JPH0138853B2 - - Google Patents
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- JPH0138853B2 JPH0138853B2 JP60196980A JP19698085A JPH0138853B2 JP H0138853 B2 JPH0138853 B2 JP H0138853B2 JP 60196980 A JP60196980 A JP 60196980A JP 19698085 A JP19698085 A JP 19698085A JP H0138853 B2 JPH0138853 B2 JP H0138853B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、レールの品質特性に耐摩耗性、耐損
傷性と共に要求される溶接性を付与した高強度レ
ールの製造法に関するものである。 (従来の技術) 近年、海外の鉱山鉄道については高荷重化が、
また旅客鉄道については高速化が指向されてい
る。このような趨勢の中で、レールの品質特性
は、従来の耐摩耗性と耐損傷性に加え軌道保守の
合理化からロングレール化するため良好な溶接性
が重要な特性とされている。このような品質特性
の要求に対応して強度が110〜120級の高強度レー
ルが開発されている。特開昭55−125231号公報は
「C:0.55〜0.80%、Si:0.5〜1.20%、Mn:0.8〜
15%、Al:0.005〜0.05%、あるいはさらにCr:
0.20〜0.90%、Nb:0.004〜0.010%を含有する溶
接性低合金熱処理レール」、特開昭57−198216号
公報は「C:0.60〜0.85%、Si:0.1〜0.8%、
Mn:0.70〜1.5%、Cr:0.2〜0.8%あるいはさら
にNb,V,Tiの少量を選択添加した高強度レー
ル」などがある。またフラツシユ・バツト溶接、
ガス圧接など各種レール溶接法の機器や施工法が
開発されているが、中でも接合するレールの端面
を軽く接触させ、この間に大電流を通じて接触点
を集中的に加熱すると過熱溶融して火花が発生
し、所定の温度に上昇させた後、急激に圧力を加
えて圧接するフラツシユ・バツト溶接法が熱影響
部が狭い利点から一般に使用されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、先の例にようにレールに含有さ
れる0.8%以上のCr成分はレール製造時の高温度
からの冷却においてパーライト組織を微細化して
高強度化を図らんとするものであるが、このよう
に多量のCr成分を含有するレールは、第1図に
本発明者らの実験結果を明らかにするように溶接
継手部において高い焼入性のために脆化因子のマ
ルテンサイト組織を生成して異常な硬度を示し、
継手部の耐摩耗性、耐損傷性を著しく低下せしめ
る問題があつた。この問題を防止するためには、
溶接に際し予熱あるいは後熱処理を必要とし、溶
接能率を著しく阻害する溶接施工上に問題もあつ
た。またこのようなCrやMoなどを含有する合金
鋼レールは圧延ままで製造が可能であるため生産
効率が高いメリツトも有している。 さらに0.2〜0.8%のCrを含有する熱処理レール
では、フラツシユ・バツト溶接継手部硬を、HB
341〜388を有する母材部硬度に合せるべく添加す
るもので、高強度母材と高強度継手部の一体硬度
を形成することによつて高い耐摩耗性と波状摩耗
等の損傷抵抗性を通常の溶接条件によつて達成し
ようとするものである(特開昭55−125231号公
報)。 本発明は圧延ままあるいは簡易な熱処理法で製
造可能な低合金鋼レールの生産効率を活かし耐摩
耗性と耐損傷性が要求される高強度で溶接継手性
能にすぐれたレールの製造法を提供することを目
的としたものである。前記した従来のこの種の熱
処理レールとの大きな相違は、レール摩耗環境の
さほど厳しくない敷設領域での耐損傷性に重きを
置いた溶接性付与高強度レールの製造に関するも
のである。すなわち、従来の高強度熱処理レール
が敷設されていた急曲線区間より緩曲線区間に使
用されることを目的とした熱処理レールで、例え
ば従来の熱処理レールの頭表部硬度がHB341〜
388の領域であるのに対して、本発明レールはHB
300〜340の領域に相当するものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明は上記の如き問題点を有利に解決したも
のであり、その要旨は、C:0.55〜0.85%、Si:
0.20〜1.20%、Mn:0.5〜1.65%、Cr:0.1〜0.19
あるいはさらにNb:0.01〜0.05%、V:0.05〜
0.20%、Ti:0.01〜0.05%の1種または2種以上
