JPH02264941A - 写真フイルムパトローネのスプール用成形樹脂及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真フィルムパトローネのスプール用の新規
な成形樹脂及びその製造方法に関する。

〔従来の技術〕

写真フィルムのパトローネ用スプールの基材樹脂は、外
観、成形寸法安定性１強度、耐熱性等の点からポリスチ
レン樹脂が使われている。一般にはブタジェンゴム等の
合成ゴムをスチレン系モノマーにグラフト重合した耐衝
撃性ポリスチレン樹脂（以下旧ＰＳということもある）
と一般用ポリスチレン樹脂（以下ＧＰＰＳということも
ある）をブレンドした樹脂が使われている。

ＧＰＰＳだけで構成した場合、堅くてもろい樹脂の物性
により、成形の際の離型時の突出しによるスプールの破
損、フィルム巻込工程への自動搬送時の破損が生じ、ま
たフィルムを使うユーザーが誤って落した時に破損しや
すい等の問題があるため、　ＧＰＰＳのみではスプール
の樹脂としては不適である。一方、　ＨＩＰＳのみの場
合は、　ＧＰＰＳに比べ高価でありコスト上問題である
。

このような理由でＧＰＰＳと旧ＰＳの混合品が基材樹脂
として使われている。

ＧＰＰＳと旧ＰＳの混合比率は、写真用スプールの用途
やそれぞれの樹脂のもつ物性、特に旧Ｐｓのゴム量、質
９粒径等により変化することから、特に規定されるもの
ではない。

写真用スプールには光によって被りが生じる感光フィル
ムを装填していることから当然遮光性が必要となり、そ
のためカーボンブラック粉体が添加されている。また２
スプールの外側に設けであるパトローネ各部との摩擦抵
抗によるフィルム引出抵抗力の増加を減らすために実公
昭８１−３０００号に記載しであるように、成形樹脂に
潤滑剤を練り込む技術があり、特に樹脂にシリコーンを
練り込む場合はを効である。

特開昭８３−３１８５５３号公報は、写真フィルムパト
ローネのスプール用成形樹脂製造方法について記載され
ている。この方法で用いられるポリスチレン樹脂は、連
続塊状重合、懸濁重合等により得ることができる。懸濁
重合でのポリスチレンは。

プロセス上０．２〜１　ｍｍ径の粒子状で得られる。粒
子状のＧＰＰＳと旧ＰＳの混合は例えばヘンシェルミキ
サー等の混合機に所定の割合でＧＰＰＳと旧ＰＳを入れ
撹拌混合される。その際、混合を均一にする為に高級脂
肪酸の金属塩が添加される。この高級脂肪酸の金属塩は
、混練された樹脂を成形する際の離型剤も兼ねさせると
ころからステアリン酸亜鉛が多用されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、高級脂肪酸の金属塩を含有したスチレン樹脂を
成形すると、高級脂肪酸が金型に付着し、成形品に転着
したり、金型を腐蝕させたりする欠点がある。

多くの場合、金型付着物は、いわゆるスウエツティング
成分と、高級脂肪酸の金属塩が熱分解した高級脂肪酸の
混合物である。スウエツティング成分とは、樹脂中に含
まれる流動パラフィンや樹脂の低分子量領域成分が加熱
により分解し金型表面で液化したものである。従って、
金型付着物は液状体の外観を示す。スウエツティング成
分は常温においては数時間で蒸発するため、金型付着物
が成形品に転着付着した場合、初めの液状体から次第に
高級脂肪酸が析出してシミ状となって残る。

写真フィルム用スプールに転着した金型付着物は、フィ
ルムを巻込む工程において前記スプールより分離し２巻
込機を汚染し、ついには写真フィルムにも再転着し、製
品機能を失なわせるという問題点が生じる。これを防止
するため、金型付着物が成形品に付着しないように頻繁
に金型の表面を掃除すれば生産性が低下するという問題
点が生じる。

本発明の目的は、上記従来技術の問題点を改良した写真
フィルムパトローネのスプール用成形樹脂及びその製造
方法を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明によれば２次の写真フィルムパトローネのスプー
ル用成形樹脂及びその製造方法により上記目的を達成す
ることができる。

■　一般用ポリスチレン樹脂と耐衝撃用ポリスチレン樹
脂の混練物中に、ビス脂肪酸アミドが分散して成ること
を特徴とする写真フィルムパトローネのスプール用成形
樹脂。

■　一般用ポリスチレン樹脂粒子と耐衝撃用ポリスチレ
ン樹脂粒子をビス脂肪酸アミドとともに混合し溶融混練
してビス脂肪酸アミドが分散したポリスチレン樹脂混練
物を得ることを特徴とする写真フィルムパトローネのス
プール用成形樹脂の製造方法。

