JPH0210169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は方形屋根式建築物の外枠材の端部を接
合する簡易建築物の外枠材接合金具に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、物置、ガレージ、バンガロー、ヒユツテ
等で方形屋根式（あづま屋式）の簡易建築物は、
土台、柱、梁、隅木などの外枠材が、本材の場合
は接合部をカスガイ又は釘着により直接固定する
か、接合部双方に対応する透孔をあけ、ボルト締
めなどにより固着しており、外枠材が軽量鉄骨等
の場合は、熔着又はボルト締めにより接合してい
る。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、前記の外枠材接合方法では、殆んどが
現場合せ作業であるため、作業に多大の労力と時
間を要する上、接合部にバラツキがあり、仕上り
が不体裁であると共に、素人では作業がむづかし
く、又移転等のため解体して後、その材料をその
まゝ用いて再建することは極めて困難である等の
問題点があつた。

（問題点を解決する手段） 本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、土台、柱の端部を接合する外枠
材下部接合金具と、柱、梁、隅木の端部を接合す
る外枠材中間部接合金具及び隅木の端部を接合す
る外枠材上部接合金具の組合せより成る方形屋根
式簡易建築物の外枠材接合金具で、従来の問題点
を解決することを目的としたものである。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて詳細に
説明すると、第１図、第２図は外枠材下部接合金
具Ａを示すもので、両側縁１，１間が使用する外
枠材の横巾に相当する巾ｔを有する略長方形状を
なす垂直方向の外壁板部２の下端縁３より下方を
内側方向に直角LRに折曲げて、両側縁４，４の
仮想延長線が直角をなす如く内側方向に扇形状に
拡開する底壁板部５とし、底壁板部５の両側縁
４，４より外方を上方に向け垂直に折曲げて側壁
板部６，６を形成し、該側壁板部６，６の内側縁
と、対応する外壁板部２の両側縁１，１を接合す
ると共に、外壁板部２に柱取付用ボルト挿通孔
７、底壁板部５にアンカーボルト挿通孔８及び側
壁板部６，６に土台取付用ボルト挿通孔９，９を
設ける如く、全体を適厚の鋼板等のプレス加工等
により一体成形して外枠材下部接合金具Ａを構成
する。

第３図、第４図は、外枠材中間部接合金具Ｂを
示すもので、両側縁１０，１０間が、使用する外
枠材の横巾に相当する巾ｔを有する略長方形状を
なす垂直方向の外壁板部１１をなし、その上端縁
１２より上方を、内側方向に調角度Lα折曲げて
略長方形状の上向傾斜上壁板部１３とし、外壁板
部１１の両側縁１０，１０より外方を内側方向に
向け直角LRに拡開する如く平板状の側壁板部１
４，１４を形成し、上向傾斜上壁板部１３の両側
縁１０ａ，１０ａと、側壁板部１４，１４の上端
縁１５，１５を夫々連結壁板部１６，１６により
連接すると共に、外壁板部１１に柱取付用ボルト
挿通孔１７、上向傾斜上壁板部１３に隅木取付用
ボルト挿通孔１８及び側壁板部１４，１４に梁取
付用ボルト挿通孔１９，１９を設ける如く、適厚
の鋼板等のプレス加工等により全体を一体成形し
て外枠材中間部接合金具Ｂを構成する。

第５図、第６図は、外枠材上部接合金具Ｃを示
すもので、適厚の鋼板等より成る任意形状（円形
又は八角形状等）の素材の中心０を通り直交する
Ｘ−Ｘ線及びＹ−Ｙ線を中心線として、外枠材の
横巾に相当する巾ｔを有する略長方形状部を中央
交叉部を残して適角度［外枠材中間部接合金具Ｂ
の外壁板部１１と、上向傾斜上壁板部１３のなす
角度Ldと同角度］外下方に傾斜する凹溝をなす
如く屈折して放射状に配置した下向傾斜上壁板部
２０，２０，２０，２０を形成し、該上壁板部２
０，２０……に夫々隅木取付用ボルト挿通孔２
１，２１……を穿設する如くプレス加工時等によ
り一体に成形し、前記外枠材下部接合金具Ａ、外
枠材中間部接合金具Ｂ及び外枠材上部接合金具Ｃ
の複数個の組合せにより本考案を構成するもので
ある。

