JPH0139994Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、継手本体に管を挿入するだけで管を
挿着でき、リリースブツシユを継手本体に押入す
ることにより上記管を抜取ることが可能な管継手
に取付けるための管継手カバーに関するものであ
る。

［従来の技術］ 従来、第７図に一例を示すように、主として合
成樹脂や軟質金属からなる管１を接続するための
管継手２として、流体通路３を備えた継手本体４
に、その管挿入口から挿入した管１の外側面に係
止して管の抜脱を防止する係止部材６，…と、継
手本体４への押入によつて係止部材６，…による
管１の係止を解除して、管の抜取りを可能にする
リリースブツシユ７とを備えた管継手（以下、ワ
ンタツチ管継手という。）は、既に知られている。

上記公知のワンタツチ管継手は、管の接続及び
抜取りが容易であるという利点を有するが、管継
手が使用される作業環境によつては、熔接等で火
花となつて飛散する金属またはその酸化物の粉末
や、空気中に浮遊するオイルミスト、繊維その他
の塵埃等の異物がリリースブツシユに付着し、特
にそれらがリリースブツシユ７と継手本体４との
間の隙間８に挟まつて、リリースブツシユが操作
不能となつたり、リリースブツシユ７またはそれ
に近い管の表面に付着して、管継手から抜脱した
管を再度挿着する場合にリリースブツシユ内に異
物等が入り込み、支障を来たすなどの問題があつ
た。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案は、ワンタツチ管継手のリリースブツシ
ユ等に異物が付着することを防止するとともに、
ワンタツチ管継手に取付けた状態で、管継手への
管の接続及び抜取りを可能とし、かつ、カバーに
対する管の挿入を容易とした管継手カバーを得る
ことを、解決すべき問題点とするものである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、リリースブツシユを通して継手本体
に管を挿入することにより、継手本体に設けられ
た係止部材が管に係止し、リリースブツシユを継
手本体に押入することにより、上記係止部材によ
る管の係止が解除されて、管の抜取りが可能とな
る管継手に取付ける管継手カバーであつて、上記
カバーを、弾性材料で一体に形成した継手本体に
嵌着する取付部、及び該取付部に対して揺動可能
でリリースブツシユを被覆する被覆部を備えたも
のとし、上記被覆部には、カバー外方において管
外周に密着する筒部を設けるとともに、該筒部に
カバーの軸線方向のスリツトと、該スリツトを開
放して筒部を拡径させる押圧部とを設けたことに
より、上記問題点を解決したものである。

［作用］ 管継手カバーの取付部を継手本体に嵌着する
と、リリースブツシユはカバーで包囲される。

この状態で、押圧部によりスリツトを開口して
筒部を拡径し、拡径させた筒部を通して管を継手
本体に挿入すると、管は管継手に接続される。管
の接続後、押圧部の押圧力を除くと、筒部は弾性
で縮径して管外壁に密着するので、リリースブツ
シユはカバーで完全に被覆される。

また、外部から被覆部を取付部に向け押圧し
て、リリースブツシユを継手本体に押入すると、
係止部材による管の係止が解除されるので、カバ
ーを管継手から取外すことなく、管をワンタツチ
管継手から抜取ることができる。

この場合、押圧部によりスリツトを開口して筒
部を拡径させると、管の抜取りが一層容易であ
る。

［実施例］ 第１図及び第２図は、本考案の第１実施例を示
し、管継手カバー１０は、継手本体４に嵌着する
筒状の取付部１１、リリースブツシユ７を被覆す
る被覆部１２、及び取付部１１と被覆部１２との
間の伸縮部１３よりなり、これら各部は、軟質合
成樹脂、合成ゴム等の弾性材料で一体に形成され
ている。

上記取付部１１は、それを継手本体４に嵌着さ
せることによつて、カバー１０を継手本体４に取
付けるためのものである。

また、上記被覆部１２は、中心に管１が挿入さ
れる筒部１５を備え、該筒部１５は、半径方向の
対向位置に軸線方向に延長するスリツト１６，１
６を有し、該筒部１５の開口端側にフランジ１
７，１７が対向して設けられている。

伸縮部１３は、半径方向に膨出された屈曲部１
８を備え、これによつてカバーの軸線方向に屈伸
可能としたものであり、その内面にはリリースブ
ツシユ７の下面に当接する係合突起１９が設けら
れている。

上記継手カバー１０は、取付部１１を継手本体
４に嵌着させて、係合突起１９でリリースブツシ
ユ７を包持させると、被覆部１２がリリースブツ
シユ７上面に当接した状態で管継手に被着され
る。

この状態でフランジ１７，１７を斜め下方に押
圧すると、スリツト１６，１６によつて筒部１５
が拡径されるので、管１を容易に筒部１５を通し
てカバー内に挿入でき、それにより管継手２に接
続することができる。

管１の管継手２への接続後、フランジ１７，１
７に加えた外力を除くと、筒部１５は弾性によつ
て縮径して管外周に密着するので、リリースブツ
シユ７は被覆部１２により被覆される。

