JPH0234142Y2

JPH0234142Y2 -

Info

Publication number: JPH0234142Y2
Application number: JP1984189580U
Authority: JP
Priority date: 1984-12-14
Filing date: 1984-12-14
Publication date: 1990-09-13
Also published as: US4681330A; JPS61104275U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、荷台を２輪または４輪で支持して安
定よく使用できる簡易形の手押し運搬車に関する
ものである。

〔従来の技術〕

従来、２輪形式の簡易形手押し運搬車として、
前後方向の長さが長い荷台に、後端部上方に突出
する荷物受台と、後端部下方に突出するように軸
支した左右一対の車輪と、この車輪近傍の荷台側
に一端を枢支された回動アームの他端に軸支した
左右一対の補助車輪と、前記回動アームの中間部
と荷台間に設けられ、シリンダーに対し伸縮ロツ
ドが無段階に伸縮可能のシリンダー装置と、荷台
前端部に設けたハンドルとを備えたものが、例え
ば実開昭59−89764号公報により知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記先行技術の運搬車においては、シリンダー
装置が油圧シリンダーにより構成しているので生
産コストが高くなるうえ、積載される荷物の重
量、大きさ、作業者の身長等によつて重心位置が
変つた場合、荷台の傾斜度、即ち、ハンドル高さ
をバランスよく変える操作が面倒である、といつ
た問題点があつた。

そこで本考案は、油圧シリンダーに代えてメカ
ニカルに作動する簡単な構成のシリンダー装置を
設け、その操作をハンドル近傍で自由に行えるよ
うにした手押し運搬車を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するため、本考案は、前後方向
の長さが長い荷台に、後端部上方に突出する荷物
受台と、後端部下方に突出するように軸支した左
右一対の車輪と、この車輪近傍の荷台側に一端を
枢支された回動アームの他端に軸支した左右一対
の補助車輪と、前記回動アームの中間部と荷台間
に設けられ、シリンダーに対し伸縮ロツドが無段
階に伸縮可能のシリンダー装置と、荷台前端部に
設けたハンドルとを備えた運搬車において、前記
シリンダー装置には、シリンダー内で伸縮ロツド
の外周を囲むようにしてコイルばねを設け、この
コイルばねは少くとも一カ所をシリンダ側に固定
し、常時は縮径状態にあつて伸縮ロツドの外周に
接して伸縮ロツドの伸縮移動を阻止し、この縮径
状態を解除して拡径することによつて伸縮ロツド
の伸縮移動を自在とする解除レバーを設けると共
に、この解除レバーを遠隔操作するための操作レ
バーを前記ハンドルの近傍に設けたことを特徴と
するものである。

〔作用〕

前記の構成によつて、ハンドル位置で車体姿勢
を自由に選択することができ、しかもその操作は
きわめて簡単で、安全でかつ楽な運搬作業が行え
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を、図面を参照して説明
する。

第１図ないし第５図は本考案の第１の実施例を
示すもので、第１図において、符号１は前後方向
に長さが長い手押し運搬車の荷台で、この荷台１
の後端部には、上方に向け突出する荷物受台２
と、下部下側に設けられた車輪取付け枠３の後端
側に車軸４を介して軸支された左右一対の車輪５
とが設けられ、また、荷台１の前端部には、棒状
の主ハンドル６と、ループ状の副ハンドル７とが
設けられている。前記車輪取付け枠３の前端部に
は、左右一対の回動アーム８の一端が、枢支ボル
ト９によつて上下方向に回動可能に枢支され、回
動アーム８の他端には、車軸１０を介して左右一
対の補助車輪１１が軸支されている。

前記回動アーム８，８の中間部間に架設された
連結板１２の中央部と、左右の荷台１，１間に架
設された連結板１３の中央部との間には、それぞ
れブラケツトを介してシリンダー装置１４のシリ
ンダー１５および伸縮ロツド１６の端部が枢着さ
れている。このシリンダー装置１４は、シリンダ
ー１５に対し伸縮ロツド１６が、油圧、空気圧、
ガス圧等を用いることなく機械的（メカニカル）
に無段階に伸縮し、かつ任意の位置でロツクでき
るもので、その主要部の構造が第２図および第３
図に示されている。

