JPH0138122B2 - - Google Patents

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JPH0138122B2
JPH0138122B2 JP1619481A JP1619481A JPH0138122B2 JP H0138122 B2 JPH0138122 B2 JP H0138122B2 JP 1619481 A JP1619481 A JP 1619481A JP 1619481 A JP1619481 A JP 1619481A JP H0138122 B2 JPH0138122 B2 JP H0138122B2
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JP
Japan
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titanium trichloride
polymer
catalyst
solid titanium
polymerization
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JP1619481A
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JPS57131204A (en
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Masayoshi Hasuo
Sadanori Suga
Yukitoshi Suzuki
Nobuaki Goko
Yasuhiro Nishihara
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Mitsubishi Kasei Corp
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Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ポリオレフインの製造方法に関す
る。更に詳しくは、固体三塩化チタンと有機アル
ミニウム化合物および特定の組み合せの電子供与
性化合物とからなる触媒系を用いてオレフインを
重合する方法に関する。 従来、固体三塩化チタン系触媒と有機アルミニ
ウム化合物からなる触媒系を用いてオレフインの
重合、なかでもα―オレフインの立体特異性重合
を行うに当り、第3成分として電子供与性化合物
を用いることはよく知られている。その際、電子
供与性化合物を触媒系の第3成分として用いるこ
との目的は、一には、生成重合体の立体規則性を
少しでも向上させることによつて副生する非晶性
重合体の量を減少させ、結晶性重合体の歩留りを
改良するか、あるいは生成重合体から得られた成
形品の剛性を改良することであり、一には、生成
重合体粉末の嵩密度、粒径分布の如き粉体性状を
改良することによつて重合粉体あるいはスラリー
の取扱いや移送を容易にしたり、反応器の容量を
減少させたりすることであり、それらの目的の為
に、これまで非常に数多くの検討がなされ、それ
相当の成果が得られて来たことは衆知のことであ
る。例えば特公昭44−21337および特公昭49−
4832においては、TiCl4をAlにより還元し、つい
で粉砕、活性化して得られる三塩化チタンとジエ
チルアルミニウムモノクロリドの如き有機アルミ
ニウム化合物からなる触媒系を用いてプロピレン
の重合を行うに当り第3成分としてメタクリル酸
エステルあるいはアクリル酸エステルの如きカル
ボン酸誘導体や、エチルビニルエーテルの如きビ
ニルエーテル類を用いることによつて、ポリプロ
ピレンの立体規則性を向上させる方法が提案され
ている。更に、特公昭46−12140においては第3
成分として安息香酸エチルの如き安息香酸誘導体
を用いることによつて、同様にポリプロピレンの
立体規則性を向上させる方法が提案されている。
