JPH0132254B2 - - Google Patents

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JPH0132254B2
JPH0132254B2 JP63063513A JP6351388A JPH0132254B2 JP H0132254 B2 JPH0132254 B2 JP H0132254B2 JP 63063513 A JP63063513 A JP 63063513A JP 6351388 A JP6351388 A JP 6351388A JP H0132254 B2 JPH0132254 B2 JP H0132254B2
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zeolite
solid particles
polymer
silver
zeolite solid
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JP63063513A
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Zenji Hagiwara
Shigetaka Hoshino
Hiroo Ishino
Saburo Nohara
Kenichi Tagawa
Takao Yamanaka
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は殺菌作用を有する金属イオン特に銀イ
オンを担持するゼオライト固体粒子とハロゲン化
有機ポリマーとからなる殺菌性ポリマー組成物及
びその製造方法に関する。 〔従来の技術〕 銀イオンが抗菌性を有することは古くより知ら
れており、例えば銀イオンは硝酸銀の溶液の形態
で消毒剤や殺菌剤として広く利用されてきた。し
かしながら溶液状では取扱いの点で不便があり、
また用途の点でも限定される欠点がある。そこで
銀イオンをポリマーに保持させるならばかかる欠
点が少く広く分野での利用を期待することができ
る。従来、金属イオンをポリマーに保持させる方
法として種々の方法が提案されており、例えば金
属の細線や粉末をポリマーに接着又は添加する方
法、あるいは金属の化合物をポリマーに含有せし
める方法などが知られている。しかしながら金属
そのものを利用する方法は、金属の比重やヤング
率が通常のポリマーよりも著るしく高いためポリ
マーとのなじみが悪いという欠点があり、また比
較的多量を必要とするため重量が増えかつコスト
高となる。一方、金属の化合物を利用する方法で
は該化合物がポリマーへ及ぼす影響が大きくて利
用できる範囲が著るしく限定されるか、そうでな
い場合でも金属イオンがポリマーに単に含有又は
付着されているにすぎないため、使用中の脱落が
多く、殺菌効果の持続性に問題がある。かかる欠
点の少ない方法として、イオン交換能又は錯体形
成能を有する有機官能基をポリマーに含有させ、
該有機官能基に金属イオンを結合させる方法が提
案されている。しかしながらこの方法においても
該有機官能基とポリマーとの相互作用が無視でき
ず、有機官能基をポリマー鎖内へ導入するにし
ろ、あるいは有機官能基含有化合物をポリマーへ
添加するにせよ、ポリマーの著るしい物性変化を
避けるためには、ポリマーの種類及び有機官能基
の種類と量が極めて狭い範囲のものとならざるを
得ない。 銅、亜鉛、銀などで飽和されたゼオライトを20
〜30重量%含む船舶用塗料が知られている(フラ
ンス国特許第1061158号)。しかし、この塗料は貝
や藻などを駆除するには適しているが、殺菌性に
ついては満足できるものではないことが判つた。 また、銅、亜鉛イオンなどのイオン交換された
ゼオライトをハロゲン化ポリマーに加えることに
よつて、火災の際の有毒な煙の発生を抑制するこ
とが知られている(英国特許公開第2067575号公
報)。しかし、それは殺菌性については全く示唆
していず、また銀イオンの使用を記載していな
