JPH0228358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［利用分野］ 本考案は、給湯器付風呂釜、特に、給湯器から
浴槽に直接給湯（以下、湯張りという）して、浴
槽内が設定水位に達した後は風呂釜によつて浴槽
内を強制循環加熱する形式の給湯器付風呂釜に関
するものである。

［従来の技術及びその問題点］ 上記した形式の給湯器付風呂釜として、既に、
実願昭59−43000号（実開昭60−156345号公報）
のものがある。このものは、第４図に示すような
構成で、給湯用の第１熱交換器１及び風呂用の第
２熱交換器２を器体Ａ内に並設したものであり、
浴槽Ｂと前記各熱交換器とが同図の如く配管され
ている。

すなわち、浴槽Ｂに設けた水管３ａ，３ｂのう
ち下方の水管３ｂには、第１熱交換器１からの給
湯回路（以下、湯張り回路１１という）が接続さ
れると共に第２熱交換器２を介する循環加熱回路
２１の入口側がこの水管３ｂに接続され、この入
口側回路には、強制循環用のポンプＰが挿入され
ている。また、この循環加熱回路２１の出口側は
上方の水管３ａに接続されている。

この先行技術のものでは、湯張り回路１１に水
位スイツチ４が設けられ、この水位スイツチによ
つて浴槽内水位が検知されると共に、この水位ス
イツチ４からの出力が制御装置Ｃに入力され、こ
の制御装置Ｃによつて湯張り動作及び風呂釜の動
作が制御されるようになつている。

従つて、このものは、湯張り状態では、第１熱
交換器１から湯張り回路１１を介して浴槽Ｂに貯
湯され、浴槽Ｂ内の貯湯水位が設定水位になる
と、これに対応する圧力を水位スイツチ４が検知
して制御装置Ｃの出力により電磁弁１２が閉止さ
れて、湯張り動作が停止され、次いで、ポンプＰ
及び風呂釜が動作状態になつて、浴槽Ｂ内が循環
加熱される。

このように、この従来のものでは、浴槽Ｂ内に
設定水位までの湯を貯湯する、所謂湯張り動作が
自動的に進行することとなる。

又、強制循環方式を採用するものであるから、
自然循環加熱方式のものに比べて、第５図のごと
く、浴槽Ｂと器体Ａとの間に距離のある条件下に
おいても、水管３ｂに対応する部分の配管を延長
させることにより対応可能である。

ところが、上記形式の器具では、湯張り動作に
おける水位設定の精度が不十分であるという問題
があり、器体Ａと浴槽Ｂとの距離が長くなると、
この傾向が特に著しいものとなる。

浴槽Ｂ内の水位に対応する圧力に加えて湯張り
回路１１からの給湯圧力の一部が水位スイツチ４
に作用することとなり、水位スイツチ４の検知圧
力が必ずしも、浴槽Ｂ内の水位に一致しないもの
となるからである。

［課題］ 本考案は、『給湯用の第１熱交換器１から浴槽
Ｂに湯張りして、浴槽Ｂ内の水位が一定水位に達
した時点を感圧式の水位スイツチ４により検知
し、この水位スイツチ４の検知出力により湯張り
動作を停止させるようにし、湯張り停止後、風呂
用の第２熱交換器２によつて強制循環加熱する形
式の給湯器付風呂釜』において、湯張り量不足等
の事態を防止するため、湯張り状態においては、
湯張り回路からの給湯圧力が水位スイツチ４の感
圧部に影響しないようにすすることをその課題と
する。

［技術的手段］ 上記課題を解決するための本考案の技術的手段
は、『水位スイツチ４を循環加熱回路２１に設け
ると共に、第１熱交換器１からの湯張り回路１１
を前記循環加熱回路２１に合流させ、この合流点
と前記水位スイツチ４との間に遮断弁２を挿入
し、湯張り状態においては前記遮断弁が遮断状態
となるようにした』ことである。（第１図参照） ［作用］ 本考案の上記技術的手段は次のように作用す
る。

湯張り状態では、湯張り回路１１循環加熱回
路２１浴槽Ｂの経路で、湯が浴槽Ｂ内に供給さ
れて、湯張り動作が進行する。循環加熱回路２１
と湯張り回路１１との合流点から前記水位スイツ
チ４までの間には遮断弁２５を挿入しているか
ら、前記湯張り状態では、循環加熱回路２１の浴
槽Ｂ側の二つの開放端のうち、水位スイツチ４を
通らない一方の回路から直接浴槽Ｂに湯張りされ
ることとなる。そして、前記水位スイツチ４に
は、循環加熱回路２１の他方の回路から浴槽Ｂ内
の水圧が作用することとなり、この水圧は湯張り
回路１１の供給圧力に影響されることなく浴槽Ｂ
内の水位に正確に対応する。