ここに挙げた様な含酸素化合物は第3成分として
用いた場合、生成重合体の立体規則性が向上する
反面、重合速度の低下が少く、これらの点に関し
ては工業的に有用な第3成分の一つであると言え
る。また、特公昭39−19546においては、三塩化
チタンと有機アルミニウム化合物からなる触媒系
を用いて、実質的に酸素化合物を含まない脂肪族
又は脂環族飽和炭化水素溶媒中でプロピレンの重
合を行うに当り、第3成分または重合溶媒の一部
としてトルエンの如き芳香族炭化水素を用いるこ
とによつて、立体規則性と重合粉末の嵩密度を向
上させる方法が提案されており、本発明者らの一
部も先に特公昭55−9001において、特定の方法で
製造した高活性三塩化チタン系触媒錯体と有機ア
ルミニウム化合物及び芳香族炭化水素からなる触
媒系を用いてプロピレンを重合し、立体規則性、
重合体粉末の嵩密度の共に高いポリプロピレンを
高い触媒効率で得る方法を提案した。 一方、ポリプロピレンの大きな用途の一つであ
る包装用フイルムの場合、その透明性及び耐衝撃
性は商品的価値を決める大きな要因であり、透明
性、耐衝撃性共により大きい方が好ましい。とこ
ろが本発明者らの検討によると、第3成分として
従来公知の電子供与性化合物を触媒系の第3成分
として用いてプロピレンを重合した場合立体規則
性、重合体粉末の嵩密度が共に高いポリプロピレ
ンが得られるが、それを水冷インフレフイルムあ
るいはTダイフイルムに押出し成形した場合、そ
の透明性が低下し、耐衝撃性も低下するというこ
とが判明した。しかも第3成分の量を増大するな
どして、生成重合体の立体規則性を向上すればす
る程フイルムのいわゆる“腰”(剛性)は改良さ
れるがその反面前述した透明性と耐衝撃性の低下
は顕著となつた。この理由については勿論定かで
はないが、本発明者らの検討によると、フイルム
の透明性及び耐衝撃性と密接な相関を有するもの
の1つに重合体の分子量分布が挙げられ、この分
子量分布は、更に重合時の第3成分の種類及び量
と密接な相関を有することが判明した。即ち従来
公知の電子供与性化合物を用いた場合、重合体の
立体規則性が向上するのは勿論であるが、同時に
分子量分布も増大し、フイルムの透明性と耐衝撃
性が低下する傾向が認められた。これらフイルム
の両性質と分子量分布が何故相関を有するかは現
段階では不明であるが、本発明者らは、分子量分
布の増大を防止することによつてかかる欠点を解
決すべく鋭意検討を行つた結果ある特定の組み合
せの電子供与性化合物を第3成分として用いた場
合立体規則性は向上するが、分子量分布は小さい
ままに保たれ、結果的にフイルムの透明性と衝撃
強度が改良されることを見出し本発明に到達した
ものであり、これは従来技術からは予測もつかな
い全く驚くべきことである。そして、本発明方法
によれば、組み合わせる触媒、共触媒とも相俟つ
て立体規則性が充分に大きく、嵩密度も大きい重
合体が高活性で、即ち高触媒効率で得られるので
非晶性重合体の除去工程の省略、残存触媒の除去
工程の合理化が可能になるなど、製造プロセス面
からも有利な方法である。 しかして、本発明の要旨は、エーテル又はチオ
エーテルの存在下に液状化した三塩化チタンを含
有する液状物から150℃以下の温度で析出させる
か、又は、四塩化チタンを有機アルミニウム化合
物又は金属アルミニウムで還元して得られた固体
三塩化チタンを錯化剤処理及びハロゲン化合物処
理するかして得られる固体三塩化チタン、有機ア
ルミニウム化合物、芳香族炭化水素および分子内
に芳香族多環縮合環を有するモノカルボン酸エス
テルからなる触媒系を用いてα―オレフインを重
合することを特徴とするポリオレフインの製造方
法に存する。 本発明を詳細に説明するに、触媒として使用さ
れる固体三塩化チタンとしては、四塩化チタンの
水素還元により得られる純粋の三塩化チタン、四
塩化チタンのアルミニウム還元により得られる三
塩化チタン―三塩化アルミニウム共晶体
(TiCl3 -1/3AlCl3)及びこれら三塩化チタンの機
械的粉砕物等も使用可能ではあるが除去すべき非