い。 〔発明の目的、構成及び効果〕 本発明の目的は殺菌作用を有するハロゲン化ポ
リマー組成物及びその製造方法を提供するにあ
り、さらに詳しくは優れた殺菌作用を有し、物性
変化が少ない殺菌性ポリマー組成物及びその製造
方法を提供するにある。 すなわち、本発明の対象は、銀イオンを担持す
るゼオライト固体粒子及びハロゲン化有機ポリマ
ーから主として成る組成物であつて、ゼオライト
固体粒子が150m2/g以上の比表面積及び14以下
のSiO2/Al2O3モル比を有し、銀イオンはゼオラ
イト固体粒子のイオン交換容量の約90%以下の量
でゼオライト固体粒子にイオン交換により担持さ
れており、このゼオライト固体粒子の組成物全重
量に対する割合は0.01〜10重量%であるところの
殺菌ポリマー組成物である。また、本発明は該組
成物を得る製造方法をも提供するものであつて、
その方法は、150m2/g以上の比表面積及び14以
下のSiO2/Al2O3モル比を有するゼオライト固体
粒子に、該ゼオライト固体粒子のイオン交換容量
の約90%以下の量の銀イオンをイオン交換により
担持させ、該銀イオン担持ゼオライト固体粒子
を、ゼオライト固体粒子0.01〜10重量部対ハロゲ
ン化有機ポリマー99.99〜90重量部の割合でハロ
ゲン化有機ポリマーと混合することを特徴とす
る。 本発明において銀イオンを担持するゼオライト
固体粒子(以下において簡単のため殺菌性ゼオラ
イト固体粒子と云うことがある)とは、アルミノ
シリケートよりなる天然又は合成ゼオライトが銀
イオン交換して担持しているものである。 ゼオライトは一般に三次元的に発達した骨格構
造を有するアルミノシリケートであつて、一般に
はAl2O3を基準にしてxM2/oO・Al2O3・ySiO2
zH2Oで表わされる。Mはイオン交換可能な金属
イオンを表わし、通常は1価〜2価の金属であ
り、nはこの原子価に対応する。一方x及びyは
それぞれ金属酸化物、シリカの係数、zは結晶水
の数を表わしている。ゼオライトは、その組成比
及び細孔径、比表面積などの異る多くの種類のも
のが知られている。 しかし本発明で使用するゼオライト固体粒子の
比表面積は150m2/g(無水ゼオライト基準)以
上であつて、ゼオライト構成成分のSiO2/Al2O3
モル比は114以下好ましくは11以下でなければな
らない。 本発明で使用する銀の水溶性塩類の溶液は、本
発明で限定しているゼオライトとは容易にイオン
交換するので、かかる現象を利用して必要とする
銀イオンをゼオライトの固定相に担持させること
が可能であるが、銀イオンを担持しているゼオラ
イト粒子は、比表面積が150m2/g以上、かつ
SiO2/Al2O3モル比が14以下であるという二つの
条件を満さなければならない。もしそうでなけれ
ば効果的な殺菌作用を達成する目的物が得られな
いことが判つた。これは、効果を発揮できる状態
でゼオライトに固定された銀イオンの絶対量が不
足するためであると考えられる。つまり、ゼオラ
イトの交換基の量、交換速度、アクセシビリテイ
などの物理化学的性質に帰因するものと考えられ
る。 従つて、モレキユラーシーブとして知られてい
るSiO2/Al2O3モル比の大きなゼオライトは、本
願発明において全く不適当である。 またSiO2/Al2O3モル比が14以下のゼオライト
においては、銀イオンを均一に担持させることが
可能であり、このためにかかるゼオライトを用い
ることにより初めて充分な殺菌効果が得られるこ
とが判つた。加えて、ゼオライトのSiO2/Al2O3
モル比が14を越えるシリカ比率の高いゼオライト
の耐酸、耐アルカリ性はSiO2の増大とともに増
大するが、一方これの合成にも長時間を要し、経
済的にみてもかかる高シリカ比率のゼオライトの
使用は得策でない。前述したSiO2/Al2O3≦14の
天然又は合成ゼオライトは本組成物の通常考えら
れる利用分野では、耐酸性、耐アルカリ性の点よ
りみても充分に使用可能であり、また経済的にみ
ても安価であり得策である。この意味からも