また、管継手２に接続された管１が外力によつ
て軸線方向に若干移動しても、伸縮部１３が屈伸
するので、取付部１１と継手本体４の間及び筒部
１５と管１の間で相対移動が生ずることはない。

一方、管１が管継手２に接続された状態におい
て、カバーを介してリリースブツシユ７を継手本
体４に押入すると、管を継手本体４から抜取るこ
とができる。

なお、カバー１０の弾性材料は、適宜の難燃化
処理を施したものとすることができる。

第３図及び第４図は本考案の第２実施例を示
し、この第２実施例のカバー３０における取付部
３１には、継手本体４の外周に形成された嵌合溝
４ａに嵌合させる嵌合突起４１が設けられてお
り、伸縮部３３は被覆部３２に向けて漸次縮径さ
れている。

また、カバー３０には、軸線方向の全長にわた
つてスリツト３６が形成され、上記被覆部３２及
び伸縮部３３には、互いにスリツト３６を挟んで
反対側の位置に半径方向に突出する指掛片４２，
４２が設けられている。

この第２実施例のカバー３０においては、管継
手２に嵌着させた状態で、外力によつて指掛片４
２，４２を相互の間隙が広がる方向に押圧する
と、筒部３５がスリツト３６によつて拡径される
ので、管１をカバー３０に挿入することが可能に
なり、管１の管継手２への接続後に指掛片４２，
４２に加えた外力を除けば、カバー３０は弾性に
よつてもとの状態に復帰し、筒部３５の内面は管
外周に密着する。

第２実施例の他の構成及び作用は、第１実施例
と同じなので、詳細な説明は省略する。

第５図及び第６図は本考案の第３実施例を示
し、この第３実施例のカバー５０における取付部
５１には、肉厚の筒部に継手本体４のナツト状の
外面に嵌着する断面正六角形の嵌着孔が設けられ
ている。

また、伸縮部５３は薄肉で被覆部５２に向けて
漸次縮径されており、被覆部５２内にはリリース
ブツシユ７の嵌入凹部が設けられている。

筒部５５の内壁には、外壁に到達しないスリツ
ト５６，５６が半径方向に相対向して設けられて
おり、スリツト５６に対応する外壁にはフランジ
５７，５７が形成されている。

上記第３実施例のカバー５０は、フランジ５
７，５７を中心に向けて押圧すると、スリツト５
６，５６によつて筒部５５の内径が拡径されるの
で、管１をカバー５０に容易に挿入することがで
き、フランジ５７，５７に加える外力を除くと、
筒部５５は弾性によつて縮径して管外周に密着す
る。さらに、筒部５５の縮径によつて、スリツト
５６，５６がもとの状態に接合される。

［考案の効果］ 本考案のカバーは、リリースブツシユを完全に
被覆するので、管継手が異物や浮遊塵埃の多い劣
悪な作業環境で使用される場合であつても、リリ
ースブツシユが異物等の付着で操作不能となつ
て、管の抜取りができなくなつたり、或いは管の
挿入ができなくなることを防止できる。

また、被覆部を取付部に対して揺動可能とした
ことにより、カバーをワンタツチ継手に嵌着した
状態で管継手に管を接続及び抜取ることができ
る。

さらに、カバーに対する管の挿脱を、スリツト
による拡径によつて行うため、筒部で管外周を完
全にシールするものでありながら、カバーへの管
の挿脱操作が極めて容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の斜視図、第２図
は同上左半が管の挿入状態を、右半が管の非挿入
状態を示す縦断正面図、第３図は本考案の第２実
施例の斜視図、第４図は同上左半が管の挿入状態
を、右半が管の非挿入状態を示す縦断正面図、第
５図は本考案の第３実施例の斜視図、第６図は、
同上左半が管の挿入状態を、右半が管の非挿入状
態を示す縦断正面図、第７図は本考案のカバーを
使用する管継手の一例を示す縦断正面図である。 １０，３０，５０……管継手カバー、１１，３
１，５１……取付部、１２，３２，５２……被覆
部、１５，３５，５５……筒部、１６，３６，５
６……スリツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 リリースブツシユを通して継手本体に管を挿入
   することにより、継手本体に設けられた係止部材
   が管に係止し、リリースブツシユを継手本体に押
   入することにより、上記係止部材による管の係止
   が解除されて、管の抜取りが可能となる管継手に
   取付ける管継手カバーであつて、 上記カバーを、弾性材料で一体に形成した継手
   本体に嵌着する取付部、及び該取付部に対して揺
   動可能でリリースブツシユを被覆する被覆部を備
   えたものとし、 上記被覆部には、カバー外方において管外周に
   密着する筒部を設けるとともに、該筒部にカバー
   の軸線方向のスリツトと、該スリツトを開放して
   筒部を拡径させる押圧部とを設けた、 ことを特徴とする管継手カバー。