JPH0229750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (a) 考案の技術分野 本考案は、改良された誤挿入防止機能を備えた
プリント板ユニツトに関する。

(b) 技術の背景 電子装置、通信装置等において、架に実装され
るシエルフ、ユニツト等と称するプリント板ユニ
ツトは、該ユニツトの筐体のバツクボードに並設
されたコネクタに対して複数のプリント板が該バ
ツクボードとは垂直方向に挿入されコネクタ同士
のプラグイン接続されるものが知られている。こ
のようなプリント板ユニツトは、例えば電源機能
の搭載実装されたプリント板が挿入される位置の
コネクタには常に入力電源が印加接続されてい
る。従つて、他の例えば信号処理回路のプリント
板を上記コネクタに誤つてプラグイン接続する
と、該プリント板に搭載実装された回路、部品を
損傷する恐れがある。

以上のようなことは、複数のプリント板の大き
さ、形状、コネクタの形状や取り付け位置を製造
を容易化するために同一の関係を定められている
ことに起因する。従つてプリント板を誤挿入し得
ないことが必要である。

(c) 従来技術と問題点 上記のような誤挿入防止については、従来、
種々のものが提案されているが、それらの中でも
構成が比較的簡単で、低コストなものに下記のよ
うなものがある。

バツクボードにはＬ形のストツパ金具を複数の
プリント板それぞれに対向させて突設取着する。
一方、複数のプリント板には該プリント板をプラ
グイン接続状態で、バツクボードと対向する側の
端縁部にストツパ金具の突起部を挿脱可能に嵌入
し得るスリツトをそれぞれに対応させて設ける。
上記ストツパ金具の取着位置と、これと対応する
スリツトの位置とがそれぞれのプリント板機能に
応じて一致するように、また異なる機能に対して
は異なるように構成されている。

以上のような構成であるから、バツクボードに
実装されたコネクタ回路に対応しないプリント板
を誤つてプラグイン挿入しようとしても、上記コ
ネクタに対応して取着されたストツパ金具の突起
がプリント板のスリツトに一致しないためにプリ
ント板の端縁に当接してそれ以上の挿入が阻止さ
れてコネクタにプラグイン接続されない。即ち誤
挿入が防止される。勿論回路機能が一致するよう
に挿入された場合はストツパ金具の突起はプリン
ト板スリツトに一致し、プラグイン接続が可能で
ある。このようにしてプリント板ユニツトに誤挿
入防止機能が備わる。

上記、従来のものにおいては、バツクボードに
Ｌ形のストツパ金具をそれぞれに対応して取着す
ることから、多くの部品点数と取着のための工数
と位置合せの工数とを要するといつた問題点があ
つた。

(d) 考案の目的 本考案は、上記従来技術の問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、そのための部品を筐体の一部
に一体構成することにより別体の構成部品を要す
ることなく、従つて組立て工数を要しないといつ
た、新規な誤挿入防止機能を備えたプリント板ユ
ニツトの提供を目的とする。

(e) 考案の構成 上記目的を達成するための本考案の構成は、前
面が開口し背面にコネクタが並設されたバツクボ
ードを有する筐体に複数のプリント板が上記コネ
クタに対応する所定位置に開口から挿入されプラ
グイン接続されるプリント板ユニツトにおいて、
上記プリント板の側端縁を案内しかつ支持する筐
体壁面の背面がバツクボードを支持するための支
持面としてバツクボードに沿つてコネクタ方向に
折曲され、上記対向せる筐体壁面の少なくとも一
方の支持面からさらにプリント板が挿入される方
向へ折曲させた突片を該筐体壁面との間隔がプラ
グイン接続されるべき所定のプリント板に応じた
間隔に定められて相互に異らせて筐体壁面と一体
に形成され、上記所定位置にプラグイン接続され
るプリント板の背面側端部には上記所定位置の突
片のみの挿入を許容するスリツトが形成されてな
ることを構成要旨とする。

