JPH02301571A - 均一なグラス皮膜を有する方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

均一なグラス皮膜を有する方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH02301571A
JPH02301571A JP12227689A JP12227689A JPH02301571A JP H02301571 A JPH02301571 A JP H02301571A JP 12227689 A JP12227689 A JP 12227689A JP 12227689 A JP12227689 A JP 12227689A JP H02301571 A JPH02301571 A JP H02301571A
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annealing
steel sheet
strip
grain
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JP12227689A
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Osamu Tanaka
収 田中
Hisakazu Kitagawa
北河 久和
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、方向性電磁鋼板をストリップコイルの形態で
最終仕上焼鈍する工程を含むプロセスで製造するに際し
、ストリップコイル全面に亙って均一なグラス皮膜を形
成せしめる方向性電磁鋼板の製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 方向性電磁鋼板は、Siを4%以下、通常3%程度含有
する珪素銅素材を溶解し、連続鋳造酸は造塊後分塊圧延
することによってスラブとし、熱間圧延後1回或は中間
焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板厚とし、
次いで脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布を行った後、最終仕上
焼鈍を施す製造プロセスによって製造される。
方向性電磁鋼板の結晶集合組織は、圧延方向に磁化容易
軸が揃ったゴス組織と呼ばれる(110)(001)方
位集積度の高い組織である。このような、(110)(
0011方位を有する方向性電磁鋼板は、各種配電用機
器の鉄心材料として広く使用されている。方向性電磁鋼
板を変圧器等の鉄心材料として使用するに際しては、シ
ートを積層するのが一般的であるが、磁気特性として鉄
tjff特性および励磁特性に優れていることならびに
皮膜特性として渦電流…を低くすべく鋼板表面に高い電
気絶縁特性を有する皮膜が均一に形成されていることが
要求される。
その他に、方向性電磁鋼板を変圧器等の鉄心材料として
使用するに際しては、鉄心加工工程におけるスリット或
は切断加工、巻き加工、プレス加工、焼鈍、レーシング
加工等に伴う皮膜の脱落および剥離のない密着性の良い
グラス皮膜を有する方向性電磁鋼板であることが要求さ
れる。
処で、方向性1i磁鋼板の皮膜特性向上のために、前記
密着性や絶縁性を良好ならしめることは勿論、皮膜が方
向性電磁鋼板の鉄…特性に及ぼす影響が大きい処から、
種々の改善提案がなされてきている。たとえば、方向性
電磁鋼板のグラス皮膜改善手段として、焼鈍分離剤のM
gOや添加剤による方法或は脱炭焼鈍過程で生成する酸
化膜層を改善する方法が採られてきた。本発明者等が提
案した、特公昭57−21(H2号公報が開示されてい
る方法は、焼鈍分離剤の主成分であるMgOの水和水分
を低下させ、最終仕上焼鈍工程におけるストリップコイ
ル内雰囲気を均一化させることによって、形成されるグ
ラス皮膜を均一化させる方法である。また、特公昭51
〜12451号公報に開示されている手段は、Ti化合
物をMgO中に添加することにより、グラス皮膜形成能
を向上させ、皮膜の均一性、密着性、絶縁性を改善する
方法である。
特公昭57−1575号公報に開示されている手段は脱
炭焼鈍時に生成する5i01主体の酸化膜層を改質する
ことによって、グラス皮膜の厚さ、質を向上させるもの
で、脱炭焼鈍工程での雰囲気の酸化度を、焼鈍前段領域
の酸化度よりも焼鈍後段領域の酸化度を低下させること
により、SiO□に冨む酸化膜層を形成し、最終仕上焼
鈍工程で均一なグラス皮膜を形成するとともに磁気特性
の優れた製品を得るようにしている。
また、特開昭62−133021号公報或は特開昭62
