JPH0217738B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、使用時にブレーキシユーライニング
の摩耗に応答して、所定のシユー・ドラム間最大
〓間を維持するように構成され且つ作動する自動
的長さ可変装置を有する自動アジヤスタを備えた
主として自動車用の内側シユードラムブレーキに
関する。

英国特許第1405094号明細書には、一対の弧状
ブレーキシユーが支持板上に設けられ、隣接する
シユー端部の間に設けられた作動装置によりブレ
ーキドラムにブレーキを付与するように構成さ
れ、且つ自動的長さ可変装置がシユーの作動端付
近でシユーの間に延長するストラツトの形態であ
るシユードラムブレーキが記載されている。スト
ラツトの第１部分はストラツトの第２部分上に枢
動自在に設けられたベルクランクレバーの形態で
あり、該ベルクランクレバーの一つの腕はストラ
ツトの第２部分に固定された歯状部材と協働し、
他の腕は隣接するシユーと協働している。アジヤ
スタは両方のシユーが所定の値以上に互に分離す
ると該一つの腕が歯状部材から脱れ、ベルクラン
クレバーが角運動して該一つの腕がブレーキの解
放時、歯状部材と新しい位置で再係合できるよう
になつており、それによつてストラツトの有効長
さを増大して、シユーの調節された休止位置を設
定する。

パーキングのため、ストラツトのベルクランク
レバーの反対側の端部に枢動自在に設けられ且つ
ブレーキ力をストラツトを介して、ベルクランク
レバーが協働するシユーに付与するように構成さ
れた作動レバーにより、別のブレーキ作動が上記
のブレーキに備えられる。この構造は車に使用す
るように構成されたブレーキに非常に満足すべき
事がわかつているが、ストラツトを介してパーキ
ング又はハンドブレーキ力を伝達すると、アジヤ
スタを高負圧のブレーキに使用した時、ベルクラ
ンクレバーに許容できないひずみを生じる可能性
があり、信頼性が低い。

ベルクランクレバーを用いなければ、高負圧の
問題は解決できるが、横力がアジヤスタの作動中
シユーに掛り、シユーが支持板に引掛る等の他の
好ましくない結果を伴なう問題が生ずる。

本発明の目的は英国特許第1405094号明細書に
記載されたものと原理及び作動に於て同様である
が、高負荷のハンドブレーキ負荷に耐えるように
改良された自動アジヤスタを含むシユードラムブ
レーキを提供する事である。

本発明の内側シユードラムブレーキは、支持板
に設けられた一対のブレーキシユーと、該ブレー
キシユーの一対の隣接する端部の間で作動し、該
ブレーキシユーを周囲ドラムブレーキとブレーキ
係合するように押圧する作動装置と、前記一対の
ブレーキシユーの間に延在する二部分ストラツト
を含み、該ストラツト部分の一つは他方のストラ
ツト部分に枢動自在に設けられ、該他方のストラ
ツト部分に一体的に設けられた歯と協働するアジ
ヤスタ部材を成し、該アジヤスタ部材はストラツ
トの平面から突出してブレーキシユーの一つに直
接的又は間接的に協働する突起を有しており、ブ
レーキ作動の際前記ブレーキシユーが相互に過度
に分離したとき、前記アジヤスタ部材が前記歯か
ら分離し、かつ、角運動し、ブレーキが解除され
た時、該アジヤスタ部材が新しい位置で前記歯と
係合することにより、前記ストラツトの有効長さ
を増大するように構成され、前記突起と協働し、
前記アジヤスタ部材が前記ブレーキシユーの運動
方向のほぼ横方向に運動すのを抑制するように作
用する抑制装置が設けられている。

次に本発明の実施例を添付の図面を参照して、
説明する。

第１図を参照して、図示のドラムブレーキはブ
レーキドラム（図示せず）内に配置した一対のブ
レーキシユー１，２を含み、該ブレーキシユーは
支承部３と当接する一対の隣接端と、液圧アクチ
ユエータ４と協働する他方の対の隣接端を有し、
液圧アクチユエータ４の作動によりシユー戻りば
ね５と６の作用に抗して、シユー１と２をドラム
に当接するように押圧する。シユーを作動する別
の装置として、シユー２のウエブに８で枢支した
機械的作動レバー７が設けられ、レバー７は、ア
クチユエータ４に隣接する位置でブレーキを横断
してシユー１と係合するストラツト９に係合し、
従つて枢支点８周囲のレバー７の時計方向運動に
より先ずシユー１をドラムに対して押圧し、その
後、レバー７がストラツトの右端のまわりに枢動
し、それに対する反作用によりシユー２をドラム
に対して押圧する。

