JPH0124407B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0124407B2
JPH0124407B2 JP58079281A JP7928183A JPH0124407B2 JP H0124407 B2 JPH0124407 B2 JP H0124407B2 JP 58079281 A JP58079281 A JP 58079281A JP 7928183 A JP7928183 A JP 7928183A JP H0124407 B2 JPH0124407 B2 JP H0124407B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
weight
polymer
parts
vinyl acetate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP58079281A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59204644A (ja
Inventor
Hirofumi Murakami
Junichi Takeda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP7928183A priority Critical patent/JPS59204644A/ja
Publication of JPS59204644A publication Critical patent/JPS59204644A/ja
Publication of JPH0124407B2 publication Critical patent/JPH0124407B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔〕 発明の目的 本発明は塗装性、印刷性および接着性のすぐれ
たオレフイン系重合体組成物に関する。さらにく
わしくは、(A)結晶性プロピレン系重合体、(B)分子
量が2.2万ないし40万のスチレン系重合体、(C)エ
チレン―酢酸ビニル共重合体および/またはエチ
レン―アクリル酸エステル共重合体ならびに(D)エ
チレン系重合体からなるオレフイン系重合体組成
物に関するものであり、塗装性、印刷性および接
着性が改善されたオレフイン系重合体組成物を提
供することを目的とするものである。 〔〕 発明の背景 オレフイン系重合体(エチレン系重合体、プロ
ピレン系重合体およびエチレンまたはプロピレン
を主成分とする他のオレフインとの共重合体)は
周知のごとく、広く工業的に製造され、汎用樹脂
として多方面に使用されている。しかしながら、
オレフイン系重合体は分子内に極性基を有しな
い、いわゆる非極性、化学的に極めて不活性な高
分子物質であり、さらに結晶性が高く、溶剤類に
対する溶解性も著しく低いため、塗装、印刷また
は接着などの分野に用いる場合、それらが非常に
乏しい。これらの問題点を解決するため、可成り
以前から下記のごとき種々の方法が提案されてき
た。 (a) オレフイン系重合体またはその成形物を外部
から表面処理し、物理的または化学的な方法に
よつて変性する方法〔以下「変性方法」と云
う〕。 (b) オレフイン系重合体に他の高分子物質または
添加剤を添加する方法〔以下「添加方法」と云
う〕。 以下、これらの方法についてさらに詳細に説明
し、問題点を記述する。 (1) 変性方法 この方法としては、「火焔処理法、オゾン処
理法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法およ
び紫外線または電子線照射処理法〔以下「変性
方法(a)」と云う〕ならびに「クロム酸混液およ
び濃硫酸のごとき鉱酸を用いて処理する方法お
よびオレフイン系重合体に極性基を含有する化
合物などを用いて架橋剤の存在下または不存在
下でグラフト化などの化学処理法」〔以下「変
性方法(b)」と云う〕があげられる。 これらの変性方法により、オレフイン系重合
体またはその成形物の表面に極性基に富んだ化
学的に活性なサイトを与え、かつ物理的に表面
が粗面化される。その結果、塗装性、印刷性、
および接着性の向上した効果が得られると考え
られる。 しかしながら、この変性方法(a)を実施するた
めには、被処理成形物の形状が著しく限定され
ること、さらに処理後の放置によつて処理効果
が著しく経時的に変化するばかりでなく、処理
