JPH01320989A - ワックスエステルの生産方法 - Google Patents

ワックスエステルの生産方法

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JPH01320989A
JPH01320989A JP15346788A JP15346788A JPH01320989A JP H01320989 A JPH01320989 A JP H01320989A JP 15346788 A JP15346788 A JP 15346788A JP 15346788 A JP15346788 A JP 15346788A JP H01320989 A JPH01320989 A JP H01320989A
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JP
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wax ester
wax
substrate
ester
reaction
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JP15346788A
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English (en)
Inventor
Hikari Shikayama
光 鹿山
Mitsumasa Makura
三正 万倉
Tadashi Funada
船田 正
Jiro Hirano
二郎 平野
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ワックスエステルの生産方法に関する。さら
に詳述すれば、ワックスエステル合成能力を有する動植
物や微生物を用いて、そのなかに含まれるワックスエス
テル合成酵素、ワックスエステル分解酵素などを利用し
、油脂類、脂肪酸、高級−価アルコール類、高級二価ア
ルコール類等の基質からワックスエステルを酵素的又は
発酵的に生産する方法に関する。
(従来の技術) ワックスエステルは慣用的に「ワックス」とのみ称され
ることもあり、伝統的には、ロウ(蝋)と言われること
もあるが、ここでワックスエステルとして示すものと同
義である。ここでのワックスエステルとは、脂肪酸と高
級−価アルコール類又は二価アルコール類とのエステル
で、脂肪酸アルコールエステルとモ称スる。
ワックスエステルは、その形状から固体ワックスエステ
ル(例:カルナウバワックス、ミツロウなど)及び液体
ワックスエステル(例:マツコラ鯨油、ホホバ油(Jo
joba oil)など)に分類され、その出所から植
物性ワックスエステル(例:カルナウバワックス、キャ
ンデリラワックス、ライスワックスなど)及び動物性ワ
ックスエステル(例:ミツロウ、羊毛ロウなど)等に分
類される。ワックスエステルの多くは化粧品、医薬品、
食品その他の広い分野で現に使用されており、他にロウ
ツクとか電気絶縁体の材料としても古くから利用されて
いる。また、魚類などにおいてはその消化・吸収の観点
から研究が行われ、養魚上の飼料としての特異的な役割
も推定されている。
ワックスエステルの生産に関し微生物による方法につい
ては、アメリカ及び日本で幾つかの報告がみられる。す
なわち、n−パラフィン資化菌を用いて、その代謝産物
としてワックスエステルを得る方法〔参考文献: S、
 Dewittら、J^OC5,59゜69〜74 (
1982) ) 、ユーグレナによる発酵的生産方法〔
参考文献:乾ら、発酵と工業、44.494〜501 
(1986) ;化量ら、公開特許公報、昭59−11
8090 (1984) ) 、また、アシネトバクタ
−カルコアクチリアによる不飽和脂肪酸からのワックス
エステルの生産方法〔参考文献:奥付ら、第25回日本
油化学討論会講演要旨集、23頁(1986) )など
が知られている。
(発明が解決しようとする課題) 前記の動物性や植物性の天然骨由来のワックスエステル
は供給が不安定で、品質も一定しないという欠点を有し
ている。さらに、近年捕鯨産業が国際的に禁止される傾
向の中で、マツコラ鯨を原料として生産されてきた動物
性ワックスエステルの生産は大きな打撃を受け、代替ワ
ックスエステルとしてホホバ油及びその加工品等がアメ
リカ合衆国などでは脚光を浴びるに至っているが、現在
のところ、なお研究段階を越えず、量的には不足してい
るのが現状である。
また前記の天然又は発酵的に得られたワックスエステル
は各種の狭雑物を含んでいるため、脱色、脱臭、脱ガム
、脱酸等々の工程が必要となり、これらを完全に除去し
良質のワックスを得るには多くの工程を必要とするため
、高価になりすぎるという欠点を有している。また、炭
素数40以上のワックスエステルを得ることは通常困難
である。
上述の問題点に鑑み、本発明は鎖長や不飽和度等を任意
に変化させることが可能で、かつ、純度の高い高品質の
ワックスエステルを大量かつ効率的に生産するためのプ
ロセスを提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明におけるワックスエステルの生産方法は脂肪酸及
び/又はその誘導体を基質とし、スタフィロコッカ7.
