JPH0124207B2 - - Google Patents
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- JPH0124207B2 JPH0124207B2 JP58183294A JP18329483A JPH0124207B2 JP H0124207 B2 JPH0124207 B2 JP H0124207B2 JP 58183294 A JP58183294 A JP 58183294A JP 18329483 A JP18329483 A JP 18329483A JP H0124207 B2 JPH0124207 B2 JP H0124207B2
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- cold
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- rolled steel
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
- C21D8/04—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips to produce plates or strips for deep-drawing
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、連続焼鈍用冷延鋼板母材の製造方法
に関する。 更に詳細には本発明は熱間圧延工程で高温巻取
りを行つて良好な深絞り性と表面性状を兼備した
冷延鋼板製品を製造しうる連続焼鈍用冷延鋼板母
材の製造方法に関する。 従来技術 冷延鋼板の連続焼鈍は処理時間が短く高強度の
製品が得られるため広く採用されている。しかし
ながら、連続焼鈍用冷延鋼板は成型性、特に深絞
り性が劣る傾向がある。 連続焼鈍される冷延鋼板において従来の箱焼鈍
による冷延鋼板に匹敵する深絞り性、すなわちr
値を得るにはその熱間圧延時に高温巻取りする必
要があることがよく知られており、実施されてい
る。この高温巻取りは、治金的にはAlNを粗大
析出させることに主眼があり、巻取り温度は高い
ほどAlNの粗大析出が進行し、連続焼鈍により
r値の高い冷延鋼板を得るに望ましい。 しかしながら、巻取り温度を高くすると、表面
スケールが生じ、脱炭により粒子の粗大化(フエ
ライト結晶の粗大化)がおこり、冷延鋼板の外観
を著しく損ねる。このため実際には巻取り温度を
700℃以下に押さえており、従つて、連続焼鈍で
は箱焼鈍で得られる製品に匹敵するr値のものは
製造出来なかつた。 発明の目的 本発明の目的は、上述の従来技術の問題点を解
決し、深絞り性の優れた冷延鋼板製品を与えうる
連続焼鈍用の冷延鋼板母材の製造方法を提供する
ことにある。 更に詳細には、本発明の目的は、連続焼鈍用の
冷延鋼板母材の製造方法において、その熱間圧延
時に高温巻取りを行い、表面が美麗で且つ冷延鋼
板製品が優れた深絞り性を示すような冷延鋼板母
材の製造方法を提供することにある。 発明の構成 そこで、本発明者らは連続焼鈍用冷延鋼板の母
材たる熱延鋼板の熱履歴とそれによる金属組織学
的変化を冷延鋼板製品の深絞り性との関連に於い
て長年研究を続けた結果、熱間圧延前の鋳片の熱
履歴を変更することにより、粒子の粗大化を防止
できる高温巻取り(730℃超820℃以下)を実現し
たものである。 本発明に従い、C:0.015〜0.015%,Mn:0.03
〜0.25%を含有するAlキルド鋼を連続鋳造し、鋳
片の表面温度が800℃未満にならないように保温
し、1050℃乃至1200℃の範囲の温度に均熱加熱
し、次いで熱間圧延後730℃超820℃以下の範囲の
温度で巻取りを行なうことを特徴とする連続焼鈍
用冷延鋼板母材の製造方法が提供される。 更に、本発明のもう1つの方法は、熱延コイル
を巻取つた後、そのコイルを均熱保持し、次いで
徐冷するのが好ましい。 尚、鋳片表面温度とは、連続焼鈍スラブの場
合、コーナー部等の特殊な部位ではなく、測温部
といわれる板幅中央部で測定した温度であり、材