SiO2/Al2O3モル比は14以下でなければならな
い。 本発明で使用するSiO2/Al2O3のモル比が14以
下のゼオライト素材としては天然または合成品の
何れのゼオライトも使用可能である。例えば天然
のゼオライトとしてはアナルシン(Analcime:
SiO2/Al2O3=3.6〜5.6)、チヤバサイト
(Chabazite:SiO2/Al2O3=3.2〜6.0及び6.4〜
7.6)、クリノプチロライト(Clinoptilolite:
SiO2/Al2O3=8.5〜10.5)、エリオナイト
(Erionite:SiO2/Al2O3=5.8〜7.4)、フオジヤ
サイト(Faujasite:SiO2/Al2O3=4.2〜4.6)モ
ルデナイト(mordenite:SiO2/Al2O3=8.34〜
10.0)、フイリツプサイト(Phillipsite:SiO2
Al2O3=2.6〜4.4)等が挙げられる。これらの典
型的な天然ゼオライトは本発明に好適である。一
方合成ゼオライトの典型的なものとしてはA―型
ゼオライト(SiO2/Al2O3=1.4〜2.4)、X―型ゼ
オライト(SiO2/Al2O3=2〜3)、Y―型ゼオ
ライト(SiO2/Al2O3=3〜6)、モルデナイト
(SiO2/Al2O3=9〜10)等が挙げられるが、こ
れらの合成ゼオライトは本発明のゼオライト素材
として好適である。特に好ましいものは、合成の
A―型ゼオライト、X―型ゼオライト、Y―型ゼ
オライト及び合成又は天然のモルデナイトであ
る。 ゼオライトの形状は粉末粒子状が好ましく、粒
子径は用途に応じて適宜選べばよい。本発明の組
成物が厚みのある成形体の形である場合、例えば
各種容器、パイプ、粒子体あるいは太デニールの
繊維等へ適用する場合には粒子径は数ミクロン〜
数10ミクロンあるいは数100ミクロン以上でよく、
一方細デニールの繊維やフイルムに成形する場合
は粒子径が小さい方が好ましく、例えば衣料用繊
維の場合は5ミクロン以下、特に2ミクロン以下
であることが望ましい。 本発明において用いられるハロゲン化有機ポリ
マーは特に限定されないが、例えばポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。高い
殺菌効果を必要とする場合には組成物を表面積が
大きい成形体に成形することが好ましく、その一
つの方法として繊維状に成形することが考えられ
る。 本発明のポリマー組成物は、かかる殺菌性ゼオ
ライト固体粒子とハロゲン化有機ポリマーとから
主としてなるものであつて、該ゼオライト固体粒
子が銀イオンをイオン交換して担持している。ゼ
オライト固体粒子が組成物中に占める割合(無水
ゼオライト基準)は、好ましくは0.01〜10重量%
である。この下限値以下の場合は殺菌効果の点で
不満足である。一方上限値を越えて、例えば50重
量%以上としても殺菌効果はほぼ不変である上
に、組成物の物性変化が大きくなり、ポリマー成
形品としての用途が限定されるので、好ましい含
有量範囲は40重量%以下、特に10重量%以下であ
る。本発明のポリマー組成物を繊維化して用いる
場合には、0.05〜10重量%の範囲が好適である。 銀イオンはゼオライト固体粒子にイオン交換反
応により担持されなければならない。ゼオライト
固体粒子のイオン交換容量未満、特にその約90%
以下の量の金属イオンでイオン交換すべきであ
る。イオン交換によらず単に銀化合物を吸着ある
いは付着したもの、あるいは飽和以上にイオン交
換したもので殺菌効果及びその持続性が不充分で
ある。通常Ag―ゼオライト転換に際しては硝酸
銀のような水溶性銀塩の溶液が使用されるが、こ
れの濃度は過大にならないよう留意する必要があ
る。例えばA―型又はX―型ゼオライト(ナトリ
ウム―型)をイオン交換反応を利用してAg―ゼ
オライトに転換する際に、銀イオン濃度が大であ
ると(例えば1〜2M AgNO3使用時は)イオン
交換により銀イオンは固相のナトリウムイオンと
置換すると同時にゼオライト固相中に銀の酸化物
等として沈澱析出する。このために、ゼオライト
