JPH0237298B2

JPH0237298B2 - Sekisotainoseizoho

Info

Publication number: JPH0237298B2
Application number: JP56173923A
Authority: JP
Inventors: Hirotaka Tsucha; Shoichi Kubo
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1981-10-30
Filing date: 1981-10-30
Publication date: 1990-08-23
Anticipated expiration: 2001-10-30
Also published as: JPS5874354A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、バリヤー性の良好な積層体の製造法
に関するものである。

一般に、酸化の危険性のある含油性食品、ある
いは酸化により、褐変が予想される食品、薬品等
の包装材は、ハイバリヤー性が要求されている。

このようなハイバリヤー性を有する材料として
は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等があ
る。

而して、これらのなかでエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物を使用してなる積層体としては
種々のものが開発され、提案されている。

例えば、中間層としてエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物からなるフイルムを使用し、その
一方の面に基材シート、他方の面に熱接着性フイ
ルムをドライラミネートしてなる積層体、片面に
ポリオレフイン層を有し、かつエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物層を有する多層フイルムを
基材シートとサンドラミネートまたはドライラミ
ネートしてなる積層体、少なくともエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物層を含むフイルムを基
材シートに押出しラミネートした後、更にヒート
シール性フイルムをドライラミネートまたはヒー
トシール性樹脂を押出しコーテイングしてなる積
層体等が知られている。

本発明者も、上記のようなエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物層を含む積層体を製造すべく
種々検討した結果、一回の押出しラミネートで済
むという非常に簡易な方式でエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物層を有し、かつ包装材料とし
てハイバリヤー性に富み、そのまま十分使用可能
な積層体を製造し得ることを見出して本発明を完
成したものである。

すなわち、本発明の要旨は、少なくともエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物10〜100重量％
を含有する樹脂と、ポリエチレン系樹脂30重量％
以上を含有する樹脂とを、該ポリエチレン系樹脂
を含有する樹脂が一方の表面に積層すべく押出し
積層して押出積層物を生成し、次に該押出積層物
の押出積層した直後で少なくともその表面部分が
溶融状態にあるポリエチレン系樹脂を含有する樹
脂層の表面に、オゾンを含有する気体を吹き付け
てオゾン処理を施こし、しかる後上記の押出積層
物と、表面にアンカーコート処理を施こした別製
の基材シートとを、前者のオゾン処理面と後者の
アンカーコート処理面とが相対するように積層
し、押圧、冷却することを特徴とする積層体の製
造法である。

一般に、これまでにもエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物を押出しラミネートにより積層体
を得る方法は知られているが、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物は、高温に加熱すると分解
するため230℃以下に於て加工する必要がある。
従つて、基材シートとの接着を考慮した場合、ア
ンカーコート剤としてイソシアネート系のものを
用いて基材シートと接する層をエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物を含むものとしなければな
らないものである。しかも、アンカーコート剤の
選択が困難であり十分な接着力が得られなかつた
というのが実状であり、而して本発明は、基材シ
ートと接する層をオゾン処理することにより通常
のアンカーコート剤で230℃以下の押出し温度で
も基材シートと十分に接着させることを可能とし
たものである。

本発明におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物とは、エチレン含量が20〜50モル％のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体をそのケン化度が93
％以上、好ましくは96％以上となるようにケン化
することにより得られるものである。

また、本発明において、ポリエチレン系樹脂と
してはポリエチレンあるいは、エチレンとプロピ
レン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクノネ
ン、デセン、４−メチルペンテン−１等のαオレ
フイン、あるいは酢酸ビニル、アクリル酸、メタ
アクリル酸、アクリル酸エチル、ビニルアルコー
ル等のモノマー、マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸、ハイミツク酸等の不飽和カルボン酸又は
その無水物等の１種又は２種以上の共重合体であ
る。また、酸基を含む共重合体の酸基をNa、
Mg、Zn、Al等の金属によりイオン化したもので
もかまわない。

次に又、本発明において、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物とブレンドし得る樹脂として
は、前記のポリエチレン系樹脂として列記したも
の、あるいはポリアミド等ブレンド可能な樹脂な
らばどのようなものでもかまわない。とくに本発
明においては、エチレン−酢酸ビニルアルコール
の共重合体としての形態を有するエチレン−酢酸
ビニル共重合体の部分ケン化物を含むことが好ま
しい。本発明において、高いバリヤー性、透明性
を有する最も良好なブレンド構成は、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物５〜100重量％、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物０〜95
重量％、エチレン−酢酸ビニル共重合体０〜90重
量％である。また、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタアクリル酸共重合体金属イオ
ン化物でも良い。