晶性重合体の生成量が少く、触媒除去工程を簡略
化ないしは省略化でき、得られる重合体の粉末特
性も良好である等の理由により、高活性触媒であ
る下記の固体三塩化チタン系触媒錯体を使用する
のが好ましい。かかる固体三塩化チタン系触媒錯
体は、特開昭47−34478、同48−64170、同50−
112289、同50−143790、同51−16297、同51−
16298、同51−76196、同51−123796等に記載され
ているが、説明するとアルミニウム含有量がチタ
ンに対するアルミニウムの原子比で0.15以下、好
ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.02以下で
あり、かつ錯化剤を含有するものである。そして
錯化剤の含有量は、固体三塩化チタン系触媒錯体
中の三塩化チタンに対する錯化剤のモル比で
0.001以上、好ましくは0.01以上である。具体的
には、三塩化チタン、三塩化チタンのチタンに対
するアルミニウムの原子比で0.15以下の式AlR1 p
X3-p(式中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基、X
はハロゲン原子、pは0≦p≦2の数を示す)で
表わされるハロゲン化アルミニウムおよび三塩化
チタンに対しモル比で0.001以上の錯化剤を含む
もの、例えば式TiCl3・(AlR1 pX3-ps・(C)t(式
中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基であり、X
はハロゲン原子であり、pは0≦p≦2の数であ
り、Cは錯化剤であり、sは0.15以下の数であ
り、tは0.001以上の数である)で表わされるも
のが挙げられるが、もちろん、TiCl3成分、
AlR1 pX3-p成分及び錯化剤C成分のほかに、少量
のヨウ素、三塩化チタンの塩素の一部または全部
がヨウ素もしくは臭素で置換されたもの、あるい
はMgCl2,MgO等の担体用無機固体、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のオレフイン重合体粉末
等を含むものであつてもよい。錯化剤Cとして
は、エーテル、チオエーテル、ケトン、カルボン
酸エステル、アミン、カルボン酸アミド、ポリシ
ロキサン等が挙げられるが、このうちエーテル又
はチオエーテルがとくに好ましい。エーテル又は
チオエーテルとしては、一般式R2−O−R3又は
R2−S−R3(式中、R2,R3は炭素数15以下の炭
化水素基を示す。)で表わされるものが挙げられ
る。AlR1 pX3-pとしては、AlCl3,AlR1Cl2等が挙
げられる。 また、上記固体三塩化チタン系触媒錯体は、そ
のX線回折図形がα型三塩化チタンの最強ピーク
位置に相当する位置(2θ=32.9゜付近)に最大強
度のハローを有するものがとくに好ましい。更に
固体三塩化チタン系触媒錯体の製造時において
150℃を超える温度の熱履歴を受けていないもの
が好ましい。さらに水銀ポロシメーター法で測定
した細孔半径20Å〜500Åの間の累積細孔容積が
0.02cm3/g以上とくに0.03cm3/g〜0.15cm3/gで
あるような極めて微細な孔径の細孔容積に特徴が
あるものが、非晶性重合体を除去する必要がない
点で、とくに好ましい。 しかしてこのような固体三塩化チタン系触媒錯
体は、 (イ) エーテル又はチオエーテルの存在下に液状化
した三塩化チタンを含有する液状物から150℃
以下の温度で析出させる (ロ) 四塩化チタンを有機アルミニウム化合物又は
金属アルミニウムで還元して得られた固体三塩
化チタンを、錯化剤処理及びハロゲン化合物処
理する の(イ)または(ロ)の方法により製造する。 (イ)の方法において液状化した三塩化チタンを含
有する液状物を得る方法としては次の2つの手法
があげられる。 (A) 四塩化チタンを出発原料として、これをエー
テル又はチオエーテル及び必要に応じて適当な
炭化水素溶媒の存在下に有機アルミニウム化合
