JPH0127583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関用点火装置に関する。

従来、点火コイルにおける２次コイルの出力側
端末と点火プラグの端子部とを高圧コードにより
接続し、また点火プラグ内、または高圧コードと
前記端子部との接続部にノイズサプレツサ抵抗を
介装して点火プラグにおける中心電極と接地電極
間の放電等に起因した電波雑音を防止するように
した点火装置が知られている。しかしながら前記
高圧コードは耐電圧性、耐候性等を考慮して、一
般に数年で新品と交換しなければならないので、
不経済である。

そこで前記問題を解決すべく、点火プラグのプ
ラグキヤツプ内に配設したノイズサプレツサ抵抗
を点火コイルと点火プラグとの接続に用いて高圧
コードを省略し得るようにした点火装置は既に公
知（特開昭51−137041号公報参照）であるが、こ
の公知のものでは、点火プラグ端子に対する接続
部材を兼ねるコイルばねと、鉄心との間にノイズ
サプレツサ抵抗を弾力的に挟持するようにしてい
るので、ノイズサプレツサ抵抗に対する支持が不
安定であり、例えばエンジンの振動等によつてノ
イズサプレツサ抵抗が鉄心より一時的に離れて、
点火プラグと点火コイル間が一時的に遮断されて
しまう虞れがある。

本考案は、従来装置の上記問題を全て解決し得
る構造簡単な内燃機関用点火装置を提供すること
を目的とする。

そしてこの目的を達成するために本考案は、点
火プラグの端子部を覆うように該プラグに被着さ
れるプラグキヤツプ内に、鉄心とそれを囲繞する
点火コイルとを収容固定してなる、内燃機関用点
火装置において、前記プラグキヤツプの内壁に、
一端部が前記鉄心の内端部に対向し且つ他端部が
前記端子部に着脱可能に接続される導電性接続部
材を固着し、この接続部材の前記一端部には、ノ
イズサプレツサ抵抗の一端を嵌入させる凹部を設
け、そのノイズサプレツサ抵抗の他端部が嵌入さ
れる凹部を有する導電性ボルトを前記鉄心の内端
部に螺着すると共に、該内端部とボルト間に、前
記点火コイルにおける２次コイルの出力側端末に
連なる導電板を挟着したことを特徴とする。

以下、図面により本考案の一実施例について説
明すると、１はフエノール樹脂よりなる絶縁性筒
状プラグキヤツプで、その内部は、環状隔壁部２
とその隔壁部２に嵌着された導電性袋ナツト３と
により、コイル収容筒部４及びプラグ取付筒部５
に区画される。プラグ取付筒部５は点火プラグ６
の碍子部７に被着され、その筒部５により碍子部
７端面より突出する端子部８が覆われている。端
子部８には導電性中空ボルト９が抜差可能に嵌合
され、そのボルト９の環状溝１０に第２図に示す
ように平面Ｄ字形をなすばね１１を嵌めてその一
部を環状溝１０底部の開口１２より中空ボルト９
内に突出させ、その突出部を端子部８周面の係合
溝１３に係合させることにより中空ボルト９が端
子部８に抜止め保持される。前記中空ボルト９は
袋ナツト３に螺着されており、その両者３，９は
互いに協働して本考案の導電性接続部材Ｊを構成
している。

コイル収容筒部４内には点火コイル１４が収容
される。その点火コイル１４は絶縁性ボビン１５
と、そのボビン１５のコイル収容筒部４開口側に
巻装された単層状１次コイル１６と、その１次コ
イル１６に隣接してボビン１５に巻装された多層
状２次コイル１７と、ボビン１５の巻心１８内に
嵌合された鉄心としてのフエライトコア１９とを
備え、そのフエライトコア１９の、袋ナツト３と
対向する内端面には導電性ボルト２１が螺着さ
れ、その導電性ボルト２１とフエライトコア１９
間には、２次コイル１７の出力側端末に接続され
た導電板２０が挟着される。

ボルト２１の頂面と、それと対向する袋ナツト
３の頂面にはそれぞれ凹部２２，２３が形成さ
れ、両凹部２２，２３にはノイズサプレツサ抵抗
２４の両端部がそれぞれ嵌合されている。これに
より点火コイル１４における２次コイル１７の出
力側端末がノイズサプレツサ抵抗２４を介して点
火プラグ６の端子部８に電気的に接続される。