次に又、本発明において、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物を含有する樹脂層と、ポリエ
チレン系樹脂を含有する樹脂層以外の樹脂層とし
ては、どのような樹脂を用いた層でもかまわな
い。

しかし、各樹脂層間の接着性については十分考
慮する必要がある。例えば、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物100％とした場合、その両側
は、ポリアミドあるいはアクリル酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、ハイミツク酸等の
不飽和カルボン酸、又はその無水物により変性さ
れたポリオレフイン系樹脂等が好ましい。

次に又、本発明において、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物を含有する樹脂層と、ポリエ
チレン系樹脂を含有する樹脂層とは、一致する場
合もあり得る。

例えば、ポリエチレン系樹脂を含有する樹脂層
として、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
10〜70重量部とポリエチレン系樹脂90〜30重量部
とからなる樹脂層であつてもよい。

この場合は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物を含むポリエチレン系樹脂層をオゾン処理
することになる。

次に又、本発明におけるオゾンを含有する気体
とは、通常のオゾン発生機に空気あるいは酸素を
供給することによつて得られるが、本発明におい
ては少なくとも表面部分が溶融状態にあるポリエ
チレン系樹脂を含有する樹脂層の片面に、オゾン
濃度１ｇ/m²以上の気体を50ml/m²以上の割合で吹
き付けることが好ましい。

次に又、本発明における基材シートとは、従来
のこの種の積層体の製造方法において使用されて
いる基材シート、例えば紙、アルミニウム箔など
の金属箔、セロフアン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート等の各種プラスチツクの未延伸又は延伸フ
イルム、及びこれらのフイルムにポリ塩化ビニリ
デン、硝化綿等の被覆用樹脂をコーテイングした
積層フイルム、更にはこれらの二種以上を貼り合
わせた積層シート等である。この各種基材シート
は、前述の少なくとも表面部分が溶融状態にある
フイルムと接着される面に、アンカーコート剤、
例えば有機チタネート、ポリエチレンイミン、イ
ソシアネート基を有する化合物等からなるアンカ
ーコート剤によるアンカーコート層を有している
ことが必要であり、基材シートの表面にはコロナ
放電処理、火災処理等の一般の接着性改良処理が
施されていても良い。

次に、本発明の積層体の製造法につき図面を参
照しながら詳細に説明する。

第１図は本発明の積層体の製造法の一例を工程
順に従つて示した模型的説明図である。第１図の
如く、オゾン発生機１にブロワーあるいはコンプ
レツサーを使用して空気または酸素ボンベ等から
の気体２を給気する。

他方、本発明においては、押出しダイス３から
少なくともエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物10〜100重量％を含有する樹脂と、ポリエチレ
ン系樹脂30重量％以上を含有する樹脂とを、該ポ
リエチレン系樹脂を含有する樹脂が一方の表面に
積層すべく押出し積層して押出積層物４を生成
し、次に該押出積層物４の押出積層した直後で少
なくともその表面部分が溶融状態にあるポリエチ
レン系樹脂を含有する樹脂層の表面Ａに、前記オ
ゾン発生機１に連結させてある気体吹き付け管５
に設けられている細孔によるノズルからオゾンを
含有する気体を吹き付け、オゾン処理した押出積
層物４′とする。

他方、別製のアンカーコート剤によるアンカー
コート層６を有する基材シート７に前記オゾンを
含有する気体を吹き付けたオゾン処理した押出積
層物４′を、そのオゾン処理面と基材シート７の
アンカーコート層６面とが相対するようにして積
層し、同時にニツプロール８と温度約15℃のチル
ロール９とにより押圧、冷却と同時に圧着するこ
とにより本発明の積層体１０を得ることができ
る。

以上詳記したように本発明によれば、充分な接
着強度で基材シートにエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物を有する層を押出しコーテイングに
より設けることが可能であり、得られる積層材は
良好なバリヤー性を有するものである。

