JPH02120507A - エンジンのクランク軸支持構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、エンジンのクランク軸の支持構造、特にシリ
ンダブロックの気筒間の隔壁部に締結されて主軸受の一
部をなすベアリングキャップの改良に関する。

（従来の技術） 一般に、エンジンのクランク軸を支持する主軸受は、シ
リンダブロックの気筒間に設けられたバルクヘッドと称
する隔壁部と、該バルクヘッドに固着されるベアリング
キャップとにそれぞれ設けられた半円状の軸受孔を合わ
せることにより構成される。

この場合において、主としてシリンダブロックの制振性
能を高めるために種々の対策が講じられることがある。

例えば実開昭５７−７３３４４号公報には、シリンダブ
ロックの下端面間に架設された補強板を、ベアリングキ
ャップを該シリンダブロックにおけるバルクヘッドへ締
結する１対のキャップ締付用ボルトの間で該ベアリング
キャップへボルト締めする構成が開示されている。これ
によれば、側方へ開いたシリンダブロックの下部が補強
板を介して連結されていることにより、シリンダブロッ
クの剛性が高まって制振性能が良好となる。

また、同様な目的で隣接するベアリングキャップ間に跨
って補強用のキャップビームを架設することも考えられ
るが、その場合に上記ベアリングキャップをバルクヘッ
ドツクへ締結する１対のギャップ締付用ボルトの間で該
ベアリングキャップへキャップビームがボルト締めされ
る場合がある。これによれば、ベアリングキャップがキ
ャップビームを介して互いに連結されることにより主軸
受の剛性が高まるため、シリンダブロックの剛性が副次
的に高まって制振性能が向上することになる。

そして、更に別の従来技術としては、第３図に示されて
いるように、シリンダブロック１の下部に該シリンダブ
ロック１の下端開口部を塞ぐように剛性の大きなロアブ
ロック２を固着する一方、ベアリングキャップ３をバル
クヘッド４に締結する１対のキャップ締結用ボルト５．
５の間で該ベアリングキャップ３に上記ロアブロック２
をポル１−６．６を用いて締め付けることがある。なお
、この場合においてもクランク軸の主軸受７は、上記バ
ルクヘッド４の下端部に設けられた半円状の軸受孔４ａ
と、該バルクヘッド４の下端部に固着されたベアリング
キャップ３における半円状の軸受孔３ｂとを合わせて形
成されている。これによれば、シリンダブロック１の側
方への開きに対する剛性が確保されるとともに、ベアリ
ングキャップ３．３間の相対変位も規制されることから
、制振性能が大幅に向上することになる。

（発明が解決しようとする課題） ところで、一般に、上記のような各種の補強部材をキャ
ップ締結用ボルトの間でベアリングキャップにボルトを
介して締め付ける場合には、該ボルトが挿通するボルト
孔のためのボス部をベアリングキャップに設けたり、上
記キャップ締結用ボルトの頭部と補強部材とが干渉しな
いようにスペースを設けるのが通例である。このなめ、
ベアリングキャップにおける補強部材に対する衝合面と
キャップ締結用ボルトの座面との間に段差が生じること
になる。このようにベアリングキャップにおける補強部
材に対する衝合面とキャップ締結用ボルトの座面との間
に段差がある場合には次のような問題が発生する。

その問題点を第３図の従来例を例にとって説明する。す
なわち、ベアリングキャップ３におけるロアブロック２
に対する衝合面３ａ、３ａとキャップ締結用ボルト５．
５の座面３ｂ、３ｂとの間には上記したように段差があ
るため、ロアブロック２を貫通させてベアリングキャッ
プ３へ差し込んだボルト６．６を締め付けることにより
、該ベアリングキャップ３が静的な引張荷重を受けて図
の２点鎖線で示すようにベアリングキャップ３における
軸受孔３ｂ周囲のジャーナル面７ａが変形して主軸受７
の真円度が損なわれるとともに、図の矢印（ア）（ア）
で示す部分に応力集中が発生して破壊されることがある
。