料温度の制御の対象となる温度をいう。 実際には、鋳片の均熱保持は、連続鋳造から熱
間圧延までの間、鋳片を保温カバー又は保温炉等
で保熱することにより行われる。 本明細書中では成分パーセントは重量パーセン
トで示している。 次に、本発明の構成要件の限定理由を説明す
る。 C: Cは冷延鋼板製品の強度を得るのに必要な成分
である。特に0.015%未満では製品の強度が不足
するだけでなく連続焼鈍後の時効劣化が大きいの
で望ましくない。第1図は連続焼鈍後の製品を常
温に3カ月放置した時の伸びの劣化量と鋼中C量
との関係を示したがこの図よりも本発明の範囲に
C量を制御する必要があることがわかる。また
0.05%を越えると深絞り性が劣化する。従つて、
C量は0.015〜0.05%に限定した。 Mn: Mnは冷延鋼板製品の製造工程において熱間脆
性を防止する上で有効な成分であるが、0.03%未
満ではこの効果はなくまた0.25%を越えると深絞
り性が劣化する。従つて、Mnを0.03〜0.20%に
限定した。 さらに、本発明の製造方法に使用する鋳片は
C,Mnの他、Si,Ti,Al、及び他の合金元素、
更にP,S等の不純物を含有することができるの
は勿論である。 鋳片表面温度: 従来技術では連続鋳造鋳片は、一旦500℃乃至
600℃まで冷却し、これを1200℃以上に加熱して
熱間圧延する。鋳片表面温度が一旦800℃未満ま
で下がると、熱間圧延前に鋳片内にフエライト相
の発生が始まり、これがAlNやMnSなど析出物
の粗大化、即ち析出粒子の粗大化を起し、高温巻
取時のフエライト粒の粗大化を助長し、その結果
冷延鋼板製品の表面性状が著しく劣化する。 しかし、本発明により、連続鋳造後、熱間圧延
までの鋳片表面温度を800℃以上に保つことで、
フエライト相の析出は鋳片冷却時ではなく、高温
巻取り時に起こるため析出粒子は微細に析出し、
これによつてフエライト結晶の粗大化が防止でき
る。 鋳片加熱温度: 連続鋳造したままの鋳片ではエツジ部及び表面
部分の温度が低すぎるので均熱加熱が必要であ
る。しかしながら加熱温度が1050℃未満であると
析出物の過剰な粗大化が起こり、1200℃を越える
と熱エネルギーの消費が増大する割に材料特性の
向上が小さいので、本発明の方法では加熱温度は
1050℃以上1200℃以下に限定した。 巻取温度: 本発明の方法では連続鋳造後の鋳片の表面温度
が800℃以上に保持されるように保温する等の鋳
片の温度履歴を特別に管理しているので、730℃
超820℃以下の高温巻取りを行つてもフエライト
粒の粗大化が生じない。巻取り温度が730℃以下
ではAlNの析出が不充分で、冷延鋼板製品のr
値が低くなり、他方、巻取り温度が820℃を越え
ると、酸洗性の劣下、コイルの変形等の問題が生
じる。従つて、熱間圧延時の巻取り温度を730℃
超820℃以下に限定した。 巻取り後の条件: 730℃超820℃以下で巻取つたコイルをそのまま
冷却すると、大気に晒されている外周、内周端縁
部は他の部分に比較して冷却速度が速く、冷延鋼
板の機械特性に不均一が生じる。コイルの全長を
通じて均一な特性を得るためには、一旦保熱して
コイル自身の持つ熱をコイル全体に均等に行き渡
らせた後に徐冷するのが望ましい。 均熱保熱のためには、保温カバー又は保温炉等
を用いる。 以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明のその他の特徴及び効果は以下の記載よりより
明瞭となろう。 実施例 (1) C:0.030%,Si:0.01%,Mn:0.16%,P:
0.008%,S:0.007%,Sol.Al:0.03%,Ti:
0.003%,N:0.0010%の成分を有するAlキルド
鋼を転炉溶製、真空脱ガス処理、連続鋳造によ
り、厚さ。 200mm、幅1240mmのスラブとしたものを試験に
供した。 連続鋳造直後のスラブを、直ちに保温炉に入れ
スラブの表面温度が、供試材(A)は1050℃、供試材
(B)は950℃、供試材(C)は850℃、供試材(D)は750℃、
供試材(E)は650℃のとき加熱温度を1130℃に設定
したスラブ加熱炉に装入し、30分後に取出して熱
間圧延した。熱間圧延は、仕上げ温度890℃、仕
上げ板厚3.2mm、巻取り温度780℃の条件で行つ