〔作用〕

スプール用成形樹脂中のビス脂肪酸アミドは。

金型で成形する際の離型剤として作用し、加熱時に高級
脂肪酸の金属塩より揮発しにくい。これは、ビス脂肪酸
アミドが、共有結合のみを有しイオン結合を有さず、高
級脂肪酸の金属塩とは構造上で異なっていること、及び
遊離脂肪酸がないことに由来する。その為金型に付着す
るものは前記スウエツティング成分がほとんどとなり揮
発しゃすく又、汚れも少なくなる。

また、一般用ボ°リスチレン樹脂粒子と耐衝撃用ポリス
チレン樹脂粒子の混合時には、ビス脂肪酸アミドが前記
粒子の摩擦を減するので十分良好に混合できる。

〔好適な実施態様〕

本発明のスプール用成形樹脂は、カーボンブラック粉体
を含有し、好ましくは、さらにシリコーン化合物を含有
する。

本発明のスプール用成形樹脂の製造方法においては、カ
ーボンブラック粉体及びシリコーン化合物を添加するこ
とができる。

ビス脂肪酸アミドは、融点１４０℃以上のものが好まし
く、具体的にはＮ−Ｎ’　−エチレンビスステアロアミ
ド等である。この構造を次に示す。

ＣＨ−ＮＨＣＯ−Ｃ１７Ｈ３５ ＣＨ−ＮＨＣＯφＣ１７Ｈ３５ ビス脂肪酸アミドは、一般用ポリスチレン樹脂粒子と耐
衝撃用ポリスチレン樹脂粒子の混合時に、前記粒子の摩
擦を減じ良好に混合できる範囲の量を添加する。好まし
くは、成形樹脂の総重量において０．０３〜０．１重量
％含有するように添加する。０．０３重量％未満の場合
にはその作用が明瞭でないことがあり、０．１重量％を
越える場合には混合後の混練及び成形工程で混線機及び
成形機のスクリユーがスリップすることがある。ビス脂
肪酸アミドは１例えば、２００メツシユバスの粒子を９
０％以上含有するものを混合させることができる。

耐衝撃用ポリスチレン樹脂は１例えばブタジェン、イソ
プレン、クロロブレン等の共役１．３ジ工ン重合体、ス
チレンーブタジェン共重合ゴム２ブチルゴム等のゴムの
１種又は２種以上をスチレン系単量体にグラフト重合し
て得られた樹脂であり、一般用ポリスチレン樹脂に比較
して耐衝撃性を有するポリスチレン樹脂である。一般用
ポリスチレン樹脂は、スチレン系単量体を重合したポリ
スチレン樹脂である。

カーボンブラック粉体は遮光性確保のために添加するも
のである。カーボンブラック粉体の添加量はスプール各
部の肉厚の中で最も薄い部分がどの位いかによって決定
されるが、−船釣には成形樹脂の総ｆｆｉ量に対し０，
１〜１重二％で遮光性は確保される。通常の３５ｍｍ写
真フィルム用のスプールにおいては、０．２〜１重量％
添加される。好ましいカーボンブラック粉体は、遮光性
、写真フィルムへの悪作用（被りの発生、感度低下、接
着等）のない点から平均粒子径が１５〜１２０ｍｕ、　
　Ｐ　Ｈ５〜９より好ましくはＰＨ６〜８のオイルファ
ーネスカーボンブラック粉体である。

カーボンブラック粉体は、好ましくは、マスターパッチ
ベレットにして添加できる。このマスターパッチペレッ
トは１例えば、　ＧＰＰＳ粒子と１２８粒子をビス脂肪
酸アミドとともに混合する際に添加できる。マスターパ
ッチベレットのベース樹脂としては２例えば旧ＰＳ又は
ＧＰＰＳを単独で用いることができ、また、これらの混
合物を用いることもできる。

一般用ボリスチレン樹脂粒子としては、懸濁重合等によ
って得られる粒子を用いることができ。

この粒子の粒径は例えば０．２〜ＩＩＬ１１程度である
。

耐衝撃用ポリスチレン樹脂粒子としては、グラフト重合
等によって得られる粒子を用いることができ、この粒子
の粒径は例えば０．２〜工關程度である。

これらの粒子をビス脂肪酸アミドとともに混合する場合
２例えばヘンシェルミキサ等の装置を用いることができ
る。得られた混合物は１例えば一軸又は二軸の混練機に
より溶融混練して、ビス脂肪酸アミドが分散したポリス
チレン樹脂混練物を得る。この混線物は、ベレットとし
て得ることができる。例・えば、直径又は−辺が２〜５
ＩＤＩの球状１円柱形状のペレットにすることができる
。

前記混線物へカーボンブラック粉体を分散させる場合、
好ましくは、カーボンブラック粉体を含有するマスター
パッチペレットを前記混線物に混合し分散させることに
よって行なう。この場合。

カーボンブラック粉体をより良好に分散させるためステ
アリン酸亜鉛等の高級脂肪酸金属塩を添加する場合があ
るが、金型への付着防止のため成形樹脂の総重量に対し
０．０５重量％以下（好ましくは０．０３重量％以下）
にする。