更に、クランク軸を介して作用する爆発荷重によっても
ベアリングキャップ３におけるジャーナル面７ａが同じ
く２点鎖線のように変形し、これによっても主軸受７の
真円度が損なわれることになる。

本発明は、ベアリングキャップと、シリンダブロック及
び隣接するベアリングキャップの少なくとも一方とを連
結する補強部材を、上記ベアリングキャップをシリンダ
ブロックへ締結するキャップ締結用ボルトの間で該ベア
リングキャップへ締結するようにしたエンジンのクラン
ク軸支持構造における上記の問題に対処するもので、補
強部材を締め付けることによる応力集中が防止され、か
つ、その締結による静的荷重及び爆発力による動的荷重
によるジャーナル変形が共に抑制されうるエンジンのク
ランク軸支持構造を実現することを課題とする。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、本発明はベアリングキャッ
プと、シリンダブロック及び隣接するベアリングキャッ
プの少なくとも一方とを連結する補強部材を、上記ベア
リングキャップをシリンダブロックへ締結するキャップ
締結用ポル１〜の間で該ベアリングキャップへ締結する
ようにしたエンジンのクランク軸支持構造において次の
ような構成としたことを特徴とする。すなわち、上記ベ
アリングキャップにおける補強部材に対する締結衝合面
とキャップ締結用ボルトの座面とを面一とするとともに
、該ベアリングキャップにおける補強部材締結用ボルト
孔とジャーナル面との間の剛性を、該ジャーナル面まわ
りの他の部位よりも低く設定している。

（作　　　用） 」−記の構成によれば、ベアリングキャップにおける補
強部材に対する締結用衝合面と、該ベアリングキャップ
をシリンダブロックへ締結するキャップ締結用ボルトの
座面とが同一平面上にあるから、補強部材をベアリング
キャップへ固定する補強部材締結用ボルトを強く締め付
けても該ベアリングキャップが応力集中によって破壊さ
れることがない。また、ベアリングキャップにおける補
強部材締結用ボルトのボルト化と上記軸受孔の周囲のジ
ャーナル面との間の剛性が該ジャーナル面まわりの他の
部位よりも低いことから、該補強部材締結用ボルトの締
結力による静的荷重が緩和され、これによりジャーナル
面まわりの荷重の作用状態がほぼ等しくなって該ジャー
ナル面の真円度が保たれる。更に、ジャーナル面まわり
の荷重の作用状態がほぼ等しいことにより、爆発力によ
る動的荷重に対しても該ジャーナル面まわりが均等に変
形し、これによりジャーナル面の真円性が損なわれるこ
とがない。

（実　施　例） 以下、本発明の実施例について説明する。

第１図に示すように、エンジンにおけるクランク軸の主
軸受１１は、シリンダブロック１２の各気筒間における
バルクヘッド１３の下端部に設けられた半円状の軸受孔
１３ａと、該バルクヘッド１３の下端部にキャップ締結
用ボルト１４を用いて固着されたベアリングキャップ１
５における同じく半円状の軸受孔１５ａとを合わせるこ
とにより形成されている。この場合において、」二記ベ
アリングキャップ１５の下端面１５ｂが面一に形成され
ており、その両端部がキャップ締結用ボルト１４．１４
の座面とされている。

一方、上記シリンダブロック１２の両側方へ開いた左右
外壁１２ａ、１２ｂの下端面間には本実施例における補
強部材としてのロアブロック１６が配置されて、該ロア
ブロック１６が下方に配置されたオイルパン１７をシリ
ンダブロック１２へ固定するボルト１８．１８により、
該オイルパン１７と共にシリンダブロック１２の上記左
右側壁１２ａ、１２ｂに共締めされている。

このロアブロック１６は、第２図にも示すように、中央
部分が広範囲に窪んだ有底容器状とされており、その底
壁面１６ａの幅方向の中央には、上記ベアリングキャッ
プ１５の下端面１５ｂに開口する左右１対のキャップ締
結用ボルト孔１９１９の間に位置するように２個のボル
トボス２０．２０が突設されている。各ボルトボス２０
の上面はベアリングキャップ１５の下端面１５ｂの中間
部分に当接している。言い換えれば、該下端面１５ｂの
当該部位がロアブロック締結面を構成する。そして、各
ボルトボス２０に形成されたボルト孔２１へ下方から差
し込まれたロアブロック締結用ボルト２２がロアブロッ
ク１６を貫通してベアリングキャップ１５のボルト孔２
３へ螺合されている。