た。 このようにして得られたコイル酸洗により脱ス
ケール後0.8mm厚まで冷間圧延し、コイル表面を
観察した。 次いで、800℃、40秒の加熱、400℃、5分の過
時効処理を含む連続焼鈍を行い1.0%の調質圧延
をして、得られた冷延鋼板製品のr値を測定し
た。 第1表に結果を示すが、従来の方法に相当する
(D),(E)と、本発明による方法に相当する(A),(B),
(C)とを比較すると、本発明による(A),(B),(C)では
いずれもフエライト結晶粒の粗大化による外観不
良(光沢ムラ)は発生していない。尚、r値はど
の試片も良好な値を維持している。
に関する。 更に詳細には本発明は熱間圧延工程で高温巻取
りを行つて良好な深絞り性と表面性状を兼備した
冷延鋼板製品を製造しうる連続焼鈍用冷延鋼板母
材の製造方法に関する。 従来技術 冷延鋼板の連続焼鈍は処理時間が短く高強度の
製品が得られるため広く採用されている。しかし
ながら、連続焼鈍用冷延鋼板は成型性、特に深絞
り性が劣る傾向がある。 連続焼鈍される冷延鋼板において従来の箱焼鈍
による冷延鋼板に匹敵する深絞り性、すなわちr
値を得るにはその熱間圧延時に高温巻取りする必
要があることがよく知られており、実施されてい
る。この高温巻取りは、治金的にはAlNを粗大
析出させることに主眼があり、巻取り温度は高い
ほどAlNの粗大析出が進行し、連続焼鈍により
r値の高い冷延鋼板を得るに望ましい。 しかしながら、巻取り温度を高くすると、表面
スケールが生じ、脱炭により粒子の粗大化(フエ
ライト結晶の粗大化)がおこり、冷延鋼板の外観
を著しく損ねる。このため実際には巻取り温度を
700℃以下に押さえており、従つて、連続焼鈍で
は箱焼鈍で得られる製品に匹敵するr値のものは
製造出来なかつた。 発明の目的 本発明の目的は、上述の従来技術の問題点を解
決し、深絞り性の優れた冷延鋼板製品を与えうる
連続焼鈍用の冷延鋼板母材の製造方法を提供する
ことにある。 更に詳細には、本発明の目的は、連続焼鈍用の
冷延鋼板母材の製造方法において、その熱間圧延
時に高温巻取りを行い、表面が美麗で且つ冷延鋼
板製品が優れた深絞り性を示すような冷延鋼板母
材の製造方法を提供することにある。 発明の構成 そこで、本発明者らは連続焼鈍用冷延鋼板の母
材たる熱延鋼板の熱履歴とそれによる金属組織学
的変化を冷延鋼板製品の深絞り性との関連に於い
て長年研究を続けた結果、熱間圧延前の鋳片の熱
履歴を変更することにより、粒子の粗大化を防止
できる高温巻取り(730℃超820℃以下)を実現し
たものである。 本発明に従い、C:0.015〜0.015%,Mn:0.03
〜0.25%を含有するAlキルド鋼を連続鋳造し、鋳
片の表面温度が800℃未満にならないように保温
し、1050℃乃至1200℃の範囲の温度に均熱加熱
し、次いで熱間圧延後730℃超820℃以下の範囲の
温度で巻取りを行なうことを特徴とする連続焼鈍
用冷延鋼板母材の製造方法が提供される。 更に、本発明のもう1つの方法は、熱延コイル
を巻取つた後、そのコイルを均熱保持し、次いで
徐冷するのが好ましい。 尚、鋳片表面温度とは、連続焼鈍スラブの場
合、コーナー部等の特殊な部位ではなく、測温部
といわれる板幅中央部で測定した温度であり、材
料温度の制御の対象となる温度をいう。 実際には、鋳片の均熱保持は、連続鋳造から熱
間圧延までの間、鋳片を保温カバー又は保温炉等
で保熱することにより行われる。 本明細書中では成分パーセントは重量パーセン
トで示している。 次に、本発明の構成要件の限定理由を説明す
る。 C: Cは冷延鋼板製品の強度を得るのに必要な成分
である。特に0.015%未満では製品の強度が不足
するだけでなく連続焼鈍後の時効劣化が大きいの
で望ましくない。第1図は連続焼鈍後の製品を常
温に3カ月放置した時の伸びの劣化量と鋼中C量
との関係を示したがこの図よりも本発明の範囲に
C量を制御する必要があることがわかる。また
0.05%を越えると深絞り性が劣化する。従つて、
C量は0.015〜0.05%に限定した。 Mn: Mnは冷延鋼板製品の製造工程において熱間脆
性を防止する上で有効な成分であるが、0.03%未
満ではこの効果はなくまた0.25%を越えると深絞