コイル収容筒部４内には、エポキシ樹脂等の熱
硬化性合成樹脂２５が注封され、これにより点火
コイル１４及びフエライトコア１９が前記筒部４
内に固定される。この注封時前記筒部４の開口に
は、１次コイル１６の入力側端末に接続される端
子板２６が配設され、同様に固定される。

端子板２６の、コイル収容筒部４からの突出部
には、図示しない電源に連なる低圧コード２７が
接続される。

コイル収容筒部４の開口は、一端を低圧コード
２７外周面に、他端を前記筒部４外周面にそれぞ
れ嵌着したゴム製防水筒２８により、水密に保持
される。またプラグ取付筒部５内には一端をその
筒部５外周面に、他端を碍子部７外周面にそれぞ
れ嵌着したゴム製防水筒２９により水密に保持さ
れる。

上記構成において、点火コイル１４の２次コイ
ル１７に発生した高電圧は導電板２０→ボルト２
１→ノイズサプレツサ抵抗２４→袋ナツト３→中
空ボルト９を経て点火プラグ６の端子部８に導か
れ、中心電極３０と接地電極３１間に放電が発生
する。

以上のように本考案によれば、点火プラグの端
子部を覆うように該プラグに被着されるプラグキ
ヤツプ内に、鉄心とそれを囲繞する点火コイルと
を収容固定してなる、内燃機関用点火装置におい
て、前記プラグキヤツプの内壁に、一端部が前記
鉄心の内端部に対向し且つ他端部が前記端子部に
着脱可能に接続される導電性接続部材を固着し、
この接続部材の前記一端部には、ノイズサプレツ
サ抵抗の一端を嵌入させる凹部を設け、そのノイ
ズサプレツサ抵抗の他端部が嵌入される凹部を有
する導電性ボルトを前記鉄心の内端部に螺着する
と共に、該内端部とボルト間に、前記点火コイル
における２次コイルの出力側端末に連なる導電板
を挟着したので、点火コイルと点火プラグ間をノ
イズサプレツサ抵抗を介して支障なく接続するこ
とができて、その間に高圧コードを特別に設ける
必要はなく、そのコードのメンテナンスに要する
時間及び交換費用を省くことができる。しかも上
記ノイズサプレツサ抵抗は、プラグキヤツプに固
定の前記接続部材及び導電性ボルトの各凹部によ
つて両端が強固に挟持固定されることから、エン
ジンの振動等によつても妄りにガタつくことなく
常に該接続部材及び導電性ボルトに密着すること
ができ、従つてエンジン振動等が大きいような場
合でも点火プラグと点火コイル間の導通状態を常
に的確に保持することができる。また前記導電性
ボルトは、上記ノイズサプレツサ抵抗に対する位
置決め保持手段と、該抵抗を２次コイルの出力側
端末に接続する導電板を鉄心に固定するための固
着手段とに兼用されるから、それだけ構造簡単で
コストダウンに寄与し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は全体の縦断正面図、第２図は第１図−線断
面図である。 １…プラグキヤツプ、６…点火プラグ、８…端
子部、１４…点火コイル、１７…２次コイル、１
９…鉄心としてのフエライトコア、２０…導電
板、２１…導電性ボルト、２２，２３…凹部、２
４…ノイズサプレツサ抵抗、Ｊ…接続部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 点火プラグ６の端子部８を覆うように該プラグ
   ６に被着されるプラグキヤツプ１内に、鉄心１９
   とそれを囲繞する点火コイル１４とを収容固定し
   てなる、内燃機関用点火装置において、前記プラ
   グキヤツプ１の内壁に、一端部が前記鉄心１９の
   内端部に対向し且つ他端部が前記端子部８に着脱
   可能に接続される導電性接続部材Ｊを固着し、こ
   の接続部材Ｊの前記一端部には、ノイズサプレツ
   サ抵抗２４の一端を嵌入させる凹部２３を設け、
   そのノイズサプレツサ抵抗２４の他端部が嵌入さ
   れる凹部２２を有する導電性ボルト２１を前記鉄
   心１９の内端部に螺着すると共に、該内端部とボ
   ルト２１間に、前記点火コイル１４における２次
   コイル１７の出力側端末に連なる導電板２０を挟
   着したことを特徴とする、内燃機関用点火装置。