにしたものにおいて、前記ハウジング
   内の断面Ｃ形パツキング部分より上記した筒形ス
   リーブ内に挿入される管体の挿着端部部分にボル
   トのような止着子の挿嵌孔を配設し、管体内から
   それら挿嵌孔に挿入された各止着子により該管体
   の端部外側に係止部材を締着し、しかも前記筒形
   スリーブの端部に前記ハウジング部体と係止する
   と共に該係止部材に係止する係止部分を筒形スリ
   ーブの内面に突出させた係止片を取付けたことを
   特徴とする伸縮可撓管継手における脱管防止機
   構。