物で還元する方法。 (B) 固体の三塩化チタンを出発原料として、これ
を必要に応じて適当な炭化水素溶媒の存在下、
エーテル又はチオエーテルで処理する方法。 微粒状固体三塩化チタン系触媒錯体を析出させ
る方法には特に制限はなく、液状物をそのままあ
るいは必要に応じて炭化水素希釈剤を加えての
ち、150℃以下の温度、好ましくは40〜120℃、と
くに好ましくは60〜100℃に昇温して、析出させ
る。なお、三塩化チタン液状物中のチタンとアル
ミニウムとの合計モル数がエーテル又はチオエー
テルのモル数より少ない場合には、遊離化剤を添
加して析出を促進してもよい。遊離化剤として
は、四塩化チタン、アルミニウムハロゲン化物、
例えば三ハロゲン化アルミニウム、アルキルアル
ミニウムジハライド等が好ましい。遊離化剤の使
用量は、液状物中のチタンの5モル倍以下が好ま
しい。 (ロ)の方法における錯化剤としては、さきに錯化
剤Cとして例示したものが、同様に挙げられる。
ハロゲン化合物としては、四塩化チタン又は四塩
化炭素が挙げられる。錯化剤処理とハロゲン化合
物処理は、同時におこなつてもよいが、先ず錯化
剤処理をおこない、次いでハロゲン化合物処理を
おこなつてもよい。錯化剤処理は、通常、希釈剤
中、固体三塩化チタンに、TiCl3に対し0.2〜3モ
ル倍の錯化剤を添加し、−20〜80℃の温度でおこ
なう。錯化剤処理後、得られた固体を分離洗浄す
ることが好ましい。ハロゲン化合物処理は、通
常、希釈剤中、−10〜50℃の温度でおこなう。ハ
ロゲン化合物の使用量は、TiCl3に対し通常、0.1
〜10モル倍、好ましくは1〜5モル倍である。ハ
ロゲン化合物処理後、得られた固体を分離洗浄す
ることが好ましい。 一方、共触媒の有機アルミニウム化合物として
は、一般式AlR4 oCl3-o(式中、R4は炭素数1〜20
の炭化水素基を表わし、nは1.95〜2.10の数を示
す)で表わされる化合物を使用することが好まし
い。そのうちR4がエチル基で示され、nが2の
場合であるジエチルアルミニウムモノクロライド
も十分使用可能であるが、特開昭54−107989、同
55−38833に記載されている共触媒即ちR4がノル
マルプロピル基又はノルマルヘキシル基であるも
のがとくに好ましい。R4がノルマルプロピル基
又はノルマルヘキシル基の場合nは1.95≦n≦
2.10であることが重要であり、この範囲内であれ
ば前述の固体三塩化チタン触媒錯体と組み合せて
重合することによつて重合活性と重合体の立体規
則性とが共に高い結果が得られる。 2種用いられる第3成分の内、芳香族炭化水素
としては、単環または多環を有する炭化水素であ
り、アルキル基、アルケニル基等の炭化水素基、
もしくはハロゲン等の置換基を有しているもので
もよい。具体的にはベンゼン、トルエン、エチル
ベンゼン、キシレン、スチレン、n―プロピルベ
ンゼン、エチルトルエン、トリメチルベンゼン、
テトラメチルベンゼン、クロルベンゼン等の単環
式芳香族炭化水素、ジフエニル、ジフエニルメタ
ン、トリフエニルメタン、ナフタリン、メチルナ
フタリン、ジメチルナフタリン、ビニルナフタリ
ン、フエナントレン、アントラセン、ビニルアン
トラセン等の多環式芳香族炭化水素等が挙げられ
るが、前記固体三塩化チタン系触媒錯体を用いる
場合にはその製造あるいは前重合に使用する溶媒
と同一種である方が、溶媒回収の点から有利であ
ること、安価でかつ取扱いが容易であること、更
にポリマー乾燥時に揮発しやすいこと等の理由に
より、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き前記
溶媒にもなりうる常温で液体で比較的低沸点であ
る単環式芳香族炭化水素が好ましい。 分子内に芳香族多環縮合環を有するモノカルボ
ン酸エステル(以下、これを単にモノカルボン酸
エステルと称する)としては、ナフタレン、アン
トラセン、ピレン、インデン、フルオレン等を有
するモノカルボン酸エステルが挙げられる。 好ましくはα―ナフトエ酸のメチル、エチル、