り性が劣化する。従つて、Mnを0.03〜0.20%に
限定した。 さらに、本発明の製造方法に使用する鋳片は
C,Mnの他、Si,Ti,Al、及び他の合金元素、
更にP,S等の不純物を含有することができるの
は勿論である。 鋳片表面温度: 従来技術では連続鋳造鋳片は、一旦500℃乃至
600℃まで冷却し、これを1200℃以上に加熱して
熱間圧延する。鋳片表面温度が一旦800℃未満ま
で下がると、熱間圧延前に鋳片内にフエライト相
の発生が始まり、これがAlNやMnSなど析出物
の粗大化、即ち析出粒子の粗大化を起し、高温巻
取時のフエライト粒の粗大化を助長し、その結果
冷延鋼板製品の表面性状が著しく劣化する。 しかし、本発明により、連続鋳造後、熱間圧延
までの鋳片表面温度を800℃以上に保つことで、
フエライト相の析出は鋳片冷却時ではなく、高温
巻取り時に起こるため析出粒子は微細に析出し、
これによつてフエライト結晶の粗大化が防止でき
る。 鋳片加熱温度: 連続鋳造したままの鋳片ではエツジ部及び表面
部分の温度が低すぎるので均熱加熱が必要であ
る。しかしながら加熱温度が1050℃未満であると
析出物の過剰な粗大化が起こり、1200℃を越える
と熱エネルギーの消費が増大する割に材料特性の
向上が小さいので、本発明の方法では加熱温度は
1050℃以上1200℃以下に限定した。 巻取温度: 本発明の方法では連続鋳造後の鋳片の表面温度
が800℃以上に保持されるように保温する等の鋳
片の温度履歴を特別に管理しているので、730℃
超820℃以下の高温巻取りを行つてもフエライト
粒の粗大化が生じない。巻取り温度が730℃以下
ではAlNの析出が不充分で、冷延鋼板製品のr
値が低くなり、他方、巻取り温度が820℃を越え
ると、酸洗性の劣下、コイルの変形等の問題が生
じる。従つて、熱間圧延時の巻取り温度を730℃
超820℃以下に限定した。 巻取り後の条件: 730℃超820℃以下で巻取つたコイルをそのまま
冷却すると、大気に晒されている外周、内周端縁
部は他の部分に比較して冷却速度が速く、冷延鋼
板の機械特性に不均一が生じる。コイルの全長を
通じて均一な特性を得るためには、一旦保熱して
コイル自身の持つ熱をコイル全体に均等に行き渡
らせた後に徐冷するのが望ましい。 均熱保熱のためには、保温カバー又は保温炉等
を用いる。 以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明のその他の特徴及び効果は以下の記載よりより
明瞭となろう。 実施例 (1) C:0.030%,Si:0.01%,Mn:0.16%,P:
0.008%,S:0.007%,Sol.Al:0.03%,Ti:
0.003%,N:0.0010%の成分を有するAlキルド
鋼を転炉溶製、真空脱ガス処理、連続鋳造によ
り、厚さ。 200mm、幅1240mmのスラブとしたものを試験に
供した。 連続鋳造直後のスラブを、直ちに保温炉に入れ
スラブの表面温度が、供試材(A)は1050℃、供試材
(B)は950℃、供試材(C)は850℃、供試材(D)は750℃、
供試材(E)は650℃のとき加熱温度を1130℃に設定
したスラブ加熱炉に装入し、30分後に取出して熱
間圧延した。熱間圧延は、仕上げ温度890℃、仕
上げ板厚3.2mm、巻取り温度780℃の条件で行つ
た。 このようにして得られたコイル酸洗により脱ス
ケール後0.8mm厚まで冷間圧延し、コイル表面を
観察した。 次いで、800℃、40秒の加熱、400℃、5分の過
時効処理を含む連続焼鈍を行い1.0%の調質圧延
をして、得られた冷延鋼板製品のr値を測定し
た。 第1表に結果を示すが、従来の方法に相当する
(D),(E)と、本発明による方法に相当する(A),(B),
(C)とを比較すると、本発明による(A),(B),(C)では
いずれもフエライト結晶粒の粗大化による外観不
良(光沢ムラ)は発生していない。尚、r値はど
の試片も良好な値を維持している。
【表】
実施例 (2)
C:0.020%,Si:0.01%,Mn:0.12%,P:
0.008%,S:0.011%,Sol.Al:0.02%,N:
0.0012%の成分を有するAlキルド鋼を転炉溶製、