次に実施例をあげて本発明につき具体的に説明
する。

実施例１５層共押出しダイスから、低密度ポリエチレン
（MI＝6.5、ｄ＝0.917）無水マレイン酸をグラフ
ト共重合した、変性低密度ポリエチレン（MI＝
2.5、ｄ＝0.91）エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物（エチレン含量35モル％、ケン化率99.0
％）を、低密度ポリエチレン10μ／変性低密度ポ
リエチレン5μ／エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物10μ／変性低密度ポリエチレン5μ／低密
度ポリエチレン10μの層構成及び厚さで220℃に
て押出し成形し、得られたフイルムの表面部分が
溶融状態にある片面に、オゾン発生機に連結させ
てあるノズルを有するステンレススチール製の気
体吹き付け管からオゾン濃度15ｇ/m²の空気を160
ml／m²の割合で均一に吹き付け、しかる後に、こ
のフイルムに別製の厚さ20μの二軸延伸ポリプロ
ピレンにアンカーコート剤〔タケラツクＡ−
315：タケネートＡ−50（配合比８／１）武田薬品
工業(株)製〕を0.5ｇ/m²の割合に塗布したアンカー
コート層を有する基材シートを密接、押圧して積
層体を得た。

この積層体の接着強度は420ｇ／15mmであつた。
また酸素ガス透過度は５c.c./m²・24Hr（RH90％）
であつた。

実施例２３層共押出しダイスから、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体（MI＝7.5、ｄ＝0.923、Va含量＝６
％）とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
（エチレン含量35モル％、ケン化率99.0％）50重
量％、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン化
物〔東洋曹達(株)製：メルセンＨ−6410D〕50重量
％のブレンドをエチレン−酢酸ビニル共重合体
10μ／EVAケン化物−EVA部分ケン化物20μ／エ
チレン−酢酸ビニル共重合体10μの層構成及び厚
さで210℃にて押出し成形し、得られたフイルム
の表面部分が溶融状態にある片面に、実施例１と
同様にオゾンを含有する気体を吹き付け、しかる
後に、基材シートと密接、押圧して積層体を得
た。この積層体の接着強度は380ｇ／15mmであつ
た。また酸素ガス透過度は15c.c./m²・24Hr（RH90
％）であつた。

実施例３２層共押出しダイスから、低密度ポリエチレン
（MI＝6.5、ｄ＝0.917）と、EVAケン化物（エチ
レン含量35モル％、ケン化率99.0％）35重量％、
EVA部分ケン化物〔武田薬品工業(株)製デユミラ
ンＣ−1590〕10重量％、エチレン−酢酸ビニル共
重合体（MI＝7.5、ｄ＝0.923、Va含量＝６％）
65重量％からなるブレンドを、低密度ポリエチレ
ン10μ／EVAケン化物−EVA部分ケン化物−エ
チレン酢酸ビニル共重合体25μの層構成及び厚さ
で210℃にて押出し成形し、得られたフイルムの
表面部分が溶融状態にあるブレンド層面に実施例
１と同様にオゾンを含有する気体を吹き付け、し
かる後に基材シートと密接、押圧して積層体を得
た。この積層体の接着強度は250ｇ／15mmであつ
た。また酸素ガス透過度は25c.c./m²・24Hr（RH90
％）であつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の積層体の製造法の一例を工程
順に従つて示した模型的説明図である。１…オゾン発生機、２…空気または酸素ボンベ
からの気体、３…押出しダイス、４…押出積層
物、５…気体吹付け管、６…アンカーコート層、
７…基材シート、８…ニツプロール、９…チルロ
ール、１０…積層体。

Claims

【特許請求の範囲】１少なくとも、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物10〜100重量％を含有する樹脂と、ポリ
エチレン系樹脂30重量％以上を含有する樹脂と
を、該ポリエチレン系樹脂を含有する樹脂が一方
の表面に積層すべく押出し積層して押出積層物を
生成し、次に該押出積層物の押出積層した直後で
少なくともその表面部分が溶融状態にあるポリエ
チレン系樹脂を含有する樹脂層の表面に、オゾン
を含有する気体を吹き付けてオゾン処理を施こ
し、しかる後上記の押出積層物と、表面にアンカ
ーコート処理を施こした別製の基材シートとを、
前者のオゾン処理面と後者のアンカーコート処理
面とが相対するように積層し、押圧、冷却するこ
とを特徴とする積層体の製造法。２エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物10〜
100重量％を含有する樹脂が、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物10〜100重量％、エチレン
−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物０〜90重量
％、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体０〜85
重量％からなることを特徴とする特許請求の範囲
第１項記載の積層体の製造法。