JPH0224903B2 - - Google Patents
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- JPH0224903B2 JPH0224903B2 JP12128083A JP12128083A JPH0224903B2 JP H0224903 B2 JPH0224903 B2 JP H0224903B2 JP 12128083 A JP12128083 A JP 12128083A JP 12128083 A JP12128083 A JP 12128083A JP H0224903 B2 JPH0224903 B2 JP H0224903B2
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Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
本発明は高温にて耐酸化性ならびに強度のすぐ
れた溶融アルミニウムめつき鋼板に関するもので
ある。 従来から存在している高温熱浸漬型溶融アルミ
ニウムめつき鋼板は、耐熱用(I型)と耐食用
(型)に大別される。前者はAlめつき材中に少
量のSiが添加されることにより、高温加熱時に
Fe−Al合金層の発達とFe中へのAlの拡散が抑制
され、めつき鋼板の耐熱性が改善されている。 この種のアルミニウムめつき鋼板の耐熱性また
は高熱強度の改善を意図してこれまでいくつかの
提案がなされている。例えば(1)特公昭53−15454
号、(2)特公昭51−35532号、特開昭56−102556号、
(4)特開昭56−102523号、(5)特開昭57−140868号公
報に記載のものが挙げられる。このうち、(2)〜(5)
の提案は本願と同一出願人に係るものである。こ
れらの各提案はそれなりにアルミニウムめつき鋼
板の耐熱性または高温強度を改善するものである
が、一層過酷な条件下での使用にはなお不十分で
あつた。例えば、自動車の排ガス処理装置部材な
どのように、室温での冷間成形性と共に、500〜
800℃での耐酸化性と強度特性が併せ要求される
用途に対してはなお不十分であつた。したがつ
て、この種の用途に対して従来より適用されてい
るステンレス系の鋼、例えばAISI409鋼のような
耐熱鋼に代えてアルミニウムめつき鋼板の適用を
図る場合には、なお一層の耐熱性(耐温耐酸化
性)と高温強度の改善を図る必要がある。 本発明はこの要求を満たすことを目的としてな
されたものである。 この目的を達成するアルミニウムめつき鋼板と
して、本発明は、C;0.001〜0.02%、Mn;0.05
〜2.5%、Si;0.05〜2.0%、Cr;0.1〜6%、
Mo;0.05〜1.0%、Al;0.01〜0.10%、N;0.010
%以下、Ti;0.1〜0.6%でかつTi/(C+N)比
が10以上、残部がFeおよび不可避的に混入して
くる不純物より成る鋼の冷延鋼板を基材とし、こ
れにアルミニウムめつきを施した高温強度と耐熱
性の優れたアルミニウムめつき鋼板を提供するも
のである。 本発明のアルミニウムめつき鋼板の特徴を詳し
く説明する前に、まず前揚公報(1)〜(5)に示された
アルミニウムめつき鋼板との主たる相違点につい
て説明すると、公報(1)および(5)のものは本発明で
採用するCrを基材中に合金元素としては含まず、
また公報(1)、(2)、(4)および(5)のものは本発明で採
用するSiを基材中に合金元素として含まない。ま
た公報(1)〜(4)のいづれの場合にも、基材中にMo
を適正に含有させる点については記載がない。な
お、公報(5)においては、Moを含有する基材が部
分的に示されているが、この公報(5)の場合は本発
明の特徴的な要件であるSiとCrを基材中に含有
せず、したがつて適正量のSiとCrを低炭素Ti含
有鋼中に含有させたうえでMoを適正量含有させ
て高温強度と耐酸化性の改善を図つた本発明の場
合とは基本的に相違する。 次に本発明における基材の化学成分の効果およ
び含有量限定の理由並びに本発明のアルミニウム
めつき鋼板の特徴について説明する。 Cは通常の転炉および真空脱ガス設備を利用し
た脱炭法で容易に低下させうる上限、下限値を範
囲とした。脱炭法を併用し、特にC含有量を低下
させたのはTiの効率的利用を図つたからである。 Mnはこのめつき鋼板の用途を考える場合、あ
る程度の冷間加工を加えられることは不可避であ
り、この観点からは、Mn含有量は少ないことが
好ましい。しかし、Mnが0.05%未満の鋼を得る
ことは製鋼技術上困難であるとともに、鋼中のS