真空脱ガス処理、連続鋳造により、厚さ200mm、
幅1340mmのスラブとしたものを試験に供した。 連続鋳造直後の表面温度1110℃のスラブを、直
ちに保熱し、次いで10分間放冷のまま運搬した
後、1150℃に保熱したスラブ加熱炉に装入した。
このときのスラブの表面温度は900℃であつた。
この加熱炉で50分間均熱加熱の後、熱間圧延を行
つた。熱間圧延は、仕上げ温度860℃、仕上げ板
厚3.6mmとし、巻取り温度は680℃(比較例)及び
760℃(本発明の範囲)と2つの異なる条件で行
つた。また、コイル巻取り後も放冷したものと、
保熱カバーをかけて徐冷したものとを比較した。 更に、従来方法との比較のために、同一成分を
有するAlキルド鋼を、連続鋳造後約500℃まで放
冷し、次いでこれを1250℃で40分間均熱後に、仕
上げ温度860℃、仕上げ板厚3.6mm、巻取り温度
680℃及び750℃で熱間圧延し、巻取り後のコイル
は放冷したものと、保熱カバーをかけて徐冷した
ものとを比較した。 これらを酸洗後0.8mmまで冷間圧延し、実施例
(1)と同様の連続焼鈍を行つた。
0.008%,S:0.011%,Sol.Al:0.02%,N:
0.0012%の成分を有するAlキルド鋼を転炉溶製、
真空脱ガス処理、連続鋳造により、厚さ200mm、
幅1340mmのスラブとしたものを試験に供した。 連続鋳造直後の表面温度1110℃のスラブを、直
ちに保熱し、次いで10分間放冷のまま運搬した
後、1150℃に保熱したスラブ加熱炉に装入した。
このときのスラブの表面温度は900℃であつた。
この加熱炉で50分間均熱加熱の後、熱間圧延を行
つた。熱間圧延は、仕上げ温度860℃、仕上げ板
厚3.6mmとし、巻取り温度は680℃(比較例)及び
760℃(本発明の範囲)と2つの異なる条件で行
つた。また、コイル巻取り後も放冷したものと、
保熱カバーをかけて徐冷したものとを比較した。 更に、従来方法との比較のために、同一成分を
有するAlキルド鋼を、連続鋳造後約500℃まで放
冷し、次いでこれを1250℃で40分間均熱後に、仕
上げ温度860℃、仕上げ板厚3.6mm、巻取り温度
680℃及び750℃で熱間圧延し、巻取り後のコイル
は放冷したものと、保熱カバーをかけて徐冷した
ものとを比較した。 これらを酸洗後0.8mmまで冷間圧延し、実施例
(1)と同様の連続焼鈍を行つた。
【表】
第2表に結果を示すが、スラブ表面の最低温度
が800℃未満に下がらず、且つ巻取り温度が730℃
超820℃以下の範囲内にある供試材H,Iのみが、
高いr値と良好な外観を両方備えている。 また、巻取り後のコイルを放冷或いは保熱した
結果を比較すると、保熱したものは、端部と中央
部でのr値の差が少ないことがわかる。 尚、巻取り後のコイルを放冷した供試材Gが、
従来の連続焼鈍用冷延鋼板母材の製造方法相当す
るが、冷延鋼板の表面性状は良好であるがr値が
1.3〜1.4と低い。 発明の効果 以上詳述の如く、本発明の方法に従うと、連続
鋳造工程と熱間圧延工程との間で鋳片の冷却を行
うことなく熱エネルギーを節約するとともに、従
来不可能であつた連続焼鈍による良好な表面性状
と深絞り性とを兼備した冷延鋼板を提供すること
に成功したものである。 このように、本発明による方法に従つて製造さ
れた冷延鋼板は、良好な外観、高いr値及び均一
な材質をすべて備えた好ましいものである。
が800℃未満に下がらず、且つ巻取り温度が730℃
超820℃以下の範囲内にある供試材H,Iのみが、
高いr値と良好な外観を両方備えている。 また、巻取り後のコイルを放冷或いは保熱した
結果を比較すると、保熱したものは、端部と中央
部でのr値の差が少ないことがわかる。 尚、巻取り後のコイルを放冷した供試材Gが、
従来の連続焼鈍用冷延鋼板母材の製造方法相当す
るが、冷延鋼板の表面性状は良好であるがr値が
1.3〜1.4と低い。 発明の効果 以上詳述の如く、本発明の方法に従うと、連続
鋳造工程と熱間圧延工程との間で鋳片の冷却を行
うことなく熱エネルギーを節約するとともに、従
来不可能であつた連続焼鈍による良好な表面性状
と深絞り性とを兼備した冷延鋼板を提供すること
に成功したものである。 このように、本発明による方法に従つて製造さ
