JPH0136052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、手動スイツチにて点火を行なうガス
湯沸器に於て、ガス配管内の空気置換が生じた場
合に、空気抜きスイツチによつて点火動作を試
み、この完了後にフリツカ回路に報知させると同
時に再度燃料を作動させないように改良した空気
抜き制御回路に関する。

従来、ガス湯沸器における空気置換対策として
は、器具コントローラにオルタネート・スイツチ
を設けて点火動作を単に機械的持続させ、空気放
出後に燃料ガスを燃焼させる方法がある。この場
合には、パイロツトバーナへ着火すれば、続いて
主弁が開き主バーナへの着火が行なわれる。しか
し、ガス配管内の乱れにより一旦着火した後、失
火したときには、直ちに主バーナへの点火動作が
行なわれ、爆発着火となる危険があつた。

また、この様な従来の型式の空気抜き対策を施
した場合は、器具の使用者が誤つた使い方を招く
ことがある。例えば空気抜きスイツチをオンさせ
たままで、電源スイツチによつてガス湯沸器を発
停させるような使用方法が行なわれると、制御回
路の効果が無視されることになり、大きな爆発事
故を招くおそれがあつた。

本考案は、この様な欠点を解決するもので、空
気抜きスイツチ用として多極スイツチを使用し
て、点火動作を行なわせるが持続せずに、また主
燃料弁の動作回路を遮断させて絶対に主弁を開始
させないように構成し、配管内の空気抜き操作の
終了後は燃焼を自動的に停止させて、その状態を
保持し、かつ報知させるようにしたガス湯沸器の
空気抜き制御回路を提供することを目的としてい
る。

以下、本考案の一実施例を図とともに説明す
る。

第１図は、ガス燃焼器の切替制御系を示す配置
図である。図において、ガス燃焼器を制御する器
具コントローラＡは、通常屋外に置かれ、また屋
内のうち、例えば台所に台所コントローラＢを、
また風呂場に風呂コントローラＣがそれぞれ配置
される。第２図は屋外に設置されるガス燃焼器の
ガス供給路の構成図である。第２図中、１は元弁
であり、その下流側に主弁２、フロ弁３が並設さ
れ、それぞれバーナ５，６に連なつている。４は
パイロツトバーナで７はイグナイタである。

第２図に示す基本的な弁構成のガス燃焼器を制
御する際に、上述した器具コントローラＡは燃焼
器の近くに設置され、この器具コントローラＡを
遠隔の位置にある台所コントローラＢと風呂コン
トローラＣで制御するものである。

第３図は、本考案の一実施例である空気抜き制
御回路が適用されたガス燃焼制御装置の構成図で
ある。第３図に於て、台所コントローラＢには他
コントローラ全てに対し、電力供給する電源１０
が接続される。さらに運転スイツチ１１、点火ス
イツチ１２によつてガス燃焼制御装置の全体が始
動され、始動ランプ１３、運転ランプ１４で燃焼
器側の状態を指示する。

一方、風呂コントローラＣは、始動および停止
スイツチ２０，２１によつて風呂用バーナ６の点
火を操作できるようになつており、パイロツト火
炎が既に確立しているか否かを知る運転ランプ２
６と風呂の使用状態を知る始動ランプ２４とでそ
の運転状態を指示している。まず、台所にて運転
及び点火スイツチ１１，１２が投入した時、火炎
がまだ確立してないので火炎検出回路４１の出力
がローであり、また増幅器４７の出力はハイであ
り、トランジスタ３７はオンである。したがつて
抵抗３５からトランジスタ３７に電流が流れ、こ
れによつてトランジスタ３６がオンする。このた
め元弁１の点火器７が作動し、第２図に示したパ
イロツトバーナ４にパイロツト炎が確立する。サ
ーモカツプル４０はこれを検出し、火炎検出回路
４１の出力をハイにしてトランジスタ４２をオン
し、これによりリレー４５を付勢する。また同時
にコンデンサ４６を充電し始め、所定時間後に増
幅器４７の出力をローにし、トランジスタ３７を
オフにする。しかしこの前にリレー４５の接点４
５−１は閉成し、接点４５−２は反転するので、
主弁２およびフロ弁３はそれぞれ主弁制御回路３
１および風呂コントローラＣの操作に従い、開弁
を制御され、いずれか又は両方にガス供給が行わ
れる。

また、火炎が検出され接点４５−１が閉成する
と、リード線４９を経て信号が火炎ラツチ回路５
０に供給される。火炎ラツチ回路５０は通常のホ
ールド回路であり、入力信号が一旦入力される
と、出力がローからハイに変化しその状態を保持
する。すなわち、火炎ラツチ回路５０がハイにあ
ることは過去に着火したことがあることを示す。
一方、火炎の検出により火炎検出回路４１がハイ
になると、リード線４８を経てインバータ３３は
ハイの出力をローに反転し、インバータ５５に与
える。インバータ５５はリード線５１のハイ信号
とリード線５２のロー信号のアンドゲートに対し
てのインバータ機能を果し、このときその出力は
ハイとなる。このハイ信号はリード線５６を介し
て発振回路５７に与えられる。発振回路５７は周
知の回路でロー信号が与えられると発振動作を開
始するが、ハイ信号入力では発振しない。