し:/ツ(St仰膓中に匹並りカニ国吐ヲ培養すること
によりワックスエステル含有脂質を得ることを特徴とす
る。
また、脂肪酸及び/又はその誘導体を基質とし、ワック
スエステル合成酵素としてアシルCoA:アルコールア
シルトランスフェラーゼを用いることを特徴とする。
さらに、脂肪酸及び/又はその誘導体を基質とし、動物
プランクトンであるアカルティアクラウシ(Acart
ia clausi)から得られるワックスエステル分
解酵素を用いることを特徴とする。
以下、さらに詳しく本発明を説明する。
第一の発明では、ワックスエステル生産能力を有する動
植物類及び微生物類、特に、スタフィロコッカスレンツ
(Sta h 1ococcus 1entus)を培
養することにより、基質を培養液中に加えて、微生物利
用によって発酵的にワックスエステル含有脂質を得る。
第二の発明では、ワックスエステル生産能力を有する動
植物類及び微生物類中のワックスエステル合成酵素を用
いてワックスエステルを酵素的に生産する。ここでワッ
クスエステル合成酵素としてアシルCoA:アルコール
アシルトランスフェラーゼを用いる。
第三の発明では、ワックスエステル生産能力を有する動
植物類及び微生物類中のワックスエステル分解酵素、特
に動物プランクトンであるアカルティアクラウシ(Ac
artia clausi)から得られるワックスエス
テル分解酵素を用いることを特徴とする特 本発明に用いる基質としては脂肪酸及び/又はその誘導
体、具体的には油脂類、脂肪酸、高級−価アルコール類
、高級二価アルコール類等が挙げられる。この場合、脂
肪酸源又は脂肪族アルコール源として炭素数20以上の
脂肪酸又はアルコールを有する魚油を用いることができ
る。
本発明に用いられる基質の一つである脂肪酸としては、
炭素数2〜24個までのあらゆる種類の脂肪酸を単独で
、又は2種類以上の混合物として用いことができる。従
って、飽和脂肪酸でも、不飽和脂肪酸でも、分枝脂肪酸
でも用いることができる。また動植物油等から調製した
各種の脂肪酸を含む混合物でも良い。この条件を満たす
脂肪酸源の一つとして、炭素数20以上の脂肪酸を含む
魚油、例えばイワシ油、タラ肝油、イカ肝油等が特に好
ましい。
本発明に用いられる基質の一つである高級−価又は二価
アルコールとしては炭素数2〜34個までのあらゆる種
類の脂肪族アルコールを単独で、又は2種類以上の混合
物として用いることができる。従って、飽和、不飽和を
問わず、分枝の有無にかかわらずワックスエステルのア
ルコール部分として成立するものであれば、すべて基質
として利用できる。また、動植物から調製した各種の脂
肪族アルコールを含む混合物でも良い。
また、上述の脂肪酸又は脂肪族アルコールは遊離型でも
良いし、グリセリドとしても用いられることはリパーゼ
の介在を考慮すれば当然である。
従って、トリグリセリド、部分グリセリド、エーテル脂
質、リン脂質等の油脂類も利用できる。
本発明者らはワックスエステル合成酵素を多く含む微生
物を鋭意スクリーニングし、スタフィロコッカスレンツ
がワックスエステル生産能力を有する微生物類の中でも
特異的にワックスエステル合成活性の高いことを見出し
た。
従って、本発明は、スタフィロコッカスレンツのワック
スエステル合成酵素系を用い、さらに、脂肪酸を例にと
ると下図の如き反応によって、最本冬的にアシルCoA
:アルコールアシルトランスフェラーゼを用いてワック
スエステルを得ることができる。この酵素は前述の動植
物及びバクテリア類から調製できる7 脂肪酸C−Hzn、+C0OH ワックスエステル C,H,、。+C00CHzC1,fiz□。
即ち、微生物によるワックスエステルの発酵生産方法は
ワックスエステル合成活性の高い微生物、例えばスタフ
ィロコッカスレンツの如きバクテリアを用いて、培養液