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からな
るレールの頭部を、熱間圧延終了後あるいは熱処
理する目的で加熱されたオーステナイト域温度か
らの冷却において、800〜450℃間を冷却速度1〜
4℃/secで冷却する溶接性を付与した高強度レ
ールの製造法である。 (発明の構成) 以下本発明について詳細に説明する。 本発明は先ずレールの成分組成を上記のように
定めた限定理由について説明する。 Cは高強度化およびパーライト組織生成のため
の必須元素であり、また耐摩耗性に対して一義的
に効果を示す元素であるが、0.55%未満ではオー
ステナイト粒界に耐摩耗性に好ましくない初析フ
エライトが多量に生成し、0.85%を超えるとオー
ステナイト粒界に有害な初析セメンタイトを生成
させるばかりか、熱処理層や溶接部の微小偏析部
にマルテンサイトが生成し脆化させるため0.55〜
0.85%に限定した。Siはパーライト組織中のフエ
ライトに固溶することによつて強度を上昇させ耐
摩耗性を向上させる元素であるが、脱酸元素とし
ても0.20%以上の添加が必要であり、また、1.20
%を超えると脆化が生じ溶接接合性をも減ずるの
で0.20〜1.20%に限定した。MnはC同様パーラ
イト変態温度を低下させ焼入性を高めることによ
つて、高強度化に寄与する元素である。しかし、
0.50%未満ではその寄与が小さくまた1.50%を超
えると偏析部にマルテンサイトを生成させやすく
するため0.50〜1.50%に限定した。Crはパーライ
ト変態開始温度を低下させ高強度化に寄与するば
かりか、パーライト中のセメンタイトを強化する
ことによつても耐摩耗性に貢献するが、さらに熱
処理レールの溶接部軟化防止に対しても欠くべか
らざる元素である。従来この溶接部軟化防止に対
してCr0.2%未満の添加は効果がないとされて来
たが、0.1%〜0.19%の添加でも十分効果が発揮
され、第2図に示すように抑制された母材部硬度
に合致した溶接継手部硬度が得られる。また0.19
%以上のCrの添加は、本発明鋼の冷却速度範囲
で得られる母材部硬度より高くなり、溶接継手部
との一体硬度を損う結果となる。 さらに本発明では、必要によつては上記の成分
の他にNb,V,Tiなどのオーステナイト粒細粒
化元素を添加することによつて、高強度化と共に
延性も確保することができる。Nbは熱間圧延時
に低温加熱することによつてNb(C,N)の析出
物がオーステナイト粒成長を抑制し細粒化に寄与
する。また、高温加熱・低温仕上圧延によつて熱
間圧延後のオーステナイト粒を細粒化し、強制冷
却後に得られるパーライト・ブロツクサイズを細
粒にする。 このとき有効なNb添加量は0.01%であり、0.05
%を超えるとNbCが生成し、かえつて脆化を招
く。従つてNbの成分範囲を0.01〜0.05%に限定し
た。VはNbとほぼ同様の傾向を示すが、加熱中
に析出するV(C,N)はNb(C,N)より溶融
温度が低いため、レール圧延時の低温加熱時のみ
初期オーステナイト粒の細粒化に寄与する。また
通常加熱によつて溶融したV(C,N)は冷却中
に再析出して析出硬化による強度増をもたらす。
しかしVの0.05%以下の添加ではその析出物の数
も少なく所定の効果は期待できない。また0.20%
超のVの添加はV(C,N)の粗大化によつてか
えつて脆化を生じさせる。このためVの成分範囲
を0.05〜0.20%に限定した。Tiは析出したTi(C,
N)が高温でも溶融しないことが知られており、
通常のレール圧延加熱温度でもオーステナイトの
初期粒度を細粒化するために有効である。しかし
Nb同様Tiも0.01%以下ではその効果は小さく、
0.05%超では主としてTiNの粗大化が生じ損傷の
起点となる可能性が高いため、Tiの成分範囲を
0.01〜0.05%に限定した。この他、本発明におい
て不可避的不純物成分としてのP,Sは本発明の
目的を阻害する有害な成分で、極力低下せしめる
必要がある。 上記のような成分組成で構成されるレールは、
転炉、電気炉などが通常使用される溶解炉で溶製
された溶鋼を、造塊・分塊法あるいは連続鋳造
法、さらに熱間圧延を経て製造される。熱間圧延
を終えたレールは、圧延終了後あるいは一旦低温
度に冷却され熱処理する目的で再加熱されたオー
ステナイト域温度から冷却する。この場合の冷却
開始温度をオーステナイト域温度にしたのは均一
でかつ微細なパーライト組織を生成して耐摩耗
性、耐損傷性のレールが得られる温度である。ま
た冷却は、従来の高強度熱処理レールがHB341〜
388の範囲に対してHB300〜340の硬度範囲を目標
とするもので必然的に低加速冷却となりその冷却
制御温度範囲は800〜450℃好ましくは500℃であ
る。尚、オーステナイト域温度から冷却制御開始
温度までのこの間の冷却速度は任意な速度でよ