−156221号公報に開示されているように、磁区細
分化能が大きく密着性に優れたグラス皮膜を形成する手
段として、冷間圧延後の鋼板表面に機械的、化学的、光
学的手段によって微細な線状疵を付与した後、脱炭焼鈍
し次いで焼鈍分離剤を塗布した後最終仕上焼鈍すること
によって、磁気特性、皮膜特性の優れた方向性電磁鋼板
を得る方法が提案されている。
これらの先行技術は、何れも磁気特性を満足させながら
グラス皮膜の形成能を向上、均一化させることを目的と
するもので、おおいに効果があるけれども、ストリップ
コイルの形態でなされる最終仕上焼鈍において、ストリ
ップコイル全面に亙って安定して良質のグラス皮膜を形
成するためには、解決されるべき技術的課題が存してい
た。
(発明が解決しようとする課題) 前述のようなグラス皮膜改善のための種々の技術は、全
体的にグラス皮膜のレベルを向上させてきた。しかしな
がら、ストリップコイルの形態でなされる最終仕上焼鈍
においては、特に、次のような問題が解決されておらず
、未だ十分とは言い難い。
それは、ストリップコイルの形態でなされる最終仕上焼
鈍においては、脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布の後巻き取ら
れストリップコイルとされたコイルの内周面側(第1図
におけるB面)がストリップコイル外周面側(第1図に
おけるA面)に比較してグラス皮膜が薄(なり、最終工
程で絶縁皮膜剤を塗布し乾燥焼き付けし次いでヒートフ
ラットラング処理を施した後の皮膜の密着性、絶縁性が
8面側の方が悪くなるという問題である。
本発明は、このストリップコイルの形態でなされる最終
仕上焼鈍における問題を解決すべく、皮膜特性、磁気特
性の双方を良好ならしめるとともにストリップ全面、全
長に亙って均一なグラス皮膜を形成せしめ得る方向性電
磁網板の製造方法を提供することを目的としてなされた
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、脱炭焼鈍処理後の鋼板(ストリップ)の
片面のSiO□形成量を他の片面の1.1〜1、5倍と
なるよう形成処理し、焼鈍分離剤を塗布 、した後前記
Sing量を他のそれの1.1〜1.5倍とした面がス
トリップコイルの内周面側となるように巻き取った後最
終仕上焼鈍することによって、ストリップ両面(表裏面
)のグラス皮膜が均一で密着性に優れた方向性電磁銅板
が得られることを見出した。
本発明は、かかる方向性電磁鋼板を工業的に製造する方
法を提供するものであり、その要旨とする処は下記のと
おりである。
(1)最終板厚を有する冷延方向性電磁鋼ストリップを
脱炭焼鈍して表面にSiO□を主成分とする酸化膜層を
形成せしめた後、焼鈍分離剤を塗布し、次いで最終仕上
焼鈍を施して絶縁皮膜を形成する方向性電磁鋼板の製造
方法において、前記脱炭焼鈍過程で鋼板(ストリップ)
表面に形成せしめるSiO□量を0.5〜1.2g/m
tかつ鋼板表裏面の何れか一方のSiO□量を他のそれ
の1.1〜1.5倍とし、然る後焼鈍分離剤を塗布し、
前記SiO□量を他のそれの1.1〜1.5倍とした面
がストリップコイル内周面側となるように巻き取った後
最終仕上焼鈍することを特徴とする均一なグラス皮膜を
有する方向性電磁鋼板の製造方法。
(2)鋼板表裏面の何れか一方の5iO1を他のそれの
1.1〜1.5倍とする手段が、脱炭焼鈍前のストリッ
プの片面のみを圧延ロール、酸溶液、研摩、ショットピ
ーニング、レーザ等の適用によって加工するものである
前項1記載の均一なグラス皮膜を有する方向性電磁鋼板
の製造方法。
(3)鋼板表裏面の何れか一方の5in2量を他のそれ
の1.1〜1.5倍とする手段が、脱炭焼鈍前のストリ
ップの片面のみを圧延ロール、酸溶液、研摩、ショット
ピーニング、レーザ等の適用によって鋼板の表面粗さを
Ra値で0.2〜0.7μmとするものである前項l記
載の均一なグラス皮膜を有する方向性電磁鋼板の製造方
法。
(4)最終板厚を有する冷延方向性電磁鋼ストリップを
脱炭焼鈍して表面にSingを主成分とする酸化膜層を
形成せしめた後、焼鈍分離剤を塗布し、次いで最終仕上
焼鈍を施して絶縁皮膜を形成する方向性電磁鋼板の製造
方法において、前記脱炭焼鈍過程で鋼板(ストリップ)
表面に形成せしめる5i02量を0.5〜1.2 g/
m2かつ鋼板表裏面の何れか一方のSiO□量を他のそ
れの1.1〜1.5倍とし、然る後、MgOの水和水分
が0.8〜2.5%であって、添加物としてTi化合物
0.5〜10.0重量%、Sb、B、S化合物の1種ま
たは2種以上を0.1〜1.0重量%配合した焼鈍分離
剤を塗布し、前記5iOz量を他のそれの1.1〜1.