の多孔性は減少し、比表面積は著しく減少する欠
点がある。また比表面積はさほど減少しなくて
も、銀酸化物の存在自体によつて殺菌力は低下す
る。かかる過剰な銀のゼオライト相への析出を防
止するためには、銀溶液の濃度をより希釈状態例
えば0.3M AgNO3以下に保つことが必要である。
もつとも安全なAgNO3の濃度は0.1M以下であ
る。かかる濃度のAgNO3溶液を使用した場合に
は得られるAg―ゼオライトの比表面積は元のゼ
オライトとほぼ同等であり、殺菌力の効果が最適
条件で発揮できることが判つた。 上述のAg―ゼオライトへの転換のためのイオ
ン交換反応をバツチ法で実施する際には、上述の
濃度を有する塩類溶液を用いてゼオライト素材を
浸漬処理すればよい。ゼオライト素材中への銀含
有量を高めるためにはバツチ処理の回数を増大す
ればよい。一方、上述の濃度を有する塩類溶液を
用いてカラム法によりゼオライト素材を処理する
場合には、吸着塔にゼオライト素材を充填し、こ
れに塩類溶液を通過させれば容易に目的とする銀
―ゼオライトが得られる。 上記の銀―ゼオライト(無水ゼオライト基準)
中に占める銀の量は、30重量%以下であり、好ま
しい範囲は、0.001〜5重量%にある。 また、銀以外の金属イオン、例えばナトリウ
ム、カリウム、カルシウムあるいは他の金属イオ
ンが共存していても殺菌効果をさまたげることは
ないので、これらのイオンの残存又は共存は何ら
さしつかえない。 次いで、かかる銀―ゼオライトをハロゲン化有
機ポリマーへ前述の含有量となる如く添加混合し
て本発明の組成物を得る。銀―ゼオライトに対す
る銀の量(A重量%とする)及び組成物に対する
銀―ゼオライトの量(B重量%)はいずれも殺菌
効果に関係し、Aが多ければBは少くてよく、逆
にAが少いとBを多くする必要がある。殺菌効果
を有効に発揮せしめる為にはA×Bの値が0.01以
上となるように調整することが望ましい。 殺菌性ゼオライトの添加混合の時期及び方法は
特に限定されるものではない。例えば原料モノマ
ーに混合後に重合する方法、反応中間体に混合し
た後に重合する方法、重合終了時のポリマーに混
合する方法、ポリマーペレツトと混合し、後にこ
れを成形する方法、成形用ドープ例えば紡糸原液
へ混合する方法などがある。以下で及び特許請求
の範囲において簡単のために、これらを総称して
単に「ハロゲン化有機ポリマーと混合する」と云
う。要は、用いるポリマー性質、工程上の特徴な
どに応じて最適の方法を採用すればよい。通常、
成形直前に混合する方法が好適である。しかし良
好な殺菌性ゼオライト粒子の分散のためにモノマ
ーに混合することが好ましい場合もある。また該
銀―ゼオライトはポリマーに添加する前に要すれ
ば乾燥処理を行う。乾燥条件は常圧又は減圧下
100〜500℃の範囲で適宜選べばよい。好ましい乾
燥条件は減圧下100〜350℃である。 本発明のポリマー組成物は、更に他の成分を含
有していてもよい。例えば重合触媒、安定剤、艶
消剤、増白剤、有機又は無機の顔料、無機フイラ
ー及び各種可塑剤などである。さらに、液体や有
機溶剤を含有していてもよい。また本発明のポリ
マー組成物を成形体として利用する場合、その形
状、大きさ等は特に限定されるものではない。本
発明の殺菌性ゼオライト粒子含有ポリマー組成物
が成形体の形にあるとき、その殺菌力は主として
成形体の表面付近の金属イオンに左右されると考
えられるので、成形体を例えば多層構造とし、そ
の外層に本発明の組成物を用いる方法がある繊維
の場合には公知のコンジユゲート紡糸技術を利用
して芯―さや型断面糸のさや成分に本発明の組成
物を用いることができる。 本発明で定義したゼオライトと銀イオンとの結
合力は、活性炭やアルミナ等の吸着物質に単に物
理吸着により保持させる方法と異なり、極めて大
きい。従つてかかる銀―ゼオライトを含有するポ
リマー組成物の強力な殺菌能力、及びその長時間
持続性は本発明の特徴的利点として特記すべきも
のである。本発明の如く限定したゼオライトは、