第２図および第３図において、シリンダー１５
の先端側の内部には、軸受を兼ねるブツシユ１
７，１８が所定の間隔でシリンダー１５に係止さ
れ、この両ブツシユ１７，１８には伸縮ロツド１
６が挿通されてシリンダー１５の内外に延びてい
る。ブツシユ１７，１８間に伸縮ロツド１６に
は、巻き方向が右巻き、左巻きに相互に異る一対
のコイルばね１９，２０が締代をもつて巻回され
ており、この両ばね１９，２０は、その両外端を
前記ブツシユ１７，１８に固定し、また両内端を
解除レバー２１に取付けている。解除レバー２１
は、シリンダー１５に穿設した移動孔２２に沿つ
て移動可能であり、解除レバー２１がコイルばね
１９，２０の弾発力によつて移動孔２２の一端部
に接近、即ち縮径したとき、コイルばね１９，２
０の内周部は伸縮ロツド１６の表面に巻きつくよ
うにして締付け、かつ、ブツシユ１７，１８のコ
イルばね側の両面は、コイルばねのリード角より
大きな角度をもつて形成されているので、伸縮ロ
ツド１６の軸方向圧縮（引張り）の外力が加わる
と、コイルばね２０，１９の外端付近のばねのリ
ード角は本来のリード角以上に変形し、クサビ効
果によつて締付け力は数10倍も増加するものであ
る。また、解除レバー２１を前記とは反対に、コ
イルばね１９，２０の弾発力に抗して移動孔２２
の反対側に引張つて移動、即ち拡径させると、両
ばね１９，２０は伸縮ロツド１６の締付けを解除
し伸縮ロツド１６は軸方向の外力を加えることに
よつてシリンダー１５からの伸縮移動が自在であ
り、その伸縮位置で解除レバー２１の引張りを解
除すると、伸縮ロツド１６の移動が阻止される。
従つて、シリンダー装置１４は無段階に伸縮し、
その伸縮位置でロツクされて移動が確実に阻止さ
れるものである。

前記シリンダー１５の解除レバー２１が突出し
ている同一外周面上の移動孔２２の外側にはブラ
ケツト２３が固着され、このブラケツト２３に操
作ワイヤ２４のアウタチユーブ２４ａの一端が取
付けられ、またインナワイヤ２４ｂの一端が解除
レバー２１に取付けられている。操作ワイヤ２４
の他端側は副ハンドル７に設けた操作レバー２５
に取付けられ、操作レバー２５を握つてインナワ
イヤ２４ｂを引いたとき、解除レバー２１が引か
れてシリンダー装置１４が自由に伸縮でき、操作
レバー２５を離すと解除レバー２１が戻つて伸縮
をロツクし、補助車輪１１を無段階に移動調節で
きるようになつている。

このような構成では、運搬車を操縦する作業者
が、操作レバー２５を握つて主ハンドル６または
副ハンドル７を持つて荷台１の地面に対する傾斜
角度を調節するようにすると、シリンダー装置１
４の解除レバー２１が引かれてコイルばね１９，
２０が拡径し、伸縮ロツド１６が自由に伸縮でき
る状態となり、荷台１は車軸４を中心に回動して
所望の傾斜角度となり、このとき回動アーム８は
枢支ボルト９を中心に回動して、補助車輪１１の
位置を、シリンダー装置１４の伸縮範囲で自由に
選択し、操作レバー２５を離すとばね１９，２０
が縮径して伸縮ロツド１６をロツクする。この実
施例では、第５図に示すように、シリンダー装置
１４が最も収縮したとき、補助車輪１１が荷台１
の下側に接近して、運搬車を使用しないときに場
所をとらない。また、シリンダー装置１４が最も
伸長したときは、第４図に示すように荷台１がか
なり急角度に立上る範囲まで、無段階に調節が可
能である。この結果、次のような動作が可能であ
る。

荷台１、荷物受台２に積載される荷物の大き
さ、重心位置等によつて車台１の傾斜角度を無
段階に自由に選択し、車輪５および補助車輪１
１を接地してバランスよく、安定した運搬作業
が行える。

作業者の身長に応じて、主ハンドル６（副ハ
ンドル７）の高さが無段階に自由に選択でき
て、運搬作業が最適の姿勢で楽に行える。

荷台１の傾斜角度の調節が、副ハンドル７に
設けた操作レバー２５によつて行われるから、
その操作がきわめて簡単、容易である。

２輪、または４輪で走行可能であり、積荷の
状態によつてこれを自由に選択できると共に、
４輪で走行した場合には、走行路面に多少の凹
凸がある場合でも安定した運搬作業が行える。