浴槽Ｂ内水位が設定水位に達して湯張り動作が
完了した後は、遮断弁２５が開弁状態に復帰し
て、強制循環加熱されることとなる。

［効果］ 本考案は、上記構成であるから次の特有の効果
を有する。

湯張り状態では、水位スイツチ４には、浴槽Ｂ
内の水位に正確に対応する水圧が循環加熱回路２
１の他方を介して作用することとなるから、湯張
り量が正確に設定水位に一致したものとなり、従
来のように、浴槽Ｂ内が設定水位に達する前に湯
張り動作が停止する不都合が防止できる。従つ
て、浴槽Ｂと器具との配管距離が相違したとして
も、前記配管距離によつて湯張り水位がばらつく
不都合が防止できる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を第２図及び第３図に基
いて説明する。

この実施例の装置では、既述の先行技術と同様
に、水位スイツチ４の出力が制御装置Ｃに入力さ
れて、この制御装置Ｃからの出力により、湯張り
回路１１からの湯張り動作及びポンプＰの動作を
制御するようにしてあり、湯張り回路１１中には
制装置Ｃによつて制御される電磁弁１２が挿入さ
れている。

又、浴槽Ｂ内の焚き上がりを検知するための温
度センサ２２が循環加熱回路２１に挿入されてお
り、この温度センサ２２からの出力が制御装置Ｃ
に入力され、これにより、風呂用の第２熱交換器
２側のバーナへのガス回路に挿入した電磁弁２３
が開閉制御される。従つて、浴槽Ｂ内が設定温度
に加熱されると、電磁弁２３が閉弁されると共に
ポンプＰが停止せしめられて循環加熱が停止す
る。

特に、この実施例では、器体Ａの側壁に循環加
熱回路２１の出口側の端部となる接続部５ａが設
けられ、他方、循環加熱回路２１の入口側の端部
及び湯張り回路１１の端部は共に接続体５ｂに接
続されて、これら接続体が器体Ａの側壁に取付け
られている。

従つて、これら接続体と浴槽Ｂとを各別に接続
することによつて器体Ａ内と浴槽Ｂ内とが所定の
回路接続状態に連結されることとなる。つまり、
湯張り回路１１が循環加熱回路２１に合流され、
これらの回路が浴槽Ｂに連通することとなる。

器体Ａ内の回路では、水位スイツチ４は、ポン
プＰと循環加熱回路２１の出口との間に設けら
れ、湯張り回路１１と循環加熱回路２１との合流
点と前記水位スイツチ４との間に電磁弁からなる
遮断弁２５が挿入されている。この遮断弁２５は
制御装置Ｃの出力によつて動作が制御されるもの
で、湯張り動作開始時に閉弁状態となり、浴槽内
水位が設定水位になつたときに水位スイツチ４の
出力によつて開弁状態に復帰する構成としてあ
る。

上記した各部の制御を実行させるためには第３
図に示すような制御回路が採用可能である。

これによれば、湯張り操作の為に操作スイツチ
６をオンにすると、電磁弁１２が開弁し、給湯器
が動作状態となり、湯張り回路１１を介して浴槽
Ｂに湯張りされる。このとき、電磁弁２３がオフ
となつているから、循環加熱回路２１は遮断され
ている。

湯張り動作の進行に伴つて浴槽Ｂ内の水位に対
応した水圧が既述の作用で水位スイツチ４に達
し、水位スイツチ４が水位変化を検知する。浴槽
Ｂ内が設定水位になると、水位スイツチ４の接点
が切り替つて電磁弁２３遮断弁２５が開弁し、同
時にポンプＰが始動する。尚、ポンプＰ側への電
気回路には遅延回路７が挿入されているから、こ
のポンプＰは、水位スイツチ４の上記動作から一
定時間遅れて始動することとなる。従つて、湯張
り回路１１と循環加熱回路２１との合流点の近傍
に生じる混入空気は循環加熱回路２１の上方域に
移動することとなり、ポンプＰの始動時に空気が
噛み込む度合が少くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理説明図、第２図は本考案
実施例の説明図、第３図はこれに用いる電気回路
の説明図、第４図は従来例の説明図、第５図はそ
の変形例の説明図であり、図中、１…第１熱交換
器、２…第２熱交換器、１１…湯張り回路、２１
…循環加熱回路、４…水位スイツチ、２５…遮断
弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給湯用の第１熱交換器１から浴槽Ｂに湯張りし
   て、浴槽Ｂ内の水位が一定水位に達した時点を感
   圧式の水位スイツチ４により検知し、この水位ス
   イツチ４の検知出力により湯張り動作を停止させ
   るようにし、湯張り停止後、風呂用の第２熱交換
   器２によつて強制循環加熱する形式の給湯器付風
   呂釜において、水位スイツチ４を循環加熱回路２
   １に設けると共に、第１熱交換器１からの湯張り
   回路１１を前記循環加熱回路２１に合流させ、こ
   の合流点と前記水位スイツチ４との間に遮断弁２
   ５を挿入し、湯張り状態においては前記遮断弁が
   遮断状態となるようにした給湯器付風呂釜。