JPH0230017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は切削液、研磨液等をろ過清浄化しな
がら同時にろ過によつて付着した固形物を逆清浄
によつて除去するくさび形ワイヤを用いた多室式
ドラムフイルタに関する。

従来の技術 本案と同様に、竪軸回転ドラムの周面に多数の
軸方向ダクトを設けてその外周にくさび形ワイヤ
を軸方向に小間隙を存して巻付け固定し、各ダク
トに通ずる連通孔を有するドラムヘツドに摺接す
るスライド金具から回転するダクト内へ順次ろ過
ずみ流体を圧入して前記小間隙を目詰まりさせた
ろ過固形物を除去する一方、他のダクトが連通す
る吸出室からろ過ずみ流体を吸出させるドラムフ
イルタは従来公知である。

第４図、第５図は従来のこの種のドラムフイル
タにおけるくさび形ワイヤの巻付け固定状態を示
し、１は竪形回転ドラムで、その外周に等間隔に
固着した軸方向に長い短柵形の仕切板２によつて
多数のダクト３を形成し、仕切板２の外周にくさ
び形断面のワイヤ４の尖頭部分５を溶接により固
着し、ワイヤ４の平坦面６間に小間隙７を存せし
めている。ダクト３を被ろ過後８内に浸漬して該
液をダクト３から吸い上げると、被ろ過液中の固
形物ａは小間隙７の外側に分離付着し、流体のみ
がダクト３を通つて吸出される。この場合、付着
固形物ａはワイヤ４の平担面６上に付着するから
スクレーパでかき落し易いが、ろ過ずみ液が圧入
されるダクトとその他のろ過ずみ液吸出ダクトと
の間がくさび形ワイヤ４間の空所９によつて短絡
的に連通しているため、圧入圧力が減少して付着
固形物ａの除去能力が低下すると同時に、他のダ
クトの吸入負圧が減じてろ過能率が低下するとい
う問題がある。

考案が解決しようとする問題点 本案の目的は、上記した従来のくさび形ワイヤ
を用いた多室式ドラムフイルタにおける上記の問
題を解決することにある。

問題点を解決するための手段 本案は、被ろ過液中に浸漬される竪軸回転ドラ
ムの周面に沿つて形成した外周解放の多数の軸方
向ダクトの外縁にくさび形ワイヤの平坦な面を軸
方向に小間隙を存して巻付け固定し、ドラム上端
に固定した各ダクトへの連通孔を有するドラムヘ
ツドに摺接してドラム回転により順次合致した連
通孔からダクト内へろ過ずみ液を圧入するスライ
ド金具を設け、スライド金具に合致しない他の全
ダクトが連通孔を通じて連孔するろ過ずみ液吸出
室を設けたことを特徴とする。

作 用 ろ過ずみ液吸出室からろ過ずみ液を吸出する
と、吸出負圧により被ろ過液がくさび形ワイヤの
小間隙からダクト内に吸入され、その際、液中の
固形物、例えば切屑がろ過されて該小間隙を塞ぐ
ようにくさび形ワイヤの外面に付着し、隣接ダク
ト間における液の流通を妨げる。したがつて、ス
ライド金具からろ過ずみ液が圧入されたダクトに
おいては、圧入圧力が低下することなく付着固形
物を効果的に除去し、該ダクト以外のダクトにお
いては、吸入負圧が良好に保たれて充分にろ過能
力を発揮する。

実施例 第１図乃至第３図は本案の一実施例を示す。本
案ドラムフイルタ１０は、被ろ過液槽１１内に装
入される竪軸回転ドラム１２の外周に等間隔に放
射状に固着した多数の軸方向の短柵形仕切板１３
によつて形成されたダクト１４を有し、その上下
端は夫々環状の取付板１５及び底板１６が固着さ
れている。第３図に示すように、仕切板１３の外
縁にくさび形ワイヤ１７の平坦面１８を軸方向に
所定の小間隙１９を存して巻付け溶接し、取付板
１５によりドラム１２をドラムヘツド２０に固定
する。