(f) 考案の実施例 以下、図示実施例を参照して本考案の構成要旨
にもとづき、具体的かつ詳細に説明する。

図面は、本考案の一実施例の概略を示す一部を
破断した斜視図である。図において、プリント板
ユニツトの筐体は左側壁面板、右側壁面板（図示
省略）、上側壁面板（一部破断）１、下側壁面板
２とで枠を形成し、背面にバツクボード３が取着
されて全面が開口する箱形に形成されている。バ
ツクボード３は上下の両側壁面板１，２の背面が
バツクボード３のコネクタ４側に向けてバツクボ
ード３に沿つて折曲された支持面９，１０に図示
省略のねじ、鋲等によつて取着し支持している。
左右の両側壁も同様にしてバツクボード３を取着
し支持している。

バツクボード３はプリント配線板であり、コネ
クタ４，４ａ，４ｂ，４ｃ……が並設されてお
り、図示省略の外部信号線、内部信号線、電源等
をプリント板パターン、コネクタ４，４ａ，４
ｂ，４ｃ……を介してプリント板５，５ａ，５
ｂ，５ｃ……に接続するようにしている。

複数のプリント板５は間隔を設けて並列状態に
筐体へ挿入され、バツクボード３のコネクタ４に
プラグイン接続し得るように背部端縁部にコネク
タ６，６ａ，６ｂ，６ｃ……がそれぞれに実装さ
れている。またそれぞれのコネクタ４に対応して
正確にプラグイン接続し得るように、上下の両側
壁面板１，２の内面には対向してプリント板５の
上下両端縁を案内するガイド溝（図示省略）が前
後方向に形成されており、このガイド溝によつて
点線矢印の方向に案内される。また壁面板１，２
のガイド溝以外の部分は孔が開けられ放熱用空気
の流通路となつている。

下側壁面板２は背面のバツクボード３の支持面
１０から、さらにプリント板５が挿入される方向
に折り返し折曲されて突片７，７ａ，７ｂ，７ｃ
……が壁面板２に一体に連続して形成されてい
る。この突片７は壁面板２と並行であり、しかも
壁面板２との間隔ｈ，h₁，h₂，h₃……を設けると
ともに、それぞれに間隔を異らせて階段状に形成
されている。

一方、プリント板５には、バツクボード３と対
向する背面側端部に、突片７と対応した位置にそ
れぞれスリツト８，８ａ，８ｂ，８ｃ……が形成
されている。これらスリツト８は、下側壁面板２
からの距離l₁，l₂，l₃……が突片７の位置h₁，h₂，
h₃……と対応した位置に一致するように定められ
ている。スリツト８の幅は、突片７の厚さよりも
僅かに大きく突片７が挿抜し得る寸法である。

特定の突片７ａは対応するプリント板５ａのス
リツト８ａのみの挿入を許容する位置関係に、同
様にして突片７ｂは対応するプリント板５ｂのス
リツト８ｂのみの挿入を許容する位置関係に、同
じく突片７ｃはこれと対応するプリント板５ｃの
スリツト８ｃのみの挿入を許容する位置関係に、
以下、同様の位置関係にそれぞれ対応して定めら
れている。

以上のように構成されてているので、プリント
板５を所定の位置、例えば、プリント板５ｂをバ
ツクボード３のコネクタ４ｂに対応したガイド溝
（図示省略）に沿わせて挿入すると、突片７ｂは
スリツト８ｂに挿入することが許容されているの
で、プリント板５ｂはバツクボード３に接近する
ことができる。この結果、バツクボード側コネク
タ４ｂとプリント板側のコネクタ６ｂとをプラグ
イン接続することができる。

