JPH0236647B2 - Renzokukanetsuroniokeruhaigasuryohoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はアルミニウム又はアルミニウム合金イ
ンゴツト等の材料を燃焼式加熱炉で熱処理するに
際して、高温帯側の高温排ガスを装入帯側の低温
材料の昇温に利用する排ガス利用方法に関するも
のである。

（従来の技術） 従来から知られている代表的な連続加熱炉は、
第３図に示すように、炉本体１内に材料装入帯ａ
と加熱帯ｂとからなる低温域と、加熱帯ｃと均熱
帯ｄとからなる高温域とを設け、被加熱材である
アルミインゴツトＷを装入機２により搬送装置３
に送り込み、該搬送装置３によつて炉内を装入帯
ａから均熱帯ｄへと通過させて熱処理したのち抽
出機４で炉外に搬出するように構成している。

そして、この間に各帯内に配設したバーナ５，
６による加熱雰囲気ガスを循環送風機７により撹
拌して強制対流伝熱でインゴツトを予め設定した
パターンに基づき、所定温度に加熱処理してい
る。又、炉内の低温域と高温域とに夫々連通する
排気管８に熱交換器９を備えて該熱交換器９によ
り加熱した送風機１０側からの空気をバーナ５，
６の燃焼空気に使用している。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このような構造によれば、加熱
炉１からの排ガスは、当該加熱炉の燃焼用空気の
予熱にのみ利用されるだけで、材料の加熱に直接
利用することができないばかりでなく、アルミニ
ウム合金の品質上の問題として、低温域加熱にお
いては燃焼生成ガスとの接触による結露が発生
し、アルミニウム合金材料の表面腐食、高温酸化
により品質を損なうことは周知の通りであり、こ
の対策として従来から、アルミニウム合金材料の
表面温度が燃焼生成ガスの露点を越えるまで、燃
焼輻射管による間接加熱や電熱式空気加熱を行つ
て燃焼生成ガスが材料に直接接触しない方法を採
用しているか、予め、炉内を高熱昇温させ、その
後、燃焼器の燃焼を停止してアルミインゴツトを
挿入し、自然昇温を待つて燃焼生成ガスの露点温
度以上に達した時に燃焼器の点火を行う方法が採
用されている。

しかしながら、このような方法では、熱効率が
低下すると共に設備費や運転維持費に多大な費用
を要するという問題点がある。

本発明はこのような問題点を解消し、簡易な構
成で燃焼輻射管や電気加熱設備等を不要にして材
料表面の腐食や高温酸化による品質の低下を防止
し得る連続加熱炉における排ガス利用方法の提供
を目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明の連続加熱
炉における排ガス利用方法は、アルミニウム又は
アルミニウム合金材料の燃焼式連続加熱炉におい
て、高温帯側の排ガスによつて熱交換器を介して
加熱された高温空気を材料装入帯側に供給し、該
装入帯内に送入される材料を装入帯に隣加する加
熱帯の燃焼生成ガスの露点以上にまで順次加熱す
ることを特徴とするものである。

（従用） 加熱炉内の高温域側から排出された排ガスによ
り、熱交換器を介して加熱された高温空気は、低
温域側の材料装入帯内に導入されると、該装入帯
内に順次送入されるアルミニウム合金インゴツト
等の材料を加熱し、装入帯に隣接する加熱帯に達
するまでにその材料の表面温度を燃焼生成ガスの
露点以上に昇温させ、材料表面の腐食や高温酸化
による品質の低下を防止するものである。

実施例 本発明の実施例を図面について説明すると、１
は加熱炉本体で、その内部は、材料装入帯ａと加
熱体ｂとを順次設けてある低温域と、該低温域に
連設して加熱帯ｃと均熱帯ｄとを順次設けてなる
高温域とを配設してあり、装入帯ａ側にはアルミ
ニウム合金インゴツト等の材料装入機２が配設さ
れて、該装入機２により加熱炉本体１の内底部に
沿つて配設している搬送装置３に材料を注入する
ように構成してある。４は熱処理された材料を炉
外に搬出する抽出機である。

５は装入帯ａの加熱用バーナ、６，６，６は加
熱帯ｂ，ｃ及び均熱帯ｄの加熱用バーナで、夫々
の燃焼用空気配管１１，１２を切替弁１３を介し
て送風機１０の送風管１４に連通してあり、送風
管１４は低温域内からの排気管８に設けられてい
る熱交換機９を介して加熱され、加熱空気は切替
弁１３によつて装入帯ａ側への配管１１と加熱帯
ｂ，ｃ及び均熱帯ｄ側への配管１２とのいずれか
一方に切替え可能となつている。

