JPH0135670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は蟻退治用容器に関する。

〔従来技術〕

従来、蟻は通常蟻が発見された場所に粉末或は
シロツプ状の殺虫剤を噴霧式或は吹付ける方法で
退治されてきた。蟻を退治する従来方法の特別な
不利点は使用した殺虫剤の毒性である。特に密閉
室内では、このような殺虫剤による汚染が避けら
れず、常に使用する有用品および物品が汚損して
来る危険がある。またこの他の欠点は有毒物質が
すべての匍腹および飛翔昆虫などに振りかかるの
で蜂のような有益昆虫も共に減殺する恐れがあ
る。

さらに、一般に、通常は袋或はびん詰で販売さ
れている活性物質を用いる昆虫退治方法は、簡単
ではなく、かつ種々問題を含んでいる。使用に際
して、誘いえさ物質を適当な受具上に、或は容器
内に置き、それから必要な場所にこれを置かなけ
ればならない。この場所としては隠れている場所
が好ましいが、このような場所には接近するのが
難しい。子供や愛玩動物類が有毒物質に触れるこ
とを防ぐための慎重な配慮が必要である。害虫類
が殺されると直ちに処理剤のすべての痕跡は汚損
およびこれに伴う害を避けるために取除かなけれ
ばならない。

従来の方法による蟻退治はさらに別の問題を含
む。すなわち、この方法では働き蟻は必ず殺され
るが卵、若蟻および女王蟻は生存する。そのうえ
有毒物質の活性は環境の影響を受けて弱まり、こ
れによつて蟻の完全な退治はこの処理を継続的に
反覆することによつてのみ遂行可能である。

〔目的〕

この考案の目的は、上述の不利点を克服しかつ
接近し難い場所でも環境や有益昆虫に何等の害を
及ぼさずに蟻を容易にかつ清潔に退治できる蟻退
治法を提供するにある。この考案による退治法で
は卵、幼虫および女王蟻までも含めることができ
る。

〔構成〕

この考案の要旨は端面と、実質的に垂直位置で
前記端面に配置されかつ内部への開口を提供する
ための標識部を有する側壁と、さらに密封カバー
を有しかつ誘いえさ物質および殺虫剤が湿潤され
ている吸収性詰物を収納した蟻退治用容器であつ
て、前記容器は20から80cm³の内容積をもつ、軽金
属製のものであり、前記開口が２から４mmの直径
をもちかつ容器底部から2.5から10mmの上方距離
に配設されていることを特徴とする蟻退治用容器
にある。

この考案による蟻退治に用いられる殺虫剤は缶
状或は箱形が好適な容器内に収納される。好適な
実施例について、添付図面に沿つて説明する。容
器である缶は円形の端面４およびほぼ垂直姿勢で
配置された１つの側壁２を有し、側壁２には開口
部を提供するための標識部３が設けられている。
側壁はその縁まわりに折曲げフランジを設けて不
滲透性かつ気密性を有することが好適なカバー１
に接合される。カバーもまた、縁まわりの折曲げ
フランジを有することが好適であり、このカバー
は適当な湾曲操作によつて既知の方法で側壁に固
着される。この缶の気密および水密性を保証する
ために、側壁とカバーとが互に合わさる部分には
任意適切な材料のシール或はガスケツト５を具備
することができる。

もし望むならば、缶の個々の構成部分は必ずし
も平面状で平坦な表面をもつ必要はなく、用いら
れた製造方法や缶の使用に効果をもたせることな
どのために突起部、溝部などをもつこともでき
る。

この考案の容器の本質的な特色は、底から例え
ば2.5mmないし10mmの距離の或る好適な高さに１
個所以上の標識部を有することである。或る指定
された用具を用いてこれらの標識を突き明けて容
器の側壁に２mmないし４mmの直径の孔を形成す
る。この開口部の位置と大きさは効率よく蟻を退
治する上で極めて重要である。この位置より開口
部が低いと薬液が外に浸み出すおそれがあり、こ
れより高いと蟻の補捉率が低下する。又開口の径
が２mmより小さいと蟻の補捉率が低下し、４mmよ
り大きすぎると薬液の有効期間が短かくなり適当
でない。

蟻が容器内に進入するこれらの孔は退治すべき
昆虫が容易に通過できる大きさであるが、反面蜂
のような有益昆虫が容器内に進入するのを防げる
程度に小さくなければならない。

容器の内容積は、下記に述べるように殺虫剤を
浸み込ました詰物の寸法によつて定まるが一般に
は、20〜80cm³の内容積が蟻殺虫のために適当であ
る。

前述のように、この考案による使用容器は吸収
性物質を収容する。この物質は１個以上の吸収性
詰物の形態をもつことが好適である。これらの詰
物は容器内に容易に納められるように容器と同形
であることが好都合である。

このような詰物を準備するのに適した材料は当
業界において公知である。その例として、セルロ
ーズ、綿、織物材料、合成羊毛（不織布）、およ
び発泡材がある。殺虫剤としては蟻退治用として
知られた任意のものが選択できる。しかし、特に
有効なものは幼虫と共に成虫も確実に殺す遅効性
の殺虫剤である。これらの殺虫剤を用いると、活
性物質を吸収した後の蟻は幼虫、兵蟻および女王
蟻にえさを与えるために蟻塚に戻れるだけの時間
を生きながらえる。このような方法を用いること
によつてのみ所期の効果が達成される。水によく
溶ける性質を示す殺虫剤の使用が好ましい。この
ような殺虫剤としては、例えばＯ，Ｏ−ジメチル
（２，２，２−トリクロロ−１−ヒドロキシ−エ
チル）ホスホネートのような既知のリン酸エステ
ルがある。殺虫剤は0.1wt％程度の水溶液として
使用する。

使用される誘いえさ材料は、蟻が容易に殺虫剤
に反応を示し容器内に匍い入りえさに喰い付くも
のでなければならない。好ましいものとして砂糖
を含んだ物質であつて、庶糖、蜂蜜および蜂蜜砂
糖を用いて好結果が得られている。

得策な作業方法によれば、殺虫剤の溶液と誘い
えさ剤の溶液とが同時に或は別個に準備される。
次に吸収性物質がこれら溶液をもつて含浸され上
述の容器内に配置されこの中に封納される。

〔効果〕

この考案にかかる容器は、使用前に良好な保管
性および安全輸送性を保証する。このことは特に
子供および愛玩動物への最大の保護を提供する。
前述のように、有益な昆虫はそれらの大きさ故に
容器内に入ることが出来ないから殺されない。

蟻が殺されたならば、この容器は不慮に環境を
汚損する危険を伴なわずにその場所から取除くこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の蟻退治用容器の斜視図を示
すものである。 １…カバー、２…側壁、３…標識部、４…端
面、５…シール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端面と、実質的に垂直位置で前記端面に配置さ
   れかつ内部への開口を提供するための標識部を有
   する側壁と、さらに密封カバーを有しかつ誘いえ
   さ物質および殺虫剤が湿潤されている吸収性詰物
   を収納した蟻退治用容器であつて、前記容器は20
   から80cm³の内容積をもつ、軽金属製のものであ
   り、前記開口が２から４mmの直径をもちかつ容器
   底部から2.5から10mmの上方距離に配設されてい
   ることを特徴とする蟻退治用容器。