による活性化度がかならずしも充分でない場合
が多い。その上、種々の高価な処理装置を要す
るため、経済的にも不利があるなどの欠点を有
する。 また、変性方法(b)のうち、鉱酸を用いる処理
方法では、使用する薬品が公害源となり易く、
中和工程、水洗工程および乾燥工程のごとき繁
雑な後処理の工程が必要となる。さらに、グラ
フト化などの化学処理法でも、単量体の塗布、
グラフト開始剤の選択、グラフト化の雰囲気な
どに細かい配慮を必要とし、またグラフト反応
時間が長く、したがつて連続生産に適さないな
どの欠点を有している。 (2) 添加方法 この方法としては、オレフイン系重合体に
「ゴム物質および/または極性基を含有する樹
脂を添加するいわゆる樹脂ブレンドによる方
法」〔以下「添加方法(a)」と云う〕および「充
填剤(たとえば、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、タルク、クレー、木粉)のごとき添加剤を
添加する方法」〔以下「添加方法(b)」と云う〕
があげられる。 添加方法(a)のうち、オレフイン系重合体にゴ
ム物質を添加する場合では、一般にゴム物質は
団塊状であるため、オレフイン系重合体との樹
脂ブレンド(混練り)するさい、連続混合機
(たとえば、押出機)を用いて連続的に混練り
を行なうことがほとんど不可能であるばかりで
なく、得られる混合物の成形物の剛性、硬度お
よび耐熱性のごとき機械的特性が著しく低下す
るなどの欠点がある。 一方、極性基を含有する樹脂をオレフイン系
重合体に添加する場合には、該樹脂とオレフイ
ン系重合体との相溶性が一般に劣るため、得ら
れる組成物の成形物の物性(たとえば、強度、
耐衝撃性)が低下するばかりでなく、極端な場
合には、層剥離を生じることもあるなどの欠点
がある。 また、添加方法(b)の場合では、得られる組成
物の流動特性が低下するため、成形加工が困難
になるばかりでなく、たとえ成形物が得られた
としても、耐衝撃性および伸びのごとき機械的
特性が低下し、外観などが悪化するなどの問題
点があり、その利用範囲が制限されるなどの欠
点を有する。 これらのことから、本発明者の一部らは、これ
らの欠点を有さず、塗装性、印刷性および接着性
のすぐれたオレフイン系重合体組成物を得るため
に種々探索した結果、 (A) ポリオレフイン(オレフイン系重合体)100
重量部、 (B) 0.5〜20.0重量部の分子量が200〜40万のスチ
レンを主成分とするスチレン系重合体 および (C) 3.0〜40.0重量部のメチルメタアクリル酸エ
ステルの含有率が3〜40重量%のエチレン―メ
タアクリル酸エステル共重合体からなるポリオ
レフイン組成物が、 前記のごとき欠点がなく、かつ塗装性、印刷性お
よび接着性がすぐれていることを見出し、以前に
提案した(特開昭56−165693号)。しかしながら、
塗装性、印刷性および接着性は実用上においてか
ならずしも満足すべき組成物ではない。 〔〕 発明の構成 以上のことから、本発明者らは、これらの欠点
を有さず、塗装性、印刷性および接着性がきわめ
てすぐれたオレフイン系重合体組成物を得るため
に種々探索した結果、 (A) メルトフローインデツクス(JIS K―6758に
したがい、温度が230℃および荷重が2.16Kgの
条件で測定、以下「MFI」と云う)が0.01〜
100g/10分である結晶性プロピレン系重合体
100重量部、 (B) 分子量が2.2万ないし40万のスチレンを主成
分とするスチレン系重合体0.5〜20.0重量部 (C) 酢酸ビニル含有率が5.0〜50重量%であるエ
チレン―酢酸ビニル共重合体および/またはア
クリル酸エステルの含有率が5.0〜40重量%で
あるエチレン―アクリル酸エステル共重合体
3.0〜28.0重量部 ならびに (D) 密度が0.900〜0.975g/cm3であり、かつメル
トインデツクス(JIS K―6760にしたがい、温
度が190℃および荷重が2.16Kgの条件で測定、
以下「M.I.」と云う)が少なくとも0.1g/10
分であるエチレン系重合体3.0〜30.0重量部 が前記の欠点がなく、かつ塗装性、印刷性および
接着性がすぐれていることを見出し、本発明に到
達した。 〔〕 発明の効果 本発明によつて得られる組成物は上記の特性を
有するばかりでなく、かつ下記のごとき効果(特
徴)を発揮する。 (1) オレフイン系重合体が有している流動性、剛
性および伸び率のごとき機械的特性の低下がほ
とんどなく、とりわけ耐衝撃性が非常にすぐれ