中に前述の様な脂肪酸又は脂肪族アルコール又はグリセ
リド、又はこれらの混合物を加えることにより成し遂げ
られる。
以下に各方法に関し、さらに詳細な説明を述べる。
第一の発明において、ワックスエステル含有脂質製造の
ためスタフィロコッカスレンツを培養する場合、高濃度
の脂肪酸、脂肪族アルコール、グリセリド類を単独で又
は混合物として培養液に加えるが、それぞれ共に培地I
I!中に0.1〜150g用いるのが好ましい。これら
基質類は、培地中にそのまま加えて激しく攪拌しエマル
ジョンとして用いることもできるが、脂肪酸類の場合、
好ましくは当該基質類をナトリウム塩又はカリウム塩等
の水溶性の塩として用いても良い。
また、基質乳化のためトリトンX−1oo、ポリビニル
アルコール、胆汁酸塩等々の乳化剤の添加も効果がある
。炭素源として、例えばグルコース、フラクトース、サ
ッカロース、糖蜜、デン粉、木材糖化液等が用いられる
。炭水化物として、培地ll中に60〜400g用いる
ことが好ましい。また窒素源としては、例えば硝酸アン
モニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン
酸アンモニウムなどの様な無機窒素源、又は、尿素、ペ
プトン、酵母エキス、コーンスチープリカーなど有機窒
素源が用いられる。無機塩としては、例えばKlhPO
4、K2HPO,、NaC1,Fe5On ・7JO1
Mgso、 ・7H20、Zn5Oa・7H20等が用
いられる。その他必要に応じて微量元素、その他の栄養
源を添加する。
スタフィロコッカスレンツの培養は通常、?a体培地で
通気攪拌培養などにより行われる。培地のpHは4.0
〜9.0が良<、撹拌速度300〜800 r、p。
慣1、通気10.5〜2 u、v、m、で1〜15日間
培養が行われる。
このようにして、ワックスエステルに富む培地及び菌体
を発酵生産的に得ることができる。培地や菌体中からワ
ックスエステルに富む全脂質を抽出する方法は、ブライ
・ダイヤ−(Bligh & Dyer)の方法〔参考
文献、 E、 G、 Bligh & W、 J、 D
yer;Can、  J、  Brochem、  P
hysiol、+  3L  911〜917(195
9) )に代表される溶媒抽出法など、あるいは、超臨
界炭酸ガス抽出法なども有効であるが、本発明において
抽出法の違いが特に制約を受けることはない。
さらに、このようにして得られたスタフィロコッカスレ
ンツ菌体よりワックスエステル合成酵素系を抽出・分離
し、以下の様にワックスエステルの酵素的生産を行うこ
とができることは言うまでもない。
以上の方法でスタフィロコッカスレンツを用いワックス
エステルを発酵的に生産すると、培地1β当たり0.1
〜150gのワックスエステルに冨む脂質を得ることが
できる。また、ワックスエステル生産能力が高いこれら
微生物、例えばスタフィロコッカスレンツを担体に固定
化し連続的にワックスエステル含有油脂を生産すること
もできる。
次に第二の発明において、ワックスエステル生産のため
、ワックスエステル合成酵素としてアシルCoA:アル
コールアシルトランスフェラーゼを用いる場合について
説明する。
この酵素は精製酵素として用いてもよいが粗酵素のまま
用いても良い。バッチ式生産の場合、反応溶液(100
ad)中への酵素添加量は精製品換算で0.001w〜
3,000 mg、望ましくは100〜500■が適当
であるが、基質類の種類のちがい、酵素源の差によって
最適添加量が変わるので、これらの添加量は特に限定さ
れることはない。精製品の作成方法は、例えば、参考文
献(M、にAYAMA、 M、MANKIJRA an
d Y、IKEDA  : J、 Biochem、 
85. 1〜6(1979) )を参照することができ
る。
