JPH0223472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のアクセサリー取付構造に関す
る。

（従来の技術） 従来、オーナメント、マーク等自動車のアクセ
サリーをベース板に取付ける方法としては、両面
接着テープによる取着や、ネジ止め、又はベース
板に穿設した穴にアクセサリーに穿設した突起を
圧入して取着する等の方策が採用されている。こ
れらアクセサリーの取付方法は、両面接着テープ
やネジ止めにより行われるのでワンタツチの作業
で取付けることができず、作業性に劣り、また突
起を穴に圧入して取着する方法は、ワンタツチで
取付け作業が行えるものの、取付け後の経時、経
温変化によるゆるみ、即ちガタが発生し易く好ま
しい方法ではない。又、先行技術とする実開昭49
−136109号公報に開示されるように、合成樹脂製
取付板にシヤーシを取付けるシヤーシ固定装置と
して、合成樹脂製取付板に突出部及び弾力性爪部
を設ける一方、シヤーシの前記弾力性爪部と対応
する位置に窓部を設け、合成樹脂製取付板の爪部
を窓部に挿入係止すると共にシヤーシを突出部と
爪部との間で挟持してシヤーシを固定するように
したものがある。

（考案が解決しようとする課題） アクセサリーを両面接着テープやネジ止めによ
りベース板に取着する方策では、ワンタツチでア
クセサリーを取付けることができず作業性に劣
り、また突起を穴に圧入固定する方法において
は、ワンタツチ作業で取付けられるものの取着後
の経時、経温変化によりゆるみ、ガタが発生する
等の不具合がある。また実開昭49−136109号公報
に開示された構造にあつても合成樹脂製取付板の
爪部をシヤーシの窓部に挿入係止し、かつ突出部
と爪部との間でシヤーシを挟持するようにしたの
でワンタツチで取付作業が行えるものの、取付け
後の経時、経温変化や、製品の寸法精度の誤差即
ちバラツキにより、突出部と爪部との間での挟持
を安定した状態に長期に亘り保持することが困難
であり、ガタの発生を完全に防止し得るには充分
でなかつた。

従つて本考案の目的はワンタツチで取付け作業
が行え、かつ取付け後の経時、経温変化や、製品
の寸法精度がバラツキを有する場合でもガタを発
生することなく、確実に取付け状態が維持できる
自動車のアクセサリーの取付構造を提供すること
にある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成する本考案における自動車のア
クセサリーの取付構造は、差込み口及び当接面を
有するベース板と、裏面の前記差込み口と対応す
る位置に係止部を設けた複数の係止突起及び前記
当接面に頂部が当接する支え突起とを有するアク
セサリーとから構成され、前記係止部を差込み口
に挿入係止すると共に、支え突起の頂部と係止部
との間でベース板を挟持してベース板にアクセサ
リーを取着するアクセサリーの取付構造におい
て、前記差込み口が切り押し加工によつて形成さ
れ、かつ前記係止部と端部が弾性的に掛合する切
り押し傾斜片を有し、当接面が切り押し加工によ
つて形成され、かつ前記支え突起の頂部に弾性的
に圧接する切り押し片を具備するものである。

（作用） ベース板に形成した切り押し傾斜片がアクセサ
リーに設けた係止突起の係止部とバネ作用により
弾性的に掛合し、かつアクセサリーに設けた支え
突起の端部にベース板に設けた切り押し片がバネ
作用による反力により弾性的に圧接して支え突起
の頂部と係止部との間でベース板を弾性的に挟持
してベース板にアクセサリーを取着する。

（実施例） 以下本考案による自動車のアクセサリーの取付
構造の一実施例をアクセサリーとしてオーナメン
トを用いた場合を例に図面によつて説明する。

第１図はアクセサリーを取付けるベース板の平
面図、第２図はベース板にアクセサリーであるオ
ーナメントを取付けた状態を説明する第１図にお
けるＡ−Ａ線断面図である。図中符号１はベース
板であり、符号２はオーナメントである。ベース
板１にはベース板１に接近する方向へ外周が屈曲
されたオーナメント２が緩嵌するように段差を介
して平面３が形成されている。この平面３の両端
部近傍の対称位置に対称形状の切り押し部４，
４′が設けてある。切り押し部４，４′には差込み
口６，６′と共に切り押し加工により車体内方向
に傾斜する切り押し傾斜５，５′が形成されてい
る。更にこれら切り押し部４，４′間の対称位置
に対称形状に切り押し加工によつて形成された当
接面となる切り押し部７，７′が設けられ、切り
押し部７，７′の切り押し８，８′は車体内方向へ
屈曲してその端部は、後述するオーナメント２に
設けた支え突起１１，１１′の頂部が圧接するよ
うに平面３に平行な面８ａ，８′ａが形成されて
いる。