ている。 (2) 成形性がすぐれており、押出機のごとき連続
混練り機を使用して連続的に混練りすることも
できるため、製造コストが安価にすることもで
きる。 (3) オレフイン系重合体とスチレン系重合体なら
びにエチレン―酢酸ビニル共重合体またはエチ
レン―アクリル酸エステル共重合体との相溶性
が良好であるため、成形品の層剥離が生じな
い。 (4) 前記変性方法(a)のごとく、高価な処理装置を
必要としない。 (5) 得られる成形物の外観が非常にすぐれている
ばかりでなく、高光沢である。 (6) 機械的強度(たとえば、剛性、耐衝撃性)が
良好である。 本発明によつて得られるオレフイン系重合体組
成物は以上のごときすぐれた効果(特徴)を発揮
するため、塗装または印刷されて多方面にわたつ
て利用することができる。代表的な用途を下記に
示す。 (1) バンパー、バンパーコーナーおよびフロント
グリルのごとき自動車部品 (2) フエンダー、レツグシールドおよびサイドカ
バーのごとき二輪車部品 (3) オーデイオ、テレビ、扇風機およびラジオカ
セツトのごとき家庭電器製品の部品 (4) ヘルメツト (5) 容器類 (6) 家具類 (7) 日用品雑貨 (8) 建材など 〔〕 発明の具体的な説明 (A) プロピレン系重合体 本発明において使われるプロピレン系重合体
は結晶性であり、プロピレン単独重合体ならび
にプロピレンとエチレンおよび/または炭素数
が4〜12個のα―オレフイン(たとえば、ブテ
ン―1、ヘキセン―1、4―メチルペンテン―
1、オクテン)とのランダムまたはブロツク共
重合体からえらばれる。これらのプロピレン系
重合体のうち、ランダムおよびブロツク共重合
体のエチレンおよびα―オレフインの共重合割
合は通常多くとも25重量%(好適には、20重量
%以下)である。また、MFIは0.01〜100g/
10分であり、0.01〜50g/10分が望ましく、と
りわけ0.1〜50g/10分が好適である。MFIが
0.01g/10分未満のプロピレン系重合体を使用
するならば、組成物を製造するさいに混練する
ことが困難であり、均一の組成物を得ることが
難しい。かりに、均一の組成物が得られたとし
ても、成形物の製造が不可能になることがあ
る。一方、MFIが100g/10分を越えたプロピ
レン系重合体を使用すれば、混練性および成形
性は良好であるが、その反面すぐれた機械的強
度を有する組成物を得ることができない。 (B) スチレン系重合体 また、本発明において使用されるスチレン系
重合体の分子量は22000ないし40万であり、
22000〜35万が好ましく、特に22000ないし30万
が好適である。分子量が40万を越えると、プロ
ピレン系重合体との混合性が悪く、混練り時の
分散が困難である。一方、分子量が22000未満
のものは、得られる組成物の耐衝撃性が劣る。
本発明において使われるスチレン系重合体はス
チレン単独重合体でもよく、スチレンと他の単
量体(共重合割合は40モル%以下)との共重合
体でよい。他の単量体としては、モノオレフイ
ン(炭素数は多くとも8個)、ジオレフイン
(炭素数は多くとも8個)ならびに(メタ)ア
クリル酸エステル(炭素数は多くとも8個)お
よびアクリロニトリルのごとき極性基含有ビニ
ル化合物があげられる。該スチレン系重合体は
単独で用いてもよく、二種以上併用してもよ
い。 (C) エチレン―酢酸ビニル共重合体 さらに、本発明において用いられるエチレン
―酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルの含有率
は、5〜50重量%であり、特に10〜40重量%が
好ましい。酢酸ビニルの含有率が5重量%以下
のエチレン―酢酸ビニル共重合体を使用すれ
ば、改質の効果が満足すべきものではないから
望ましくない。一方、酢酸ビニルの含有率が50
重量%以上のエチレン―酢酸ビニル共重合体を
使つた場合、プロピレン系重合体との相溶性が
悪いため、組成物の物性が低下するのみなら
ず、層剥離などを生じるため好ましくない。 (D) エチレン―アクリル酸エステル共重合体 また、本発明において使われるエチレン―ア
クリル酸エステル共重合体中のアクリル酸エス
テルの含有率は、5〜40重量%であり、とりわ
け10〜30重量%が望ましい。アクリル酸エステ
ルの含有率が5重量%以下のエチレン―アクリ
ル酸エステル共重合体を用いる場合、改質の効
果が満足すべきものではないから好ましくな
い。一方、アクリル酸エステルの含有率が40重
量%以上のエチレン―アクリル酸エステル共重