ブチル、アミル、オクチルエステル;β―ナフト
エ酸のメチル、エチル、ブチル、アミル、オクチ
ルエステル;アントラセン―1―カルボン酸のメ
チル、エチル、ブチル、アミル、オクチルエステ
ル;アントラセン―2―カルボン酸のメチル、エ
チル、ブチル、アミル、オクチルエステル;アン
トラセン―9―カルボン酸のメチル、エチル、ブ
チル、アミル、オクチルエステル等が挙げられ
る。更に上記した芳香族環の水素原子がアルキル
基で置換されているものも使用できる。触媒各成
分の使用割合は、通常、固体三塩化チタン中の三
塩化チタン:有機アルミニウム化合物:芳香族炭
化水素:モノカルボン酸エステルのモル比で 1:1〜100:1〜10000:0.01〜10, 好ましくは 1:2〜40:5〜5000:0.05〜2になるように
選ばれる。 重合を炭化水素溶媒中で行う場合は、上記芳香
族炭化水素の使用量は、溶媒に対して0.01〜20容
量%、好ましくは0.1〜10容量%となるように用
いるものである。この量は少なすぎると、フイル
ムの透明性や耐衝撃性の改良効果が充分ではな
く、また多すぎると、重合体あるいは重合溶媒か
らの芳香族炭化水素の回収の負担が増大するな
ど、好ましくない影響が現われる。 本発明方法では、上記固体三塩化チタン、有機
アルミニウム化合物及び芳香族炭化水素とモノカ
ルボン酸エステルからなる第3成分から触媒系を
調製するのであるがこの触媒系の調製には、いか
なる公知の方法も採用しうる。例えば予めヘキサ
ン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素
溶媒中で、上記4成分を単に混合する方法(ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素を溶媒として
用いる場合は、それらの合計モル数が前述の使用
割合になるように選ばれる)、上記2成分例えば
有機アルミニウム化合物とモノカルボン酸エステ
ルを予め混合する方法等が挙げられる。混合する
温度、時間等に特に制限はないが、通常温度は室
温ないし重合温度が好ましく、時間もあまり長く
ない方が好ましく、通常数日以内である。また上
記触媒各成分を予め混合することなく別々に重合
器へ供給する方法もとりうる。さらに触媒として
用いられる固体三塩化チタンは、そのまま重合に
用いても良いが、有機アルミニウム化合物の存在
下、少量の前記オレフインで前処理してから使用
するのが好ましい。この前処理は例えば嵩密度な
ど重合体のスラリー物性の改良に効果がある。 前処理は重合温度より低い温度、一般に20℃〜
60℃で、前処理によつて生成した重合体/固体三
塩化チタン中の三塩化チタン=0.1〜50/1(重量
比)、通常1〜20/1になる様に行なわれる。こ
の前処理を行う溶媒はヘキサン、ヘプタンの如き
脂肪族炭化水素、シクロヘキサンの如き脂環式炭
化水素も使用しうるが、ベンゼン、トルエンの如
き第3成分として添加する芳香族炭化水素自身を
溶媒として使用するのが、最終重合体の立体規則
性はもちろんのこと、嵩密度も向上する点で、好
ましい。 しかして、本発明においては、固体三塩化チタ
ン、有機アルミニウム化合物、及び触媒第3成分
とからなる触媒系の存在下に、α―オレフインの
重合をおこなう。α―オレフインとしては、プロ
ピレン、ブテン―1,3―メチルブテン―1,4
―メチルペンテン―1、ペンテン―1、ヘキセン
―1等が挙げられ、これらのα―オレフインにつ
いての単独重合あるいは、これらとエチレンとの
混合物、又はこれら相互の混合物のランダム共重
合、あるいはこれらα―オレフイン同志の又はこ
れらα―オレフインとエチレンからなるブロツク
共重合がおこなわれる。とくに、プロピレン単独
重合体、プロピレン90重量%以上を含むランダム
共重合体又はプロピレン80重量%以上を含むブロ
ツク共重合体を製造する立体規則性重合に好適で
ある。 重合反応は気相重合でおこなつてもよいし、溶
媒の存在下、スラリー重合でおこなつてもよい。
溶媒としては、例えばペンタン、ヘプタン、ヘキ