しかし、台所又は風呂場にて選択された主弁２
又はフロ弁３の運転中に何等かの原因により火炎
が消炎する異常状態が発生したとすると、火炎検
出回路４１の出力はローとなり、インバータ３３
の出力はハイとなる。したがつてインバータ５５
の出力はローで、発振回路５７が発振し、リード
線５８を経てインバータ５９に発振信号すなわち
フリツカー信号をリード線６０に出力する。この
ことは火炎ラツチ回路５０が一旦火炎が確立する
とそのことを記憶し、その後に消炎事故が生ずる
とインバータ５５の出力から消炎信号を送出する
ことになり、これを受けて発振回路５７はフリツ
カ信号を出力する。このフリツカ信号は矢印で示
したリード線６１，６２，６３よりそれぞれ台所
コントローラＢ及び風呂コントローラＣに送られ
る。そこで台所コントローラＢの始動ランプ１３
及び運転ランプ１４と、風呂コントローラＣの始
動ランプ２４、ランプ２６とのいずれもが点滅を
繰り返し、いわゆるフリツカー点燈を行ない、こ
れによつて器具コントローラＡ側の燃焼器に異常
状態が発生したことを、台所においてもまた風呂
場において知ることができる。なお、このとき、
トランジスタ４２がオフし、リレー４５が消勢さ
れるが、インバータ５５のロー出力がリード線５
６を介してトランジスタ３７をバイパスしトラン
ジスタ３７をオフ状態にするので再起動せずフリ
ツカ点燈を維持する。

次に空気抜き制御回路の動作を説明する。

第３図において、リード線４８と並列に設けた
リード線５３に第１の空気抜きスイツチ６５を火
炎検出回路４１から火炎ラツチ回路５０の入力ま
での間に第２の空気抜きスイツチ６６を、リレー
４５と直列に第３の空気抜きスイツチ６７を、さ
らに点火スイツチ１２と直列に第４の空気抜きス
イツチ６８をそれぞれ連動する単一の多極スイツ
チとして器具コントローラＡ内に設けられてい
る。

今、点火スイツチ１２を投入しなくても、運転
スイツチ１１を投入し、多極スイツチを切替える
と、図示の破線で示した径路７０によつて電流が
流れ、先述した通り、トランジスタ３６，３７は
オンする。これによつてパイロツト・バーナ４、
点火器７により火炎が確立するまで配管内の空気
が放出される。点火器７の継続動作後に火炎が確
立すると、火炎検出回路４１の出力はローからハ
イに変わる。しかし第３のスイツチ６７の開路に
よりリレー４５は作動せず主弁２又はフロ弁３が
開弁することはない。

一方、多極スイツチの切替により第１及び第２
のスイツチ６５，６６も閉止しているので、イン
バータ５５にはリード線５３によりハイ信号が入
力され、ダイオード５４の働きより、リード線５
２，５１の出力状態を無視して出力リード線５６
にロー信号を与え、発振回路５７は発振し、フリ
ツカ信号をリード線５８に与える。これによつ
て、先に述べたように各リード線６１，６２，６
３を経て空気抜き動作の完了を台所、風呂場に報
知することができる。しかしアンド回路、すなわ
ちインバータ５５の出力がハイからローになる
と、リード線５６からダイオード６９を経て、ト
ランジスタ３７がオフし、トランジスタ３６もオ
フするので、元弁１点火器２の動作は停止し、燃
焼は終了すると共に以後この状態に維持する。

フリツカ点燈が行なわれると、再度運転を開始
するには多極スイツチを復帰させ、点火スイツチ
１２を投入すればよい。

以上のようにこの考案のガス湯沸器の空気抜き
制御回路によれば、空気抜きスイツチにより点火
動作が空気放出を完了し火炎が確立するまでの期
間に限つて接続され、主燃料弁が開放されること
がないので、極めて安全に操作できることにな
る。また一旦、着火が確認されるとロツクアウト
し、再度着火動作は行われず、しかも表示灯によ
りフリツカ信号で報知させるので危険な操作をさ
れる必要もない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的なガス給湯器の燃焼安全装置の
構成図、第２図は第１図ガス給湯器のガス供給路
の構成図、第３図は本考案の一実施例ガス給湯器
の燃焼安全装置の構成図である。 Ａ……器具コントローラ、１３……始動ラン
プ、Ｂ……台所コントローラ、１４……運転ラン
プ、Ｃ……風呂コントローラ、２４……風呂ラン
プ、２６……状態ランプ、４１……火炎検出回
路、４７……増幅器、５０……火炎ラツチ回路、
５５，３３……インバータ、５７……発振回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス配管内に空気置換が生じたとき、燃焼制御
   回路に設けた空気抜きスイツチの操作によつて空
   気を放出するガス湯沸器の空気抜き制御回路にお
   いて、主燃料弁の開弁を阻止し、かつパイロツト
   バーナのみへのガス供給を行い、点火器を駆動さ
   せる多種スイツチと、火炎検出回路にて一旦火炎
   が確立したことを検出したときに該検出状態を記
   憶する火炎ラツチ回路と、この火炎ラツチ回路の
   出力と上記火炎検出回路の出力とを入力するアン
   ド回路と、このアンド回路の出力で発振する発振
   回路とを備え、上記発振回路の出力で空気抜き操
   作の完了を報知させると共に、上記アンド回路の
   出力により、上記パイロツトバーナへのガス供給
   を停止させたことを特徴とするガス湯沸器の空気
   抜き制御回路。