JPH0127471B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、指紋の凹凸パターンを直接に実時
間で採取、識別・照合する指紋画像識別システム
に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は例えば特開昭55−13446号公報に示さ
れた従来の指紋画像入力装置を示す系統図であ
り、図において１は光源、２は被検者の指、３は
この指に対して光源１からの光線束を一定の範囲
内の角度をもつて入射させるようにした光学装
置、４はこの光学装置からの光学情報を電気信号
に変換し、指紋画像を得る変換装置、５はこの指
紋画像を取り込み、識別．照合等を行う処理装置
である。

次に動作について説明する。光源１からの入射
光線束６を直角プリズム等の透過特性及び反射特
性を有する光学装置３の面３ａに入射させ、斜面
３ｂに対する入射光線束６を臨界角７を超える角
度で入射させることにより、ガラス等の透明物で
できた直角プリズム３の斜面３ｂと空気との界面
では全反射し、指２が密着している界面では媒質
相互の屈折率の関係によつて全反射しない。すな
わち、斜面３ｂに密着しない指紋の谷線２ａの部
分は全反射し、斜面３ｂに密着している指紋の隆
線２ｂの部分は全反射しないので、コントラスト
のある指紋パターンが得られる。斜面３ｂでの反
射光線束８は面３ｃを透過し、この光学情報はテ
レビカメラ等の変換装置４によつて電気信号に変
換され、画像として処理装置５に取り込まれる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の指紋画像入力装置では、指
が直角プリズムの斜面に置かれても、指の表面に
汗や脂等の湿り気が出てきて斜面との密着性が増
さないと、コントラストのある鮮明な画像が得ら
れず、湿り気が出てくるまでしばらく待つ必要が
あつた。したがつて特に乾いた指では、表面の湿
り気が出てくるのを待たずに不鮮明な画像を処理
装置に取り込んでしまうということにもなりかね
ず、そうなれば誤つた識別をしたり後の解決が困
難になるという問題点があつた。

この発明はかかる問題点を解決するためになさ
れたもので、常にコントラストのある鮮明な指紋
画像を処理装置に取り込み、正確な識別・照合の
行える指紋画像識別システムを得ることを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明の指紋画像識別システムは、被検者の
指が置かれる面に対して光源からの光源束を所定
角度で入射させるようにした光学装置、この光学
装置からの光学情報を電気信号に変換し指紋画像
の凹凸パターンを得る変換装置、凹凸パターンを
部分領域に分割してその部分領域での濃度の分散
比を演算する演算装置、分散比と基準値とを比較
して指紋画像のコントラストの有無を判別する判
別装置、判別した結果を被検者に知らせる表示装
置、及び判別装置によりコントラストが有ると判
別された指紋画像を取り込み識別・照合を行う処
理装置を備えたものである。

〔作 用〕

この発明の判別表示装置は、例えば直角プリズ
ムの上に指が置かれていない状態、指が置かれて
指の表面に湿り気が出てくるのを待つている状
態、指と直角プリズムとの密着性が増し、コント
ラストのある鮮明な指紋画像が得られ処理装置に
取り込まれた状態のどれであるかを部分領域での
濃度の分散比にもとずいて判別するので、入力さ
れる指紋画像に依存せず、確実に鮮明な被検者の
指紋画像を取り込むことができる。

〔発明の実施例〕

第１図はこの発明の一実施例を示す系統図であ
り、図中の１〜８は従来装置と同一のものであ
る。９はテレビカメラ等の変換装置４から得られ
る画像の濃度分布をもとに、直角プリズムの斜面
３ｂに指２が置かれたかどうか、指２が置かれた
ときにこの指紋画像を処理装置５に取り込んでよ
いかを自動的に判別する自動判別装置であり、１
０は被検者にその判別結果を知らせる３つの
LED１０ａ〜１０ｃからなる表示装置であり、
判別表示装置は演算機能を有する自動判別装置９
及び表示装置１０で構成される。