サン、デカン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等
があげられるが、プロピレン等前記オレフイン自
体も好ましく使用される。 また、重合反応は回分式あるいは連続式のいず
れの方法によつて実施することも可能で、重合の
温度と圧力については特に限定はないが、通常、
50〜100℃、好ましくは60〜90℃、圧力は大気圧
〜100気圧程度である。 なお、重合の際、水素、ハロゲン化炭化水素等
の公知の分子量制御剤を用いて生成ポリマーの分
子量を制御できる。 以上のようにして、オレフインの重合をおこな
うが、本発明方法によりもたらされる高重合活性
及び高立体規則性の効果は、高触媒効率の重合例
えば固体三塩化チタン中の三塩化チタン
(TiCl3)1グラム当り5000グラム以上、好まし
くは10000グラム以上の重合体が生成するような
重合において特に顕著であり、重合体中に残存す
る触媒量が一段と減少し、得られた重合体の立体
規則性が向上するので、このような高触媒効率重
合がとくに好ましい。 以上詳記した本発明のポリオレフインの製造方
法によれば、重合活性と重合体の立体規則性とが
共に高い結果が得られるのみならずフイルムに成
形した場合透明性と耐衝撃性とが共に高い結果が
得られ、従来法ではみられないすぐれた効果が奏
される。従つて本発明は工業的に大きな価値を有
する。 次に本発明を実施例及び比較例により更に具体
的に説明する。なお、実施例及び比較例中、触媒
効率CEは、固体三塩化チタン中の三塩化チタン
1g当りの全プロピレン重合体生成量gであり、
重合活性Kは1時間当り、プロピレン圧1Kg/cm2
当り、三塩化チタン1g当りの全プロピレン重合
体生成量gである。ここで全プロピレン重合体生
成量とは非晶性重合体をも含めた量を言う。重合
体粉末の嵩密度ρBはJIS―K―6721により測定し
た。 II―XLNは重合体を安定剤と共に沸騰キシレ
ンに完全に溶解した後、室温まで徐冷放置を行
い、析出した重合体を過して取り出しキシレン
で洗浄を行つた後の残量の全重合体に対する割合
(重量%)であり、全重合体の立体規則性を表わ
す。 重合体のメルトフローインデツクス、MFIは
ASTM―D1238によつて測定した。FRは5.528Kg
荷重、230℃における溶融重合体の押出量と、
0.553Kg荷重、230℃における同押出量の比で表わ
し、分子量分布の広がりを示す簡便法である。 フイルムのヘイズ(透明性)はASTM―
D1003に従い日本電色製ヘイズメーターを用いて
測定した。これはフイルムの透明性を示すもので
ある。 また、フイルムのダート・ドロツプ・インパク
ト、DDIは、ASTM―D1709に従い東洋精機製
DDI測定機により半球1.5インチ高さ20インチで
測定した。これはフイルムの耐衝撃性を示すもの
である。また、第1図及び第2図は、本発明に含
まれる技術内容の理解を助けるためのフローチヤ
ート図であり、本発明はその要旨を逸脱しない限
り、フローチヤート図によつて何ら制約を受ける
ものではない。 触媒製造例 1 (A) 固体三塩化チタン系触媒錯体の製造 充分に窒素置換した容量10のオートクレーブ
に精製n―ヘキサン5.0を装入し、撹拌下、ジ
―n―オクチルエーテル2.7モル、四塩化チタン
3.0モルを装入した。内温を30℃に調節しついで
ジエチルアルミニウムモノクロライド1.0モルを
含有するn―ヘキサン溶液0.5を添加し、褐色
の均一溶液を得た。ついで昇温したところ50℃を
過ぎる頃より紫色の微粒状の固体析出が認められ
た。95℃で約1時間保持した後、粒状の紫色固体
を分離しn―ヘキサンで洗浄を繰返して345gの
三塩化チタン系固体触媒錯体を得た。 元素分析及びガス―クロ分析の結果、このもの
の組成はTiCl3・(AlCl30.004・〔(n−C8H172O〕
0.11であつた。 (B) プロピレンによる前処理 充分に窒素置換した容量20のオートクレーブ
に精製n―ヘキサン12.5を装入し、撹拌下、ジ
