JPH0212533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （利用分野） 本考案は給湯器付風呂釜、特に、給湯器によつ
て浴槽内に一定水位の湯を落し込み（以下湯ばり
という）、その後、これを焚き上げる形式の給湯
器付風呂釜で前記一連の動作が自動的に進行する
ものに関する。

（従来技術及びその問題点） この種給湯器付風呂釜として、すでに実願昭59
−43000号のものが提案されている。

これは、第３図に示す構成で、器体内に、風呂
用熱交換器１と風呂用バーナ１０との組み合せか
らなる循環加熱装置と、給湯用熱交換器２と給湯
用バーナ２０との組み合せからなる給湯加熱装置
とを収容してあり、浴槽４と風呂用熱交換器１と
は循環加熱回路１１で接続され、浴槽４への接続
部に二つの水管４１，４２が配設されている。強
制循環のため、上記循環加熱回路の下方の水管４
２の近傍には循環用のポンプ１３を挿入し、さら
に給湯用熱交換器２からの温水出口回路２１の一
つが同様に下方水管４２に接続されている。

また、同図に示す給湯器付風呂釜では、浴槽４
への給湯、追い焚きを自動的に進行させるための
制御装置が組み込まれると共に、給湯温度、追い
焚き温度を所定の温度に調節できるようにしてあ
る。

この為、ポンプ１３の始動時期を検知するため
の水位センサー２２、循環加熱温度を検知するた
めのポンプ１３の入口側に設けられた第１温度セ
ンサー１２、風呂用バーナ１０へのガス回路に挿
入されこのバーナを制御する第１主弁１４、給湯
用熱交換器２の出口側湯温を検知するための第２
温度センサー２３、前記第２温度センサーの信号
に応じて動作する比例弁２４、さらには給湯用バ
ーナ２０へのガス回路を開閉させる第２主弁２
５、及び、前記各センサーからの信号入力をポン
プ、比例弁等の動作器を動作させるための出力信
号に変換する制御器本体３を具備させてある。

従つて、この従来のものでは、自動風呂焚き状
態にセツトすると、給湯用バーナ１０が燃焼して
温水出口回路２１から浴槽４内に給湯される。す
なわち、給湯器からの湯が浴槽内に落し込まれ
る、いわゆる、湯ばり状態となる。

浴槽４内の貯湯量が所定の水位になると、これ
を水位センサー２２が検知して、この信号入力に
伴う制御器本体３からの出力により、第２主弁２
５が閉弁して給湯用バーナ２０の燃焼が停止せし
められ、同時に、ポンプ１３及び風呂用バーナ１
０が動作状態となり、浴槽４内が循環加熱され
る。

浴槽４内の加熱温度が設定温度になると、第１
温度センサー１２がこれを検知して、これの信号
入力に伴う制御器本体３からの出力により風呂用
主ガス回路に挿入した第１主弁１４が閉弁せしめ
られ、風呂用バーナ１０の燃焼が停止する。

また、上記従来のものでは、温水出口回路は上
記回路以外に給湯回路２７が配管されるようにな
つているため、この給湯回路と温水出口回路２１
の分岐部の下流側に遮断弁２６が挿入されてお
り、さらに、この遮断弁の下流側に空気抜き用の
逆止弁２８が挿入されている。

従つて、この従来のものでは、給湯回路２７か
ら湯水を給湯している場合においても上記した循
環加熱が可能である。上記した遮断弁２７が、水
位センサー２２の出力により、循環加熱開始と同
時に遮断動作するからである。

このように、上記従来のものでは、給湯回路が
いずれの状態にあつても、浴槽への湯ばりから浴
槽内を設定温度に高めるための循環加熱（焚き上
げ）までの動作が自動的に進行することとなる。

ところが、上記従来のものでは、湯ばり完了時
点で水位センサーの出力で循環加熱動作を開始さ
せるとき、循環加熱回路１１の吸引側、特に、ポ
ンプ１３の吸引側に空気が残留し、このポンプが
所定の吸引・吐出動作をしないことがある。

これは、浴槽４との連絡管となる下方の水管４
２が複雑な流路となつていることから、この部分
に空気が残存し、循環加熱開始の際、ポンプがこ
の残存空気を吸引してしまうからである。