合体を使用すると、プロピレン系重合体との相
溶性が悪いため、組成物の物性が低下するばか
りか、層剥離を生じるため望ましくない。 該共重合体の単量体であるアクリル酸エステ
ルはアクリル酸と炭素が1〜8個のアルコール
から得られるものである。 本発明を実施するにあたり、エチレン―酢酸
ビニル共重合体およびエチレン―アクリル酸エ
ステル共重合体は単独で用いてもよく、二種以
上を併用してもよい。 (E) エチレン系重合体 さらに、本発明において使用されるエチレン
系重合体はエチレン単独重合体およびエチレン
と炭素数が多くとも12個のα―オレフイン共重
合体からえらばれる。エチレン系重合体のう
ち、エチレンとα―オレフインとの共重合体の
α―オレフインの共重合割合は一般には多くと
も20重量%(好適には、15重量%以下)であ
る。また、該α―オレフインの代表例として
は、プロピレン、ブテン―1、ヘキセン―1、
4―メチルペンテン―1およびオクテン―1が
あげられる。このエチレン系重合体の密度は
0.900〜0.975g/cm3であり、特に0.900〜0.970
g/cm3が好ましい。さらに、M.I.は少なくとも
0.1/10分であり、0.1〜50g/10分が望まし
く、殊に0.5〜20g/10分が好適である。M.I.
が0.1g/10分未満のエチレン系重合体を用い
ると、均一の組成物を得ることが難しく、たと
え成形物が得られたとしても、該成形物の塗装
性および外観がよくない。 本発明のプロピレン系重合体およびエチレン
系重合体は遷移金属化合物(たとえば、チタン
系化合物または担体(たとえば、マグネシウム
化合物、その処理物)に遷移金属化合物を担持
させることによつて得られる担体担持触媒と有
機金属化合物(たとえば、有機アルミニウム化
合物とから得られる触媒系(いわゆるチーグラ
ー触媒)あるいは担体(たとえば、シリカ)に
クロム含有化合物(たとえば、酸化クロム)な
どを担持させることによつて得られる触媒系
(いわゆるフイリツプス)を用いて単独重合さ
せることによつて得られる。さらに、エチレン
系重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体およ
びエチレン―アクリル酸エステル共重合体はラ
ジカル開始剤(たとえば、有機過酸化物)を用
いてエチレンを単独重合あるいは共重合させる
ことによつて得られる。これらのプロピレン系
重合体、エチレン系重合体、エチレン―酢酸ビ
ニル共重合体およびエチレン―アクリル酸エス
テル共重合体は、いずれも工業的に生産され、
多方面にわたつて利用されているものである。 (E) 組成割合 本発明のプロピレン系重合体100重量部に対
するスチレン系重合体、エチレン―酢酸ビニル
共重合体、エチレン―アクリル酸エステル共重
合体およびエチレン系重合体の組成割合は、ス
チレン系重合体が0.5〜20.0重量部であり、1.0
〜20.0重量部が望ましく、とりわけ1.0〜15.0重
量部が好適である。100重量部のプロピレン系
重合体に対するスチレン系重合体の組成割合が
0.5重量部未満では、改質の効果がほとんどな
い。一方、20.0重量部を越えると、得られる組
成物の耐衝撃性、伸び率、耐寒性などの物性が
低下し、さらに塗装性、印刷性および接着性に
ついても、増量効果が認められない。また、エ
チレン―酢酸ビニル共重合体および/またはエ
チレン―アクリル酸共重合体の組成割合は3.0
〜28.0重量部であり、5.0〜28.0重量部が望まし
く、とりわけ5.0〜25.0重量部が好適である。
100重量部のプロピレン系重合体に対するエチ
レン―酢酸ビニル共重合体および/またはエチ
レン―アクリル酸エステル共重合体の組成割合
が3.0重量部未満では、改質の効果がほとんど
ない。一方、28.0重量部を越えると、増量効果
がないばかりか、得られる組成物の剛性、強度
および耐熱性が満足すべきものではないために
好ましくない。さらに、エチレン系重合体の組
成割合は3.0〜30.0重量部であり、5.0〜28.0重
量部が好ましく、特に5.0〜25.0重量部が好適
である。100重量部のプロピレン系重合体に対
するエチレン系重合体の組成割合が3.0重量部
未満では、改質の効果がほとんどない。一方、
30.0重量部を越えると、得られる組成物の塗装
性、印刷性および接着性について、増量効果が
認められない。 (G) 混合方法、成形方法、用途など 本発明の組成物を製造するにあたり、プロピ
レン系重合体、スチレン系重合体、エチレン―
酢酸ビニル共重合体および/またはエチレン―