エチルアルミニウムモノクロライド1.6モル、上
記(A)で得た固体三塩化チタン系触媒錯体を、
TiCl3の量が250gとなるように装入した。つい
で内温を30℃に調節し、撹拌下、プロピレンガス
の吹き込みを開始し重合したプロピレンが1250g
になるまで同温度でプロピレンガスの吹き込みを
続けた。ついで固体を分離し、n―ヘキサンで洗
浄を繰返し、ポリプロピレン含有三塩化チタンを
得た。 実施例1〜4および比較例1〜5 充分に窒素置換した容量1.7m3の反応器に、70
℃で液化プロピレンおよび水素を連続的に供給
し、触媒製造例1(B)で得られたポリプロピレン含
有固体三塩化チタン(TiCl3)、ジ―n―プロピ
ルアルミニウムモノクロライド(DPA)、芳香族
炭化水素および種々のモノカルボン酸エステルを
それぞれ表1に記載の量となるように連続的に供
給した。DPA/TiCl3モル比は8であつた。プロ
ピレン分圧31Kg/cm2、気相中のプロピレンに対す
る水素のモル比を0.06〜0.065として、70℃で平
均滞留時間5.0時間で連続的にプロピレンの重合
を行つた。触媒供給速度と重合体生成速度から求
めた重合活性を表1に示す。重合体の液化プロピ
レンスラリーから未反応プロピレンをパージした
後、重合体粉末をプロピレンオキシドガスで120
℃で連続的に処理を行つた。 以上のようにして得た製品粉末に抗酸化剤とし
てBHTを0.2重量%及びシリカを0.3重量%添加し
内径40mmのペレタイザーで250℃でペレツト化し
た後、厚さ30μの水冷インフレーシヨンフイルム
に成形した。このフイルムについてヘイズ(透明
性)及びDDI(耐衝撃性)を測定した。一方ペレ
ツトについてFRを測定した。これらの結果につ
いて表1にまとめて示す。 実施例1〜3は芳香族炭化水素としてトルエン
を用い、種々のモノカルボン酸エステルを用いて
重合を行つたものである。比較例1〜3は芳香族
炭化水素を用いない従来公知の方法であり、モノ
カルボン酸エステルのみを添加して非晶性重合体
の生成率を減少させたり、立体規則性II―XLN
を増大させると、フイルムのヘイズが増大し即ち
透明性が悪化し、また衝撃強度、DDIが低下する
が、実施例1〜3の如く、トルエンを併用する
と、フイルムのヘイズが減少し、即ち透明性が良
化し、また衝撃強度DDIも向上することが明らか
である。また、分子量分布の指標であるFRも低
下していることがわかる。一方、比較例4は第3
成分を用いずに重合した場合であり、比較例5は
芳香族炭化水素のみを用いた場合であるが、フイ
ルムの透明性及び耐衝撃性は満足すべきものであ
るが、非晶性重合体の生成率が大きく、立体規則
性II―XLNが低いことを示す。そのためフイル
ムの剛性が低下した。 本発明方法で得られる別の効果として、モノカ
ルボン酸エステルのみを用いてII―XLNを増大
させようとすると重合活性Kの低下が比較的大き
いが、トルエンを併用するとKの低下が少くすむ
ことが実施例1〜3と比較例1〜3の比較から明
らかである。 実施例4は芳香族炭化水素としてベンゼンを用
いた例であるが、実施例1〜3と同様に非晶性重
合体生成率が低下し、立体規則性II―XLNが向
上する一方、フイルムの透明性と耐衝撃性も共に
改良されていることを示す。
【表】
【表】 触媒製造例 2 (A) 固体三塩化チタン系触媒錯体の製造 充分に窒素置換した容量10のオートクレーブ
に精製トルエン5.0を装入し、撹拌下、ジ―n
―ブチルエーテル5.0モル、四塩化チタン5.0モル
を装入した。内温を30℃に調節しついでジエチル
アルミニウムモノクロライド2.5モルを含有する
トルエン溶液0.7を添加し、褐色の均一溶液を
得た。ついで昇温したときろ40℃を過ぎる頃より
紫色の微粒状の固体析出が認められた。95℃で約
1時間保持した後、粒状の紫色固体を分離しトル
エンで洗浄を繰返して778gの三塩化チタン系固
体触媒錯体を得た。 元素分析及びガス―クロ分析の結果、このもの
の組成はTiCl3・(AlCl30.003・〔(n−C4H92O〕0
.