やOの量によつては熱間圧延時に脆化するおそれ
がある。またMnは高温強度の改善の寄与は認め
られるもののその効果は小さく、多量の添加は冷
間加工性、溶接性が劣化してくるので上限を2.5
%好ましくは1.0%とした。 Siは高温耐酸化性および高温強度の改善に寄与
する元素であり、Si量が多いほど効果がある。し
かしSiを2%を超えて添加すると加工性や溶接性
が悪くなるばかりでなくめつき性を劣化してく
る。また、Siが0.05%未満では高温耐酸化性、高
温強度の改善効果は小さい。 Crは高温耐酸化性の改善に効果があるが、6
%を超えて添加すると高温耐酸化性の改善効果は
飽和するとともにめつき性も劣化し、さらに本発
明のめつき鋼板の経済性を損う。また、Crが0.1
%未満であると高温耐酸化性の改善効果が小さい
のでその下限を0.1%とした。 Moは本発明の目的の1つであるアルミニウム
めつき鋼板の高温強度の改善において有効に作用
する元素である。この意味では1.0%までの添加
がよいが、高温耐酸化性の点からは、後記表1の
L試料にみられるように高温耐酸化性の改善効果
に停滞が認められる。したがつて、Moは1.0%以
下、好ましくは0.5%以下で添加するのがよい。
Moの下限については表1のM試料にみられるよ
うに0.05%の添加によつても強度の改善が認めら
れる。 Alは溶鋼の脱酸に使用されるが、特にTiを歩
留り良く添加する予備脱酸元素として重要であ
り、この観点から下限0.01%とした。また上限値
は0.10%をこえて添加しても特に脱酸効果の改善
は認められないのみか、反つて介在物の増加によ
り加工性を損なうとともに表面品質の劣化を招く
ので0.01〜0.10%とする。 Tiはアルミニウム被覆中のAlをFe地中に有効
に拡散させるのに有益に作用する元素である。す
なわち、基材のFe地中のC、Nといつた元素を
Tiにより固定することにより、アルミニウムめ
つき鋼板を高温に加熱した場合にめつき層のAl
のFe地中への浸透・拡散が容易となる。この効
果により高温加熱後のFe地表面には耐酸化性に
優れたFe−Al層が生成する。Tiは更に(C+N)
量の10倍以上の量で添加することにより、Fe地
中に固溶Tiの形で存在させると、一層耐酸化性
の改善に有効である。これは加熱中にTiが次第
にAl拡散層下部に濃縮化し、AlのFe内部への一
層の拡散を抑止するから、そしてFe地表面のFe
−Al層のAl濃度を高い状態に維持する作用を有
するから、と考えられる。CおよびNの下限値を
考えた場合Tiの添加量は下限値により低くても
よいが、通常の製鋼法によればC+N量を0.01%
以下にすることは困難であるからTiの下限量を
0.1%とした。一方、上限値はTiを0.6%をこえて
大量に添加しても酸化増量の改善効果は減少し、
かつ基材の表面品質の劣化を招くのみであるか
ら、0.6%に設定した。 Nは通常の製鋼法では若干残存することは避け
られず、Tiの有効利用面から0.010%以下とした。 PとSは多量に含有すると加工性を害するので
できるだけ少ないことが好ましいが、通常、不可
避的に含有されるP<0.04%、S<0.04%であれ
ば本発明上何ら問題はない。 このようにして本発明のアルミニウムめつき鋼
板は、その基材中のCを0.001〜0.02%、Mn;
0.05〜2.5%好ましくは0.05〜1.0%、Si;0.05〜2.0
%、Cr;0.1〜6%、Moを0.05〜1.0%好ましくは
0.05〜0.5%、Alを0.01〜0.10%、Nを0.010%以
下、Tiを0.1〜0.6%で(C+N)の10倍以上とす
ることによつて前揚公報(1)〜(5)ではなし得なかつ
た高温強度と高温耐酸化性並びに耐食性を兼備さ
せたものである。なお、アルミニウムめつきの方
法は特に限定されないが、従来より大量生産方式
として確立された溶融アルミニウムめつき法によ
るのが便宜である。 実施例 1 表1に示した化学成分を有する鋼を溶解・造
塊・熱延・冷延後に焼鈍してから、表面の酸化ス
ケールの除去を行なつた後、さらに脱脂し、この
冷延鋼板をAl浴(Al−Si9%)中に浸漬してアル
ミニウムめつき(100g/m2)を施した。このよ
うにして得た厚さ1.1mmのアルミニウムめつき鋼
板を直径62mmの円板に打抜き、800℃に48時間加
熱することを5回繰り返した後の酸化増量で耐高
温酸化性を評価し、また600℃の高温強度を測定
し、その結果を表1に併記した。 同表から明らかなように、本発明例の酸化増量
は低く、かつ600℃における強度もすぐれ、良好
な高温強度を耐熱性を示すアルミニウムめつき鋼