アクリル酸エステル共重合体ならびにエチレン
系重合体を混合するのみで目的を達成すること
ができるけれども、プロピレン系重合体が有し
ている諸特性を本質的に損なわない範囲内(通
常、プロピレン系重合体に対して30重量%以
下)で他の樹脂やゴム類を添加することができ
る。さらに、必要に応じて、プロピレン系重合
体に一般に使われている酸素、光または熱に対
する安定剤、難燃化剤、充填剤、補強剤、加工
性改良剤、滑剤、帯電防止剤および顔料のごと
き添加剤を添加してもよいことはもちろんのこ
とである。 また、該組成物を得るには、タンブラー、リ
ボンブレンダーおよびヘンセルミキサーのごと
き混合機を使つてドライブレンドしてもよく、
またバツ式混練り機(たとえば、バンバリーミ
キサー)を用いて混練りすることができるが、
前記したごとく連続式混合機を使用して連続的
に混練りすることもできる。また、これらの方
法を併用する(たとえば、ドライブレンドした
後、連続的に混練りする)ことによつてさらに
均一に混合することもできる。 得られた混合物(組成物)はプロピレン系重
合体の諸物性が本質的に変化しないため、プロ
ピレン系重合体の成形において一般に用いられ
ている射出成形法、押出成形法および吹込み成
形法を適用することによつて所望の成形物を作
成することができる。 本発明の理論的背景はかならずしも明確では
ないが、プロピレン系重合体に均一に分散した
スチレン系重合体が、塗料、印刷インキおよび
接着剤の溶剤に溶解され、成形物の表面が物理
的に粗面化される。一方、プロピレン系重合体
に均一に分散したエチレン―酢酸ビニル共重合
体またはエチレン―アクリル酸エステル共重合
体が、成形物の表面において塗料などの成分と
相溶する。一方、プロピレン系重合体に均一に
分散したエチレン系重合体が成形物の表面に浸
透した塗料成分を捕獲する作用として働くため
に相乗的な効果を発揮するものと思われる。 前記のようにして得られる成形物は、塩素化
ポリプロピレン、環化ゴム、塩酸ゴムなどを主
成分とするポリプロピレン用プライマーとの密
着性がすぐれ、さらに変性アクリル系塗料など
に対して良好な密着性を有する。 〔〕 実施例および比較例 以下、実施例によつて本発明をさらにくわしく
説明する。 なお、実施例および比較例において、塗膜剥離
強度テストは試片より幅が10mmの短冊上の試片を
切り出し、その試片の一端から一部分の塗膜を強
引に剥した後、プラスチツクの引張試験などで用
いられている引張試験機を用いて引張速度が50
mm/分、剥離角度が180度および温度が20℃の条
件のもとで塗膜を剥離してその時の強度を塗膜剥
離強度(g/10mmとした)。また、アイゾツト衝
撃強度はASTM D―256にしたがつてノツチ付
で測定した。さらに、曲げ弾性率はASTM D―
747にしたがつて測定した。 なお、実施例および比較例において使用した配
合成分であるプロピレン系重合体、スチレン系重
合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン
―アクリル酸エステル共重合体およびエチレン系
重合体の物性を下記に示す。 〔(A) プロピレン系重合体〕 プロピレン系重合体として、密度が0.900g/
cm3であるプロピレン―エチレンブロツク共重合体
〔MFI4.0g/10分、エチレン含有量18重量、以下
「PP(A)」と云う〕およびプロピレン単独重合体
〔MFI4.0g/10分、以下「PP(B)」と云う〕を使
用した。 〔(B) スチレン系重合体〕 スチレン系重合体として、平均分子量が約30万
のスチレン単独重合体〔以下「PS(I)」と云う〕
および平均分子量が約15000のスチレン系重合体
〔以下「PS()」と云う〕を使つた。 〔(C) エチレン―酢酸ビニル共重合体〕 エチレン―酢酸ビニル共重合体として、酢酸ビ
ニル含有率が33重量%のエチレン―酢酸ビニル共
重合体〔M.I.30g/10分、以下「EVA(1)」と云
う〕および酢酸ビニル含有率が55重量%。エチレ
ン―酢酸ビニル共重合体〔M.I.15g/10分、以下
「EVA(2)」と云う〕を用いた。 〔(D) エチレン―アクリル酸エステル共重合体〕 エチレン―アクリル酸エステル共重合体とし
て、アクリル酸エチルの含有率が18重量%のエチ
レン―アクリル酸エチル共重合体〔M.I.6.0g/
10分、以下「EEA()」と云う〕およびアクリ
ル酸エチルの含有率が50重量%のエチレン―アク
リル酸エチル共重合体〔M.I.2.5g/10分、以下