（技術的課題） 本考案は、このような、湯ばりと他の給湯回路
への給湯を可能にし、浴槽への湯ばり完了を水位
センサーにより検知し、この水位センサーの出力
により、湯ばり用の温水出口回路２１を遮断させ
ると共に、浴槽内の強制循環加熱を進行させ、さ
らに、前記温水出口回路２１中に空気抜き手段を
設けたものにおいて、強制循環加熱開始時に循環
用のポンプ１３に残留空気を吸引させないように
するため、ポンプ動作時には、空気が所定域に逃
がされているようにすることをその課題とする。

（手段） 上記課題を解決するための本考案の技術的手段
は、水位センサー２２からの出力をそのまま温水
出口回路遮断手段に入力させ、他方ポンプ１３へ
は水位センサー２２からの出力を遅延手段を介し
て入力させたことである。

（作用） 本考案の上記技術的手段は次のように作用す
る。

浴槽内の湯ばりが完了すると、水位センサー２
２からの出力が生じて循環加熱工程に入るが、こ
の時、まず、水位センサー２２からの出力が温水
出口回路２１に挿入した遮断弁２６等の遮断手段
にそのまま入力され、この回路の入口側が閉とな
り、同時にこの回路に挿入された逆止弁が空気抜
き状態となる。他方、ポンプ１３への入力は遅延
手段を介して入力されるからこの時点ではポンプ
１３は動作状態にない。

従つて、この間、すなわちポンプ１３が動作す
るまでの間にポンプ１３の入口側に残留していた
空気は、温水出口回路２１の上端に位置する空気
抜き用の逆止弁２８から排出されるか、又は、温
水出口回路２１の上流側に逃げた状態となる。

その後、遅延手段による設定時間が経過する
と、水位センサー２２からの入力がポンプ１３に
入り、このポンプが作動状態となる。

従つて、ポンプはその吸引側回路の残留空気が
逃げた状態において作動することとなる。

（効果） 本考案は上記構成であるから、次の特有の効果
を有する。

ポンプ作動時には吸引側に残留空気がないこと
から、ポンプに空気が吸引されることによる動作
不良、すなわち、ポンプが所定の吸引・吐出動作
を行なわない不都合が解消できる。

また、ポンプの吸引側の回路構成を特別に工夫
する必要がない。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第２図に基づいて説明
する。

この実施例では、水位センサー２２として、設
定水位になると閉成される水位スイツチ２２ａを
採用してあり、このスイツチがポンプ１３及び温
水出口回路２１の上流端に設けた遮断弁２６の励
磁コイルからなる並列回路に接続されている。

また、遅延回路としては、コンデンサー５とス
イツチングトランジスター６との組み合せを採用
し、このスイツチングトランジスターがポンプ１
３の回路に直列に挿入され、このポンプ１３とス
イツチングトランジスター６との直列回路に並列
させたコンデンサー５の両端の電圧がスイツチン
グトランジスター６に印加される構成であり、水
位スイツチ２２ａの閉成によりコンデンサー５の
回路がONとなる。

この実施例のものでは、湯ばりによつて浴槽４
内の水位が一定水位になると、水位スイツチ２２
ａがONとなり、遮断弁２６が閉成される。

他方、ポンプ１３の回路にはスイツチングトラ
ンジスター６が挿入されているから、この回路は
非導通状態にある。この初期条件下ではコンデン
サー５の両端電圧が低く、スイツチングトランジ
スター６がONとならないからである。

コンデンサー５の充電量が所定の値に達する
と、スイツチングトランジスター６への印加電圧
が所定の値に達し、このトランジスターがONと
なる。

従つて、遮断弁２６が閉止してから、ポンプ１
３が動作するまでの間に一定の時間差が生じて所
期の目的が達成できる。

尚、遅延手段としては、公知の手段も採用可能
であることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構成の説明図、第２図はその
実施例の説明図、第３図は従来例の説明図であ
り、図中、１１……循環加熱回路、１３……ポン
プ、２１……温水出口回路、２２……水位センサ
ー、２６……遮断弁、５……コンデンサー、６…
…スイツチングトランジスター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 湯ばりと他の給湯回路への給湯を可能にし、浴
   槽への湯ばり完了を水位センサーにより検知し、
   この水位センサーの出力により湯ばり用の温水出
   口回路２１を遮断させると共に浴槽内の強制循環
   加熱を進行させ、さらに、前記温水出口回路２１
   中に空気抜き手段を設けたものにおいて、水位セ
   ンサー２２からの出力をそのまま温水出口回路遮
   断手段に入力させ、他方ポンプ１３へは、水位セ
   ンサー２２からの出力を遅延手段を介して入力さ
   せた給湯器付風呂釜。