板が得られることがわかる。
れた溶融アルミニウムめつき鋼板に関するもので
ある。 従来から存在している高温熱浸漬型溶融アルミ
ニウムめつき鋼板は、耐熱用(I型)と耐食用
(型)に大別される。前者はAlめつき材中に少
量のSiが添加されることにより、高温加熱時に
Fe−Al合金層の発達とFe中へのAlの拡散が抑制
され、めつき鋼板の耐熱性が改善されている。 この種のアルミニウムめつき鋼板の耐熱性また
は高熱強度の改善を意図してこれまでいくつかの
提案がなされている。例えば(1)特公昭53−15454
号、(2)特公昭51−35532号、特開昭56−102556号、
(4)特開昭56−102523号、(5)特開昭57−140868号公
報に記載のものが挙げられる。このうち、(2)〜(5)
の提案は本願と同一出願人に係るものである。こ
れらの各提案はそれなりにアルミニウムめつき鋼
板の耐熱性または高温強度を改善するものである
が、一層過酷な条件下での使用にはなお不十分で
あつた。例えば、自動車の排ガス処理装置部材な
どのように、室温での冷間成形性と共に、500〜
800℃での耐酸化性と強度特性が併せ要求される
用途に対してはなお不十分であつた。したがつ
て、この種の用途に対して従来より適用されてい
るステンレス系の鋼、例えばAISI409鋼のような
耐熱鋼に代えてアルミニウムめつき鋼板の適用を
図る場合には、なお一層の耐熱性(耐温耐酸化
性)と高温強度の改善を図る必要がある。 本発明はこの要求を満たすことを目的としてな
されたものである。 この目的を達成するアルミニウムめつき鋼板と
して、本発明は、C;0.001〜0.02%、Mn;0.05
〜2.5%、Si;0.05〜2.0%、Cr;0.1〜6%、
Mo;0.05〜1.0%、Al;0.01〜0.10%、N;0.010
%以下、Ti;0.1〜0.6%でかつTi/(C+N)比
が10以上、残部がFeおよび不可避的に混入して
くる不純物より成る鋼の冷延鋼板を基材とし、こ
れにアルミニウムめつきを施した高温強度と耐熱
性の優れたアルミニウムめつき鋼板を提供するも
のである。 本発明のアルミニウムめつき鋼板の特徴を詳し
く説明する前に、まず前揚公報(1)〜(5)に示された
アルミニウムめつき鋼板との主たる相違点につい
て説明すると、公報(1)および(5)のものは本発明で
採用するCrを基材中に合金元素としては含まず、
また公報(1)、(2)、(4)および(5)のものは本発明で採
用するSiを基材中に合金元素として含まない。ま
た公報(1)〜(4)のいづれの場合にも、基材中にMo
を適正に含有させる点については記載がない。な
お、公報(5)においては、Moを含有する基材が部
分的に示されているが、この公報(5)の場合は本発
明の特徴的な要件であるSiとCrを基材中に含有
せず、したがつて適正量のSiとCrを低炭素Ti含
有鋼中に含有させたうえでMoを適正量含有させ
て高温強度と耐酸化性の改善を図つた本発明の場
合とは基本的に相違する。 次に本発明における基材の化学成分の効果およ
び含有量限定の理由並びに本発明のアルミニウム
めつき鋼板の特徴について説明する。 Cは通常の転炉および真空脱ガス設備を利用し
た脱炭法で容易に低下させうる上限、下限値を範
囲とした。脱炭法を併用し、特にC含有量を低下
させたのはTiの効率的利用を図つたからである。 Mnはこのめつき鋼板の用途を考える場合、あ
る程度の冷間加工を加えられることは不可避であ
り、この観点からは、Mn含有量は少ないことが
好ましい。しかし、Mnが0.05%未満の鋼を得る
ことは製鋼技術上困難であるとともに、鋼中のS
やOの量によつては熱間圧延時に脆化するおそれ
がある。またMnは高温強度の改善の寄与は認め
られるもののその効果は小さく、多量の添加は冷
間加工性、溶接性が劣化してくるので上限を2.5
%好ましくは1.0%とした。 Siは高温耐酸化性および高温強度の改善に寄与
する元素であり、Si量が多いほど効果がある。し
かしSiを2%を超えて添加すると加工性や溶接性
が悪くなるばかりでなくめつき性を劣化してく
る。また、Siが0.05%未満では高温耐酸化性、高
温強度の改善効果は小さい。 Crは高温耐酸化性の改善に効果があるが、6
%を超えて添加すると高温耐酸化性の改善効果は
飽和するとともにめつき性も劣化し、さらに本発
明のめつき鋼板の経済性を損う。また、Crが0.1
%未満であると高温耐酸化性の改善効果が小さい
のでその下限を0.1%とした。 Moは本発明の目的の1つであるアルミニウム
めつき鋼板の高温強度の改善において有効に作用