5倍とした面がストリップコイル内周面側となるように
巻き取った後最終仕上焼鈍することを特徴とする均一な
グラス皮膜を有する方向性電磁鋼板の製造方法。
以下に、本発明の詳細な説明する。
本発明者等は、方向外電(5f m板をストリップコイ
ルの形態で最終仕上焼鈍するプロセスにおいて、ストリ
ップコイルの内周面側のグラス皮膜が外周面側のそれに
比し薄くなる問題を解決すべく研究を行った。
その結果、最終板厚とされた冷延方向性電磁鋼ストリッ
プを脱炭焼鈍して表面にSiO□を主成分とする酸化膜
層を形成し、焼鈍分離剤を塗布した後最終仕上焼鈍を施
して絶縁皮膜を形成する方向性電磁鋼板の製造方法にお
いて、ストリップコイル内周面側のグラス皮膜が外周面
側のそれに比較して薄くなる現象は、最終仕上焼鈍工程
中におけるストリップコイル外周面側と内周面側におけ
る追加酸化量の相違に起因していることを解明した。
即ち、最終仕上焼鈍中に焼鈍分離剤中の酸素源(水和水
分、添加物等)や雰囲気ガスと鋼板との反応によっても
たらされる追加酸化量が、曲率の大きなストリップコイ
ル内周面側の方が少なくなることを見出した。
そこで、脱炭焼鈍工程において、最終仕上焼鈍においで
ストリップコイル内周面側となる面の5iOz形成量を
予め外周面側となる面よりも多くし、焼鈍分離剤を塗布
した後ストリップコイルとし最終仕上焼鈍を施した処、
従来、問題であったストリップコイル内周面側のグラス
皮膜が薄くなる問題が解決され、表裏面共均−なグラス
皮膜が形成された。
次に、本発明を実験結果に基づいてさらに詳細に説明す
る。
供試材として、C: 0.072%、Si1.22%、
Mn:0.062%、S:0.023%、A/ : 0
.028%、残部Feおよび不可避的不純物からなる珪
素鋼スラブを熱間圧延し焼鈍した後、冷間圧延によって
最終板厚:0.29+nmのストリップとした。この冷
延ストリップコイルを3分割し、表裏面のうちの一方の
みをブラシロールによって第1表に示す表面粗さとなる
ように研摩した後、脱炭焼鈍し次いで、重量で、MgO
:100部、TiO□:5部、硼酸ソーダニ0.2部か
らなる焼鈍分離剤スラリーを塗布乾燥後、前記ブラシロ
ールによる研摩面がストリップコイルの内周面側となる
ように巻き取った。次いで、1200°CX20hrs
の最終仕上焼鈍を施した後、コロイド状シリカ、燐酸ア
ルミニウム、無水クロム酸からなる張力付与型コーティ
ング溶液を塗布し850 ”CX 30秒間のと一トフ
ラントニング処理を施した。
これらの工程中における脱炭焼鈍板、仕上焼鈍板からサ
ンプルを切り出し、酸化膜中のSiO□量、グラス皮膜
量を定量するとともに最終製品における皮膜密着性、磁
