JPH0238503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は映像機器等に用いる超音波遅延線に関
するものである。

従来例の構成とその問題点 近年ビデオテープレコーダを中心とする映像機
器の普及に伴い、超音波遅延線の需要は大きく拡
大している。また機器の小型化に伴い、超音波遅
延線の小型化への要望が強まつている。以下第１
図を参照しながら、従来の超音波遅延線について
説明する。

第１図は従来の超音波遅延線の一部分解斜視図
である。第１図において、１はガラスの遅延媒
体、２ａ，２ｂは入力および出力変換素子、３は
リード線、４は端子、５は端子板、６は上ケース
である。以上のように構成された超音波遅延線
は、入力変換素子２ａに加えられた電気信号を音
波に変換して、遅延媒体１の中を伝播させ再び出
力側変換素子２ｂで電気信号に変換して、電気信
号を遅延させる動作をするものである。しかしな
がら上記のような構造においては、最近、セツト
の小型化の中で要望される小型品設計および、プ
リント基板取付時のフラツク侵入等に対して、不
適当なものであつた。

これについて、構造を基にして、詳しく説明す
ると、部品の小型化の動きとしては、高さが低
いこと、床面積が低いことがあり、この中で床
面積を小さくするためには、全体の製品の厚みを
遅延媒体１の厚みにいかに近づけていくかにあ
る。これに対して、第１図に示す構造では、遅延
媒体１の両端に端子４および端子４を取付けた端
子板５とそれに組合せたケース６があるため、遅
延媒体１の厚みに対して、製品全体は約６〜８倍
の厚みを要しているのが現状である。またフラツ
クス侵入に対しても、端子板５とケース６との組
合せ部から侵入したフラツクスは、直接遅延媒体
１に導かれるため、遅延媒体１が特性を変化させ
る原因となつていた。

考案の目的 本考案は上記欠点に鑑み、小型で、フラツクス
侵入に対して、安全な超音波遅延線を提供するも
のである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案は、遅延媒体
と、下部に端子を保持するガイド溝を設けた端子
部を有し、側面上部に第１の側壁を設けた箱状部
を有する下ケースと、下部に端子の係止部を設
け、上部に蓋部を設けた側壁を有する上ケースと
からなり、下ケースの箱状部に遅延媒体を収納し
た状態で下ケースと上ケースとを遅延媒体を覆う
ように組立てた構成である。

端子を遅延媒体の下方に位置する端子部に設け
るため、製品全体の厚みを遅延媒体に近づけるこ
とができる。また遅延媒体が箱状部に収納された
状態であり、しかも端子の上方に箱状部が位置す
るため上昇してきたフラツクスが遅延媒体に接触
することを防ぐことができ、特性が安定してい
る。

実施例の説明 以下本考案の一実施例における超音波遅延線に
ついて図面とともに説明する。

第２図ａ，ｂは本考案の一実施例における超音
波遅延線の上ケース部分と下ケース部分の斜視図
である。

図において７は遅延媒体、８は下ケース、９は
上ケースである。遅延媒体７には入力変換素子１
０ａおよび出力変換素子１０ｂが取付けられ、そ
の入力変換素子１０ａと出力変換素子１０ｂとに
はそれぞれリード線１１が接続されている。

下ケース８は、遅延媒体７を収納する凹部１２
を設けた箱状部１３の下部に端子１４を保持する
端子部１５を設け、箱状部１３の側面上部には側
壁１６を設けた構成である。そしてリード線１１
は箱状部１３の側面に設けられたガイド溝１７を
介して、入力変換素子１０ａおよび出力変換素子
１０ｂと端子１４とを電気的に接続している。

上ケース９は、側壁１８の下部に端子１４の係
止部１９を設け、側壁１８の上部にはコ字状の蓋
部２０を設けた構成である。

そして下ケース８の箱状部１３に遅延媒体７を
収納した状態で、下ケース８の側壁１６の周辺と
上ケース９の蓋部２０の先端とが下ケース８のＡ
部と上ケース９のＢ部とが面すように接触し、下
ケース８の箱状部１３の側面と上ケース９の側壁
１８とが接触し、下ケース８の端子部１５と上ケ
ース９の係止部１９とが接触するように、下ケー
ス８と上ケース９とは組合わされて本実施例の超
音波遅延線が構成される。

なお下ケース８と上ケース９とが、端子１４を
端子部１５と係止部１９とで挾持する場合は、端
子部１５と係止部１９とをはめあい、超音波溶
着、接着等により接合すればよいが、端子１４を
端子部１５にインサート成型等で取付ける場合
は、端子１４を端子部１５と係止部１９とによつ
て挾持する必要はない。

考案の効果 以上のように本考案は、端子部を下方に設け側
壁を上方に設けた箱状部を有する下ケースと、係
止部を下方に設け蓋部を上方に設けた側壁を有す
る上ケースとを、箱状部に遅延媒体を収納した状
態で組立てた構成であり、端子部を遅延媒体の下
方に位置させることにより、全体の厚みを遅延媒
体の厚みに近づけることができ、従来の厚み６〜
８mmから３〜５mmと大幅に薄くすることができ
る。また遅延媒体を箱状部に収納することと、そ
の箱状部の下方に端子部を設けることにより、端
子をプリント基板に取付ける時、プリント基板と
遅延媒体との間に間隔があり、フラツクスが端子
部より侵入して遅延媒体に付着することがなく、
特性が非常に安定したものである。また遅延媒体
を箱状部に収納する構成により、遅延媒体の支持
が従来に比べて容易になり、さらにリード線の端
子への位置合せを箱状部のガイド溝を用いて仮止
めできるために、リード線の接続が非常に容易と
なり安価に品質良く製造できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の超音波遅延線の一部分解斜視
図、第２図ａは本考案の一実施例における超音波
遅延線の上ケースの斜視図、第２図ｂは同超音波
遅延線の上ケースを除いた状態を示す斜視図であ
る。 ７……遅延媒体、８……下ケース、９……上ケ
ース、１０ａ……入力変換素子、１０ｂ……出力
変換素子、１１……リード線、１２……凹部、１
３……箱状部、１４……端子、１５……端子部、
１６……第１の側壁、１７……ガイド溝、１８…
…第２の側壁、１９……係止部、２０……蓋部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入力変換素子および出力変換素子を取付けた遅
   延媒体と、その遅延媒体を収納する箱状部の下部
   に上記入力変換素子および出力変換素子からのリ
   ード線を接続する端子を保持する端子部を設ける
   とともに、この端子部には上記リード線を導くた
   めのガイド溝を上記箱状部側面に設け、上記箱状
   部の第１の側面上部に第１の側壁を設けた下ケー
   スと、第２の側壁の上部にコ字状の蓋部を設ける
   とともに上記第２の側壁の下部に端子の係止部を
   設けた上ケースとからなり、上記下ケースと上ケ
   ースとは、上記第１の側壁と蓋部とが接触し、上
   記箱状部の第２の側面と上記第２の側壁とが接触
   し、上記遅延媒体を覆うように組立てられた超音
   波遅延線。