また、基質となる脂肪酸や脂肪族アルコール又はグリセ
リドは共に10■〜15.000mg、望ましくは10
0mg〜3.000mg添加することができるが、基質
類の組み合わせ方、酵素源の相異により最適添加量は変
わるので〜、これらの添加量は特に限定されない。基質
類は反応液中にそのまま加えて激しく撹拌しエマルジョ
ンとして用いることもできるが、脂肪酸類の場合、望ま
しくは当該基質類をナトリウム塩又はカリウム塩などの
水溶性の塩として用いた方が取り扱い易い。
別に、基質類乳化のためトリトン(Triton) X
−100,ポリビニルアルコール、胆汁酸塩、ショ糖脂
肪酸エステル、その他の一般的乳化剤などの添加も効果
がある。反応溶液のpHは3.5〜9.5の範囲が好ま
しく、このpHを調節するのに緩衝液を用いるとさらに
効果的で、pHとして5.5〜8.0が特に好ましい範
囲である。また、補助因子としてはMgZo、ATP 
、 Co1、NADH1NADI’H等を用いても良い
。ワックスエステル合成反応は4〜85℃の範囲で行う
のが好ましい、10℃未満では反応が遅く、60℃を超
えると一般に酵素の失活をもたらす。従って、35〜4
0℃で行うのが更に好ましい。また、反応は攪拌した方
が望ましいが、乳化状態にして静止反応もできる。ワッ
クスエステル合成反応は反応開始後3日間以上もの間進
行する。しかし、合成されたワックスエステル自身の再
分解、酵素蛋白質の変質を防ぐため、なるべく24時間
以内の反応時間が好ましいが、反応溶液組成の違い、目
的とする製品の特徴を考えると、反応時間の長短は特に
限定されるものではない。反応は一段反応でも構わない
が、さらに反応を効率的に進める多段反応でも良い。ま
た、連続反応として固定化酵素カラムの使用もできる。
以上のようにして、ワックスエステル合成反応を行った
場合、合成率は通常30〜95%に達する。
反応の停止とワックスエステルを含む油脂類の抽出は、
前記ブライ・ダイア−の方法に従い、例えば以下のよう
に行うことができる。
即ち、反応溶液量の3倍量のクロロホルム−メタノール
混液を加えて5分間激しく攪拌し充分に混合した後、吸
引濾過する。濾液を分液ロートに移し一夜放置後、下層
(クロロホルム層)を分取し、無水硫酸ナトリウム又は
無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、エバポレーター
によりクロロホルムを減圧下に除くと、残留物としてワ
ックスエステルを含む油脂類が得られる。又は別法とし
て、超臨界炭酸ガス抽出法なども有効であるが、抽出法
の違いで特に制約を受けることはない。
さらに第三の発明に用いるワックスエステル分解酵素と
しては、ワックスエステルを本来生体内で代謝すること
の可能な前述の如き動植物類及び微生物類から調製でき
る。このような分解酵素は、例えば、動植物プランクト
ンであるアカルティアクラウシ(Acartia cl
ausi)から調製できる。本酵素を用いる場合、精製
酵素として用いても良いが、粗酵素のまま用いても良い
バッチ式生産の場合、反応溶液(100d)中への酵素
添加量は精製品換算で0.001■〜3 、000■、
好ましくは100〜500■が適当であるが、酵素源の
違い、基質類の組合せ次第で最適添加量は変化するので
、これらの範囲に限定されることはない。
また、基質となる脂肪酸や脂肪族アルコール又はグリセ
リド類は共に100〜40,000■、望ましくは1 
、000■〜30.000■添加することができるが、
酵素源の違い、基質類の組合せ次第で最適添加量は変化
するので、これらの範囲に限定されることはない。基質
類は反応溶液中にそのまま加えて激しく撹拌しエマルジ
ョンとして用いることもできるが、脂肪酸類を用いる場
合には好ましくは当該基ff類をナトリウム塩又はカリ