ストラツト９は自動アジヤスタを構成し、第３
図から明らかな如く、二つの部分からなる組立体
となつている。一つの部分は細長状プレート１０
となし、それにプレート１０から若干突出して部
分的に重なるプレート１１が溶接により固定され
ている。ストラツト組立体の他方の部分はアジヤ
スタ部材１２であり、該部材１２に固定したピン
１３によりプレート１１上に枢支され、該ピン１
はプレート１１に形成されたスロツト（図示せ
ず）に嵌入している。この方法により部材１２は
プレート１０と１１の組立体に対し、枢動自在に
装架されるとともに、ピン１３を収容するスロツ
トの長さの範囲内で縦方向に移動する事ができ
る。

プレート１０と部材１２のそれぞれの対向縁１
０Ａと１２Ａは刻歯され、これらの対向縁は、一
端が部材１２のピン１３に係止され他端がプレー
ト１０の部材１２の反対側の端部に係止されてス
トラツトに沿つて延在するばね１４により平常か
み合つているように押圧されている。部材１２の
刻歯された縁１２Ａはピン１３を中心とする円上
に位置している。

部材１２にはシユー１のウエブの起立部分１６
に隣接して位置した突起１５が固定されている。
ブレーキの非作動状態では、図示の如く、突起１
５とシユーウエブの部分１６との間に〓間Ｅがあ
り、この〓間はブレーキのシユーとドラムとの間
の所望の最大〓間に対応する。突起１５はブレー
キの調節中シユー１のウエブと協働するのが好都
合であるが、後で説明するように、突起１５の位
置は枢支点１３からずれているので、調節中スト
ラツト９の横方向に作用する分力を有する力を生
じ、それによつて部材１２の横方向運動を生じ、
その結果支持板１Ａに対しストラツト９の引掛り
を生じ、アジヤスタの不安定及び不正確を生ずる
可能性がある。このような部材１２の横方向運動
を防止するため、Ｕ型クリツプの形態の抑制手段
１７が設けられ、その間隔をおいたほぼ平行な腕
１８と１９がシユー１のウエブを挾み、突起１５
を閉じ込める溝を効果的に形成し、突起１５はア
ジヤスタ部材１２の作動中の該溝に沿つて移動す
る。これによつて上記の好ましくないアジヤスタ
部材１２の横方向運動が防止される。クリツプ１
７は好ましくはばね鋼から作られ、シユーのウエ
ブの部分１６の両側にウエブ上のクリツプの把握
効果を増加する屈曲部１７Ａ及び１７Ｂが形成さ
れ、クリツプはその弾性によりシユーのウエブへ
装着が維持される。クリツプ１７の腕の一つ１９
は同じ目的のためその自由端付近１７Ｃで弯曲し
ている。

ストラツト９は、該ストラツトとシユー２のウ
エブとの間に作用するばね２０によりレバー７と
固く係合する。ブレーキシユー１と２はアクチユ
エータ４の作用により外方へ運動しドラムとブレ
ーキ係合するように押圧され、ライニンクの摩耗
していない状態では、このブレーキシユーの運動
は、突起１５とシユーのウエブの部分１６との間
の〓間Ｅを閉じるのに丁度十分であり、アジヤス
タは作動するに到らない。シユーのラインニング
の摩耗が生ずると、ブレーキの作動の際シユーの
外側への運動が〓間の幅Ｅを越え、シユーのウエ
ブの部分１６の縁が突起１５と係合し、アジヤス
タ部材１２を半径方向外側に押圧し、その刻歯状
縁１２Ａをプレート１０の刻歯縁１０Ａから解放
する。

部材１２のこの運動はばね２０より弱いばね１
４の作用に抗してなされる。部材１２はプレート
１０から一旦解放されると、シユー１の外側への
運動により過度のシユー運動に対応する角度だけ
角運動させられ、ブレーキが解放されると、部材
１２は新しい位置でプレート１０に再結合し、部
材１２及びプレート１０上の刻歯縁１２Ａ及び１
０Ａの再かみ合いによりその位置に保持される。
シユー１のウエブとの係合領域に於ける部材１２
の縁１２Ａの弯曲は、第３図に示すように、部材
１２の反時計方向調節角運動により部分１２の半
径方向の大きさが増大する部分をシユー１のウエ
ブと係合して、ストラツトの有効長さがそれによ
つて増大し、アクチユエータ４の作動解除の際、
ドラム面により近い新しい調節位置に両シユーを
保持する。