プリント板５を、誤つて所定位置以外のガイド
溝に嵌め沿わせて挿入したとすると、例えば、プ
リント板５ｂをプリント板５ａの挿入されるべき
ガイド溝に沿わせて挿入したとする。この場合突
片７ａがスリツト８ｂと一致しないのでプリント
板５ｂの背面端縁に衝合し、それ以上のプリント
板５ｂの挿入が阻止され、バツクボード側コネク
タ４ａとプリント板側コネクタ６ｂとのプラグイ
ン接続がなされない。つまり、誤挿入接続が防止
される。このように突片７の長さとスリツト８の
深さとが定められている。

本考案の誤挿入防止機構は下側壁面板２のみに
構成することなく、上側壁面板１に振り分けて両
方に設けることにより、より多くの組み合わせが
可能となり、プリント板の回路機能の種類に応じ
ることが可能である。しかし何れかの一方に構成
することであつてもよいことである。

上述の実施例では、突片７とスリツト８との位
置の組み合せを、プリント板５により異ならせる
としたが、本考案は、このようなことに限定する
ものではなく、同一機能回路のプリント板５につ
いては互換性があるように共通の位置に定め得る
ことはいうまでもない。例えば、プリント板５
ａ，５ｂ，５ｃが同一の機能種類の場合、突片７
ａ，７ｂ，７ｃをすべて同一位置、例えばh₂に定
めて連続させる。そうしてスリツト８ａ，８ｂ，
８ｃをすべて同一位置、例えばl₂に設定すること
で対応可能となる。このようなことは、例えば重
要回線であるプリント板５ｃが障害を起したよう
な場合、他の重要度の低い５ａ，５ｂの何れかの
プリント板と差し代えることで応急の対応が可能
である。

(g) 考案の効果 以上詳述したように、本考案のプリント板ユニ
ツトによれば、筐体の上側壁面または下側壁面、
またはその両壁面から折曲されたバツクボード支
持面からさらに折り返された突片と、プリント板
のスリツトとの組み合せで誤挿入防止機能を有す
るようにしたことにより、突片が壁面と一体形成
されるから、組立時に別体の突片を取り付ける従
来の組み立て工数、ねじ等の部品を皆無とするこ
とができる。

バツクボードに別体の突片を取着するためのス
ペースを必要としないからプリント板ユニツトを
それだけ小形とすることができる。または小形化
の要がない場合は、その分高密度な回路実装と回
路実装状態の自由度が得られる。

突片は壁面と連続して一体化されているから、
相互の強度部材として補ない合つている。誤挿入
されたプリント板の挿入力を受けても突片が受け
るこの力をバツクボードに与えることが無いので
信頼性が損なわれない。

以上のように本考案は実用的で、種々のすぐれ
た効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る概略斜視図であり、一部を
破断して示してある。 図中、１は上側壁面板、２は下側壁面板、３は
バツクボード、４，４ａ，４ｂ，４ｃ……はバツ
クボード側コネクタ、５，５ａ，５ｂ，５ｃ……
はプリント板、６，６ａ，６ｂ，６ｃ……はプリ
ント板側コネクタ、７，７ａ，７ｂ，７ｃ……は
突片、８，８ａ，８ｂ，８ｃ……はスリツト、
９，１０はバツクボード支持面、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面が開口し背面にコネクタが並設されたバツ
   クボードを有する筐体に複数のプリント板が上記
   コネクタに対応する所定位置に開口から挿入され
   プラグイン接続されるプリント板ユニツトにおい
   て、上記プリント板の側端縁を案内しかつ支持す
   る筐体壁面の背面がバツクボードを支持するため
   の支持面としてバツクボードに沿つてコネクタ方
   向に折曲され、上記対向せる筐体壁面の少なくと
   も一方の支持面からさらにプリント板が挿入され
   る方向へ折曲させた突片を該筐体壁面との間隔が
   プラグイン接続されるべき所定のプリント板に応
   じた間隔に定められて相互に異らせて筐体壁面と
   一体に形成され、上記所定位置にプラグイン接続
   されるプリント板の背面側端部には上記所定位置
   の突片のみの挿入を許容するスリツトが形成され
   てなることを特徴とする誤挿入防止機能を備えた
   プリント板ユニツト。