この場合において、ベアリングキャップ１５には上記各
ボルト孔２３．２３と軸受孔１５ａに沿ったジャーナル
面１１ａとの間に穴２４．２７１が形成されている。

なお、上記ロアブロック１６におけるボルトボス２０．
２０と左右壁部１６ａ、１６ｂとは底壁面１６ａに突設
されたリブ２５・・・２５を介してそれぞれ連結されて
いる。また、底壁面１６ａには下方のオイルパン１７へ
通じる通油穴２６・・・２６が設けられている。

以下、本実施例の作用を説明する。

すなわち、ロアブロック１６を貫通してベアリングキャ
ップ１５へ螺合させたロアブロック締結用ボルト２２．
２２を強く締め付けたとしても、該ベアリングキャップ
１５におけるロアブロック１６に対接する下端面１５ｂ
が面一となっていることから応力集中が発生することが
ない、しかも、ベアリングキャップ１５に設けた上記の
穴２４．２４により、該ベアリングキャップ１５におけ
る軸受孔１５ａに沿ったジャーナル面１１ａ上記ボルト
孔２３．２３との間が局部的に剛性が弱くなっているこ
とから、上記ロアブロック締結用ボルト２３．２３の締
付けによる静的荷重の作用状態がほぼ等しくなって該ジ
ャーナル面１１．　ａの真円度が保たれる。更に、ジャ
ーナル面１１ａまわりの荷重の作用状態がほぼ等しいこ
とにより、爆発力による動的荷重に対してし該ジャーナ
ル面１１ａまわりが均等に変形することになる。

なお、隣接するベアリングキャップ間をビーム部材で連
結する場合においても該ベアリングキャップに本実施例
と同様な改良を施すことにより同様な効果が得られるこ
とになる。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、シリンダプロッタと一体
となってクランク軸の主軸受を構成するベアリングキャ
ップにおける補強部材に対する締結面とキャップ締結用
ボルトの座面とが同一平面上に設けられていることから
、補強部材を強く締め付けても応力集中によってベアリ
ングキャップが破壊されることがないという効果が得ら
れる。

しかも、上記ベアリングキャップにおける補強部材締結
用ボルト孔とジャーナル面との間が該ジャーナル面まわ
りの剛性が低くなっていることから、補強部材の締結に
よる静的荷重及び爆発力による動的荷重に対してもジャ
ーナル面における荷重の作用状態が略均等になって、ジ
ャーナル面の異常変形が防止されるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の実施例を示すもので、第１
図は実施例に係るクランク軸の支持構造を示す一部切欠
断面図、第２図は第１図の■−■線によるロアブロック
の平面図である。第３図は従来例を示すクランク軸の支
持構造の断面図である。 １１ａ・・・ジャーナル面、１２・・・シリンダブロッ
ク、１４・・・キャップ締結用ボルト、１５・・・ベア
リングキャップ、１５ａ・・・締結衝合面。 座面（ベアリングキャップの下端面）、１６・・・補強
部材（ロアブロック）、２３・・・補強部材締結用ポル
ｌ−孔（ボルト孔）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ベアリングキャップと、シリンダブロック及び隣
   接するベアリングキャップの少なくとも一方とを連結す
   る補強部材を、上記ベアリングキャップをシリンダブロ
   ックへ締結するキャップ締結用ボルトの間で該ベアリン
   グキャップへ締結するようにしたエンジンのクランク軸
   支持構造であって、上記ベアリングキャップにおける補
   強部材に対する締結衝合面とキャップ締結用ボルトの座
   面とが面一とされているとともに、該ベアリングキャッ
   プにおける補強部材締結用ボルト孔とジャーナル面との
   間が、該ジャーナル面まわりの他の部位より剛性が低く
   設定されていることを特徴とするエンジンのクランク軸
   支持構造。