JPH0140404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一対のスプロケツトとチエンを伝
動ケースに内蔵した伝動体を、PTO軸とロータ
リ軸との両側端部に着脱自在とした管理機または
耕耘機におけるロータリ軸駆動構造に関するもの
である。

従来、エンジンからその下方に設けられたサイ
ドドライブ型耕耘用ロータリ軸に、一定の減速の
みは行なうがミツシヨン．クラツチは介在させる
ことなく動力を伝達させてロータリ軸を駆動し、
ロータリ軸の回転で土壌を耕耘すると同時に機体
を進行させる菜園用の管理機は知られている。

そしてこの種の管理機で、さらにエンジン上方
に動力噴霧機等がアタツチメントとして装着さ
れ、エンジンで駆動されるものも知られている。

この場合特に、耕耘作業に引き続いて、機体を
一定位置に停止させたままでエンジン上方に設け
られた噴霧機を作動させたい場合には、ロータリ
軸が回転しないように例えばロータリ軸を取りは
ずすなどの面倒な作業を必要としていた。

また、耕耘ロータリでの耕耘作業と同時に、回
転動力を必要とする種々のアタツチメントを装着
したり、耕耘ロータリを必要に応じ延長したいな
どの要望もあつた。

さらに、土壌の耕耘と機体の進行を兼ねた耕耘
用ロータリを機体下に有する管理機にあつては、
その形態上、畦間、あるいは温室内といつた狭い
圃場で使用することが多く、このため畦際、壁際
において機巾より外側方に突出している伝動ケー
スが畦、壁に干渉して支障となり、これらの際ま
で充分に作業できないという不具合があつた。

そこで本考案は上記問題、要望に答えるロータ
リ軸駆動構造を提供しようとするものである。

本考案の特徴とする構成は、土壌の耕耘と機体
の進行を兼ねた耕耘用ロータリを機体下に有する
管理機に対し、PTO軸とサイドドライブ型ロー
タリ軸とが直結される一対のスプロケツトとそれ
らに巻回されたチエンとを伝動ケースに内蔵した
伝動体を、上記２軸に対し一対として着脱可能に
構成すると共に、この２軸の他端側にも着脱可能
とした点にある。

従つて、伝動体を着脱自在としたことにより、
耕耘作業に引き続いて機体を安定置に、保つたま
まエンジン上方に装着された噴霧機等を作動させ
たい場合、伝動ケースを取りはずすことによつて
簡単にロータリ軸を停止できることから、極めて
容易に素早く噴霧作業等に移行できる。

また、伝動体を取り付けていない側の高低に差
のあるPTO軸、ロータリ軸端部は回転動力を要
する各種のアタツチメントの駆動が２段階に高さ
を選択して行なえるため、耕耘作業と同時に延長
耕耘爪軸を含む各種のアタツチメントによる作業
とを同時にしかも容易に行なうことができる。

さらに、境界がコンクリートで仕切られた圃場
を耕耘するような場合には、内側に伝動ケースを
取付けることにより、伝動ケースがコンクリート
と接触して損傷することがなく、また、コンクリ
ート側には伝動ケースの出つ張りがないためコン
クリート間際まで耕耘等の作業が行なえる。

さらに、伝動体のスプロケツトに歯数の差を設
けると共に伝動体を半回転させた逆の状態におい
てもPTO軸、ロータリ軸に取り付け可能にすれ
ば、簡単な伝動体の取付変更のみで２段階の変速
が行なえる。

以下この考案の具体的な実施例を図面を参照し
て説明する。

第１図はこの考案に係るサイドドライブ型耕耘
用ロータリ軸を装備した管理機の側面図で、第２
図はそのＡ−Ａ部分分解断面図である。

中央前方に位置するエンジンＥの後方には燃料
タンクＦが設けられ、エンジンＥ、燃料タンクＦ
下方には土壌の耕耘と機体の進行を兼ねた耕耘用
ロータリＲが配設され、そのロータリ軸２が側板
６，６で支持されている。