本発明の成形樹脂には、パトローネ各部との摩擦抵抗に
よるフィルム引出抵抗力を減らすためにシリコーン化合
物を含有させることもできる。シリコーン化合物は金型
との離型剤としても作用する。好ましくは、成形樹脂総
重量において０．５〜２重量％含有させる。好ましいシ
リコーン化合物は、ジメチルシロキサン構造のシリコー
ンオイルである。その構造は次のとおりである。

（ｎは１以上の整数） シリコーン化合物の添加は２例えば、ビス詣肪酸アミド
が分散したポリスチレン樹脂（一般用及び耐衝撃用の双
方を含む）混線物に直接添加することができ、また、予
め高濃度に含有させたマスターパッチベレットとして所
定量添加することもできる。あるいは、カーボンブラッ
ク粉体（好ましくはマスターパッチベレットにする）の
分散と同時に前記添加を行ない分散させることができ。

カーボンブラック粉体の分散後に添加し分散させること
もできる。

本発明の成形樹脂において、一般用ポリスチレン樹脂（
ＧＰＰＳ）と耐衝撃用ポリスチレン樹脂（ＩＩＩＰｓ）
の含有率は、耐衝撃用ポリスチレン樹脂の物性によって
変えることができるが、−船釣には旧ＰＳを５重量％以
上含有させる。

尚１本発明の成形樹脂中には必要により適宜各種の添加
剤を配合することができる。例えば酸化防止剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、核剤、帯電防止剤９分散剤、滑剤、
中和剤、酸捕捉剤、無機充填剤等である。これらの添加
剤は２例えば、カーボンブラック粉体やシリコーン化合
物をマスターパッチベレットにしてポリスチレン樹脂中
に分散させる際に、このマスターパッチベレットに配合
してポリスチレン樹脂中に分散させることができる。

〔実施例〕

実施例１ 懸濁重合によって得られた一般用ポリスチレン樹脂粒子
（粒径０．２〜１ｍｍ）及び耐衝撃用ポリスチレン樹脂
粒子（粒径０．２〜１關）を７：３の割合でエチレンビ
スステアロアミド（アルフローＨ−５０丁　　日本油脂
製）を添加して混合し、２軸押出機にて溶融混線を行な
いエチレンビスステアロアミドが分散したポリスチレン
樹脂ベレットを得た。このポリスチレン樹脂ベレットに
、別途得られたカーボンブラック含有マスターパッチベ
レット及びシリコーン含有マスターパッチベレットを混
合し溶融混練して本発明の成形樹脂を得た。この成形樹
脂には、エチレンビスステアロアミド０．１重量％、カ
ーボンブラック粉体０，５重量％。

ステアリン酸亜鉛０．０３１ｆｆ１％及びシリコーン化
合物１．５重量％が分散していた。なお、前記ステアリ
ン酸亜鉛は１．カーボンブラック粉体を良好に分散させ
るために添加されている。

実施例２ 前記実施例１とほぼ同様の方法により本発明の成形樹脂
を得た。この成形樹脂には、エチレンビスステアロアミ
ド０．０５ｆｆｉｆｆｉ％、カーボンブラック粉体０．
５重量％、ステアリン酸亜鉛０．０３重量％及びシリコ
ーン化合物１．５重量％が分散していた。

実施例３ 前記実施例１とほぼ同様の方法により本発明の成形樹脂
を得た。この成形樹脂には、エチレンビスステアロアミ
ド０　、０５１ｉ　ｆｆｉ％、カーボンブラック粉体０
．５重量％、ステアリン酸典鉛０．０５重量？６及びシ
リコーン化合物１，５重量％が分散していた。

比較例 前記実施例１において、エチレンビスステアロアミドの
かわりにステアリン酸亜鉛を添加して成形樹脂を得た。

この成形樹脂には、カーボンブラック粉体０．５重量％
、ステアリン酸亜鉛０．０８重量％及びシリコーン化合
物１．５重量％が分散していた。

（比較実験） 前記実施例１〜３及び比較例の成形樹脂を写真フィルム
用スプール成形金型で成形した。成形中２時間毎に金型
付着物の成形品への転着の有無を成形品１０００個に対
してチエツクした。金型付着物が転着した成形品の個数
が５個（０，５％）になった時点で成形を止め金型掃除
を行なった。前記各成形樹脂について、成形スタートか
ら成形停止までの時間をまとめた結果を第１表に示す。

第 表 の混合をビス脂肪酸アミドとともに行なっているので、
前記二種のポリスチレン樹脂粒子を良好に混合できる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）一般用ポリスチレン樹脂と耐衝撃用ポリスチレン
   樹脂の混練物中に、ビス脂肪酸アミドが分散して成るこ
   とを特徴とする写真フイルムパトローネのスプール用成
   形樹脂。
2. （２）一般用ポリスチレン樹脂粒子と耐衝撃用ポリスチ
   レン樹脂粒子をビス脂肪酸アミドとともに混合し溶融混
   練してビス脂肪酸アミドが分散したポリスチレン樹脂混
   練物を得ることを特徴とする写真フイルムパトローネの
   スプール用成形樹脂の製造方法。