直角プリズムの斜面３ｂの上に指２が置かれて
いない初期状態では、表示装置１０のLED―１
１０ａが点燈し、被検者に指２を置くように促
す。次に被検者が指２を置くとLED―１１０ａ
は消え、LED―２１０ｂが点滅し、指の表面に
湿り気が出てくるのを待つている状態となり、被
検者はそのままの状態でしばらく待つていなけれ
ばならない。さらに指２と斜面３ｂとの密着性が
増すと、コントラストのある鮮明な指紋画像の凹
凸パターンが得られる。この時点で、この指紋画
像は処理装置５に取り込まれ、LED―２１０ｂ
は消えLED―３１０ｃが点燈し、鮮明な指紋画
像が得られ処理装置５に取り込まれたことを知ら
せる。処理装置５では指紋の識別．照合等の処理
が始まり、被検者は斜面３ｂから指２を離してよ
い。これらの処理が終るとLED―３１０ｃは消
え、再びLED―１１０ａが点燈し初期状態に戻
る。上記の３状態の判断は、テルビカメラ等の変
換装置４から得られる画像の濃度分布をもとに、
自動判別装置９が自動的に行う。

そのアルゴリズムを第２図のフローチヤートに
示す。

(i) 第３図の説明図のように、たとえば４個の領
域(11)を考える。

(ii) 画像１として指２の置かれていない状態第３
図ａの画像を取り込み、(i)の４領域(11)における
濃度の分散σ_i ⁽¹⁾（ｉ＝１、…、４）を計算す
る。

(iii) 画像２として指２の置かれた状態（第３図
ｂ）を取り込み、(i)の４領域(11)における濃度の
分散σ_i ⁽²⁾（ｉ＝１、…、４）を計算する。

(iv) Ｒ＝min ｉσ_i ⁽²⁾／σ_i ⁽¹⁾を計算する。

(v) Ｒ≦T₁（T₁；分散比の基準値１）のとき、こ
れは指２が置かれていない状態であると考え、
LED―１１０ａが点燈し、被検者に指２を置
くように促し、(iii)に戻る。

(vi) T₁＜Ｒ≦T₂（T₂；分散比の基準値２）のと
き、これは指の表面がまだ乾いている状態であ
ると考え、LED―１１０ａは消えLED―２１
０ｂが点滅し、被検者にそのまましばらく待つ
ているように促し、(iii)に戻る。

(vii) Ｒ＞T₂のとき、コントラストの高い画像が
得られたと考え、LED―２１０ｂは消え、
LED―３１０ｃが点燈する。

なお上記実施例では、表示装置１０として３つ
のLED１０ａ〜１０ｃを用いたが、上記の３状
態に応じて、「指を置いて下さい。」「しばらくお
待ち下さい。」、「指を離して下さい。」等のメツセ
ージを表示する文字表示板を用いてもよい。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、被検者の指
が置かれる面に対して光源からの光源束を所定角
度で入射させるようにした光学装置、この光学装
置からの光学情報を電気信号に変換し指紋画像の
凹凸パターンを得る変換装置、凹凸パターンを部
分領域に分割してその部分領域での濃度の分散比
を演算する演算装置分散比と基準値とを比較して
指紋画像のコントラストの有無を判別する判別装
置、及びこの判別装置によりコントラストが有る
と判別された指紋画像を取り込み識別・照合を行
う処理装置を備えたものにすることにより、常に
コントラストのある鮮明な画像を取りこめ、正確
な識別・照合の行なえる指紋画像識別システムが
得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の指紋画像識別シ
ステムを示す系統図、第２図はこの発明に係わる
自動判別装置の一実施例のフローチヤート、第３
図は第２図に示すフローチヤートの説明図、第４
図は従来の指紋画像入力装置を示す系統図であ
る。 図において、１は光源、２は指、３は光学装
置、４は変換装置、５は処理装置、９は自動判別
装置、１０は表示装置であり、９，１０で判別表
示装置が構成される。なお、図中、同一符号は同
一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被検者の指が置かれる面に対して、光源から
   の光線束を所定角度で入射させるようにした光学
   装置、この光学装置からの光学情報を電気信号に
   変換し指紋画像の凹凸パターンを得る変換装置、
   この凹凸パターンを部分領域に分割してその部分
   領域での濃度の分散比を演算する演算装置、上記
   分散比と基準値とを比較して上記指紋画像のコン
   トラストの有無を判別する判別装置、上記判別し
   た結果を上記被検者に知らせる表示装置、及び上
   記判別装置によりコントラストが有ると判別され
   た指紋画像を取り込み、識別・照合を行う処理装
   置を備えた指紋画像識別システム。