７は各帯ａ〜ｄ内に配設した循環送風機であ
る。

１５は高温域に連通した排気管で、熱交換器１
６を備えてあり、この熱交換器１６を介して送風
機１７の送風管１８内の空気を加熱すると共に該
送風管１８を切替弁１９を介して装入帯ａ内に連
通した熱風送風管２０と高温域側のバーナ７，７
の燃焼用空気配管２１とに切替え可能に連通して
ある。

以上のように構成した実施例の作用を述べる
と、装入機２によつて材料Ｗを搬送装置３上に供
給し、加熱炉本体１の装入帯ａ内に送入する一
方、高温域側の高温排ガスを排気管１５に導入し
て熱交換器１６を介して送風機１７からの空気を
加熱し、切替弁１９を熱風送風管２０側に切り替
えて該送風管２０を通じて装入帯ａ側に高温空気
を供給する。この供給時においては、該装入帯ａ
のバーナ５は休止され、装入帯ａ内に導入された
高温空気を循環送風機７により強制対流させて材
料Ｗの表面を該材料Ｗが隣接する加熱帯ｂに達す
るまでに、該加熱帯ｂ内に接触する燃焼生成ガス
の露点温度以上に昇温させる。

こうして熱風による材料の低温加熱を行つて表
面温度が燃焼生成ガスの露点温度以上に達した材
料を順次高温域側に搬送し、加熱炉主体１内を材
料で満杯にする。この間、バーナ燃焼用空気切替
弁１３は空気配管１２側に連通して低温域側から
の排ガスで熱交換器９を介して加熱された空気
を、該配管１２を通じて加熱帯ｂ，ｃ及び均熱帯
ｄのババーナ６に供給し、バーナ６による燃焼を
行う。

材料Ｗが加熱炉主体１内に満杯となり、最後部
の材料の表面温度が燃焼生成ガスの露点以上に達
すると、切替弁１３を切替えてバーナ燃焼用空気
を装入帯側バーナに供給すると共に切替弁１９を
切替えて高温排ガスによる加熱空気を加熱帯ｂ，
ｃ及び均熱帯ｄ側バーナに供給して炉内全域を材
料の処理温度まで、通常の運転を行う。

なお、このような、炉内に材料が満杯となつて
最後部の材料が燃焼生成ガスの露点温度以上にな
るまで、通常の運転を行わないようにしている
が、材料Ｗの順次装入、抽出しながら、装入した
時に装入側バーナを休止させて加熱空気により該
材料が燃焼生成ガスの露点温度以上になるまで加
熱し、その温度に達した材料を加熱帯ｂ側へ搬送
しながら均熱帯側から所定の熱処理された材料を
抽出するようにしてもよい。

（発明の効果） 以上のように本発明の連続加納炉における排ガ
ス利用方法によれば、高温帯側の排ガスによつて
熱交換器を介して加熱された高温空気を材料装入
帯側に供給し、該装入帯内に送入される材料を装
入帯に隣接する加熱帯の燃焼生成ガスの露点以上
にまで順次加熱することを特徴とするものである
から、従来の加熱炉のような電気加熱或いは熱輻
射管式の間接加熱の設備が全く不要となつて設備
費及び運転維持費の低減を図ることができると共
に排ガスの有効利用による省エネルギー効果をも
たらすことができ、さらに、加熱帯における燃焼
生成ガスによる材料表面の腐食や高温酸化を防止
して品質の向上を図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す装置全体の簡略
構成図、第２図は装入帯部分の縦断面図、第３図
は従来の連続加熱炉の簡略断面図である。 １……加熱炉本体、５，６……バーナ、７……
循環送風機、８，１５……排気管、９，１６……
熱交換器、１０，２０……送風機、１３，１９…
…切替弁、２０……熱風送風管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アルミニウム又はアルミニウム合金材料の燃
   焼式連続加熱炉において、高温帯側の排ガスによ
   つて熱交換器を介して加熱された高温空気を材料
   装入帯側に供給し、該装入帯内に送入される材料
   を装入帯に隣接する加熱帯の燃焼生成ガスの露点
   以上にまで順次加熱することを特徴とする連続加
   熱炉における排ガス利用方法。