気特性について調べた。結果を、第2表に示す。
第  1  表 第2表から明らかなように、従来の処理工程(比較例)
によるものは、最終仕上焼鈍後、ストリップコイル内周
面側のグラス皮膜生成量が少なく、絶縁皮膜処理後の皮
膜密着性が不良であった。
これに対し、予め脱炭焼鈍工程でストリップコイル内周
面側となるべき面のSiO□形成量を多(したテスト材
1〜1.1〜2では外周面側とほぼ同じグラス皮膜形成
量であり、密着性も外周面側と同じかむしろ良好な結果
が得られた。
次に、本発明における限定理由について述べる。
本発明における重要な要素である脱炭焼鈍後のストリッ
プ表面におけるSi0g形成量は、0.5〜1、2 g
/m”である。鋼板(ストリップ)表面のSiO□は、
焼鈍分離剤の主成分であるMgOと次のように反応して
グラス皮膜(フォルステライト)を形成する。
2Mg0 +SiO□(脱炭焼鈍時に形成されたSiO
□十仕上焼鈍昇温中の追加酸化によって形成されるSi
O□)→Mg、SiO。
この反応で生成するフォルステライトの厚さが適度であ
れば、密着性が良く、その皮膜の張力効果によって鉄損
改善効果をもたらす。しかし、フォルステライト生成量
が少ないと密着性不良が生じるとともに、磁性劣化をも
たらす。逆に、フォルステライトが多過ぎると、皮膜密
着性は向上し皮膜張力は大きくなるけれども、磁束密度
の低下や鋼の純化不良をもたらし磁性劣化の原因となる
から好ましくない。
このようなことから、脱炭焼鈍工程において鋼板表面に
形成する5iOzと仕上焼鈍の前半において追加酸化に
より生成する5iOzのTotal SiO□量をコン
トロールすることが重要となる。
この5t(hの最適必要量は、厳密にいえば板厚の薄い
ものほど少なくてよく、本発明においては、通常の方向
性電磁鋼板の板厚: 0.15〜0.35 mmの範囲
を示した。
脱炭焼鈍工程において鋼板表面に形成するSiO□量が
0.5 g/+”未満では、上記反応によって生成する
グラス皮膜量が不足して皮膜密着性不良、磁性不良をも
たらす。
一方、脱炭焼鈍工程において綱板表面に形成するSiO
□量が1.2g/m”を超えると、グラス皮膜の形成量
が極端に多くなり、鋼の純化過程におけるバリアとして
作用しインヒビター成分であるS、N、C等が網中に残
留するから好ましくない。
最も好ましい範囲は、板厚12mN  (0,301T
un)の場合で0.8〜1.0 g/m”である。
次に、本発明を特徴づける、脱炭焼鈍後ストリップを巻
き取ったときにストリップコイルの眉間において内周面
側となる面におけるSiO□量を外周面側におけるそれ
の1.1〜1.5倍とする限定理由ヲ述べる。  1.