「EEA()」と云う〕を使用した。 〔(E) エチレン系重合体〕 エチレン系重合体として、密度が0.950g/cm3
エチレン系重合体〔M・I.1.0g/10分、以下
「PE(a)」と云う〕、密度が0.920g/cm3の低密度ポ
リエチレン〔M.I.3.0g/10分、以下「PE(b)」と
云う〕および密度が0.9g/cm3の直鎖状低密度エチ
レン―ブテン―1共重合体〔ブテン含有率7.0重
量%、M.I.2.0g/10分、以下「PE(c)」と云う〕
を用いた。 実施例1〜8、比較例1〜9 第1表に種類が示されるプロピレン系重合体
100重量部ならびに第1表に種類が示されるスチ
レン系重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体ま
たはエチレン―アクリル酸エステル共重合体およ
びエチレン系重合体(それぞれの配合量を第1表
に示す)をあらかじめリポンブレンダーを使つて
10分間ドライブレンドを行なつた。得られた各混
合物をベント付押出機(径50mm)を使用して樹脂
温度が230℃において溶融・混練しながらペレツ
ト(組成物)を製造した。得られたそれぞれのペ
レツトを5オンス射出成形機を用いて230℃の樹
脂温度において射出成形し、平板状の試片(150
×150、厚さ2mm)を作成した。 このようにして得られた各試片の片面にホルプ
レン用プライマー(川上塗料社製、商品名 ハイ
プラス150HB)を塗膜剥離テスト用として厚さ
が5ないし10ミクロンになるようにスプレーガン
を使つて吹付けた。つづいて、二液状ウレタン塗
料(日本ビーケミカル社製、商品名R―264)を
塗膜剥離テスト用として厚さが35ないし40ミクロ
ンになるようにスプレーガンを使用して吹付け
た。つづいて、90℃の温度において30分間加熱乾
燥を行なつた。ついで、室温において、一昼夜放
置した後、各試料の塗膜剥離強度テストを行なつ
た。それらの結果を第2表に示す。また、前記の
各ペレツトのMFIならびに各試片の曲げ弾性率
およびアイゾツト衝撃強度(ノツチ付)を第2表
に示す。 なお、第1表において、組成成分()はプロ
ピレン系重合体を表わし、組成成分()はスチ
レン系重合体を示す。また、組成成分()はエ
チレン―酢酸ビニル共重合体またはエチレン―ア
クリル酸エステル共重合体を表わし、組成成分
()はエチレン系重合体を示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 以上の実施例および比較例の結果から、本発明
によつて得られる組成物は、接着性が良好であ
り、さらに加工性および流動性(混練性)がすぐ
れているばかりでなく、耐衝撃性および剛性のご
とき機械的性質についても良好であるために前記
のごとく多方面にわたつて利用することができる
ことは明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) メルトフローインデツクスが0.01〜100
    g/10分である結晶性プロピレン系重合体100
    重量部、 (B) 分子量が2.2万ないし40万のスチレンを主成
    分とするスチレン系重合体0.5〜20.0重量部、 (C) 酢酸ビニル含有率が5.0〜50重量%であるエ
    チレン―酢酸ビニル共重合体および/またはア
    クリル酸エステルの含有率が5.0〜40重量%で
    あるエチレン―アクリル酸エステル共重合体
    3.0〜28.0重量部 ならびに (D) 密度が0.900〜0.975g/cm3であり、かつメル
    トインデツクスが少なくとも0.1g/10分であ
    るエチレン系重合体3.0〜30.0重量部 からなるオレフイン系重合体組成物。
JP7928183A 1983-05-09 1983-05-09 オレフイン系重合体組成物 Granted JPS59204644A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7928183A JPS59204644A (ja) 1983-05-09 1983-05-09 オレフイン系重合体組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7928183A JPS59204644A (ja) 1983-05-09 1983-05-09 オレフイン系重合体組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59204644A JPS59204644A (ja) 1984-11-20