い。このような冷却制御温度範囲は大断面レール
から小断面レールまですべてのパーライト変態開
始から終了までを含むものであつて、この間の冷
却速度は1〜4℃/secである。この冷却速度は、
ある程度従来の高強度レールより低硬度化を目的
とするもので、1℃/sec以下の遅い冷却速度で
は目的とするHB300以上の硬度が得られない。 その反面4℃/secを越える速い速度では母材
部が高硬度を示し、化学成分によつて定まる溶接
継手部と不連続となり、溶接性を損う結果とな
る。 上記のような本発明法でレールを製造するが、
レールに熱間圧延終了後直ちに加速冷却処理を施
した時に耐損傷性など品質特性に特にすぐれたも
のが得られる。 (実施例及び発明の効果) 次に本発明の一実施例について説明する。 第1図は表−1に示す組成のCr−V合金鋼レ
ールのフラツシユ・バツト溶接継手部断面硬度分
布である。
傷性と共に要求される溶接性を付与した高強度レ
ールの製造法に関するものである。 (従来の技術) 近年、海外の鉱山鉄道については高荷重化が、
また旅客鉄道については高速化が指向されてい
る。このような趨勢の中で、レールの品質特性
は、従来の耐摩耗性と耐損傷性に加え軌道保守の
合理化からロングレール化するため良好な溶接性
が重要な特性とされている。このような品質特性
の要求に対応して強度が110〜120級の高強度レー
ルが開発されている。特開昭55−125231号公報は
「C:0.55〜0.80%、Si:0.5〜1.20%、Mn:0.8〜
15%、Al:0.005〜0.05%、あるいはさらにCr:
0.20〜0.90%、Nb:0.004〜0.010%を含有する溶
接性低合金熱処理レール」、特開昭57−198216号
公報は「C:0.60〜0.85%、Si:0.1〜0.8%、
Mn:0.70〜1.5%、Cr:0.2〜0.8%あるいはさら
にNb,V,Tiの少量を選択添加した高強度レー
ル」などがある。またフラツシユ・バツト溶接、
ガス圧接など各種レール溶接法の機器や施工法が
開発されているが、中でも接合するレールの端面
を軽く接触させ、この間に大電流を通じて接触点
を集中的に加熱すると過熱溶融して火花が発生
し、所定の温度に上昇させた後、急激に圧力を加
えて圧接するフラツシユ・バツト溶接法が熱影響
部が狭い利点から一般に使用されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、先の例にようにレールに含有さ
れる0.8%以上のCr成分はレール製造時の高温度
からの冷却においてパーライト組織を微細化して
高強度化を図らんとするものであるが、このよう
に多量のCr成分を含有するレールは、第1図に
本発明者らの実験結果を明らかにするように溶接
継手部において高い焼入性のために脆化因子のマ
ルテンサイト組織を生成して異常な硬度を示し、
継手部の耐摩耗性、耐損傷性を著しく低下せしめ
る問題があつた。この問題を防止するためには、
溶接に際し予熱あるいは後熱処理を必要とし、溶
接能率を著しく阻害する溶接施工上に問題もあつ
た。またこのようなCrやMoなどを含有する合金
鋼レールは圧延ままで製造が可能であるため生産
効率が高いメリツトも有している。 さらに0.2〜0.8%のCrを含有する熱処理レール
では、フラツシユ・バツト溶接継手部硬を、HB
341〜388を有する母材部硬度に合せるべく添加す
るもので、高強度母材と高強度継手部の一体硬度
を形成することによつて高い耐摩耗性と波状摩耗
等の損傷抵抗性を通常の溶接条件によつて達成し
ようとするものである(特開昭55−125231号公
報)。 本発明は圧延ままあるいは簡易な熱処理法で製
造可能な低合金鋼レールの生産効率を活かし耐摩
耗性と耐損傷性が要求される高強度で溶接継手性
能にすぐれたレールの製造法を提供することを目
的としたものである。前記した従来のこの種の熱
処理レールとの大きな相違は、レール摩耗環境の
さほど厳しくない敷設領域での耐損傷性に重きを
置いた溶接性付与高強度レールの製造に関するも
のである。すなわち、従来の高強度熱処理レール
が敷設されていた急曲線区間より緩曲線区間に使
用されることを目的とした熱処理レールで、例え
ば従来の熱処理レールの頭表部硬度がHB341〜
388の領域であるのに対して、本発明レールはHB
300〜340の領域に相当するものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明は上記の如き問題点を有利に解決したも
のであり、その要旨は、C:0.55〜0.85%、Si:
0.20〜1.20%、Mn:0.5〜1.65%、Cr:0.1〜0.19
あるいはさらにNb:0.01〜0.05%、V:0.05〜
0.20%、Ti:0.01〜0.05%の1種または2種以上