ウム塩等の水溶性の塩とした方が扱い易い。別に基f[
乳化のためトリトンx−too、ポリビニルアルコール
、胆汁酸塩などの添加も効果がある。
ワックスエステル合成反応には水及び酵素を不活性化し
ない有機溶媒、例えば、石油エーテル、ヘキサン等を基
質に対して0.3〜10倍、好ましくは0.5〜5倍量
用いるのが良い。水は基質に対し0.1〜10%の範囲
で用いるのが良い。本酵素によるワックスエステル合成
の過程においては脂肪酸と脂肪族アルコールがエステル
化する際、水の生成と縮合反応を伴うため、ワックスエ
ステル合成の量に比例して系内の水分量が増加するので
、反応系内に脱水剤等を存在させて脱水しながら反応を
進めるのが望ましい。
反応は反応温度10〜60℃、望ましくは30〜40℃
において5〜80時間続けるのが好ましい。
また、連続反応として固定化酵素カラムも使用できる。
即ち、酵素の再利用や回収、又は反応効率の向上を図る
ため、例えばセライト、アルミナ、キトサン等の様な不
活性支持体に固定化ないし吸着させて用いることもでき
る。さらに別に、メンプランバイオリアクター(Mic
roporous men+branebioreac
tor)を用いて、脱水とワックスエステル合成反応を
同時に行うこともできる。〔参考文献M、 M、 fl
ogら: JAOC3,61(4)、 776〜780
1984))以上のようにしてワックスエステル合成反
応を行った場合、合成率は通常、20〜90%に達する
反応の停止とワックスエステルを含む油脂類の抽出は前
述のブライ・ダイヤ−法、超臨界炭酸ガス抽出法等々を
用いて行うことができるが、抽出法の違いは特に制約の
対象とはならない。さらに、ワックスエステル合成酵素
として、アシルCoA:アルコールアシルトランスフェ
ラーゼとワックスエステル分解酵素が共存する場合も以
上述べてぎたものと同様に操作することにより処理でき
る。
(発明の効果) 本発明の方法によればスタフィロコッカスレンツを用い
て、あるいはアシルCoA:アルコールアシルトランス
フェラーゼを用いて、あるいは動物プランクトンである
アカルティアクラウシから得られるワックスエステル分
解酵素を用いて、酵素的にあるいは発酵的にワックスエ
ステルを高収率で高純度品を大量に生産することができ
る。
これらの生産物は食品、化粧品、医薬品等々の用途に利
用できる。例えばバルミチン酸又は/及びオレイルアル
コールを基質として、本発明の方法でワックスエステル
生産を行うならば、鯨油の主成分の一つであるオレイル
パルミテートを効率的に生産できる。
(実施例) 以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 スタフィロコッカスレンツン(鎚北賎蝕図匹憇fen 
tus)を培養し、ワックスエステルを含む油脂類の生
産を行う方法に関する実施例を示す。
培地としては乾燥ブイヨンにッスイ製薬) 30gを1
1の精製水に加えて加温溶解した後、所定の容器に分注
し、121℃で15分間高圧蒸気滅菌したものを用いた
。表1に主な成分組成及びpHを示す。
表1 培地II!中の組成(pH7,0±0.1)(単
位 g) 肉エキス           5.0ペプトン   
       15.0塩化ナトリウム       
 5.0リン酸第−水素カリウム    5.0合計 
           30.0表1に示した培地に、
脂肪酸としてオレイン酸(10,0g) 、脂肪族アル
コールとしてオレイルアルコール(10,0g)を合わ
せたもの(計20.0g)をトリトンX −100(1
,0g)で乳化し、培地中に加えた後、スタフィロコッ
カスレンツを接種した。以上の培地中にワックスエステ
ルが含まれていなかったことは言うまでもない。40℃
で1週間培養した後、菌体を含む培養液から、ブライ・
