JPH0138356Y2 - - Google Patents

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JPH0138356Y2
JPH0138356Y2 JP1262886U JP1262886U JPH0138356Y2 JP H0138356 Y2 JPH0138356 Y2 JP H0138356Y2 JP 1262886 U JP1262886 U JP 1262886U JP 1262886 U JP1262886 U JP 1262886U JP H0138356 Y2 JPH0138356 Y2 JP H0138356Y2
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は無励磁作動形の電磁式汎用ブルーキに
関する。
〔従来の技術〕
無励磁作動形の電磁式汎用ブルーキは、非通電
時にブレーキ本体が備えるばねの力でアーマチヤ
をエンドプレート側に押圧移動させて、アーマチ
ヤとエンドプレートとの間にライニング板を挟圧
して制動し、かつ、通電時にブレーキ本体の磁気
力でアーマチヤをブレーキ本体側に吸引し、ライ
ニング板からアーマチヤを離して制動を解放する
ように構成されている。
この種従来の電磁式汎用ブルーキにおいて、上
記ライニング板はその中心部に嵌合孔を設けた単
なる平板状に形成されている。そして、ライニン
グ板を回転軸に取付けたバブに一体的に固定する
と、ライニング板に取付けられたライニングの摩
耗の進行に伴つて正常な制動機能が損われること
から、ライニング板は、上記ハブの外周に軸方向
に沿つて移動可能に嵌合されて、回転軸とともに
回転されるように設けられている。
〔考案が解決しようとする問題点〕
このような従来の電磁式汎用ブレーキは、その
回転軸を垂直となる取付け姿勢にすると、ライニ
ング板がその自重によりアーマチヤまたはエンド
プレートに接触しつつ回転するから、大きな擦過
音を発生し静粛を要求される場合には不都合であ
つた。そればかりか、ライニング板の摩耗も早く
なるとともに、摩擦熱により許容制動頻度も少な
くなる。このため従来は、ライニング板を伴つて
回転する回転軸が水平となるように、取付け姿勢
を制限して使用しなければならないという問題が
あつた。しかも、このような水平取付け姿勢での
使用においても、既述のように単板のライニング
板の固定ができないことから、制動を解放した時
に回転軸とともに回転されるアーマチヤが、ハブ
を中心にしてふらつき、このような面づれによつ
てライニング板がアーマチヤやエンドプレートに
接触して、擦過音を生じ易いという問題があつ
た。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案は、ブレーキ本体のばね力および励磁力
により移動されるアーマチヤと、ブレーキ本体の
正面に間隔を設けて取付けられたエンドプレート
との間に配設され、かつ回転軸に取付けられるハ
ブと一体に回転されるライニング板を、アーマチ
ヤとエンドプレートとの間に位置されるデイスク
部と、このデイスク部の中央部に連結されハブの
外周に軸方向に沿い移動可能に嵌合されるととも
にデイスク部の厚みよりも長い嵌合筒状部とから
形成し、かつ、エンドプレートおよびデイスク部
の芯板を夫々非磁化材料製とするとともに、ハブ
および嵌合筒状部を夫々残留磁気の少ない材料製
とすることによつて、上記従来の問題点を解決し
たものである。
〔作用〕
上記解決手段を備えることによつて、エンドプ
レートおよびデイスク部芯板は磁化されないが、
励磁力で制動を解放した通電時においてのみハブ
と嵌合筒状部とが磁化されて互に磁化結合する。
これにより、ライニング板がハブを介して回転軸
に固定される。このようなライニング板の回転軸
への固定は、回転軸が水平となる取付け姿勢の場
合、および回転軸が垂直となる取付け姿勢の場合
には、いずれもライニング板がアーマチヤおよび
エンドプレートから離れた状態でなされる。した
がつて、取付け姿勢の自由度が高まる。また、ラ
イニング板が備えている嵌合筒状部と回転軸に取
付けたハブとの嵌合によつて、水平取付け姿勢下
で制動を解放した状態においてもライニング板を
安定な状態に支持して、ライニング板の面ぶれを
抑制する。
〔実施例〕
本考案の一実施例を示す第1図および第2図中
1は電磁石として構成されるブレーキ本体であ
る。この本体1は、中心部に貫通孔2を有したヨ
ーク3内に、電磁コイル4、複数のカラー5、複
数のねじ受け6、および複数のばね7を取付けて
形成されている。電磁コイル4は貫通孔2を取囲
んで設けられている。そして、複数のカラー5お
よび複数のねじ受け6は電磁コイル4の外周側に