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からな
るレールの頭部を、熱間圧延終了後あるいは熱処
理する目的で加熱されたオーステナイト域温度か
らの冷却において、800〜450℃間を冷却速度1〜
4℃/secで冷却する溶接性を付与した高強度レ
ールの製造法である。 (発明の構成) 以下本発明について詳細に説明する。 本発明は先ずレールの成分組成を上記のように
定めた限定理由について説明する。 Cは高強度化およびパーライト組織生成のため
の必須元素であり、また耐摩耗性に対して一義的
に効果を示す元素であるが、0.55%未満ではオー
ステナイト粒界に耐摩耗性に好ましくない初析フ
エライトが多量に生成し、0.85%を超えるとオー
ステナイト粒界に有害な初析セメンタイトを生成
させるばかりか、熱処理層や溶接部の微小偏析部
にマルテンサイトが生成し脆化させるため0.55〜
0.85%に限定した。Siはパーライト組織中のフエ
ライトに固溶することによつて強度を上昇させ耐
摩耗性を向上させる元素であるが、脱酸元素とし
ても0.20%以上の添加が必要であり、また、1.20
%を超えると脆化が生じ溶接接合性をも減ずるの
で0.20〜1.20%に限定した。MnはC同様パーラ
イト変態温度を低下させ焼入性を高めることによ
つて、高強度化に寄与する元素である。しかし、
0.50%未満ではその寄与が小さくまた1.50%を超
えると偏析部にマルテンサイトを生成させやすく
するため0.50〜1.50%に限定した。Crはパーライ
ト変態開始温度を低下させ高強度化に寄与するば
かりか、パーライト中のセメンタイトを強化する
ことによつても耐摩耗性に貢献するが、さらに熱
処理レールの溶接部軟化防止に対しても欠くべか
らざる元素である。従来この溶接部軟化防止に対
してCr0.2%未満の添加は効果がないとされて来
たが、0.1%〜0.19%の添加でも十分効果が発揮
され、第2図に示すように抑制された母材部硬度
に合致した溶接継手部硬度が得られる。また0.19
%以上のCrの添加は、本発明鋼の冷却速度範囲
で得られる母材部硬度より高くなり、溶接継手部
との一体硬度を損う結果となる。 さらに本発明では、必要によつては上記の成分
の他にNb,V,Tiなどのオーステナイト粒細粒
化元素を添加することによつて、高強度化と共に
延性も確保することができる。Nbは熱間圧延時
に低温加熱することによつてNb(C,N)の析出
物がオーステナイト粒成長を抑制し細粒化に寄与
する。また、高温加熱・低温仕上圧延によつて熱
間圧延後のオーステナイト粒を細粒化し、強制冷
却後に得られるパーライト・ブロツクサイズを細
粒にする。 このとき有効なNb添加量は0.01%であり、0.05
%を超えるとNbCが生成し、かえつて脆化を招
く。従つてNbの成分範囲を0.01〜0.05%に限定し
た。VはNbとほぼ同様の傾向を示すが、加熱中
に析出するV(C,N)はNb(C,N)より溶融
温度が低いため、レール圧延時の低温加熱時のみ
初期オーステナイト粒の細粒化に寄与する。また
通常加熱によつて溶融したV(C,N)は冷却中
に再析出して析出硬化による強度増をもたらす。
しかしVの0.05%以下の添加ではその析出物の数
も少なく所定の効果は期待できない。また0.20%
超のVの添加はV(C,N)の粗大化によつてか
えつて脆化を生じさせる。このためVの成分範囲
を0.05〜0.20%に限定した。Tiは析出したTi(C,
N)が高温でも溶融しないことが知られており、
通常のレール圧延加熱温度でもオーステナイトの
初期粒度を細粒化するために有効である。しかし
Nb同様Tiも0.01%以下ではその効果は小さく、
0.05%超では主としてTiNの粗大化が生じ損傷の
起点となる可能性が高いため、Tiの成分範囲を
0.01〜0.05%に限定した。この他、本発明におい
て不可避的不純物成分としてのP,Sは本発明の
目的を阻害する有害な成分で、極力低下せしめる
必要がある。 上記のような成分組成で構成されるレールは、
転炉、電気炉などが通常使用される溶解炉で溶製
された溶鋼を、造塊・分塊法あるいは連続鋳造
法、さらに熱間圧延を経て製造される。熱間圧延
を終えたレールは、圧延終了後あるいは一旦低温
度に冷却され熱処理する目的で再加熱されたオー
ステナイト域温度から冷却する。この場合の冷却
開始温度をオーステナイト域温度にしたのは均一
でかつ微細なパーライト組織を生成して耐摩耗
性、耐損傷性のレールが得られる温度である。ま
た冷却は、従来の高強度熱処理レールがHB341〜
388の範囲に対してHB300〜340の硬度範囲を目標
とするもので必然的に低加速冷却となりその冷却
制御温度範囲は800〜450℃好ましくは500℃であ
る。尚、オーステナイト域温度から冷却制御開始
