JPH0221037A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、相対回転可能な２軸の間に配置され両軸の間
で駆動力を伝達する駆動力伝達装置に関するものである
。

〈従来の技術〉 ４輪駆動用の駆動力伝達装置の要求される機能は、前後
輪の差動に応じて駆動トルクを伝達することは勿論であ
るが、併せて４輪駆動特有の循環トルクを吸収し、走行
過程での前後輪の回転位相差に伴う振動およびこもり音
を防止するとともに、ＡＢＳ（アンチロックブレーキシ
ステム）制御時における外乱を低減することにある。

〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、従来一般の駆動力伝達装置においては、
駆動輪側の回転が高くなる正トルク伝達時も、非駆動輪
側の回転が高くなる逆トルク伝達時も同一の伝達特性し
か得られず、上記した循環トルクを有効に吸収すること
ができない問題があった。

このようなことから、正トルク伝達時においては、前後
輪間で十分なトルクを伝達する必要があるが、反対に逆
トルク伝達時においては、伝達トルク、を制限する有効
な手段の出現が望まれていた。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上記した点に着目じてなされたもので、相対
回転可能な２軸の間に配置され両輪の間で駆動力を伝達
するクラッチ手段を備えた駆動力伝達装置において、前
記２軸の一方にハウジングを連結し、他方にこのハウジ
ングに回転可能に軸承された回転軸を連結し、前記ハウ
ジング内に前記クラッチ手段を押圧するピストンを収納
し、このピストンの側方に空間部を設け、この空間部に
高粘度流動体を封入し、また前記空間部に前記２軸の差
動回転により高粘度流動体を移動させてその粘性摩擦に
より２軸の差動回転に応じた圧力を発生させるブレード
を備えた回転部材を収納し、この回転部材と前記回転軸
との間に一方向の回転のみ伝達する一方向回転クラッチ
を介装したものである。

く作用〉 上記した構成により、正トルク伝達時においては、回転
部材によって高粘度流動体が対向する２面間を強制移動
され、その粘性摩擦作用により空間部内に差動回転に応
じた圧力が発生する。この圧力によりピストンが押圧さ
れ、クラッチ手段が係合されて２軸間でトルクが伝達さ
れる。

しかるに逆トルク伝達時においては、前記高粘度流動体
の粘性抵抗により回転部材が一方向回転クラッチにより
回転軸上を相対回転するため、空間部内に圧力が発生せ
ず、クラッチ手段が係合されない。

〈実施例〉 以下本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は相対回転可能な２軸（前後輪軸あるいは左右輪
軸）１５．１６の間に配置される駆動力伝達装置２０を
示し、この駆動力伝達装置２０は、ハウジング２１と、
このハウジング２１内を縦貫して回転可能に軸承された
回転軸２２と、これらハウジング２１と回転軸２２との
差動回転に応じた圧力を発生する圧力発生部２３と、こ
の圧力発生部２３にて発生した圧力が作用されるピスト
ン２４と、このピストン２４の押圧力によって摩擦係合
されるクラッチ手段２５とによって主に構成されている
。

前記ハウジング２１の一端は前記２軸の一方１５に一体
的に結合され、また前記回転軸２２内には前記前記２軸
の他方１６がスプライン係合されている。ハウジング２
１には、その一端より有底円筒状の中空穴２６が形成さ
れ、この中空穴２６の底面に所定の隙間を存して前記ピ
ストン２４が摺動可能に収納され、このピストン２４は
ハウジング２１の内周に形成されたスプラインに保合し
て回り止めされている。

前記ハウジング２１の底壁とピストン２４の端壁との間
には、軸線方向幅を制限された円筒状の空間部４０が形
成され、この空間部４０にその幅寸法より僅かに小さな
肉厚の回転部材４１が摺接可能に収納されている。かか
る回転部材４１は第２図に示すように、中心部を前記回
転軸２２の外周に一方向の回転のみを許容する一方向回
転クラッチ５０を介して嵌合され、また直径方向に延び
る２枚のブレード４２を有している。これにより前記空
間部４０は、複数のブレード４２によって円周上複数の
圧力室４３に区画され、これら各圧力室４３にシリコン
オイル等の高粘度流動体４４が充填されている。しかし
て上記した円筒状空間部４０に収納された回転部材４１
および高粘度流動体４４により前記圧力発生部２３を構
成している。

かかる圧力発生部２３により、前記２軸１５゜１６が相
対回転して前記回転部材４１がハウジング２１内で相対
回転すると、圧力室４３に充填された高粘度流動体４４
がブレード４２により、対向する２面間を回転速度差に
応じた流速で強制移動される際に、ハウジング２１の底
面およびピストン２４の端面の両壁面との粘性摩擦によ
り圧力室４３内に回転部材４１の回転速度に比例した内
圧が発生する。すなわち、この内圧は、例えばブレード
４２がハウジング２１に対して矢印方向に相対回転する
場合（以下これを正トルク伝達時という）には、圧力室
４３にブレード４２の相対回転速度に比例した圧力が発
生する。

しかしながら、反対にブレード４２がハウジング２１に
対して反矢印方向に相対回転する場合（以下これを逆ト
ルク伝達時という）には、高粘度流動体４４の抵抗によ
ってブレード４２が一方向回転クラッチ５０部で回転軸
２２に対し相対回転され、その結果、高粘度流動体４４
はハウジング２１内で実質的に移動せず、圧力室４３内
には圧力が発生しない。

