JPH0219317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の車体後部構造に係り、特に
リヤフロア後部に物入れとなる凹部を設けた車体
後部構造に関する。

（従来技術） 従来の車体後部構造は、例えば実公昭56−1504
号公報に示されるように、リヤフロア後部にスペ
アタイヤの格納部としての凹部を設け、凹部の後
壁を略平坦な形状に車体後方へ延設し、此の後壁
とリヤスカートを当接し、更にリヤエンドパネル
と重畳結合したり、またこの公報に従来例として
開示されるように、リヤスカートとテールクロス
メンバーとで箱形断面を形成することにより車体
後部の剛性向上を図つたものである。また実開昭
56−75070号公報に示されるようにリヤパネルス
カート部のフロアパネル後端部との接合部に外方
に突出するビード部を形成し、フロアパネル後端
折曲げ部とビード部とによりフロアパネル下面両
側部に設けた左右のサイドフレーム端を連結する
箱形断面を形成して車体後部の剛性向上を図つた
ものである。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来の車体後部構造によると、自動車のフ
ロア後端の剛性向上が得られるものの、リヤフロ
ア後部下方に配設されるスペアタイヤ、燃料タン
ク或はマフラー等と、リヤスカートとの間の空間
を有効活用してリヤフロアに物入れとしての凹部
を設けた構造にあつては、リヤフロアがリヤスカ
ートに至まで平面状に構成することができず、車
体後部、特に前後方向の荷重に対する剛性が低下
する虞れがあり、また物入れとなる凹部にボード
などの蓋を設けるにはボードの受面を別個に設け
る必要がある。

従つて、本考案の目的は、リヤフロア後部に物
入れとなる凹部を設け、かつ凹部の後部側壁上部
がリヤスカート下部と重畳結合した車体後部構造
において、車体後部の剛性向上を図り、かつ凹部
の蓋となるボードの受面を別個に設ける必要のな
い自動車の車体後部構造を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成する本考案の自動車の車体後部
構造は、リヤフロアの後部に物入れとなる凹部を
有し、この凹部の後部側壁上部がリヤスカートの
下部と重畳結合した車体後部構造において、上記
凹部の後部側壁上部が内方へ突出する凸条部を有
し、かつリヤスカート下部が外方へ突出する凸条
部を有し、これら両凸条部の上下端を互いに重畳
結合して車体幅方向に延びる箱形断面を構成し、
かつ後部側壁上部に設けた前記凸条部が前記凹部
を被蓋するボードの受面となることを特徴とする
ものである。

（作用） 物入れとなる凹部の後部側壁上部に形成した凸
条部の上下両端と、リヤスカート下部に形成した
凸条部の上下両端を互いに重畳結合して車体幅方
向に延びる箱形断面を構成して車体後部の剛性向
上を図り、かつ凹部の後部側壁上部に形成した前
記凸条部が前記凹部を被蓋するボードの受面とし
ての機能を果たすようにした。

（実施例） 以下、本考案の自動車の車体後部構造の一実施
例を図面によつて説明する。

第１図は本考案の適用される部位を示す自動車
の後部斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿う
要部断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線に沿う要
部断面図である。

図中符号１は車体後部に形成されるトランクル
ームを開閉するトランクリツド、２はリヤスカー
ト、３はバンパである。

トランクリツド１によつて開閉されるトランク
ルームの底部となるリヤフロア５の下方には燃料
タンク或はマフラー等が配設され、これらが占め
る部位６とリヤスカート２との間に形成される空
間の有効利用を図るべく、リヤフロア５の一般部
より下方へ突出する物入れとなる凹部７が設けて
ある。

この凹部７の後部側壁の上部７′には内方へ突
出する断面略コ字形の凸条部が車体幅方向に沿つ
て形成してある。

一方前記凹部７の後部側壁上部７′と対向する
リヤスカート２の下部２′には外方へ突出する断
面略コ字形の凸条部が車体幅方向に沿つて形成さ
れている。

これら凹部７の後部側壁上部７′に形成された
凸条部とリヤスカート２の下部２′に形成した凸
条部の各々の上下両端は互いに重畳結合され、車
体幅方向に延びる箱形断面８を形成して車体後部
の剛性を確保している。

更に凹部７の後部側壁上部７′に形成した凸条
部の上面は第２図に示すようリヤフロア５と連続
する平坦面状にトランクルームの底部を形状し、
かつ凹部７を被蓋するボード９の後縁を載置する
受面の機能を果たすようになつている。

トランクルームの開口部周縁となるリヤスカー
ト２の上縁に沿つて補強部材４が設けられ、更に
第３図に示すようにリヤスカート２の車体幅方向
中央部内側には、上下方向に延びる補強部材１０
が重畳結合され、リヤスカートを補強するととも
に、その上端部にはトランクリツド１に設けられ
るトランクリツドロツク装置（図示せず）を受け
止め係止するストライカ１１が設けてある。なお
補強部材１０との当接を解除するためボード９の
後縁中央部は切欠かれている。

なお車体幅方向に延びる箱形断面８を形成する
リヤスカート２の下部２′に形成した凸条部はリ
ヤバンパ３により被装され、美観の向上を図つて
いる。

（効果） 本考案によれば、物入れとなる凹部の後部側壁
上部に形成した凸条部とリヤスカート下部に形成
した凸条部の上下両端を互いに重畳結合すること
により、車体幅方向に沿う箱形断面を形成し、リ
ヤフロア後部に凹部を形成した車体後部構造であ
つても新たに構成部品を追加することなく車体後
部の剛性が確保され、また凸条部が凹部を被蓋す
るボードの受面機能を有し、別個にボードの受部
を設ける必要がなくなり構成部品及び組付作業の
合理化が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動車の車体後部構造の適用
部位を示す自動車の後部斜視図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線に沿う要部断面図、第３図は第１図の
Ｂ−Ｂ線に沿う要部断面図である。 ２……リヤスカート、２′……下部、５……リ
ヤフロア、７……凹部、７′……後部側壁上部、
８……箱形断面、９……ボード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤフロアの後部に物入れとなる凹部を有し、
   この凹部の後部側壁上部がリヤスカートの下部と
   重畳結合した車体後部構造において、上記凹部の
   後部側壁上部が内方へ突出する凸条部を有し、か
   つリヤスカート下部が外方へ突出する凸条部を有
   し、これら両凸条部の上下端を互いに重畳結合し
   て車体幅方向に延びる箱形断面を構成し、かつ後
   部側壁上部に設けた前記凸条部が前記凹部を被蓋
   するボードの受面となることを特徴とする自動車
   の車体後部構造。