被ろ過槽１１上に逆皿形のヘツドハウジング２
１をフランジ２１ａにて固着し、該ハウジング２
１の内側の一側から中心部に突出した内実部分２
２に中心孔２３を設け、これにスラスト荷重に耐
える軸受２４を嵌装して回転軸２５を軸承し、そ
の下端にドラムヘツド２０の中心をキー２６及び
ナツト２７にて固定して、ドラムヘツド２０を内
実部分２２の下面及びヘツドハウジング２１の下
部内面に形成した段部の上面２８に接せしめる。
２９，３０はオイルシール、３１はＯリンクであ
る。

取付板１５とドラムヘツド２０とに各ダクト７
に夫々通ずる連通孔３２を穿設し、内実部分２２
を除いたヘツドハウジング２１内の密閉空間を各
ダクト７に連通する吸出室３３とし、これに吸引
ポート３４を設ける。

内実部分２２内に、連通孔３２の移動径路に臨
む階段状の孔３５とその上端に連通する逆洗ポー
ト３６とを穿設し、孔３５内に嵌入したスライド
シリンダ３７をばね３８によりドラムヘツド２０
の上面に圧接させ、スライドシリンダ３７に連通
孔３２に通ずる流路３９を穿設する。

ヘツドハウジング２１上に取付けた減速モータ
４０の出力軸を回転軸２５の上部に形成した孔内
に嵌入させてキー４１にて結合する。

回転ドラム１２は、ヘツドハウジング２１と気
密に結合されて被ろ過液８中に侵入した気密カバ
ー４２にて包囲されている。

吸引ポート３４と逆流ポート３６とを夫々図示
しないポンプの吸入口及び吐出口に接続してモー
タ４０を回転させると、気密カバー４２内の被ろ
過液面は負圧により上昇して、小間隙１９からダ
クト１４内へ吸引され、液中の固形物ａは小間隙
１９によりろ過されてワイヤ１７に付着する。ダ
クト１４内に吸引されたろ過ずみ液は吸出室３３
に捕集され、ポート３４から排出される。これと
同時に、ポート３６から圧入されたろ過ずみ液は
流路３９、連通孔３２を通つて１個のダクト１４
内に圧入され、該ダクトの外側のワイヤ１７に付
着した固形物ａを吹き飛ばし、目詰りを除去す
る。ろ過ずみ液が流路３９から孔３２に圧入され
る際、スライドシリンダ３７はばね圧によりドラ
ムヘツド２０に密接しているので、両者の接合面
からろ過ずみ液が吸出室３３内へ漏出することは
ない。

上記動作中、くさび形ワイヤ１７間に付着した
固形物ａは、隣接するダクト１４間における液の
流動を妨げるので、ダクト１４に圧入されたろ過
ずみ液が負圧を有する隣接ダクトに流入してその
負圧を低下させたり、流路３９に連通したダクト
１４内の液圧が低下することがなく、したがつ
て、ろ過能力と目詰り除去能力とを同時に良好に
発揮する。

考案の効果 本案は上記構成を有し、ろ過と目詰り除去とを
同時に連続して行うドラムフイルタのろ過能力と
目詰り除去能力とを同時に改善し得るとともに、
くさび形ワイヤに付着した固形物自体もダクトを
覆つてフイルタの作用をするので、ろ過作用を一
層良好ならしめうる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例の縦断面図、第２図は第
１図のＡ−Ａ線断面の一部にＢ−Ｂ線断面を示し
た断面平面図、第３図はダクトの部分縦断面図、
第４図は従来のドラムフイルタにおける第３図と
同様の図、第５図は同じく回転ドラムの部分断面
平面図である。 １２……竪軸回転ドラム、１４……ダクト、１
７……くさび形ワイヤ、１８……平坦な面、１９
……小間隙、２０……ドラムヘツド、３２……連
通孔、３３……吸出室、３７……スライド金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被ろ過液中に浸漬される竪軸回転ドラムの周面
   に沿つて形成した外周解放の多数の軸方向ダクト
   の外縁にくさび形ワイヤの平坦な面を軸方向に小
   間隙を存して巻付け固定し、ドラム上端に固定し
   た各ダクトへの連通孔を有するドラムヘツドに摺
   接してドラム回転により順次合致した連通孔から
   ダクト内へろ過ずみ液を圧入するスライド金具を
   設け、スライド金具に合致しない他の全ダクトが
   連結孔を通じて連通する密閉したろ過ずみ液吸出
   室を設けてなるくさび形ワイヤを用いた多室式ド
   ラムフイルタ。