おいて夫々一定間隔毎に配設されており、さら
に、複数のばね7も電磁コイル4の外周側におい
て夫々一定間隔毎に配設されている。
このブレーキ本体1の正面には、ステンレス等
の非磁化材料から円盤状に形成されたエンドプレ
ート8が所定の間隔を設けて取付けられている。
このプレート8の取付けは、上記各ねじ受け6に
スペーサ筒体9を連ねて、これらエンドプレート
8およびスペーサ筒体9を貫通してねじ受け6に
固定ねじ10を夫々ねじ込むことによりなされて
いる。
上記ブレーキ本体1とエンドプレート8との間
には、後述のライニング板15に接離するアーマ
チヤ11が移動可能に設けられている。アーマチ
ヤ11は円盤状であつて、上記各スペーサ筒体9
をガイドとして移動されるようにこれらの筒体9
に嵌合されているとともに、上記各ばね7の付勢
力により常にエンドプレート8側に付勢されてラ
イニング板15に圧接されるようになつている。
なお、図中8a,11aは上記カラー5に対向
してエンドプレート8、アーマチヤ11に夫夫設
けたボルト通し部、12は取付けボルトである。
そして、ブレーキ本体1は、ボルト通し部8a,
11aを通して上記カラー5に挿通される取付け
ボルト12を介して回転軸13を備えた機械14
に取付け固定されるようになつている。
そして、上記エンドプレート8とアーマチヤ1
1との間にはライニング板15が設けられてい
る。このライニング板15は、SIOC等の残留磁
気の少ない材料製の嵌合筒状部16と、嵌合筒状
部16の外周に連結された円盤状のデイスク部1
7とから形成されている。嵌合筒状部16は、デ
イスク部17の中央部に設けられているととも
に、デイスク部17の厚みよりも長く例えば上記
回転軸13に取付けられたハブ18と略同じ長さ
であつて、このハブ18の外周に軸方向沿つて移
動可能に嵌合されている。ハブ18はSIOC等の
残留磁気の少ない材料製であり、ライニング板1
5を一体に回転させるようになつている。そし
て、デイスク部17は、エンドプレート8とアー
マチヤ11との間に位置されているとともに、上
記筒状部16に連結された硬質アルミニウム等の
非磁化材料製の芯板17aの両面にライニング1
7bを夫々装着して形成されている。
なお、第1図中gはアーマチヤ11が移動され
るギヤツプである。
以上の構造の電磁ブレーキを、回転軸13が水
平となる取付け姿勢として使用した場合の無励磁
状態は第1図に示されている。この状態において
アーマチヤ11は、ばね7の付勢力によりブレー
キ本体1との間にギヤツプgを形成してエンドプ
レート8側に押圧されて、ライニング板15をエ
ンドプレート8との間に、圧するから、回転軸1
3は制動状態に保持されている。
この制動状態から電磁コイル4に通電してこれ
を励磁すると、磁気力によりアーマチヤ11がば
ね7の付勢力に抗してブレーキ本体1側に吸引さ
れ、ライニング板15から離れるとともに、この
ライニング板15がエンドプレート8との接触抵
抗によつてこのプレート8から離れるので、回転
軸13の制動が解放される。そして、この時、嵌
合筒状部16とハブ18とは磁気誘導によつて磁
化されるから、これらは磁化結合する。つまり、
ライニング板15が回転軸13に固定される。
このようにしてライニング板15が制動解放位
置において回転軸13に固定されるから、このブ
レーキの取付機械に振動がある場合等でも、ライ
ニング板15が振動によりスラスト方向に移動す
ることが防止される。これにより、エンドプレー
ト8またはアーマチヤ11にライニング板15が
接触して擦過音を生じることを防止できる。これ
とともに以上のようにして制動が解放された状態
において、ライニング板15はその嵌合筒状部1
6をハブ18に嵌合しているから、これらの嵌合
によつてライニング板15が安定な状態に支持さ
れてライニング板15の面ぶれが抑制される。し
たがつて、ライニング板15のデイスク部17
が、エンドプレート8またはアーマチヤ11に接
触して、擦過音を発生することが防止される。以
上により、静粛さを要求される場合の使用にも適
するものである。
また、嵌合筒状部16とハブ18との間には嵌
め合いのための寸法差にもとづく多少のゆるみが
あるが、それにも拘らず既述の磁気結合によつ
て、外部からの振動をひろつてがたつき音を発生
することも防止できる。
なお、以上の制動の解放状態ではエンドプレー
ト8およびデイスク部17の芯板17aは磁化さ
れることがなく、そして電磁コイル4への通電を
断つと、このコイル4の消磁とともに嵌合筒状部
16およびハブ18は直ちに消磁されるから、ば
ね7の付勢力で制動状態が形成される。そして、
以上のような動作の繰返しに拘らず、嵌合筒状部
16およびハブ18の残留磁気は少なく、これら
が磁石化することはない。
そして、この電磁ブレーキを、このエンドプレ