温度までのこの間の冷却速度は任意な速度でよ
い。このような冷却制御温度範囲は大断面レール
から小断面レールまですべてのパーライト変態開
始から終了までを含むものであつて、この間の冷
却速度は1〜4℃/secである。この冷却速度は、
ある程度従来の高強度レールより低硬度化を目的
とするもので、1℃/sec以下の遅い冷却速度で
は目的とするHB300以上の硬度が得られない。 その反面4℃/secを越える速い速度では母材
部が高硬度を示し、化学成分によつて定まる溶接
継手部と不連続となり、溶接性を損う結果とな
る。 上記のような本発明法でレールを製造するが、
レールに熱間圧延終了後直ちに加速冷却処理を施
した時に耐損傷性など品質特性に特にすぐれたも
のが得られる。 (実施例及び発明の効果) 次に本発明の一実施例について説明する。 第1図は表−1に示す組成のCr−V合金鋼レ
ールのフラツシユ・バツト溶接継手部断面硬度分
布である。
【表】
このように高Cr含有レールでは継手部にマル
テンサイト組織が生成し異常高硬度を示す。 第2図は表−2に示す組成の従来タイプの熱処
理レールと本発明レールのフラツシユ・バツト溶
接継手部断面硬度分布を示す。
テンサイト組織が生成し異常高硬度を示す。 第2図は表−2に示す組成の従来タイプの熱処
理レールと本発明レールのフラツシユ・バツト溶
接継手部断面硬度分布を示す。
【表】
SiとCrが増量された比較鋼Aは、溶接性を付
与した現有高強度熱処理レールは、高価なため急
曲線区間に限定使用されている。比較鋼Bは今や
普及型高硬度熱処理レールであるが、Crなどの
合金が添加されていないため、溶接継手部の硬度
が低下してしまい、母材部との硬度不連続性をも
たらし、しばしば列車通過時の騒音、振動の原因
となるばかりか衝撃的な負荷によるレール折損や
波状摩耗などを生成させる。また比較鋼Aおよび
Bなどの高強度レールは、一方では耐摩耗性がす
ぐれているばかりに最大せん断応力の作用する位
置が固定してしまいレール内部からの折損や、疲
労ダメージの頭表面への蓄積によりハク離性の損
傷が近年クローズ・アツプして来ている。 このような本発明鋼CおよびDは上記のような
観点から母材部の硬度をある程度抑制し、溶接継
手部の硬度を高めるべく微量合金添加した溶接性
付与高強度レールである。この母材部と溶接部の
一体硬度化によつて、列車の燃費向上に注目され
ているレールの塗油に対しても、連続的な一定の
レール摩耗を導き耐損傷性のすぐれた新しいタイ
プのレールが製造できる優れた効果を示すもので
ある。 表−3に本発明鋼と比較鋼の母材部の冷却速度
と冷却方法を示す。
与した現有高強度熱処理レールは、高価なため急
曲線区間に限定使用されている。比較鋼Bは今や
普及型高硬度熱処理レールであるが、Crなどの
合金が添加されていないため、溶接継手部の硬度
が低下してしまい、母材部との硬度不連続性をも
たらし、しばしば列車通過時の騒音、振動の原因
となるばかりか衝撃的な負荷によるレール折損や
波状摩耗などを生成させる。また比較鋼Aおよび
Bなどの高強度レールは、一方では耐摩耗性がす
ぐれているばかりに最大せん断応力の作用する位
置が固定してしまいレール内部からの折損や、疲
労ダメージの頭表面への蓄積によりハク離性の損
傷が近年クローズ・アツプして来ている。 このような本発明鋼CおよびDは上記のような
観点から母材部の硬度をある程度抑制し、溶接継
手部の硬度を高めるべく微量合金添加した溶接性
付与高強度レールである。この母材部と溶接部の
一体硬度化によつて、列車の燃費向上に注目され
ているレールの塗油に対しても、連続的な一定の
レール摩耗を導き耐損傷性のすぐれた新しいタイ
プのレールが製造できる優れた効果を示すもので
ある。 表−3に本発明鋼と比較鋼の母材部の冷却速度
と冷却方法を示す。
第1図は圧延まま合金鋼レールのフラツシユ・
バツト溶接継手部断面硬度分布を示す図、第2図
は比較鋼A,Bと本発明鋼C,Dのフラツシユ・
バツト溶接継手部の断面硬度分布を示す図であ
る。
バツト溶接継手部断面硬度分布を示す図、第2図
は比較鋼A,Bと本発明鋼C,Dのフラツシユ・
バツト溶接継手部の断面硬度分布を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で C:0.55〜0.85% Si:0.20〜1.20% Mn:0.5 〜1.65% Cr:0.1 〜0.19% で残部が鉄および不可避的不純物からなるレール
の頭部を熱間圧延終了後あるいは熱処理する目的
で加熱されたオーステナイト域温度からの冷却に
おいて、800〜450℃間を冷却速度1〜4℃/sec
で冷却することを特徴とする溶接性を付与した高