07であつた。 (B) プロピレンによる前処理 充分に窒素置換した容量20のオートクレーブ
に精製トルエン12.5を装入し、撹拌下、ジ―プ
ロピルアルミニウムモノクロライド1.6モル、上
記(A)で得た固体三塩化チタン系触媒錯体を、
TiCl3の量が250gとなるように装入した。つい
で内温を20℃に調節し、撹拌下、プロピレンガス
の吹き込みを開始し重合したプロピレンが1250g
になるまで同温度でプロピレンガスの吹き込みを
続けた。ついで固体を分離し、トルエンで洗浄を
繰返し、ポリプロピレン含有三塩化チタンを得
た。なお後述する比較例6〜9においてはトルエ
ン洗浄後、トルエンをn―ヘキサンで置換したも
のを用いた。 実施例5〜8および比較例6〜10 実施例1において、固体触媒成分として触媒製
造例2(B)で得られたポリプロピレン含有固体三塩
化チタンを使用し、芳香族炭化水素およびモノカ
ルボン酸エステルの種類および使用量を表2のよ
うにし、TiCl3の供給速度を表2のようにしたほ
かは実施例1と同様にして、重合をおこない、つ
いで水冷インフレーシヨンフイルムに成形し各種
測定を行つた。これらの結果を表2にまとめて示
す。 実施例5〜7は種々のモノカルボン酸エステル
に、ポリプロピレン含有固体三塩化チタンスラリ
ーの溶媒であるトルエンを併用し、実施例8は更
にキシレンを添加して重合したものである。比較
例6〜8と比較すると、モノカルボン酸エステル
に芳香族炭化水素を併用することによつて、やは
り非晶性重合体生成率が減少し、立体規則性II―
XLNが向上すると共に、フイルムの透明性及び
耐衝撃性が改良されることが明らかである。また
重合活性の低下が小さいことも同様である。この
様な効果は、モノカルボン酸エステルあるいは芳
香族炭化水素各々単独では望みえず、両者相俟つ
て始めて得られるものである。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明の一態様を示すフ
ローチヤート図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エーテル又はチオエーテルの存在下に液状化
    した三塩化チタンを含有する液状物から150℃以
    下の温度で析出させるか、又は、四塩化チタンを
    有機アルミニウム化合物又は金属アルミニウムで
    還元して得られた固体三塩化チタンを錯化剤処理
    及びハロゲン化合物処理するかして得られる固体
    三塩化チタン、有機アルミニウム化合物、芳香族
    炭化水素および分子内に芳香族多環縮合環を有す
    るモノカルボン酸エステルからなる触媒系を用い
    てα―オレフインを重合することを特徴とするポ
    リオレフインの製造方法 2 固体三塩化チタンとして、アルミニウム含有
    量がチタンに対するアルミニウムの原子比で0.15
    以下であつてかつ錯化剤を含有する固体三塩化チ
    タン系触媒錯体を用いる特許請求の範囲第1項記
    載の製造方法
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