1倍に満たないと、従来の方法による場合と同様にスト
リップコイル内周面側のグラス皮膜が薄くなる問題が解
決されない。一方、1、5倍を超えると、ストリップコ
イル内周面側のグラス皮膜形成量が多くなり過ぎて、製
品の磁性に悪影響を与える。
次に、本発明における第2の要件である脱炭焼鈍前の鋼
板表面の加工法としては11表面粗度を調整した圧延ロ
ール、ブラシロール、グラインダー等の機械的手段、酸
洗等の化学的手段、レーザ等の光学的手段によって所望
の面の粗度を他の面のそれよりも大きくする手段を用い
ることができる。
このような手段によって鋼板の片面の表面粗度を他の片
面の表面よりも粗くして、脱炭焼鈍工程で形成するSi
O□量を多くする。
鋼板表面のSin、量を調整するための鋼板表面粗さは
、ストリップコイルの外周面側となる未処理面の粗さく
Ra値)0.1〜0.2μmに対し、内周面側となる面
の粗さを0.2〜0,7μmとする。ストリップコイル
の内周面側となる面の粗さが0.2μm未満では、未処
理面の1.1〜1.5倍となるような5i02量となら
ず、グラス皮膜が薄くなる問題を解決できない。一方、
ストリップコイルの内周面側となる面の粗さが0.7μ
lを超えると、SiO□形成量が多くなり過ぎて過酸化
による問題を生じたり、占積率が低下して製品をたとえ
ば変圧器用鉄心として積層したときの鉄損特性を劣化さ
せる等の問題を住して好ましくない。
次に、本発明の第3の要件である焼鈍分離剤におけるM
gOの水和水分は、先に述べたように、最終仕上焼鈍過
程前半での追加酸化によるSiO□形成増量に作用する
ため、規制される。?1gOの水和水分が0.8%未満
だと、最終仕上焼鈍工程での追加酸化量が極度に少なく
、従って、脱炭焼鈍工程で形成すべきSiO2量が大き
くなり、生産性を低下させて好ましくない。一方、Mg
Oの水和水分が2.5%を超えると、最終仕上焼鈍工程
での追加酸化量が極端に多くなってグラス皮膜が厚くな
り過ぎたり、過酸化に起因するスケール、ピンホール状
欠陥が発生する問題を惹起する。
かかる観点から、最も好ましいMgOの水和水分量範囲
は、1〜1.5%である。
又、MgO中の添加物としては、必要に応してTi化合
物がMgOに対して0.5〜10重量%、Sb、  B
S化合物の1種又は2種以上がMgOに対し0.1〜1
.0重量%の割合で添加される。これらは何れも仕上焼
鈍昇温過程におけるフォルステライトの形成反応を促進
する効果があり、これによって間接的にインヒビターの
安定化をもたらしたり、或いは鋼中に侵入した該添加物
自体がインヒビターとしての作用をもたらす。
Ti化合物としてはTiO,TiO□、 TiHz、 
Ti (504) z等が用いられる。添加量が0.5
重量%未満の場合、フォルステライト形成反応の促進効
果が弱く、逆に10重量%超の場合は過酸化によるピン
ホール状の皮膜欠陥や磁気特性の低下をもたらすため好
ましくない。sb化合物としてはSbS、5b2(SQ
、)3,5bSO4゜5bzO:+、S化合物としては
”gsO4+jVz(SOa)3+MnSO4゜Ca5
O,,5rSO,、等の各種硫酸塩やSrS、Al2S
3.KzS等の各種硫化物が用いられる。B化合物とし
てはB単体の他にNaBOz、NaJ40t、I!JO
z+CaB40t、MgB40t。
8203等が用いられる。これらSb、  S、  B
化合物の1種または2種以上の総量はMgOに対し0.