前記ハウジング２１の中空室２６の開口端にはエンドカ
バー２８が装着され、このエンドカバー２８と前記ピス
トン２４との間に密閉された潤滑油チャンバ２７が形成
され、この潤滑油チャンバ２７に潤滑油が封入されてい
る。潤滑油チャンバ２７内には多板クラッチからなるク
ラッチ手段２５を構成する複数のアウタプレート３７と
インナプレート３８が交互に配置されており、アウタプ
レート３７はハウジング２１の内周にスプライン係合さ
れ、インナプレート３８は回転軸２２の外周に取付けら
れたクラッチハブ３９にスプライン係合されている。

次に上記した構成における駆動力伝達装置の動作につい
て説明する。

２軸１５．１６の相対回転により、回転部材４１がハウ
ジング２１に対して例えば第２図の矢印方向に相対回転
する正トルク伝達時には、圧力室４３に充填された高粘
度流動体４４がブレード４２によって、対向する２面間
を相対回転速度差に応じた流速で強制移動され、高粘度
流動体４４の粘性摩擦作用により圧力室４３内に２軸１
５．１６の差動回転に比例した内圧が発生し、ピストン
２４が押圧される。

従って複数のアウタプレート３７とインナプレート３日
がピストン２４に作用する圧力に応じた押圧力で摩擦係
合され、クラッチ手段２５を介して２軸１５，１６間に
回転トルクが伝達される。

すなわち、差動回転に対する伝達トルクは第３図の実線
に示すようになる。

しかしながら、２軸１５，１６の相対回転により、回転
部材４１がハウジング２１に対して第２図の反矢印方向
に相対回転する逆トルク伝達時には、一方向回転クラッ
チ５０の作用により回転部材４１が回転軸２２に対して
相対回転され、圧力室４３内には圧力が発生せず、クラ
ッチ手段２５は係合されない。

上記した実施例においては、一方向回転クラッチ５０に
よって逆差動回転時には、トルクを伝達しない例である
が、逆トルク伝達時には正トルク伝達時に比して伝達ト
ルクを低くする例について以下説明する。

第４図において、ハウジング２１には２つのピストン２
４Ａ、２４Ｂが直列に収納され、これら両ピストン２４
Ａ、２４Ｂ問および他方のピストン２４Ｂとハウジング
底面２１Ａとの間にそれぞれ高粘度流動体を充填した互
いに容Ｍ（有効径）の異なる空間部４０Ａ、４０Ｂが形
成され、これら各空間部４０Ａ、４０Ｂに回転部材４１
Ａ、４１Ｂがそれぞれ摺接可能に収納されている。これ
ら回転部材４１Ａ、４１Ｂは互いに異なる方向の回転の
みを許容する一方向回転クラッチ５０Ａ。

５０Ｂを介して前記回転軸２２上に装着されている。な
お、図中６０は、前記他方のピストン２４Ｂをハウジン
グ２１に回り止めする回り止めビンである。

上記した構成により、正トルク伝達時には、−方の回転
部材４１Ａがハウジング２１に対して相対回転され、高
粘度流動体４４の粘性摩擦作用により空間部４０Ａに圧
力が発生され、ピストン２４Ａ、２４Ｂを介してクラッ
チ手段２５が係合され、２軸１５，１６の間でトルクが
伝達される。

一方、逆トルク伝達時には、他方の回転部材４１Ｂがハ
ウジング２１に対して相対回転され、高粘度流動体４４
の粘性摩擦作用により空間部４０Ｂに圧力が発生され、
ピストン２４Ｂおよび２４Ａを介してクラッチ手段２５
が係合される。しかしてこの場合、例えば空間部４０Ｂ
の容量を前記空間部４０Ａよりも小さく設定することに
より、正トルク伝達時と逆トルク伝達時とで高粘度流動
体４４の粘性摩擦作用に差異がもたらされ、逆トルク伝
達時においては伝達トルクが第３図の破線に示すように
変化される。

〈発明の効果〉 以上述べたように本発明は、回転部材と回転軸との間に
一方向の回転のみ伝達する一方向回転クラッチを介装し
た構成であるので、逆トルク伝達時には、高粘度流動体
の粘性抵抗により回転部材が一方向回転クラッチにより
回転軸上を相対回転し、空間部内に圧力が発生せず、ク
ラッチ手段が係合されない。これにより内部循環トルク
を吸収でき、走行過程での前後輪の回転位相差に伴う振
動およびこもり音を防止できるとともに、ＡＢＳ制御時
における外乱を低減することができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は駆動力伝
達装置の断面図、第２図は第１図のｎ−■線断面図、第
３図は差動回転に対する伝達トルク特性を示す線図、第
４図は本発明の他の実施例を示す要部断面図である。 ２１・・・ハウジング、２２・・・回転軸、２４・・・
ピストン、２５・・・クラッチ手段、４０・・・空間部
、４１・・・回転部材、４２・・・ブレード、５０・・
・一方向回転クラッチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）相対回転可能な２軸の間に配置され両軸の間で駆
   動力を伝達するクラッチ手段を備えた駆動力伝達装置に
   おいて、前記２軸の一方にハウジングを連結し、他方に
   このハウジングに回転可能に軸承された回転軸を連結し
   、前記ハウジング内に前記クラッチ手段を押圧するピス
   トンを収納し、このピストンの側方に空間部を設け、こ
   の空間部に高粘度流動体を封入し、また前記空間部に前
   記２軸の差動回転により高粘度流動体を移動させてその
   粘性摩擦により２軸の差動回転に応じた圧力を発生させ
   るブレードを備えた回転部材を収納し、この回転部材と
   前記回転軸との間に一方向の回転のみ伝達する一方向回
   転クラッチを介装してなる駆動力伝達装置。