ート8を上にして回転軸13が垂直となる取付け
姿勢として使用した場合には、電磁コイル4への
通電に伴う制動の解放と同時に、ライニング板1
5が自重でアーマチヤ11に当たるまで下がり切
らないうちに、既述の磁気結合によつてライニン
グ板15が回転軸13に固定される。これによ
り、ライニング板15がアーマチヤ11に接触し
て擦過音を生じることを防止して使用できる。
また、電磁ブレーキを、そのエンドプレート8
を下にして回転軸13が垂直となる取付け姿勢と
して使用した場合には、電磁コイル4への通電に
伴う制動の解放と同時に、ライニング板15がそ
の自重に抗してエンドプレート8との接触抵抗に
よつて、このプレート8から僅かに離れた状態
で、既述の磁気結合によつて回転軸13に固定さ
れる。これにより、上記接触抵抗と自重との関係
により繰返し、エンドプレート8にライニング板
15が接離することがなく、擦過音の発生を防止
して使用できる。
なお、上記一実施例は以上のように構成した
が、本考案の実施に当つては、考案の要旨に反し
ない限り、ブレーキ本体、エンドプレート、ライ
ニング板の嵌合筒状部、ライニング板のデイスク
部、デイスク部の芯板、アーマチヤ、ハブ等の具
体的な構造、形状、位置、および材質等は、上記
一実施例に制約されることなく、種種の態様に構
成して実施できることは勿論である。
〔考案の効果〕
上記実用新案登録請求の範囲に記載の構成を要
旨とする本考案によれば、制動を解放した状態で
のみ生じる磁気結合によつてライニング板を回転
軸のハブに固定できるとともに、嵌合筒状部でラ
イニング板の面ぶれを抑制できるから、擦過量お
よびそれに伴う摩耗や摩擦熱の発生を防止できる
とともに、許容頻度への悪影響も防止できる。し
たがつて、回転軸を水平にして使用する場合は勿
論のこと、垂直や斜め等にして使用する場合にも
適し、取付け姿勢の自由度が大きいという実用上
の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示し、第1図は第2
図中A−A線に沿う無励磁状態の縦断側面図、第
2図は正面図である。 1……ブレーキ本体、8……エンドプレート、
11……アーマチヤ、13……回転軸、15……
ライニング板、16……嵌合筒状部、17……デ
イスク部、17a……デイスク芯板、18……ハ
ブ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. ブレーキ本体とこの本体の正面に間隔を設けて
    取付けられたエンドプレートとの間に、ばね力お
    よび励磁力により移動されるアーマチヤを配設す
    るとともに、回転軸に取付けられるハブと一体に
    回転されるライニング板を上記アーマチヤとエン
    ドプレートとの間に配設した無励磁作動形の電磁
    式汎用ブレーキにおいて、上記ライニング板を、
    上記アーマチヤとエンドプレートとの間に位置さ
    れるデイスク部と、このデイスク部の中央部に連
    続され上記ハブの外周に軸方向に沿い移動可能に
    嵌合されるとともに上記デイスク部の厚みよりも
    長い嵌合筒状部とから形成し、かつ、上記エンド
    プレートおよびデイスク部の芯板を夫々非磁化材
    料製とするとともに、上記ハブおよび嵌合筒状部
    を夫々残留磁気の少ない材料製としたことを特徴
    とする電磁式汎用ブレーキ。
JP1262886U 1986-01-31 1986-01-31 Expired JPH0138356Y2 (ja)

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JP1262886U JPH0138356Y2 (ja) 1986-01-31 1986-01-31

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JPS62124338U JPS62124338U (ja) 1987-08-07
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DE102011116164A1 (de) * 2011-10-14 2013-04-18 Daimler Ag Nockenwellenverstellvorrichtung einer Kraftfahrzeugbrennkraftmaschine

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JPS62124338U (ja) 1987-08-07

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