する元素である。この意味では1.0%までの添加
がよいが、高温耐酸化性の点からは、後記表1の
L試料にみられるように高温耐酸化性の改善効果
に停滞が認められる。したがつて、Moは1.0%以
下、好ましくは0.5%以下で添加するのがよい。
Moの下限については表1のM試料にみられるよ
うに0.05%の添加によつても強度の改善が認めら
れる。 Alは溶鋼の脱酸に使用されるが、特にTiを歩
留り良く添加する予備脱酸元素として重要であ
り、この観点から下限0.01%とした。また上限値
は0.10%をこえて添加しても特に脱酸効果の改善
は認められないのみか、反つて介在物の増加によ
り加工性を損なうとともに表面品質の劣化を招く
ので0.01〜0.10%とする。 Tiはアルミニウム被覆中のAlをFe地中に有効
に拡散させるのに有益に作用する元素である。す
なわち、基材のFe地中のC、Nといつた元素を
Tiにより固定することにより、アルミニウムめ
つき鋼板を高温に加熱した場合にめつき層のAl
のFe地中への浸透・拡散が容易となる。この効
果により高温加熱後のFe地表面には耐酸化性に
優れたFe−Al層が生成する。Tiは更に(C+N)
量の10倍以上の量で添加することにより、Fe地
中に固溶Tiの形で存在させると、一層耐酸化性
の改善に有効である。これは加熱中にTiが次第
にAl拡散層下部に濃縮化し、AlのFe内部への一
層の拡散を抑止するから、そしてFe地表面のFe
−Al層のAl濃度を高い状態に維持する作用を有
するから、と考えられる。CおよびNの下限値を
考えた場合Tiの添加量は下限値により低くても
よいが、通常の製鋼法によればC+N量を0.01%
以下にすることは困難であるからTiの下限量を
0.1%とした。一方、上限値はTiを0.6%をこえて
大量に添加しても酸化増量の改善効果は減少し、
かつ基材の表面品質の劣化を招くのみであるか
ら、0.6%に設定した。 Nは通常の製鋼法では若干残存することは避け
られず、Tiの有効利用面から0.010%以下とした。 PとSは多量に含有すると加工性を害するので
できるだけ少ないことが好ましいが、通常、不可
避的に含有されるP<0.04%、S<0.04%であれ
ば本発明上何ら問題はない。 このようにして本発明のアルミニウムめつき鋼
板は、その基材中のCを0.001〜0.02%、Mn;
0.05〜2.5%好ましくは0.05〜1.0%、Si;0.05〜2.0
%、Cr;0.1〜6%、Moを0.05〜1.0%好ましくは
0.05〜0.5%、Alを0.01〜0.10%、Nを0.010%以
下、Tiを0.1〜0.6%で(C+N)の10倍以上とす
ることによつて前揚公報(1)〜(5)ではなし得なかつ
た高温強度と高温耐酸化性並びに耐食性を兼備さ
せたものである。なお、アルミニウムめつきの方
法は特に限定されないが、従来より大量生産方式
として確立された溶融アルミニウムめつき法によ
るのが便宜である。 実施例 1 表1に示した化学成分を有する鋼を溶解・造
塊・熱延・冷延後に焼鈍してから、表面の酸化ス
ケールの除去を行なつた後、さらに脱脂し、この
冷延鋼板をAl浴(Al−Si9%)中に浸漬してアル
ミニウムめつき(100g/m2)を施した。このよ
うにして得た厚さ1.1mmのアルミニウムめつき鋼
板を直径62mmの円板に打抜き、800℃に48時間加
熱することを5回繰り返した後の酸化増量で耐高
温酸化性を評価し、また600℃の高温強度を測定
し、その結果を表1に併記した。 同表から明らかなように、本発明例の酸化増量
は低く、かつ600℃における強度もすぐれ、良好
な高温強度を耐熱性を示すアルミニウムめつき鋼
板が得られることがわかる。
【表】
【表】
実施例 2
表2に示した化学成分を有する本発明基材およ
び比較基材を実施例1と同様の工程によつて作成
し、各基材をAlめつき浴(Al−9%Si浴)中に
浸漬してアルミニウムめつきを施し(80g/m2)、
厚さ1.0mmのアルミニウムめつき鋼板をえて、実
施例1と同様の試験に加え、塩水噴霧試験により
赤銹発生までの時間(hr)より耐食性を試験し
た。各試験結果を表2に併記した。 表2の結果から、本発明材は800℃×48hrの5
サイクル加熱後の酸化増量は低く、かつ600℃の
高温強度はすぐれており、また、耐食性も比較材
よりすぐれる特性を有することがわかる。
び比較基材を実施例1と同様の工程によつて作成
し、各基材をAlめつき浴(Al−9%Si浴)中に
浸漬してアルミニウムめつきを施し(80g/m2)、
厚さ1.0mmのアルミニウムめつき鋼板をえて、実
施例1と同様の試験に加え、塩水噴霧試験により