ダイヤ−法にて総脂質を回収したところ、その含量は2
0.5gであった。なお、培養期間中に雑菌等の混入は
認められなかった。
得られた総脂質を薄層クロマトグラフィーにより定性的
に検討したところ、ワックスエステル、遊離脂肪酸、遊
離脂肪族アルコールの他、リン脂質、遊離ステロール類
、トリアジルグリセロール等が確認できた。総脂質のう
ち0.5gをケイ酸カラムクロマトグラフィーにより分
画し、ワックスエステル画分を0.13 g得た。従っ
て、培地11当たり5.33 gのワックスエステル(
主にオレイルオレエートとして)が生産されたことにな
る。
実施例2 アシルCoA:アルコールアシルトランスフェラーゼに
よる脂肪酸を基質とした時のワックスエステル生産方法
に関する実施例を示す。
実施例1に示した乾燥ブイヨン培地にて40℃で1週間
培養することにより得られたスタフィロコ・ノカスレン
ツ菌体を常法により破砕し、遠心分離(10,000x
 g、10分)後、その上清を0.01Mリン酸緩衝液
中(pH7,0)で硫安分画し、O〜50%画分(0,
5g )を得、透析後これを粗酵素標品とした。
基質としてリノール酸(1,0g)をカリウム塩とじ反
応溶液中に加えた。さらに、補助因子としてATP、C
oA、 NADHSNADPII等を表2に示した割合
で加え、最終的に反応溶液容量を0.01 Mリン酸緩
衝液(pH7,0)により100−とじ、35℃にて2
4時間インキュベーションした。
*0.01Mリン酸緩衝液(pH7,0)により合計容
量を100−に調整した。
反応終了後、各区より全脂質をブライ・ダイヤ−法に従
い抽出し、実施例1と同様にしてフックスエステル含量
を求めたところ、No、1 (0,11g)、No、2
 (0,37g)、No、3 (0,25g)、No、
4 (0,35g)となった。すなわち、本実施例の場
合、アシルCoA:アルコールアシルトランスフェラー
ゼによる脂肪酸からワックスエステルを生産するには、
脂肪酸の対化合物を得るために用いた粗酵素標品中に含
まれている脂肪酸の脂肪族アルコールへの還元酵素系を
賦活するためMgZ+、^TP、 NADII、又はN
ADPI+の存在が効果的である。また、CoAはワッ
クスエステル合成の中間体となるCo A FA 導体
を合成するのに効果的である。
実施例3 アシルCoA:アルコールアシルトランスフェラーゼに
よる脂肪族アルコールを基質とした時のワックスエステ
ル生産方法に関する実施例を示す。
コイー四り猛お阻し旦肛且神)の養殖場より新鮮なコイ
肝膵Iiia(50g)を入手し、水冷下ニ2 倍Wk
 O) 0 、01Mリン酸緩衝液(pH7,0)と共
にホモジエナイズし、遠心分離(10,000x g 
、 10分)後、その上清を硫安分画し、0〜50%画
分を得(1,0g)、透析後これを酵素標品とした。
基質としてオレイルアルコール(2,0g)をトリトン
X −100(0,2g)と共に乳化して反応溶液中に
加えた。補助因子としてATP 、 CoAを表3に示
すように加えた。最終的に反応溶液容量を0.01Mリ
ン酸緩衝液(pH7,0)により100−とじて、30
℃にて24時間インキュベートした。
* 0.01Mリン酸緩衝液(pH7,0)により合計
容量を100−に調整した。
反応終了後、各区より全脂質をブライ・ダイヤ−法によ
り抽出し、実施例1と同様にしてフックスエステル含量
を求めたところ、No、1 (0,32g)、No、2
 (1,28g)、No、3 (1,63g)であった
。従って、ATP 、 CoA等の反応溶液中への添加
はさらに有効であることがわかる。
実施例4 ワックスエステル分解酵素による脂肪酸又は脂肪族アル
コールからのワックスエステル生産方法に関する実施例
を示す。
ワックスエステルを多く含む動物プランクトンであるア
