JPH0212286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、デイーゼル機関のアイドル時におい
ても振動及び騒音の低減がはかれるデイーゼル機
関の吸気絞り装置に関するものである。

デイーゼル機関は、そのアイドル時にガソリン
機関に比較してその振動及び騒音が大であるとい
う問題がある。

これは、シリンダ内の圧力上昇率が大きいこと
が原因の一つであり、吸気管からインテークマニ
ホールドに流入する吸気量を絞ることによつて、
シリンダ内の圧力上昇を緩和することがその振動
及び騒音の低減に有効であることが知られてい
る。

一方、デイーゼル機関のアイドル時には出力が
あまり要らないので吸気を多少絞つても良いが、
機関の中・高速負荷運転時には必要な空燃比を与
えるために充分な吸気をシリンダ内に送らなけれ
ばならない。

また、排気ガス還流弁を備えた空気供給装置の
制御弁を迂回するバイパス通路を、機関の低温時
に開く弁を設けたものとして特開昭54−142416号
公報があるが、この公報のものは、低温時に余分
の空気を供給し相対的に排気ガス還流量を減少さ
せるもので、上記問題を解消できなかつた。

また、吸気絞り弁下流の負圧を、バイパス路に
設けたバイパス弁で一定に制御するものとして実
開昭55−35373号公報があり、水温による制御と
絞り弁下流の負圧を一定にする制御とを組み合せ
るものとして実開昭55−165933号公報があるが、
これらの公報の構造では、上記問題を解消できな
かつた。

そこで本考案は、上記の点に着目してなされた
ものであり、デイーゼル機関のアイドル時には吸
気絞り弁を閉じて必要最少限の吸気のみをシリン
ダ内に送ることにより、機関の振動及び騒音の低
減をはかり、一方、機関の燃焼の安定する暖機完
了後の中・高速負荷時には、アクセル装置と連動
して絞り弁を開き、かつ必要に応じてバイパス弁
を開閉し充分な吸気を送りうる吸気絞り装置を提
供することを目的としたものである。

即ち本考案の吸気絞り装置は、デイーゼル機関
の吸気管に、アクセル装置に連動して開閉する吸
気絞り弁を設けると共に、その吸気絞り弁をバイ
パス可能とするバイパス弁付のバイパス路を設
け、上記バイパス弁を、吸気絞り弁が閉じた所定
温度以下のアイドリング時にはバキユームポンプ
とダイヤフラム室が導通してバイパス弁が全開と
なり、安定した燃焼のための空気が供給される
が、所定温度以上のアイドリング時には吸気絞り
弁下流の負圧が一定圧となるようバイパス弁が開
閉し、低負荷時においては吸気絞り弁の開度に連
動して吸気絞り弁下流の負圧が一定となるようバ
イパス弁が開閉する制御装置に、連繋してなるも
のである。

以下図面を参照して本考案の詳細を説明する
が、第１図は本考案の実施例１におけるデイーゼ
ル機関の吸気管１３に設けられた吸気絞り弁装置
を示しており、吸気管１３の矢印Ａで示すエアク
リーナ側と、矢印Ｂで示すインテークマニホール
ドとの間には、このデイーゼル機関のアクセル装
置であるアクセルペタル１５によりワイヤー８を
介して接続され、かつ、アクセルペタル１５に連
動して開閉する吸気絞り弁９が設けられている。

次に、この吸気管１３には、上記吸気絞り弁９
をバイパス可能なバイパス弁４付のバイパス路１
２を吸気管１３の側壁に沿つて設けると共に、そ
のバイパス弁４を、このデイーゼル機関の循環流
体、例えば本実施例１のごとく冷却水Ｗの温度に
対応して制御可能とする制御装置１４を設けてい
る。

この制御装置１４は、冷却水Ｗの温度に対応し
て上下に移動する水温感知弁７と、バイパス弁４
の開閉をコントロールするダイヤフラム１１及び
弁ばね１０から構成される弁開閉装置６、更にバ
キユームポンプ２等からなつている。