殺菌力を有するAgとの反応性が大きい利点があ
る。例えばA―型ゼオライト、X―型ゼオライ
ト、Y―型ゼオライト、チヤバサイト中のイオン
交換可能な金属イオン(Na+)は容易にAg+とイ
オン交換を行つて、ゼオライトの母体中に該金属
イオンが担持される。また本発明の如く限定した
ゼオライトは、Ag+に対する選択吸着性が大きい
利点がある。かかる事実は本発明の殺菌性ゼオラ
イト粒子含有ポリマー組成物を殺菌目的で、他の
種々の金属イオンを含有する液体や水中で使用す
る時でもAg+がゼオライト母体中に安定に長期間
担持されて溶出せず、殺菌力が長期間持続される
ことを意味している。 加えて、本発明の如く限定したゼオライトは、
その交換容量が大きく、殺菌力を有するAgイオ
ンの担持量を大きくしうる利点がある。また本発
明の殺菌性ゼオライト粒子含有ポリマー組成物の
使用目的に応じて、ゼオライト固体粒子に担持さ
せるAgイオン量の調節が、イオン交換で容易に
行なえる利点がある。 また本発明で定義したゼオライトは、ポリマー
の物性を劣化させることが少く、ポリマーの種類
を広く選択できる。 そして本発明の殺菌性ゼオライト粒子含有ポリ
マー組成物はポリマーを主体としているため、
様々な形状、大きさに成形することが可能であ
る。例えば粒状体、フイルム、繊維、各種容器、
パイプその他任意の成形体が可能であつて、殺菌
力を必要とする用途に極めて広範囲に利用するこ
とができる。また、本発明の殺菌性ゼオライト粒
子含有ポリマー組成物を液体で溶解又は分散させ
ることにより流動性を付与すれば、抗菌性のペイ
ントやコーテイング剤、あるいはタイル用目地剤
等に広く応用可能である。 また、本発明の殺菌性ゼオライト粒子含有ポリ
マー組成物はゼオライト本来の機能をも合わせ持
つているので、抗菌性とゼオライト本来の機能と
を合わせて利用することが可能である。例えばゼ
オライトの本来の機能である吸湿、吸着効果と抗
菌効果の複合効果を利用することができる。 さらには他の機能性物質を含有させて、上記効
果と他の機能との複合機能を発揮せしめることも
可能である。他の機能性物質としては活性炭、シ
リカゲルなどがある。活性炭の場合は脱臭、吸着
効果が、シリカゲルの場合は吸湿効果が増強され
る。 また、本発明の殺菌性ゼオライト粒子含有ポリ
マー組成物からなる成形体は、異種の組成物と混
合、或いは複合して使用することができる。例え
ば繊維の場合であれば殺菌性ゼオライトを含有し
ない繊維と混紡、混織、あるいは交織、交編する
ことにより、風合や機能を広く変更した抗菌性繊
維構造物とすることが可能である。 本発明において殺菌作用を有する銀イオンはゼ
オライトを担体としてポリマー中に分散して含有
されるので、銀イオンが広く分布していることに
なり、殺菌効果が大きいという特徴を有してい
る。しかも、前述の如く銀イオンがゼオライトに
長期間安定に担持されるので、殺菌効果の長期持
続性に優れている。 次に本発明の実施例について述べるが、本発明
はその要旨を越えぬ限り本実施例に限定されるも
のではない。 参考実施例 1及び2 ここではイオン交換によりA―型ゼオライトに
銀イオンを担持させて、抗菌性ゼオライトを作る
例を示す。 組成式0.98Na2O・Al2O3・1.9SiO2・xH2Oを有
するナトリウム型のA型ゼオライトの乾燥粉末約
250gを用意し、これを温水で洗浄して濾液のPH
が9付近になるようにした。水洗ずみのゼオライ
トに対して0.12M AgNO3水溶液約900ml(参考
実施例1)または0.28M AgNO3水溶液約90ml
(参考実施例2)を添加した。得られたスラリー
を25℃で約4時間撹拌した後に濾過し、次いで固
相に過剰のAg+がなくなるまで水洗した。水洗し
た固体を100゜〜110℃で乾燥し、次いで解砕し、
約250℃の温度下で減圧乾燥した。 得た抗菌性ゼオライト固体粒子の物性は下記の
通りであつた。
【表】 実施例 1及び2 ポリ塩化ビニリデン粉末に対して、上記参考実
施例1で作つた抗菌性ゼオライトを1重量%(実