中央後部からは、機体の進行に適度の抵抗を生
じさせる抵抗棒７と操縦用ハンドル８が後方に延
設されている。

この実施例ではエンジンＥ上方位置に動力噴霧
機Ｇがアタツチメントとして取り付けられ、エン
ジンＥからベルト９で駆動される。

エンジンＥからの動力はミツシヨン、クラツチ
等を介在させることなく、一定の減速ギヤ１０、
１０′で減速のみされてエンジンＥ後方のPTO軸
１に伝達される。

このPTO軸１の両端部は共にスプライン軸１
ａ，１ｂとなつている。

同じく前記ロータリ軸２の両端部もスプライン
軸２ａ，２ｂとなつている。

さて、この考案はこれらPTO軸１とロータリ
軸２とを連結して伝動を行なわしめるロータリ軸
２駆動構造に関するものである。

これら２軸を連結するものが伝動体Ｄで、伝動
体Ｄは筒状の伝動ケース５の内部に、２軸の端部
スプライン軸１ａ，２ａ，１ｂ，２ｂにスプライ
ン嵌合する２つのスプロケツト３，３′を２軸間
の距離を置いてボールベアリングで支持して取り
付け、これらスプロケツト３，３′にチエン４が
巻回されたものである。

この伝動体Ｄの伝動ケース５には、２個のスプ
ロケツト３，３′の中間位置にノブ付ボルト１１
用の貫通孔５ａが形成され、ノブ付ボルト１１に
螺合するナツト６ａ，６ａが、両側板６，６外側
の２軸間の中間位置に溶着されている。

この考案は以上の構成から成り、その使用法並
びに作用は次のようになる。

通常耕耘では伝動体Ｄはどちら側に取り付けて
もよいが、機体を定位置に停止させたままでエン
ジンＥ上方の噴霧機Ｇ等を作動させたい場合に
は、この伝動体Ｄを取りはずしてロータリ軸２を
回転しないようにすればよい。

また、片側に伝動体Ｄを取り付けた時、残りの
反対側のPTO軸１、ロータリ軸２端部の２つの
スプライン軸に、回転動力を必要とするアタツチ
メントを取り付け駆動することができる。

なお、PTO軸１とロータリ軸２の両端部のス
プライン軸１ａ，１ｂ，２ａ，２ｂは、使用しな
い時には第３図に示すようなカバー１２を取り付
ければ安全である。

また、伝動体Ｄのスプロケツト３，３′に歯数
の差を設けると共に、伝動体Ｄを半回転させて逆
に取り付け可能にすれば、２段階の変速も可能で
ある。

以上のように、この考案は、土壌の耕耘と機体
の進行を兼ねた耕耘用ロータリＲを機体下に具有
する管理機であつて、平行に配設されたPTO軸
１とサイドドライブ型耕耘用ロータリ軸２との両
側端部に、これら２軸に直結可能な一対のスプロ
ケツト３，３′とそれに巻回されたチエン４とが
伝動ケース５に内蔵された伝動体Ｄを、一体とし
て着脱自在に取り付けたことによつて、前記記載
の作用効果、特に、さきの問題点とされた畦際、
壁際等の耕耘作業にあたつては、その支障となる
伝動ケースの単なる左右の着脱取り替え操作によ
つて畦際、壁際までの有利な耕耘を可能とし、ま
た、走行を停止しPTO軸のみを駆動させる切り
換えに当つても、伝動ケースを取り外すだけの簡
単な操作によりこれが可能となり、特別のクラツ
チ等を必要とせず簡単な構造のものとすることが
できるというような作用効果を奏し得たのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るサイドドライブ型ロー
タリ軸を装備した管理機の側面図、第２図はその
Ａ−Ａ部分分解断面図、第３図はPTO軸とロー
タリ軸の端部に取り付けられるカバーの側面図で
ある。 符号、１……PTO軸、２……ロータリ軸、３，
３′……スプロケツト、４……チエン、５……伝
動ケース、Ｄ……伝動体、Ｒ……耕耘用ロータ
リ、Ｅ……エンジン、Ｆ……燃料タンク、Ｇ……
動力墳霧機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 土壌の耕耘と機体の進行を兼ねた耕耘用ロータ
   リＲを機体下に具有する管理機であつて、平行に
   配設されたPTO軸１とサイドドライブ型耕耘用
   ロータリ軸２との両側端部に、これら２軸に直結
   可能な一対のスプロケツト３，３′とそれに巻回
   されたチエン４とが伝動ケース５に内蔵された伝
   動体Ｄを、一体として着脱自在に取り付けてなる
   管理機における耕耘用ロータリ軸駆動構造。