ステツプが広くて両車輪５，１１が同時に乗
ることができるような段階においては、これを
昇降することが可能である。即ち、階段を昇る
ときは、シリンダー装置１４を伸長させた状態
で、まず補助車輪１１を中心に荷台１を水平方
向に向け後傾回動して車輪５を浮上らせ、補助
車輪１１で前進し車輪５を上方のステツプにの
せ、次いで車輪５を中心に荷台１を前傾回動さ
せて補助車輪１１を上方のステツプ面よりやや
高く浮上らせて車輪５で前進して、車輪５と補
助車輪１１が上方ステツプに乗り移る。このよ
うな動作を繰返すことで階段を昇ることができ
る。

また、階段を降りるときは、シリンダー装置
１４を収縮させて、つまり、荷台１を水平方向
に後傾回動させて前進し、車輪５を階段の角か
ら静かに下方にステツプ上に移動させ、次いで
殊輪５で前進し、補助車輪１１が階段角を通過
したところで操作レバー２５を握ると補助車輪
１１はその自重でシリンダー装置１４を伸長さ
せて下方のステツプ上に達し、操作レバー２５
の握りを離すと伸縮ロツド１６はロツクされ
る。このような動作を繰返すことで階段を順次
下降する。

運搬車を押す場合、または曳く場合のいずれ
の場合にも安定して使用できる。

（考案の効果）以上説明したように、本考案の手押し運搬車に
よれば、補助車輪１１を支持する回動アーム８
を、コイルばね１９，２０の縮径、拡径によつて
伸縮ロツド１６をロツク、伸縮自在としたシリン
ダー装置１４によつて無段階に回動可能とし、シ
リンダー装置１４の操作をハンドル位置で操作レ
バー２５により行えるようにしたので、油圧シリ
ンダーを設けた従来の運搬車に比べて生産コスト
が安価となると共に、荷台に積載される荷物の大
きさ、重心位置の移動、作業者の長身等に合せ
て、荷台の傾斜角度を自由に選択できて、バラン
スのよい安定した運搬作業が行える。

また、２輪、４輪のいずれにも簡単に選択で
き、４輪で使用した場合には、路面に多少の凹凸
があつても安定して走行することができ、また、
ステツプの広い階段、道路の段差等においてはこ
れを昇降することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す運搬車全
体の斜視図、第２図はシリンダー装置の要部断面
図、第３図は第２図のＡ−Ａ線に沿う断面図、第
４図および第５図は作用説明図である。１……荷台、２……荷物受台、３……車輪取付
け枠、４，１０……車軸、５……車輪、６……主
ハンドル、７……副ハンドル、８……回転アー
ム、９……枢支ボルト、１１……補助車輪、１
２，１３……連結板、１４……シリンダー装置、
１５……シリンダー、１６……伸縮ロツド、１
７，１８……ブツシユ、１９，２０……コイルば
ね、２１……解除レバー、２２……移動孔、２３
……ブラケツト、２４……操作ワイヤ、２４ａ…
…アウタチユーブ、２４ｂ……インナワイヤ、２
５……操作レバー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】前後方向の長さが長い荷台に、後端部上方に突
出する荷物受台と、後端部下方に突出するように
軸支した左右一対の車輪と、この車輪近傍の荷台
側に一端を枢支された回動アームの他端に軸支し
た左右一対の補助車輪と、前記回動アームの中間
部と荷台間に設けられ、シリンダーに対し伸縮ロ
ツドが無段階に伸縮可能のシリンダー装置と、荷
台前端部に設けたハンドルとを備えた運搬車にお
いて、前記シリンダー装置には、シリンダー内で伸縮
ロツドの外周を囲むようにしてコイルばねを設
け、このコイルばねは少くとも一カ所をシリンダ
側に固定し、常時は縮径状態にあつて伸縮ロツド
の外周に接して伸縮ロツドの伸縮移動を阻止し、
この縮径状態を解除して拡径することによつて伸
縮ロツドの伸縮移動を自在とする解除レバーを設
けると共に、この解除レバーを遠隔操作するため
の操作レバーを前記ハンドルの近傍に設けたこと
を特徴とする手押し運搬車。