カルチアクラウシ(Acartia clausisか
い脚類) 100g (湿重量として)を入手し、水冷
下に2倍量の0.01Mリン酸緩衝液(pH7,0) 
と共にホモジェナイズし、遠心分離(10,0OOx 
g 、 10分)後、その上清を硫安分画し、0〜50
%画分を得た(1.0g)。透析後セファデックス(S
ephadex) G −200カラムによりゲル濾過
し、ワックスエステル分解酵素画分の粗精製品を得た(
タンパク質含量120mg10.OIMリン酸緩衝液(
pH7,0) 9−)。基質としてオレイン酸、オレイ
ルアルコールをn−ヘキサンと共に加え、マグネソトス
クーラーで激しく攪拌しながら48時間、30℃で反応
させた。反応溶液組成を表4に示す。
表4 *粗酵素標品(120■のタンパク質を含む)は9 m
lの0.001Mリン酸緩衝液(pl+7.0)に溶解
されている。
反応終了後、遠心分離(6,000X g 、 30分
)により脱水し、油脂成分を回収し、実施例1と同様に
してワックスエステル含量を求めた。No、1 (21
g、合成率10.5%) 、No、2 (88g 、合
成率22%)、No、3 (78g 1合成率13.0
g ) 、No、4 (69g、合成率8.6%)であ
った。
実施例5 スタフィロコッカスレンツを培養し、トリグリセリドか
らワックスエステルを多く含む油脂類の生産を行う方法
に関し実施例を示す。
基質として精製イワシ油50g()リグリセリド含量9
9%以上)を用い、表5の培地組成を用いた。
表5 培地ll中の組成 (pH7,5)イオン交換水
にて11にメスアップする。
35°Cで4日間培養後、菌体を含む培養液からブライ
・ダイヤ−法にて総脂質を回収したところ、その含量は
41gであった。実施例1の方法に従い、精製分画した
ところ、18.0 gのワックスエステルを得た。従っ
て、培地11当たり18.0 gのワックスが生産され
たことになり、与えた基質量に対する収率は36.0%
となる。この時、得られたワックスエステルの鎖長分布
をGLCにより求めたところ、表6に示す様な分布が得
られた。
表6 分析条件は文献に準じて行った。(引用文献:M、  
KAYAMA  ら、  Yukagaku、、  2
3. 290〜295  (1974))。
この表から、炭素数30以上がほとんどで、特に生理活
性の高い炭素数40以上のワックスエステルが全体の約
20%得られたことになる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)脂肪酸及び/又はその誘導体を基質とし、スタフ
    ィロコッカスレンツ(¥Staphylococcus
    lentus¥)を培養することによりワックスエステ
    ル含有脂質を得ることを特徴とするワックスエステルの
    生産方法。
  2. (2)脂肪酸及び/又はその誘導体を基質とし、ワック
    スエステル合成酵素としてアシルCoA:アルコールア
    シルトランスフェラーゼを用いることを特徴とするワッ
    クスエステルの生産方法。
  3. (3)脂肪酸及び/又はその誘導体を基質とし、動物プ
    ランクトンであるアカルティアクラウシ(Acarti
    aclausi)から得られるワックスエステル分解酵
    素を用いることを特徴とするワックスエステルの生産方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7498026B2 (en) 2002-05-29 2009-03-03 Danisco Us Inc., Genencor Division Acyltransferase

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