れた冷延鋼板は、良好な外観、高いr値及び均一
な材質をすべて備えた好ましいものである。
第1図は連続焼鈍板の製品を常温で3カ月放置
した時の伸びの劣化量と鋼中C量との関係を示し
た図である。
した時の伸びの劣化量と鋼中C量との関係を示し
た図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.015〜0.05% Mn:0.03〜0.25% を含有するAlキルド鋼を連続鋳造し、鋳片の表
面温度が800℃未満にならないように保温し、
1050℃乃至1200℃の範囲の温度に均熱加熱し、次
いで熱間圧延後730℃超820℃以下の範囲の温度で
巻取りを行なうことを特徴とする連続焼鈍用冷延
鋼板母材の製造方法。 2 C:0.015〜0.05% Mn:0.03〜0.25% を含有するAlキルド鋼を連続鋳造し、鋳片の表
面温度が800℃未満にならないように保温し、
1050℃乃至1200℃の範囲の温度に均熱加熱し、次
いで熱間圧延後730℃超820℃以下の範囲の温度で
巻取りを行い、巻取つたコイルを均熱保持し、徐
冷することを特徴とする連続焼鈍用冷延鋼板母材
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18329483A JPS6075519A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 連続焼鈍用冷延鋼板母材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18329483A JPS6075519A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 連続焼鈍用冷延鋼板母材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6075519A JPS6075519A (ja) | 1985-04-27 |
JPH0124207B2 true JPH0124207B2 (ja) | 1989-05-10 |
Family
ID=16133140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18329483A Granted JPS6075519A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 連続焼鈍用冷延鋼板母材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6075519A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000042052A (ko) * | 1998-12-24 | 2000-07-15 | 이구택 | 콘크리트 강섬유용 고강도 선재의 제조방법 |
KR100398390B1 (ko) * | 1998-12-24 | 2003-12-18 | 주식회사 포스코 | 성형가공성이우수한콘크리트보강용강섬유선재의제조방법 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58151426A (ja) * | 1982-03-04 | 1983-09-08 | Kawasaki Steel Corp | 面内異方性の小さい缶用極薄鋼板の製造方法 |
-
1983
- 1983-09-30 JP JP18329483A patent/JPS6075519A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58151426A (ja) * | 1982-03-04 | 1983-09-08 | Kawasaki Steel Corp | 面内異方性の小さい缶用極薄鋼板の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6075519A (ja) | 1985-04-27 |
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