一方オーナメント２の裏面で前記切り押し部
４，４′と対応する位置には、頂部に断面が鳶口
状の係止部９，９′を有する係止突起１０，１
０′及び前記切り押し片８，８′の面８ａ，８′ａ
に対向する位置には支え突起１１，１１′が立設
してある。

このように構成されたオーナメント２をベース
板１に取付けるには、ベース板１に形成した切り
押し傾斜片５，５′の傾斜面にオーナメント２に
形成した係止突起１０，１０′の頂部を当接せし
め、係止突起１０，１０′を切り押し傾斜片５，
５′の弾性力に抗して押し込むことにより、係止
突起１０，１０′の係止部９，９′は切り押し傾斜
片５，５′の傾斜面上を押圧、摺動してバネ作用
による弾性力を有する切り押し傾斜片５，５′の
端部に係止突起１０，１０′の係止部９，９′が挿
入係止される。この際、支え突起１１，１１′の
頂部は、バネ作用による弾性力を有する切り押し
片８，８′の取付面３と平行な面８ａ，８′ａを押
圧し、その反力で支え突起１１，１１′の頂部と
面８ａ，８′ａとが圧接するようになされている。

したかつてベース板１に形成した切り押し傾斜
片５，５′がアクセサリー１に設けた係止突起１
０，１０′の係止部９，９′と弾性的に掛合し、か
つアクセサリー２に設けた支え突起１１，１１′
の頂部にベース板１に設けた切り押し片８，８′
が弾性的に圧接して支え突起１１，１１′の頂部
と係止部９，９′との間でベース板１を弾性的に
挟持してベース板１にアクセサリー２を取着す
る。またオーナメント２の装着の際、オーナメン
ト２の端部が取着面となる平面３に当接あるいは
押接して、オーナメント装着の障害となること及
びオーナメント２に発生する歪を防ぐため、オー
ナメント２の外周端部と平面３との間に若干の間
隙ｃを形成することが好ましい。

第３図は、本考案の他の実施例を示す要部断面
図であつて、オーナメント２が小型である。この
場合においても前記実施例と対応する部分に同一
符号を付したようにベース板１の対称位置に対称
形状の切り押し傾斜片５，５′及び差込み口６，
６′が形成してあり、差込み口６，６′間には１個
の切り押し８及びオーナメント２に立設した支え
突起１１の頂部が圧接される面８′ａが形成され
ている。一方オーナメント２の裏面に切り押し傾
斜片５，５′と係合する係止部９，９′を具備する
係止突起１０，１０′及び前記支え突起１１が設
けてある。この場合オーナメント２が小型である
ことから支え突起は１個のみが設けてある。

（効果） 上記本考案における自動車のアクセサリーの取
付構造によればワンタツチの取付け作業によりベ
ース板に形成した切り押し傾斜片がアクセサリー
に形成した係合突起の係止部と弾性的に掛合し、
かつアクセサリーに設けた支え突起の頂部にベー
ス板に設けた切り押し片が弾性的に圧接して支え
突起の頂部と係止部との間ベース板を弾性的に挟
持してベース板にアクセサリーを取着するので、
取付け後の経時、経温変化や製品の寸法精度のバ
ラツキがある場合でも長期間に亘つてガタが発生
することなく、確実に係止状態が維持され、更に
切り押し傾斜片及び切り押し片はプレスなどによ
る切り押し加工によつて容易に形成し得る等実用
的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における自動車のアクセサリー
の取付構造の一実施例を説明するベース板の平面
図、第２図はベース板にアクセサリーであるオー
ナメントを取付けた状態を示す第１図におけるＡ
−Ａ線断面図、第３図は本考案の他の実施例を示
す要部断面図である。 １……ベース板、２……オーナメント（アクセ
サリー）、５，５′……切り押し傾斜片、６，６′
……差込み口、８，８′……切り押し片、９，
９′……係止部、１０，１０′……係止突起、１
１，１１′……支え突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 差込み口及び当接面を有するベース板と、裏面
   の前記差込み口と対応する位置に係止部を設けた
   複数の係止突起及び前記当接面に頂部が当接する
   支え突起とを有するアクセサリーとから構成さ
   れ、前記係止部を差込み口に挿入係止すると共
   に、支え突起の頂部と係止部との間でベース板を
   挟持してベース板にアクセサリーを取着するアク
   セサリーの取付構造において、前記差込み口が切
   り押し加工によつて形成され、かつ前記係止部と
   端部が弾性的に掛合する切り押し傾斜片を有し、
   当接面が切り押し加工によつて形成され、かつ前
   記支え突起の頂部に弾性的に圧接する切り押し片
   を具備することを特徴とする自動車のアクセサリ
   ーの取付構造。