この弁開閉装置６のダイヤフラムポート１とバ
キユームポンプ２との間は、上記水温感知弁７を
介して開閉可能に連通され、また、上記ダイヤフ
ラムポート１と吸気管１３のインテークマニホー
ルドＢ側に開口したバキユームポート３との間
も、水温感知弁７を介して開閉可能に連通されて
いる。

そこで、上記の構成からなる本考案の吸気絞り
装置を有するデイーゼル機関を、冷却水温60℃以
下のごとき冷寒時に始動させると、水温感知弁７
が図中の下方に下つた状態になるので、ダイヤフ
ラムポート１とバキユームポンプ２とが連動し
て、ダイヤフラム１１が図中の右方向に移動し
て、バイパス弁４がリフトして開き、バイパス路
１２経由燃焼に必要な吸気は充分供給される。

また、デイーゼル機関のアイドリング時等にお
いて、吸気絞り弁９が閉じた状態であつても、冷
却水Ｗの温度が低ければ、バイパス弁４が開き必
要な吸気はシリンダ内に送られる。

更に、機関の燃焼が安定し、冷却水Ｗの水温が
60℃以上になると水温感知弁７は第１図に示すご
とき状態にリフトし、ダイヤフラムポート１はバ
キユームポート３と連通して、バキユームポート
３が一定圧になるように、バイパス弁４を通過す
る空気量がコントロールされる。

そこで、アクセルペタル１５を踏み込めば、吸
気絞り弁９は開かれる。

なお、上記弁開閉装置６は上記の実施例１にお
ける構成に限定されるものではなく、このデイー
ゼル機関の循環流体、例えば上記冷却水Ｗ、また
は潤滑油等の温度に対応してバイパス弁４を制御
しうるものであればどのような構成のものを使用
しても良い。

また、吸気管１３に設けられる吸気絞り弁９の
形式についても、上記実施例１に拘束されるもの
ではなく、第２図の実施例２における、吸気管１
３内を仕切板５で区分し、その一方に吸気絞り弁
９を設けた２バレルタイプのものに対しても、仕
切板５の他方をバイパス路となし、このバイパス
路の途中にバイパス弁を設け、このバイパス弁
を、前例に示したの弁開閉装置６および制御装置
１４で開閉するようにすることで、本考案の吸気
絞り装置を適用可能である。

従つて、本考案の吸気絞り装置を適用したデイ
ーゼル機関においては、機関のアイドリング時に
おいても吸気量を絞るので機関の振動及び騒音の
低減をはかることができ、また、機関の燃焼の安
定する暖機完了後の中・高速負荷時にはアクセル
装置と連動して吸気絞り弁を開き、従来通り充分
な吸気を送ることができる。

なお、本考案は主として吸気絞り弁を設けたデ
イーゼル機関に対して有効に適用することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例１におけるデイーゼル
機関の吸気絞り装置の要部概略縦断面図、第２図
は本考案の実施例２における吸気絞り装置を適用
可能な吸気絞り弁を示す要部概略縦断面図であ
る。 ４……バイパス弁、６……弁開閉装置、７……
水温感知弁、８……ワイヤ、９……吸気絞り弁、
１２……バイパス路、１３……吸気管、１４……
制御装置、１５……アクセルペタル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイーゼル機関の吸気管に、アクセル装置に連
   動して開閉する吸気絞り弁を設けると共に、吸気
   絞り弁をバイパス可能とするバイパス弁付のバイ
   パス路を設け、上記バイパス弁を、吸気絞り弁が
   閉じた所定温度以下のアイドリング時にはバイパ
   ス弁のみが開き、所定温度以上の中・高負荷時に
   は吸気絞り弁の開度に連動して吸気絞り弁下流の
   負圧が一定圧となるようにバイパス弁が開閉する
   制御装置に連繋してなるデイーゼル機関の吸気絞
   り装置。