強度レールの製造法。 2 重量%で C:0.55〜0.85% Si:0.20〜1.20% Mn:0.5 〜1.65% Cr:0.1 〜0.19% の他に Nb:0.01〜0.05% V:0.05〜0.20% Ti:0.01〜0.05% の1種または2種以上を含有し、 残部が鉄および不可避不純物からなるレールの
頭部を、熱間圧延終了後あるいは熱処理する目的
で加熱されたオーステナイト域温度からの冷却に
おいて、800℃〜450℃間を冷却速度1〜4℃/
secで冷却することを特徴とする溶接性を付与し
た高強度レールの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19698085A JPS6256524A (ja) | 1985-09-06 | 1985-09-06 | 溶接性を付与した高強度レ−ルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19698085A JPS6256524A (ja) | 1985-09-06 | 1985-09-06 | 溶接性を付与した高強度レ−ルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6256524A JPS6256524A (ja) | 1987-03-12 |
JPH0138853B2 true JPH0138853B2 (ja) | 1989-08-16 |
Family
ID=16366834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19698085A Granted JPS6256524A (ja) | 1985-09-06 | 1985-09-06 | 溶接性を付与した高強度レ−ルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6256524A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62127453A (ja) * | 1985-11-26 | 1987-06-09 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 延性及び靭性に優れた高性能レールの製造方法 |
JPS6362846A (ja) * | 1986-09-03 | 1988-03-19 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶接部の耐軟化性に優れた低合金高強度レ−ル |
BR9506522A (pt) | 1994-11-15 | 1997-09-02 | Nippon Steel Corp | Trilho de aço perlítico que tem excelente resisténcia ao desgaste e método de produção do mesmo |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57198216A (en) * | 1981-05-27 | 1982-12-04 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Manufacture of high-strength rail |
JPS57207117A (en) * | 1981-06-17 | 1982-12-18 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Joining method for heat treated rail |
-
1985
- 1985-09-06 JP JP19698085A patent/JPS6256524A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57198216A (en) * | 1981-05-27 | 1982-12-04 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Manufacture of high-strength rail |
JPS57207117A (en) * | 1981-06-17 | 1982-12-18 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Joining method for heat treated rail |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6256524A (ja) | 1987-03-12 |
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