1〜1.0重量%である。0.1重量%未満だとフォル
ステライト形成促進やインヒビター強化の作用が弱く効
果が生じない。逆に1.0重量%を越えるとこの効果が
強すぎて、過酸化現象の時と同様なグラス皮膜の不均一
をもたらしたり、2次再結晶不良をひきおこすため好ま
しくない。
本発明によって、従来、ストリップコイルの形態でなさ
れる最終仕上焼鈍においてコイル内周面側のグラス皮膜
が薄くなるという問題が解決され、ストリップ全面に亙
って均一なグラス皮膜を形成せしめ得る理由を説明する
従来のプロセスによる場合のように、脱炭焼鈍後の鋼板
表面の5rOt生成量がストリップ表裏面で同一の場合
の問題は、先に述べたように、ストリップコイルの内周
面側の方が、最終仕上焼鈍工程での追加酸化量が少ない
ということに起因している。
この追加酸化量は、ストリップコイルにおけるストリッ
プの曲率によって異なり、第2図に示すように、曲率が
大きくなるほど(曲率半径が小さくなるほど)ストリッ
プコイルの内周面側となる面における追加酸化量が少な
くなる。
追加酸化量のストリップ表裏面での相違は、最終仕上焼
鈍工程での追加酸化が、脱炭焼鈍工程で形成されたSi
O□の膜を介して遂行されるため、鋼板表面の酸化膜の
密度の相違によってもたらされるものと考えられ、表面
の酸化膜の粗いストリップコイル外周面側(張力作用側
)はど酸素の拡散が進行し易く、表面の酸化膜の密なス
トリップコイル内周面側(圧縮力作用側)は、酸素の拡
散が起こり難いために生じると考えられる。
もう1つの理由として、鋼板表面の酸化膜の下のFe原
子の密度が、圧縮力作用側と張力作用側で異なるため、
酸素原子の内方拡散に違いを生じていることも考えられ
る。
工業的規模で生産されるときの最終仕上焼鈍工程におけ
る方向性電磁鋼ストリップコイルの大きさは、通常、5
〜10トン/コイル程度であるからコイルの内周直径は
100〜140cmであり、この程度の曲率の変化であ
れば本発明によって充分にカバーできる。
本発明においては、叙上のように、最終仕上焼鈍工程で
の鋼板(ストリップコイル)表裏面の追加酸化量の差を
、予め脱炭焼鈍工程での酸化膜形成の段階で補償してお
くことにより、最終仕上焼鈍工程でストリップ全面に亙
って密着性が良く均一なグラス皮膜を形成することがで
きる。
(実施例) 実施例1 重量で、C: 0.078%、Si:3.35%、Mn
=0.08%、S:0.024%、AI7: 0.03
0%、N: 0.00 s o%、残部Feおよび不可
避的不純物からなる方向性電磁鋼スラブを、熱間圧延し
焼鈍した後、冷間圧延によって最終板厚0.225 +
++mとした。その際、最終パスにおける一対の圧延ロ
ールの一方の粗度を変えて圧延を行い、ストリップの表
面粗度を第3表に示すように変えたストリップコイルを
準備した。次いで、Nz:25%十〇2 : 75%、
P Hto / P H2= 0.54の雰囲気中で、
前記ストリップを脱炭焼鈍した後、水和水分1.5%の
MgOに対し重量でTiO□7%、 5bz(Son)
+ 0.3%。
NaBOz 0.5%からなる焼鈍分離剤を塗布し、圧
延ロールの粗度を変えて圧延した鋼板の面がストリップ
コイルの内周面側となるように巻き取った後、1200
°CX20hrsの最終仕上焼鈍を施した。
次いで、コロイド状シリカ・燐酸アルミニウム・クロム
酸系の絶縁コーティング剤を塗布焼き付けし、最終製品
とした。
上記プロセスにおける脱炭焼鈍後の鋼板の酸化膜量、最
終製品板におけるグラス皮膜の形成量、密着性等を第4
表に示す。
第3表 実施例2 重量で、C: 0.050%、Si:3,13%、Mn
 ’:0、062%、S:0.022%、残部Feおよ
び不可避的不純物からなる方向性電磁鋼スラブを、熱間
圧延し焼鈍した後、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によ
って最終板厚0.29aunとした。次いで、この冷延
板の片面のみを、第5表に示すように、ショットピーニ
ングおよび10%硝酸溶液によるスプレー酸洗によって
処理し、それぞれ処理面の粗さをRa値で0.30 p
rnとした。然る後、実施例1におけると同様に、N、