赤銹発生までの時間(hr)より耐食性を試験し
た。各試験結果を表2に併記した。 表2の結果から、本発明材は800℃×48hrの5
サイクル加熱後の酸化増量は低く、かつ600℃の
高温強度はすぐれており、また、耐食性も比較材
よりすぐれる特性を有することがわかる。
【表】
【表】
実施例 3
表3に示した化学成分を有する鋼を転炉−真空
脱ガス処理後、分塊、熱延して板厚2.5mmの熱延
コイルとした。本コイルは引き続き酸洗後板厚
0.8mmの冷延コイルに圧延した。 冷延コイルはNOF型連続焼鈍溶融アルミニウ
ムめつきラインで加熱温度800〜900℃で加熱した
上、溶融アルミニウムめつき(アルミニウム付着
量;60g/m2)された。 本コイルから試験片を採取し、実施例1と同様
の方法で高温耐酸化性、高温強度のほか、実施例
2と同様に塩水噴霧試験(常温)により耐食性も
評価した。 その結果を表3に併記するが、これから本発明
材は高温耐酸化性、高温強度、耐食性のいずれも
すぐれていることは明らかである。
脱ガス処理後、分塊、熱延して板厚2.5mmの熱延
コイルとした。本コイルは引き続き酸洗後板厚
0.8mmの冷延コイルに圧延した。 冷延コイルはNOF型連続焼鈍溶融アルミニウ
ムめつきラインで加熱温度800〜900℃で加熱した
上、溶融アルミニウムめつき(アルミニウム付着
量;60g/m2)された。 本コイルから試験片を採取し、実施例1と同様
の方法で高温耐酸化性、高温強度のほか、実施例
2と同様に塩水噴霧試験(常温)により耐食性も
評価した。 その結果を表3に併記するが、これから本発明
材は高温耐酸化性、高温強度、耐食性のいずれも
すぐれていることは明らかである。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C;0.001〜0.02%、Mn;0.05〜2.5%、Si;
0.05〜2.0%、Cr;0.1〜6%、Mo;0.05〜1.0%、
Al;0.01〜0.10%、N;0.010%以下、Ti;0.1〜
0.6%でかつTi/(C+N)比が10以上、残部が
Feおよび不可避的に混入してくる不純物より成
る鋼の冷延鋼板を基材とし、これにアルミニウム
めつきを施した高温強度と耐熱性の優れたアルミ
ニウムめつき鋼板。 2 Mnが0.05〜1.0%、Moが0.05〜0.5%である
特許請求の範囲第1項記載の高温強度と耐熱性の
優れたアルミニウムめつき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12128083A JPS6013059A (ja) | 1983-07-04 | 1983-07-04 | 高温強度と耐熱性の優れたアルミニウムめつき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12128083A JPS6013059A (ja) | 1983-07-04 | 1983-07-04 | 高温強度と耐熱性の優れたアルミニウムめつき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6013059A JPS6013059A (ja) | 1985-01-23 |
JPH0224903B2 true JPH0224903B2 (ja) | 1990-05-31 |
Family
ID=14807342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12128083A Granted JPS6013059A (ja) | 1983-07-04 | 1983-07-04 | 高温強度と耐熱性の優れたアルミニウムめつき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6013059A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2559916B2 (ja) * | 1991-04-26 | 1996-12-04 | 新日本製鐵株式会社 | 耐食性の優れた自動車排気系アルミめっきステンレス鋼 |
-
1983
- 1983-07-04 JP JP12128083A patent/JPS6013059A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6013059A (ja) | 1985-01-23 |
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