本発明のアジヤスタは英国特許第1405094号明
細書に記載されたアジヤスタの組立の簡単さと作
動の確実性の全ての利点を有すると共に、機械的
アクチユエータを使用する時、機械的アクチユエ
ータにより加えられた力の作用線が直線状又はそ
れに近く、ストラツトの材料を完全に通過して、
前記英国特許の構造のようにベルクランクレバー
の腕を介して加えられないので、該英国特許のア
ジヤスタよりも高荷重の作動に適切である事がわ
かる。ここに記載した実施例のストラツトは上記
英国特許明細書の第６図に示したものと同様の単
体クランク板によつておきかえる事もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のアジヤスタの一形式を含むシ
ユードラムブレーキの正面図で、アジヤスタの部
分を図式的に示し、第２図は第１図のブレーキの
横断面図、第３図は第１図のブレーキの第２図に
対し直角な断面の横断面図である。 １，２：ブレーキシユー、４：アクチユエー
タ、９：ストラツト、１０，１１：プレート、１
２：アジヤスタ部材、１５：突起、１６：シユー
のウエブ起立部分、１７：抑制手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持板に設けられた一対のブレーキシユー
   と、該ブレーキシユーの一対の隣接する端部の間
   で作動し、該ブレーキシユーを周囲ブレーキドラ
   ムとブレーキ係合するように押圧する作動装置
   と、前記一対のブレーキシユーの間に延在する二
   部分ストラツトを含み、該ストラツト部分の一つ
   は他方のストラツト部分に枢動自在に設けられ該
   他方のストラツト部分に一体的に設けられた歯と
   協動するアジヤスタ部材を成し、該アジヤスタ部
   材はストラツトの平面から突出してブレーキシユ
   ーの一つに直接的又は間接的に協働する突起を有
   しており、ブレーキの作動の際前記両ブレーキシ
   ユーが相互に過度に分離したとき、前記アジヤス
   タ部材が前記歯から分離し、かつ、角運動しブレ
   ーキが解除された時、該アジヤスタ部材が新しい
   位置で前記歯と係合することにより前記ストラツ
   トの有効長さを増大するように構成され、前記突
   起と協働し、前記アジヤスタ部材が前記ブレーキ
   シユーの運動方向のほぼ横方向に運動するのを抑
   制するように作用する抑制装置が設けられている
   内側シユードラムブレーキ。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のドラムブレーキ
   に於て、前記突起は過度のブレーキシユー運動の
   際前記一つのブレーキシユーの隣接したウエブと
   直接係合し、前記該抑制装置は前記突起を囲み、
   使用時該一つのブレーキシユーのウエブと協働し
   て前記アジヤスタ部材の運動を抑制する一対の腕
   を有するドラムブレーキ。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項記載のドラ
   ムブレーキに於て、前記突起は隣接するブレーキ
   シユーのウエブの凹所内に位置し、該ウエブの起
   立部分に隣接して突出しており且つ該ウエブの起
   立部分からブレーキのシユーとドラムの最大〓間
   に対応する量だけ間隔をおき、該最大〓間を越え
   た時、該隣接するウエブが前記突起を介して前記
   アジヤスタ部材を角運動させるドラムブレーキ。 ４ 特許請求の範囲第２項又は第３項記載のドラ
   ムブレーキに於て、前記抑制手段は前記ウエブと
   弾性的に変形可能な状態に係合して、前記腕によ
   り前記ウエブを把持するようにしたドラムブレー
   キ。 ５ 特許請求の範囲第１項から第４項までのいず
   れか１項記載のドラムブレーキに於て、機械的作
   動レバーが前記ストラツトの前記アジヤスタ部材
   の反対側の端部と係合し、該機械的アクチユエー
   タの前記ストラツトとの係合位置と前記突起の前
   記一つのシユーとの協働位置とが前記ストラツト
   を通る直線上又はほぼ該直線上に位置しているド
   ラムブレーキ。 ６ 特許請求の範囲第１項から第５項までのいず
   れか１項記載のドラムブレーキに於て、前記両ス
   トラツト部分の対向縁面が前記アジヤスタの非作
   動状態に於いて弾性装置の作用下でかみ合う歯を
   有して該両ストラツト部分間の相互の角運動を阻
   止するようにしたドラムブレーキ。