JPH0124407B2 true JPH0124407B2 (ja) 1989-05-11

Family

ID=13685476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7928183A Granted JPS59204644A (ja) 1983-05-09 1983-05-09 オレフイン系重合体組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS59204644A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3343402A1 (de) * 1983-11-30 1985-06-05 Dr. Alois Stankiewicz GmbH, 3101 Adelheidsdorf Radlaufteil
JPS61185546A (ja) * 1985-02-13 1986-08-19 Showa Denko Kk オレフイン系重合体組成物
JPH066646B2 (ja) * 1985-08-19 1994-01-26 三井東圧化学株式会社 ポリオレフイン樹脂組成物
JPS63159457A (ja) * 1986-12-23 1988-07-02 Toyoda Gosei Co Ltd オレフイン系熱可塑性エラストマ−
JP2668073B2 (ja) * 1987-09-30 1997-10-27 筒中プラスチック工業株式会社 成形用樹脂組成物

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56122849A (en) * 1980-03-04 1981-09-26 Showa Denko Kk Polypropylene composition

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56122849A (en) * 1980-03-04 1981-09-26 Showa Denko Kk Polypropylene composition

Also Published As

Publication number Publication date
JPS59204644A (ja) 1984-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5331046A (en) Polyolefinic resin composition having superior paintability
JPH066654B2 (ja) 充填剤含有ポリプロピレン樹脂組成物
JPH0730217B2 (ja) 熱可塑性エラストマ−組成物
KR20010105088A (ko) 폴리프로필렌 수지조성물
US5276093A (en) Resin molding
EP0429236A2 (en) Coated resin molding
CA2055855A1 (en) Coating method of polypropylene resin moldings
JPH02502831A (ja) 熱可塑性組成物と、それを用いて作られた物品
US4739011A (en) Thermoplastic resin composition
JPH0124407B2 (ja)
JPH0541654B2 (ja)
JPH0124408B2 (ja)
JPH0124409B2 (ja)
JPS644534B2 (ja)
JPH0125502B2 (ja)
JPS58118809A (ja) プロピレン系樹脂用プライマ−の製造方法
KR940008998B1 (ko) 폴리프로필렌 수지조성물 및 그 성형물의 도장방법
JPS6226664B2 (ja)
KR0129499B1 (ko) 직접 도장이 가능한 폴리올레핀계 수지 조성물
KR100203443B1 (ko) 폴리프로필렌 수지 조성물
JPH06192490A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品
JPH035420B2 (ja)
JPH0329103B2 (ja)
JPS58173135A (ja) オレフイン系重合体組成物の成形物の塗布方法
JPH08108431A (ja) ポリオレフィン成形材料の表面処理方法及び成形体の製造法