施例1)又は6重量%(実施例2)添加混合し
た。次に混合物を175〜180℃に昇温した後に、こ
の温度で更に混合し、次に約100×100×1mmの形
状に成形した。これを切断して約10×10×1mmの
小試験片を作り、抗菌力試験として死滅率の測定
を下記の通り行つた。菌として細菌
(Staphylococcus aureus)又は真菌
(Aspergillus niger)を用いた。前者の場合小試
験片を含む水(100mg/ml)9mlに細菌懸濁液
(104個/ml)1mlを加え、37℃で24時間後に液
0.1mlをMueller―Hinton培地に分散し、37℃で
24時間後に生存個体数を測定して死滅率を求め
た。真菌の場合、小試験片を含む水(100mg/ml)
9mlに真菌懸濁液(104個/ml)1mlを加え、30
℃で24時間後に液0.1mlをサブロー寒天培地に分
散し、30℃で48時間後に生存個体数を測定して死
滅率を求めた。一方、比較のため抗菌性ゼオライ
トを含有しないポリ塩化ビニリデン成形品につい
ても、同様に死滅率を求めた。これらの結果を第
1表に示す。
【表】 実施例 3及び4 重合度約1000のポリ塩化ビニル粉末に可塑剤と
してジ―2―エチルヘキシルフタレートを約11%
添加混合した。該混合物に対して、上記参考実施
例2で作つた抗菌性ゼオライトを3重量%(実施
例3)又は5重量%(実施例4)添加混合した。
次にミキシングロールを用いて130〜145℃で更に
混合し、幅約50mm、厚さ約2mmのシートに成形し
た。 抗菌力試験として発育阻止帯形成の有無をテス
トした。シートを細かく砕いて水に分散して約
100mg/mlの懸濁液を作り、これをデイスクにし
み込ませた。真菌Aspergillus flavus又は
Aspergillus nigerの懸濁液(108個/ml)0.1mlを
サブロー寒天培地にコンラージ棒で分散させ、こ
の上に上記デイスクの夫々をはり付けた。30℃で
1週間経過後に発育阻止帯の有無を判定した。一
方、比較のため抗菌性ゼオライトを含有しないポ
リ塩化ビニル成形品についても、同様に試験し
た。結果を第2表に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 銀イオンを担持するゼオライト固体粒子及び
    ハロゲン化有機ポリマーから主として成る組成物
    であつて、ゼオライト固体粒子が150m2/g以上
    の比表面積及び14以下のSiO2/Al2O3モル比を有
    し、銀イオンはゼオライト固体粒子のイオン交換
    容量の約90%以下の量でゼオライト固体粒子にイ
    オン交換により担持されており、このゼオライト
    固体粒子の組成物全重量に対する割合は0.01〜10
    重量%であるところの殺菌性ポリマー組成物。 2 ゼオライト固体粒子がA―型ゼオライト、X
    ―型ゼオライト、Y―型ゼオライト又はモルデナ
    イトから構成されている特許請求の範囲第1項記
    載の殺菌性ポリマー組成物。 3 150m2/g以上の比表面積及び14以下の
    SiO2/Al2O3モル比を有するゼオライト固体粒子
    に、該ゼオライト固体粒子のイオン交換容量の約
    90%以下の量の銀イオンをイオン交換により担持
    させ、該銀イオン担持ゼオライト固体粒子を、ゼ
    オライト固体粒子0.01〜10重量部対ハロゲン化有
    機ポリマー99.99〜90重量部の割合でハロゲン化
    有機ポリマーと混合することを特徴とする、銀イ
    オンを担持するゼオライト固体粒子及びハロゲン
    化有機ポリマーより主として成る殺菌性ポリマー
    組成物の製造方法。
JP6351388A 1988-03-18 1988-03-18 銀イオンを含む殺菌性ハロゲン化ポリマー組成物及びその製造法 Granted JPS63270756A (ja)

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