:25%+H2ニア5%、P +z0/ P Ht= 
0.43の雰囲気中でストリップを脱炭焼鈍した後、水
和水分2.0%のMgOにN量でTin 3%、 Mg
SO40,8%、 H3BO30,1%からなる焼鈍分
離剤を塗布、乾燥後、表面粗さをRa値で0.30#m
とした面がストリップコイルの内周面側となるように巻
き取った。次いで、1200”CX 20hrsの最終
仕上焼鈍を施した後、実施例1におけると同様の絶縁コ
ーティング剤を塗布焼き付けし、最終製品とした。上記
プロセスにおける脱炭焼鈍後の鋼板の酸化膜量、最終製
品板におけるグラス皮膜の形成量、密着性等を第6表に
示す。
(発明の効果) 本発明によれば、ストリンプ全面に亙って均一かつ密着
性に優れたフォルステライト皮膜を形成せしめ得、優れ
た特性を有する磁心材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ストリップコイルの眉間におけるストリップ
の内周面側或は外周面側を示す図、第2図は、ストリッ
プコイルにおけるストリップの曲率半径と最終仕上焼鈍
後の鋼板表面における5iOz増量の関係を示す図であ
る。 コイル−f玲 (Cm)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)最終板厚を有する冷延方向性電磁鋼ストリップを
    脱炭焼鈍して表面にSiO_2を主成分とする酸化膜層
    を形成せしめた後、焼鈍分離剤を塗布し、次いで最終仕
    上焼鈍を施して絶縁皮膜を形成する方向性電磁鋼板の製
    造方法において、前記脱炭焼鈍過程で鋼板(ストリップ
    )表面に形成せしめるSiO_2量を0.5〜1.2g
    /m^2かつ鋼板表裏面の何れか一方のSiO_2量を
    他のそれの1.1〜1.5倍とし、然る後焼鈍分離剤を
    塗布し、前記SiO_2量を他のそれの1.1〜1.5
    倍とした面がストリップコイル内周面側となるように巻
    き取った後最終仕上焼鈍することを特徴とする均一なグ
    ラス皮膜を有する方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. (2)鋼板表裏面の何れか一方のSiO_2量を他のそ
    れの1.1〜1.5倍とする手段が、脱炭焼鈍前のスト
    リップの片面のみを圧延ロール、酸溶液、研摩、ショッ
    トピーニング、レーザ等の適用によって加工するもので
    ある請求項1記載の均一なグラス皮膜を有する方向性電
    磁鋼板の製造方法。
  3. (3)鋼板表裏面の何れか一方のSiO_2量を他のそ
    れの1.1〜1.5倍とする手段が、脱炭焼鈍前のスト
    リップの片面のみを圧延ロール、酸溶液、研摩、ショッ
    トピーニング、レーザ等の適用によって鋼板の表面粗さ
    をRa値で0.2〜0.7μmとするものである請求項
    1記載の均一なグラス皮膜を有する方向性電磁鋼板の製
    造方法。
  4. (4)最終板厚を有する冷延方向性電磁鋼ストリップを
    脱炭焼鈍して表面にSiO_2を主成分とする酸化膜層
    を形成せしめた後、焼鈍分離剤を塗布し、次いで最終仕
    上焼鈍を施して絶縁皮膜を形成する方向性電磁鋼板の製
    造方法において、前記脱炭焼鈍過程で鋼板(ストリップ
    )表面に形成せしめるSiO_2量を0.5〜1.2g
    /m^2かつ鋼板表裏面の何れか一方のSiO_2量を
    他のそれの1.1〜1.5倍とし、然る後、MgOの水
    和水分が0.8〜2.5%であって、添加物としてTi
    化合物0.5〜10.0重量%、Sb、B、S化合物の
    1種または2種以上を0.1〜1.0重量%配合した焼
    鈍分離剤を塗布し、前記SiO_2量を他のそれの1.
    1〜1.5倍とした面がストリップコイル内周面側とな
    るように巻き取った後最終仕上焼鈍することを特徴とす
    る均一なグラス皮膜を有する方向性電磁鋼板の製造方法
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