（作用） 次に本考案の作用を第７図乃至第１１図により
説明する。

建築物の土台枠に対応して設けた基礎枠台２２
の四隅に垂設したアンカーボルト２３，２３……
の夫々に、外枠材下部接合金具Ａ，Ａ……の底壁
板部５，５……に設けたアンカーボルト挿通孔
８，８……を嵌入して、該接合金具Ａ，Ａ……を
基礎枠台２２上面に載置し、外壁板部２，２……
を外側して正面に対し45゜の角度をなす如く配置
し、アンカーボルト２３，２３……に夫々ナツト
２４，２４……を螺合して締付け外枠材下部接合
金具Ａ，Ａ……を基礎枠台２２に固着し、相隣る
該接合金具Ａ，Ａ……の同側の側壁板部６，６，
６，６……の外側面間に土台２５，２５……を水
平にあてゝ連結しその両端部を土台取付用ボルト
挿通孔９，９……を通してボルト及びナツト等の
締結具２６，２６……により側壁板部６，６，
６，６……に固定して土台枠を構成すると共に、
外壁板部２，２……の外周面に夫々柱２７，２７
……の下端部を当接し、柱取付用ボルト挿通孔
７，７……を通してボルト及びナツト等の締結具
２８，２８……により柱２７，２７……を上方に
向け垂直に固定する。

外枠材下部接合金具Ａ，Ａ……に下端部を固定
した柱２７，２７……の上端部内側面に夫々外枠
材中間部接合金具Ｂ，Ｂ……の外壁板部１１，１
１……外側面を当接して柱取付用ボルト挿通孔１
７，１７……を通してボルト及びナツト等の締結
具２９，２９……により上向傾斜上壁板部１３，
１３……が上方に位置する如く固定し、相隣る外
枠材中間部接合金具Ｂ，Ｂ，Ｂ，Ｂ……の同側の
側壁板部１４，１４，１４，１４……の外側面間
を梁３０，３０……により水平に架設する如く、
夫々の梁３０，３０……の両端部を側壁板部１
４，１４の梁取付用ボルト挿通孔１９，１９……
を通してボルト及びナツト等の締結具３１，３１
……により固定して梁枠体を構成すると共に、上
壁板部１３，１３……の外側面に夫々隅木３２，
３２……の下側部の内側面を当接し隅木取付用ボ
ルト挿通孔１８，１８……を通して締結具３３，
３３……により固定する。

外枠材上部接合金具Ｃの下向傾斜上壁板部２
０，２０……の上面に、夫々外枠材中間部接合金
具Ｂ，Ｂ……に固定した隅木３２，３２……の上
側端部を当接して隅木取付用ボルト挿通孔２１，
２１……を通してボルト及びナツト等の締結具３
４，３４……により固定して隅木３２，３２……
による方形屋根外枠材を構成して、本考案を使用
した方形屋根式簡易建築物の外郭骨組を完了し、
以後、床や外壁板張り、屋根葺きを行い扉、窓等
を設け、組立式の簡易建築物を完成するものであ
る。

（効果） 叙述の如き構成及び作用を有する本考案は予め
用意した外枠材下部接合金具４ケ、外枠材中間部
接合金具４ケと外枠材上部接合金具１ケ及び設定
した長さに切断し、両端部適所にボルト挿通孔を
穿設した土台、柱、梁隅木等の外枠材を用意し
て、各接合金具と外枠材をボルト及びナツト等に
よる締結具で固定することにより、特殊な技術や
多くの労力及び時間を要せずして迅速かつ強固な
方形屋根式の簡易建築物の外郭骨組を容易に組立
てることが可能であり、又一度建てた建物を取り
こわして再建する場合も、使用した部材をその
まゝ使用することが出来る等の優れた効果を有す
ると共に、使用する外枠材の長さを変えることに
より建坪の異なる建物を建築することが出来る。

