JPH022185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、コンバイン、バインダ等の茎稈刈取
機に関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする問題点］ 一般に、この種茎稈刈取機のなかには、例えば
三条刈り用機種の場合、左右に対向する一対の茎
稈引起し体を、未刈地側は一条、既刈地側は二条
の如く左右引起し体が引き起こす分草幅を広狭異
なるように構成して、通常の刈取り作業において
は真中の刈取り条が分草体によつて左右に分割さ
れないようにし、また倒伏茎稈を刈取る際でも刈
り残しが生じないようにしたものがある。しかる
にこの場合、広い分草幅を引き起こす引起し体側
にあつては、端側刈取り条の茎稈は、株元部が中
央寄りに横折れされた状態で引き起こされて刈刃
による刈取り作用を受けることになるので、該端
側茎稈の切株の高さが他のものよりもどうしても
高くなつてしまい見苦しい許りでなく、この長い
切株が裏作での野菜栽培等の後作に悪影響を及ぼ
すこととなり問題になつていた。

［問題を解決する手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点
を一掃することができる茎稈刈取機を提供するこ
とを目的として創案されたものであつて、左右に
対向せしめた一対の茎稈引起し体を、一方の引起
し体は幅広の分草幅を引き起こすように構成した
茎稈刈取機において、前記両引起し体によつて引
き起こされた茎稈を刈取る刈刃を、幅広の分草幅
を引き起こす引起し体側が低くなるように傾斜状
に設けたことを特徴とするものである。

そして、本考案は、この構成によつて、左右に
対向する茎稈引起し体が引き起こすの分草幅が一
方は幅広になつているものであつても、該幅広の
引起し体で引き起こされる端側茎稈の切株の高さ
を他のものと略同じにすることができるようにし
たものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、１はコンバインの走行機体
であつて、該走行機体１は、本考案を実施せしめ
た茎稈引起し体が装備される前処理部２、脱穀部
３、運転操縦部４、クローラ型の走行部５、後処
理部（図示せず）等によつて構成されていること
は何れも従来通りである。

前記前処理部２を構成している前処理部フレー
ム６には左右一対の茎稈引起し体７，８が設けら
れているが、これら引起し体のうち、既刈地側の
引起し体７は、端部分草体９と中央分草体１０と
の間の分草未刈地側の引起し体８のものよりも幅
広のものを引き起こすようになつていて、二条分
の刈取り条（第１図のａ，ｂの刈取り条）の茎稈
を引き起こすことができるようになつており、ま
た未刈地側の引起し体８は一条分の刈取り条の茎
稈ｃを引き起こすようになつており、都合三条刈
りのコンバインとなつている。ここで、７ａ，８
ａは各引起し体７，８の引起し爪である。

一方、１１は刈刃であつて、該刈刃１１は前記
引起し体７，８によつて引き起こされた茎稈の株
元部を刈取るべく前処理部フレーム６に設けられ
るものであるが、この刈刃１１は、既刈地側に配
設の前記幅広の分草幅を引き起こす引起し体、即
ちははひろ引起し体７側の刈高さｈが未刈地側の
幅狭引起し体８側の刈高さＨよりも低くなる（ｈ
＜Ｈ）ように傾斜状に設定されていて、幅広引起
し体７によつて引き起こされる端側茎稈ａの切株
高さを他の茎稈ｂ，ｃの切株高さと略均一の高さ
となるように構成されている。

尚、図中、１２は刈刃１１の上方に配設した茎
稈掻き込み用のスターホイール、１３は掻き込み
ベルト、１４は刈取られた茎稈を脱穀部３側に搬
送する茎稈搬送体である。

叙述の如く構成された本考案の実施例におい
て、茎稈の刈取り脱穀作業は、前処理部２で刈取
られた茎稈が脱穀部３によつて脱穀処理されてか
ら後処理を受けて機外に放出されることで行なわ
れることになるが、本考案では、茎稈を前処理部
２で刈りとる際に引き起こす左右の引起し体７，
８のうち、既刈地側のものの引起し幅を二条分を
引き起こせるようにして、三条刈りが出来るよう
に構成したものであるにもかかわらず、各刈取り
条の茎稈ａ，ｂ，ｃの切株の高さを略均一の低い
ものとすることができる。即ち、本考案では、通
常の茎稈を刈取る場合には、既刈地側の幅広引起
し体７では二条の茎稈ａ，ｂを、また未刈地側の
引起し体８では一条の茎稈ｃをそれぞれ引き起こ
すことになるが、この場合、幅広引起し体７によ
つて引き起こされる二条の茎稈ａ，ｂのうち、端
側の茎稈ａは、引起し爪７ａの未刈地側への横移
送作用を受けて株元部位が横折れ状に引き起こさ
れた状態で刈刃１１によつて刈取られることにな
る。しかるに本考案では、刈刃１１の高さが、幅
広引起し体７側が他方の引起し体８側よりも低く
なつている（ｈ＜Ｈ）ので、端側茎稈ａは、株元
部が前記幅広引起し体７による横送り作用を受け
て横折れ状態になつたとしても他側よりは低い刈
高さの刈刃１１によつて刈取られることとなり、
この結果、該端側茎稈ａの切株は、他の茎稈ｂ，
ｃの切株の高さと略同一の短い高さとなる。従つ
て、刈り跡が整然として見栄えが良い許りでな
く、裏作での野菜栽培等において従来の如く長い
切株があることによつて支障をきたすようなこと
が全くない。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は、叙述の如く構成され
たものであるから、引起し幅を広くした一方の引
起し体によつて茎稈の多条引起しができるように
したものでありながら、該幅広引起し体によつて
引き起こされる茎稈のうち、端側の茎稈は、幅広
引起し体による引起し作用を受けて株元部が横折
れ状になつたとしても、幅広引起し体側が低くな
るように傾斜せしめた刈刃によつて、他の茎稈と
略同じ低い切株高さで刈りとられることとなり、
従つて、従来の如く端側茎稈の刈高さが高くなつ
て刈り跡が見苦しくなつてしまうようなことがな
く、刈高さが揃つた整然とした見栄えのする刈り
跡とすることができるうえに、長い切株が無いの
で、裏作での野菜栽培等の後作のさいに従来の如
く長い切株によつて支障をきたすようなことも全
くなくすことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る茎稈刈取機の一実施例を
示したものであつて、第１図はコンバインの正面
図、第２図はコンバインの前側側面図である。 図中、７，８は引起し体、１１は刈刃である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右に対向せしめた一対の茎稈引起し体を、一
   方の引起し体は幅広の分草幅を引き起こすように
   構成した茎稈刈取機において、前記両引起し体に
   よつて引き起こされた茎稈を刈取る刈刃を、幅広
   の分草幅を引起し体側が低くなるように傾斜状に
   設けたことを特徴とする茎稈刈取機。