更に本考案は各種寸法別の外枠材を組込んだ規
格製品のキツトとして量産すれば、コストも安く
なり、かつ素人の日曜大工的な作業にも適し、そ
の実用的効果は極めて大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は外枠材下部接合金具の斜視図
及び中央縦断面図、第３図、第４図は外枠材中間
部接合金具の斜視図及び中央縦断面図、第５図、
第６図は外枠材上部接合金具の平面図及びＸ−Ｘ
断面図、第７図、第８図は外枠材下部接合金具及
び外枠材中間部接合金具への外枠材の接合位置を
示す斜視図、第９図は外枠材上部接合金具への外
枠材の接合位置を示す平面図、第１０図は、外枠
材を外枠材下部接合金具外枠材中間部接合金具及
び外枠材上部接合金具への接合状態を示す正面
図、第１１図は、本考案を使用した建築物の外郭
骨組の斜視図である。 Ａ……外枠材下部接合金具、２……外壁板部、
５……底壁板部、６……側壁板部、７……柱取付
用ボルト挿通孔、８……アンカーボルト挿通孔、
９……土台取付用ボルト挿通孔、Ｂ……外枠材中
間部接合金具、１１……外壁板部、１３……上向
傾斜上壁板部、１４……側壁板部、１７……柱取
付用ボルト挿通孔、１８……隅木取付用ボルト挿
通孔、１９……梁取付用ボルト挿通孔、Ｃ……外
枠材上部接合金具、２０……下向傾斜上壁板部、
２１……隅木取付用ボルト挿通孔、２５……土
台、２７……柱、３０……梁、３２……隅木。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 長方形状をなす垂直方向の外壁板部２の下端縁
   ３より下方を内側方向に直角に折曲げて、両側縁
   ４，４の仮想延長線が直角をなす如く内側方向に
   扇形状に拡開する底壁板部５とし、底壁板部５の
   両側縁４，４より外方を上方に向け垂直に折曲げ
   て側壁板部６，６を形成し、該側壁板部６，６の
   内側縁と、対応する外壁板部２の両側縁１，１を
   接合すると共に、外壁板部２に柱取付用ボルト挿
   通孔７、底壁板部５にアンカーボルト挿通孔８及
   び側壁板部６，６に土台取付用ボルト挿通孔９，
   ９を設ける如く、適厚の鋼板等により一体成形し
   た外枠材下部接合金具Ａと、 長方形状をなす垂直方向の外壁板部１１の上端
   縁１２より上方を、内側方向に適角度α折曲げて
   長方形状の上向傾斜上壁板部１３とし、外壁板部
   １１の両側縁１０，１０より外方を内側方向に向
   け直角に拡開する如く側壁板部１４，１４を形成
   し、上向傾斜上壁板部１３の両側縁１０ａ，１０
   ａと側壁板部１４，１４の上端縁１５，１５を
   夫々連結壁板部１６，１６により連設すると共
   に、外壁板部１１に柱取付用ボルト挿通孔１７、
   上向傾斜上壁板部１３に隅木取付用ボルト挿通孔
   １８及び側壁板部１４，１４に梁取付用ボルト挿
   通孔１９，１９を設ける如く、鋼板等により一体
   成形した外枠材中間部接合金具Ｂと、 適形状の板材の中心０を通り直交するＸ−Ｘ線
   とＹ−Ｙ線を中心線とした長方形状部を、中央交
   叉部を残して、前記外枠材中間部接合金具Ｂの外
   壁板部１１と上向傾斜上壁板部１３間と同角度α
   の、外下方に傾斜する凹溝をなす如く屈折して放
   射状に配置した下向傾斜上壁板部２０，２０……
   を形成し、該上壁板部２０，２０……に夫々隅木
   取付用ボルト挿通孔２１，２１……を穿設する如
   く適厚の鋼板等により一体成形した外枠材上部接
   合金具Ｃとよりなる方形屋根式簡易建築物の外枠
   材接合金具。